ある路地裏の奥の奥、ぽつんと存在している事務所があった
『クックックッ。』
その建物の主は〈黒服〉観察者でもあり、探求者でもあり、研究者でもある大人である。
だが実際にはこうである
『クックッック、、、、、』(前回の戦闘の筋肉痛がいたい、、、、)
観察者(笑)でもあり探求者でもあり(あんま探求してない)研究者でもある(だらけている)おまけに転生者である
前回、依頼によって無茶な戦い方をした黒服は腰を痛め、筋肉痛に悩まされている。
(
(でもフィクサーって力がすべてみたいな所あるし、、、、、自分の特技なんて、、、、、、!)
(あるじゃんこの都市で欲しがられる物が!)
「黒服、あんたえげつないもの作るわね」
『イオリさんがそう言うレベルの物ですか?』
「いやいや、まあ需要は腐るほどあるだろうさ、
そう、ホシノに使った契約書を元に神秘と恐怖で〈契約〉を定義づけた契約書である
後々似たような奴出てくるしダイジョブでしょ byクソ骸骨
『大まかな内容は自分だけが書き換えることが出来ます、悪用されることはないかと。』
「売りに出すのかい?」
『食いつきが強いですね。売りには出しますが少し効果は薄めます、流石に強すぎるので』
〈契約〉を〈約束〉に定義すればより効果の薄い物がつくれる
まずは様子見から、需要が高まればより効果の高い契約書で釣り出して顧客を増やす
「この契約書の存在を公にして特許持ってしまえばいくらか楽になるさね、こんな物を隠し持ってたら恨みも買いやすい」
『一旦フィクサーの方はお休みしようかなと思います、契約者としてのキャリアを作ってからのほうが何かと楽になりそうなので』
「こっちの方でも宣伝するさ、何枚か譲ってくれない?」
『どうぞ、私よりフィクサーの位が高いイオリさんに任せておけばより良い依頼人に出会えそうです』
さて、この契約書を使ってコツコツと契約をたてるのもいいが、この都市には契約の一大イベント的な事がある
権利と技術の奪い合い、契約するために出かけたら明日にはそいつが取引される側になっているかも知れない。
技術は金を生むため似たようなものが出たり、パクられて先に特許取られるとかもあるのだとか
そのために特許を取る。取れば似たようなもの出たり、権利の侵害があっても警告を出してくれるのだ
それが多くなる期間が特許戦争である
「契約だあ?フィクサー同士や工房関係ならウーフィ協会やハナ協会が出てくるけどよお、優先度が低い案件は専用の契約書が渡されるんだ。」
「黒服に会ったあの依頼がそうだな、でかい組織じゃないなら契約代行なんてしてもいいと思うけどよ。」
「特許戦争はずっと起きてないな、そろそろあるかなってところだ。名のある契約事務所がソワソワしだしてるだろうな。」
これは幸先が良い、特許戦争が起こりそうなら特許を取りたい会社や研究所は安全に関するどんな約束もしたいはずだ。
まずはこの威力の抑えた契約書を流せば食いつくだろう、そして戦争が起これば介入して契約を持ちかける。
『貴重な情報ありがとうございます。』
「おっと待った、これのことについてさっぱり忘れてた。」
そう言うと親方は奥の方からアタッシュケースを持ってきた。
『これは?』
「前の依頼の報酬さ、黒服さん報酬もらってないだろ」
そういえばそうだった、ハナ協会の方から依頼人からの現物報酬とか言われてたな
「前、うちをハメようとしていた工房を吸収してな、奴らの技術は頑丈さが売りの武器でうちは空間の拡張でな」
「最初は武器を作ろうとしたが前、戦闘は不慣れとか言ってたし、フィクサーより研究員のような雰囲気だったからよ、こんなケースを作ってみた。」
『中のサイズはどれくらいですか?』
「見た目の三倍」
『硬さは?』
「X社の合金の足元にも及ばねえがある程度の武器として使えるぜ」
『完璧です、親方。』
「そんなに気に入ってくれたらこっちも嬉しいじゃねえか」
少しだけ、ほんの少しだけ、私が自分として感謝も、言葉も伝えられた気がした。
『ありがとうございます。』
ある裏路地に立つ工房
「このままじゃ特許戦争まで間に合わねえぞ!書類はどうした?」
「所長それが、、、、、」
「何だと?運び屋共々燃やされちまったって?ふざけるな!工房の特許は俺達の悲願だぞ!」
「所長、他の工房の妨害が多くて外も安全に歩けません。」
「クソッ、ここいらのフィクサー事務所も抱え込んでるだろうな、何か無いのか?このままじゃ特許戦争が起こる前に工房破りされちまうぞ!」
「死に物狂いで包囲を突破しても依頼を受けたフィクサーが殺しに来ます、食料も2、3日しか持ちません」
「裏切り者共が、、、」
「所長!所長!!良いものを見つけました!」
「何だ?」
「契約書です!最近噂の効果付きの黒い契約書ですよ!」
「契約書?そんな紙切れ一つで何になる!契約相手がいないんじゃ話に、、、、、、、、効果付き?」
「はい!〈約束〉という形で契約ができるのです!」
「所長、これを使えばフィクサーが裏切りを考えていたとしても行動を制限することが出来るかも知れません、これをどこで?」
「落ちてました!」
「ええいこの危機を脱するためなら何でも使ってやる!ペンを持ってこい!あの裏切り者の工房を特許戦争まで黙らすぞ!」
危機的状況は人を愚者にする。この時期に出回った契約書は力無き者たちにどんな結果をもたらすのだろうか。