地獄ではない轟家   作:黄昏の跡地

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また連続投稿してるよこのアンポンタン


個性把握テスト

 

時期は過ぎていき春……私は真新しい雄英の制服に袖を通し荷物を持って足早に家を出るようにした。なんでかって?あれと会話するどころか顔見るのすら嫌になったからよ

 

「行ってきます」

「行ってらっしゃい……忘れ物は?」

「無いから平気」

 

新調したローファーを履いて玄関を出る……どうせあいつはちょっと遅れて出るだろうし通学路で顔合わせるなんてことは万に一つもないし

 

「(今から軽く走って行けば8時には間に合う計算ね、身体温める次いでに向かおう)」

 

腕時計を見ながらそう思い私は歩を早めて雄英へと向かう……桜舞い散る中新しい道で学校に行くのはこれまた新鮮だった

 

「……ん?あれは」

 

見慣れた暗い緑色の髪をちょうちょ結びにして猫背になっていた女の子……梅雨ちゃんだ連絡先聞いてなかったからあれだけどちゃんと合格できたんだ

 

「梅雨ちゃーん!」

「ケロ?吹雪ちゃん、あなたも合格したのね」

「ふふーん首席でございますよ!」

「凄いわね……折角だし一緒に行きましょ?」

「良いよぉー」

 

この春休みの間はまあまあ空気ピリついていたから梅雨ちゃんのホワホワが染みる……にしても梅雨ちゃんすっごいニコニコしてる

 

「梅雨ちゃん嬉しそうだね」

「そんな顔してたかしら?」

「うん、凄くニコニコしてた」

「ケロケロ、暖かいからね……吹雪ちゃんは暖かいのと寒いのどっちが好き?」

「んー……強いて言うなら寒い方かな?山でスキー出来るし」

 

実は趣味にスキーとスノボを嗜んでおりましてね?風感じれるから結構楽しいのよあれ

 

「場所は問わないとはいえヒーローは常に状況を選べないものね」

 

そう……ヒーローは過酷な現場に出ることがある……市街地工場雪山に海上空中泥中砂漠……あらゆるフィールドを駆け抜けて敵を捕まえる仕事でもある、だからこそあの時の焦凍の発言は許せなかった

 

「……吹雪ちゃん、顔が怖いわよ?」

「っ!?ああごめん、ちょっと考え事しちゃってて……あっ着いた!」

 

改めて正門に立つ……うん大っきい

 

「……行きましょ」

「うん、行こう」

 

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「A組だったね」

「ええ、同じクラスになれるのが嬉しいわ吹雪ちゃん……ここね」

 

教室に着いた私達が見た扉はとても大きく恐らく異形型の子でも入れるように配慮されたバリアフリー設計なのだろうが……にしては

 

「「……デカイ」」

 

……私と梅雨ちゃんの持った感想は同じのようね、そりゃこれだけの大きさだとこの感想しか出てこないよね……まあとりあえず入ろう

 

「……あっ結構来てる」

「そうね、それじゃあまた後でね」

「ほぉーい」

 

そう言って自分の席に座ろうとしたら入試の時に痴態だのなんだの言っていたメガネ君がこっちに来た……ええこれも同じクラスなの?

 

「む?やあ2人とも!おはよう!ぼ……俺は聡明中学出身の飯田天哉だ!よろしく頼む!」

「飯田ちゃんね、私は蛙吹梅雨よ……梅雨ちゃんと呼んで」

「お久だねぇメガネ君……まさかここで会うとは思わなかったなぁ私……私は轟吹雪、宜しくね?」

「……っ!ああもしかしてあの時俺を諭してくれた子か!あの時は本当に済まなかった!それに救助ポイントの件もそうだ……当たり前に気付けないのに加えてもしもの可能性を考慮しなかったのは失態だ!」

「や、別にそこまで言えとは言ってないから気にしないで?ね?これからはクラスメイトだからよろしくね?飯田君」

 

そう言って私は手を差し出す……まだ自分の反省点を見ているのなら仲良くする価値はあると思った

 

「ああ、よろしく頼む!」

「……にしてもその挨拶毎回やってるの?皆に」

「ん?自分のことを簡潔に分かりやすく伝えるのはいい事だと思うが?」

「だとしても出身中学まで言う必要無くない?」

「そ……そうか」

 

