地獄ではない轟家   作:黄昏の跡地

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久方ぶりの燈矢視点です、後半は他の場所に飛ばされた面々が早々に抜けたところになります


割かしガチ目の兄妹喧嘩

 

 

 

数日前……

 

「は?特別講師?」

「ああ、数日後に救助訓練があるそうなんだがそれに乗じてヴィラン襲撃対応訓練を行うそうだ……それでトムラらとインターンのトガくん、それとお前に指名が来た」

「吹雪らにはその話は?」

「していない、流石にネタバレされたら訓練にもならんだろ」

 

おいおい……また俺に荼毘になれって言うのか?この親父はよォ……ただでさえいい思い出なんてないんだしよぉ

 

「お前からしたらロクな思い出もないのは重々理解はしている、だがもし仮にこっちでもお前が荼毘になった場合唯一止められる可能性があるとするなら俺か吹雪の2人だけだ」

「ある訳ねぇっての……つか極端すぎんだろ」

「それほどお前が成長したと言うことだ、荼毘を再現した耐火用特殊スーツと髪染めも既に用意出来ているから」

「用意良すぎんだろ……はぁ」

 

 

 

 

 

 

今のうちにご機嫌直し用に何か用意しときますかねぇ

 

 

 

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なんてことがあってヴィラン役【荼毘】としてまたちょっと活動することになった……ぜってぇ泣き付かれる未来しか見えねぇけど仕事だから割り切ろう、うん

 

「燈矢……兄?」

「燈矢?知らねぇ名だな、折角だし自己紹介させてもらうぜ……俺は荼毘、ヴィラン連合の荼毘だ」

 

弔のやつの前でやったように鎖骨の上付近で腕を構えて自己紹介する、なんで毎度の事ながらこういうのは覚えてるのかねぇ?

 

「嘘よ……嘘よ!燈矢兄がヴィランな訳ないよ!目を覚ましてよ!」

 

ぐあぁぁ!!??心苦しい!涙目になって呼び掛けてくる吹雪に今すぐ抱き締めてなでなでしてやりてぇ!今すぐお兄ちゃんだぞって言いながらハグの構えしてやりてぇ!……けど我慢、我慢だ。今の俺は至極悪い!ヴィラン連合の連続放火犯の荼毘だ!

 

「目ェ覚ますもなにも俺は俺だ……んじゃあ、死ね!」

 

片手から炎を放ち攻撃をすると横に飛んで回避した……んまあ避けられるのは前提だしなこれ

 

「なんで……なんでこんなことを」

「なんでもクソもねぇぞ?まあ俺はオールマイトにゃ興味ねぇが……エンデヴァーの歪む顔が拝めるってんなら喜んで参加するさ!そら来いよ!」

 

2発目を放つと覚悟を決めたのか薄く氷を張って炎をかき消す……は?いやいや待て待て一瞬とはいえ俺の炎をあのうっすい氷で防御して無傷とかどんだけ硬ぇんだ?あれか?圧縮してんのか?親父どんな教育したんだよ

 

「燈矢兄……私が絶対止める……この命にかえても!」

 

かえなくていい!かえなくていいから!つかこれ演習だぞ!?んな覚悟ガンギマリな顔されてしまったらお兄ちゃん困る!

 

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一方その頃……エントランスにて

 

 

「さぁーて全員ちゃんと対処できるかな?」

「生徒の皆様方の心配はしたいけど折角頑張って作ったUSJが消し飛ばないか怖い」

「まあそこは出方次第だろうな……おい白雲お前悪役似合ってなかったぞ」

「あっひっでぇ!」

「……吹雪と燈矢大丈夫だろうか」

「エンデヴァーさん流石に心配し過ぎですよ……実際どうなんすか?」

「一度決めれば進むんだが如何せん身内が敵だと知ったら暫くは狼狽えるだろうが……あ」

「あー、覚悟決めましたねあれ」

「スゥー……詫びの品を用意しておこう」

 

 

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戦闘開始から約30分くらいか?全然失速しねぇ……どんだけスタミナ強化させ続けたんだよあの親父

 

「(氷の精度がやたらと良すぎる、炎も収束しての放出はまだまだとはいえ我流でここまで来たら俺越えられるな普通に……今世じゃ炎に耐性ある俺でもこれ乗り切れるか?)そらよ!」

 

様子見もそこそこにしつつジェットバーンやバニシングフィスト、イグナイテッドアローを放って見るが悉く氷に阻まれて防がれる……いやバニシングとジェットバーン受け止めれる程の氷結って何さ?

 

「(ん?急に止まった?今度は何する気だ?)」

「……【氷天牙月】」

 

なにか呟いたと思ったら辺り一面が氷の世界になった……恐らく高密度に圧縮されたであろう冷気が炎を全て凍てつかせたんだろうけど……正直言っていい?くっそ寒い

 

「行きます」

 

そう言って氷で棍を作って突撃してきた、まあそりゃそっか自分にとって有効なフィールドに出来たんだから近接戦仕掛けてくるわな

 

「(あっぶね!1発1発がほぼ必殺級に飛んで来やがる!これ啓悟のやつも巻き込ませた方が良かったか?)」

 

そう考えるが不意に妹の旦那のニヤケ顔を想像してしまいムカつくが頭を振って切り替える。薙刀、槍、剣、弓とバラバラのタイミングで武器の切り替えをしながらゴリゴリに詰めては後ろに下がって矢を大量にばら撒かれて回避先を悉く潰されていく……詰将棋意外と上手いな

 

「(そりゃ親父仕込みだから詰将棋も出来るわな……これちょっとこっちもギア上げねぇとキツそうだなっと!)」

 

バニシングフィストを放つが向こうもバニシングを撃って相殺しつつ氷で追撃してくる……もし仮に焦凍が親父の鍛錬ちゃんとやってたらこんぐらい強くなってたんだろうなって考えが頭によぎるけどあいつ半分しか使えねぇからな、両方放てれる吹雪の方が向いてんのかこういう戦い方は

 

「(朧は流石に使えねぇし……まあ純粋に火力と筋力差で何とかやるっきゃねぇなぁ!)ってしまった!」

 

諸々考えながら戦闘しいてると思いっきり蹴り飛ばしてしまい廃ビルに激突した……これ大丈夫か?

 

ガラガラ……「ゲホッ!ゲホッ!……プッ!」

 

なんか物凄い睨まれてる……ってあれキレてる!?蹴っ飛ばしたの相当頭に来てるな!?

 

「グボォッ!?」

 

恐らく赫灼熱拳 燐を併用した加速だろう、一瞬にして間合いを詰められてえげついぐらい鋭い蹴りが刺さって俺も吹っ飛ばされた……めっちゃ痛ぇ

 

「(いって……あぁ!?あんの野郎してやったりみてぇに笑ってやがる!挑発してやがんのかあいつ!?)」

 

頭から血を流しながらも不敵に笑うその姿は過去の俺を想起するがそれはそれとしてなんかムカついてくるな……

 

「おいクソ兄貴いい塩梅で目ぇ覚めたか?ええおい」

「(ムカァ!)んだとてめぇ!よぉーしわかった解らせてやるよ今すぐにな!」

 

お互い周囲を吹き飛ばさんとするほど爆炎を纏い燐と朧を最大出力で入れ直した……もう知らねぇお前がその気なら気が済むまでやり合うぞ

 

「「ぶっ殺してやる!」」

 

そう言うと天井をぶち抜く勢いで火が立った……後で13号先生に謝っとかねぇと

 

 

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水難ゾーン:蛙水・峰田・緑谷・麗日

 

「何とかなったわね」

「デクくん、指大丈夫?」

「うん、まだ動けるから大丈夫」

「今日は快便だったから一日はあのまんまだぜ!」

 

 

ズドォォォォォォォン!!!!!