粗方話した私は自分の席に座ることにした、窓際の1番前とはまあ何とも目立つ場所だこと……温いなぁ

 

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時間になるまで日向ぼっこを楽しんでいると後ろの方でドカッと音が聞こえたから後ろを振り向くと……ええ

 

「……合格できたんだ君」

「ああ?っ!?てめぇあん時の!んでこのクラスにいんだよ!」

「いやそれ私のセリフなんだけど?その顔と言動で落とされたかと思ったわよ」

「っち!首席じゃねぇしあのクソデクも合格してやがるしどうなってやがんだ……てめぇ次俺の邪魔したらぶっ殺してやるからな?」

「やれるもんならやってみろよ爆発さん太郎がよ……キャンキャン吼える位しかやる事ないんだったら黙っててくれる?焼き殺すぞ」

「コラコラ2人とも!物騒なこと言わない!」

「こちとらただでさえ機嫌悪いんだ吠えるしか脳のないやつは大人しく黙ってやがれ」

「……だ、だとしても喧嘩腰は良くない、深呼吸して落ち着きたまえ」

 

……まあそれもそうね、こんな所で熱くなってたらパパと燈矢兄になんて言われるか分かったものじゃないわね反省しよ

 

「……そろそろ良いか?」

「ん?……あっイレイザーが先生ですか?よろしくお願いします」

 

全然気付かなかったけど相澤先生いたんだびっくりした。相変わらずのミノムシスタイルだ事

 

「はい、静かになるまで1分近くかかりました……合理性にかけるね君らは。担任の相澤だよろしく」

 

((((((担任だったんだ))))))

 

「早速で悪いんだけどこれに着替えてグラウンドに来なさい」

 

……あれ?入学式は?

 

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横に掛けてあった体操着を持って更衣室に来ております……思ってたより女子少ないなぁ

 

「あっ折角だからさ!女子だけで自己紹介しようよ!来たばっかの子らいるしさ!まず私ね!名前は芦戸三奈!個性は強酸でなんでも溶かせる!」

「ケロ、急ね……蛙吹梅雨よ、梅雨ちゃんと呼んで。個性は見た通りカエルでカエルらしいことはなんでも出来るの」

「う……麗日お茶子って言います。個性は無重力で許容範囲ならなんでも浮かせれる」

「ウチは耳郎響香、個性はイヤホン=ジャック」

「……轟吹雪、個性は蒼氷炎」

「葉隠透って言いまぁーす!個性は見たまんま透明化!宜しくね!」

「八百万百と申しますわ、個性は創造で物質ならなんでも作れますわ!」

 

……うーん、個性的!なんだってこうも個性的な面々なのかねぇ?

 

「ねえねえ吹雪ちゃん!蒼氷炎ってどんな個性なの?」

「……文字通り氷と炎を扱える個性で色が青いの」

「青?」

「端的に言えば出力が初期段階から高いってこと……こんな感じにね」

 

片手に炎を灯して見せる、焦凍やパパ以上燈矢兄未満のその火力は一線級の攻撃力を秘めているがまだまだ荒削りでしか無かった

 

「元の温度が高いということでしょうか?」

「……考察は後、お先に」

 

時間見たけど若干やばい気がしたからさっさと移動することにしたため下だけ着替えて上はTシャツのままグラウンドへと向かいながら上を着る……あっ意外と着心地いい

 

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『個性把握テストぉ!?』

「入学式は!?ガイダンスは!?」

「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間ないよ、雄英は”自由”な校風が売り文句……それは教師側も同様だ」

 

……ああだからママたち着替えてなかったのか納得

 

「中学の頃からやってるだろ?個性禁止の体力テスト、国は未だ画一的な記録をとって平均を作り続けていて合理的じゃない……ま文部科学省の怠慢だ」

 

怠慢て……いやまあこの個性社会より優秀な個性があればこそより上へ登れるんだろうけどだとしてもそういう言い方は無いでしょうよ

 

「首席は轟姉か、中学ん頃のソフトボール投げ何mだった?」

「あっ……えっと確か40ジャストだったはずです」

「なら円に入ってこれ投げろ……もちろん個性ありでな?円からはみ出なきゃ何してもいいから」

 

そう言われて円に入りつつ先生からボールを貰う……後ろから殺意マシマシの気が二箇所感じるけど無視無視、私は氷弓を作りボールを氷の矢の中に組み込み距離を図る

 

「……目測2000mかな?」

「ん?何のだ?」

 

測り終えて矢を構えギリギリと氷の弦が引き絞られる音と共に集中する……狙いを定めつつ炎を高圧縮し……放つ

 

「射抜きなさい、【ディバインアロー】!」

 

炎の勢いと共に氷は亜音速に入りソニックブームを巻き起こし狙いを定めていた木に矢が突き刺さる音と共に先生の手元にある計測器から音が聞こえる

 

「……まずは自分の最大限を知る、それがヒーローの素地を形成する合理的手段だ」

 

そう言って先生がみせてきた計測器には私の予測通り2000.0mと記載されていた……やりぃドンピシャ

 

「……す」

『すげぇ!』

「本当に2000m叩き出しやがった!」

「個性思いっきり使えるんか!」

「面白そう!」

 

あっ……しーらない

 

「面白そうか、ヒーローになる3年間そんな腹づもりで過ごす気か?よしならトータル最下位の者は見込み無しって事で除籍処分としよう」

『……はぁ!?』

「生徒の如何は教師の自由……ようこそ、ヒーロー科へ」

 

 

 

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こっからはダイジェストーだって長いんだもん

 

50m走

 

「おっ吹雪ちゃんとだ!宜しくね!」

「ん、宜しく」

 

《位置について……よーい……スタート》

 

両手と両足から炎を噴射して4秒ジャストでしたけど飯田くんに負けました……誰もいなかったらもうちょい出力出せるんだけどなぁ

 

立ち幅跳び

 

「……轟姉お前何時まで浮いてられる?」

「その気になればほぼ永続的に」

「んじゃあ無限な?」

『無限出たァ!』

 

持久走

 

《轟吹雪、1分05》

 

『はっや!』

「す……スクーターが負けましたわ」

「それどころか俺のエンジンすら越したぞ?」

 

……これもしかしてだけど50m走余計なことしなかったらもっと早かったのでは?

 

握力

 

「んー……ぷはぁ!」

「……吹雪ちゃんもしかして握力ふわふわ?」

「言わないで結構気にしてるんだから」

 

記録、両手ともに17.0

 

反復横跳び

 

「ほっほっほっほっ……」

 

75回……うーん普通だった

 

上体起こし

 

「ふっふっふっふっ……」

 

記録62……うん、これも普通

 

長座体前屈

 

「はにゃあ〜」

「……猫?あっでもすごい柔らかい!」

 

良き良き

 

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そして回り回ってソフトボール投げに戻ってきました、私は一投目の記録は取れたんで2投目を構えていた。ちなみに待機時間を利用して自己紹介タイムは終わりました

 

「んー……ぶっとべぇ!」

「……765.8m」

「ありゃ、やっぱディバインアローの方の記録が大きいか」

「なんであんなに飛んだんだ?」

「空気抵抗を極限なまでに減らしつつ炎で加速させてるからよ……弓って結構イメージしやすくてさ」

「へぇー……轟さんってなんかやってたの?」

「えっとぉ弓道剣術含む剣道槍棍薙刀キックボクシング柔道合気道はやってた」

『多い多い』

 

とは言うけど……柔道握力無さすぎて辞めちゃったんだよねぇ履歴書に書いちゃったけどまあなんとかなるなる

 

「んじゃあパパっと結果発表な?あっ除籍処分は嘘な?」

『……は?』

「君らの実力を知るための合理的虚偽」

『はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???』

「当たり前じゃないですか……ちょっと考えればわかることでは無いんですの?」

「やぁーそうは言いきれないよ?百ちゃん……抹消ヒーロー【イレイザーヘッド】、総合除籍数は何と150回を越えるガチモンの人だよ……噂じゃ去年の先輩ら一人残らず除籍処分したとかなんとか」

 

『……え?』

「まっ見込みあるって事でしょ?除籍処分を撤回したのは」

「まあそういうこった、着替えて教室戻れよ?配布物置いてあるから確認をして解散……いいな?」

『はっはい!』

「んじゃ、お疲れ様」

 

 

初日から波乱万丈だなぁ





最近になってちまちまと原作履修しはじめてます……アニメ版の方どうしよっかな?
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