 

 

「「「「……ん?何今の?」」」」

「今……気のせいじゃなかったらいいのだけど、とてつもない火柱が立たなかったかしら?」

「……痛みのせいで現実なのは明白だよ梅雨ちゃん」

「て……天井ぶち抜いてる……ヤバすぎるだろ」

「て言うかあそこ火災ゾーンやん!吹雪ちゃんもしかして本気でやってるの!?」

「「「「……」」」」

「と……兎に角広場に戻ろう、もしかしたら先生たちもまだ戦ってるかもだし」

 

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山岳ゾーン:尾白・上鳴・八百万・耳郎

 

「ふぅ……みんな大丈夫?」

「はい、大丈夫ですわ」

「は……発育の暴力って!男子は見ないで!」

「また創り直せばいいだけですからお気になさらず」

「ウェ?」

 

ズドォォォォォォォン!!!!!

 

「「「……」」」

「……待って今物凄い火柱が隣から出なかった?」

「出ましたわね……恐らく吹雪さんなんでしょうが」

「うっわぁ……天井ぶち抜いてる」

「ウェ、ウェーイ」

「一先ずヤオモモは前隠して先に!その後広場行こ!」

「火災ゾーンではなく?」

「ウチらが行っても足手まといになるかもしれないじゃんか!」

「……そうだね、広場に行こう。もしかしたら皆そっちに行ってるかもだし」

 

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土砂ゾーン:飯田・轟・葉隠・砂糖

 

「わ……わぁー」

「……弱っちぃなこいつら」

「俺ら出る幕ねぇじゃん」

「だがこの辺りの安全は確保出来たはずだ……広間に向かおう!恐らくみんな其方に集まるだろうし」

 

ズドォォォォォォォン!!!!!

 

 

「……何今の!?」

「えげつねぇ火柱……」

「轟さんか?恐らく火災ゾーンの方向からだ!」

「行く必要性ねぇだろ……」

「あっちょ!?轟くん!?」

「おい置いてくな!」

「心配だが……済まない轟さん!」

 

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倒壊ゾーン:爆豪・切島・芦戸・瀬呂

 

「ちっ!張り合いがねぇな」

「お前意外と冷静なんだな」

「んだとテメェら!俺ァ至極冷静だ!」

「まあ普段から死ね死ね言ってるからそっちの印象しかねぇんだよなぁ」

「確かに……キレてばっかな感じ?」

「テメェらのボキャブラリはどうなってんだ!……さっさと広間行くぞ!」

 

ズドォォォォォォォン!!!!!

 

「「「……なんじゃ今の火柱!?」」」

「こっから見えるレベルにデケェ火柱って何事だよ!」

「つか火の色青くなかったか?」

「はっ!じゃああそこに吹雪が居るってこと!?」

「んなやつにかまけてる暇ねぇだろうが!さっさと広間行くぞ!」

 

 

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エントランス:イレイザーヘッド・13号・トムラ・オールマイト・エンデヴァー

 

「すみません、遅れました」

「いや、ちょうどいいタイミングで来てくれたよ華くん」

「時間ピッタシだから気にしなくていいよ姉ちゃん……にしても演習とは言え全員はっ倒されるとはな、イレイザーの教育がいいのか?」

「アイツらが勝手に競ってるだけだ」

「あぁ〜僕のUSJがぁ……」

「……修理費は半分こちらで受け持とう……だから元気を出せ13号」

「そうだよ、壊れたのならまた直せばいいだけさ!」

「そういう話ではないんですよお二方!!」

 

ズドォォォォォォォン!!!!!

 

「「「「「あっ……」」」」」

「……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???火災ゾーンが吹き飛んだぁ!?」

 

「……と……燈矢ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!吹雪ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!

 

「えげつないレベルの火柱立ったな今」

「白熱しすぎだよもぉー……はぁーあ事後処理がまた面倒くなるじゃんかぁ!」

「て……天井もぶち抜いたね綺麗に」

 

 

 

 

 

「……生徒もいい具合に集まってきたみたいだし、そろそろフィナーレと行こうか?オールマイト」

「そうだね、手は抜くけど敵役は割と初めてだから緊張するよ」

 

 




現在の世界線と当作のif世界線の違いとして父エンデヴァーが平等に見てくれた為炎と氷の出力が馬鹿みたいに高くなってます

……最初期の設定だと原作軸のまま父親に憎悪しまくって氷しか使わないって感じだったんだけど結局炎と氷の二刀流にしました
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