『さて、契約書の通りです。』
「ふ、ふざけるな!この、、どこが対等だ、搾取じゃないか!」
眼の前で怒りに震えている男、この男はあの抗争を乗り越えた数少ない弱者である。
『クックック、、、良いのですか?あなたはあの抗争を生き残った数少ない契約者じゃないですか。契約書に物を言わせ、抗争の戦果を横取りしてまでこの地位にいるわけです。』
『早く契約して逃げないとあなたに恨みを持っている方々が迎えに来るかも知れませんよ?』
「っ!わかった。もう少しだけ、、、、契約書を見せてくれ、、、、、」
『クックック…良いでしょう。』
そう言うと男は万年筆を持ち、ぶつぶつと言葉を吐きながら下を向いてしまった
『帰りは私がお送りします。ゆっくりと考えてください。』
「な、なあ本当に契約をしたら無事に返してくれるんだろうな?《黒服》?』
『あなたは恨みを買いすぎた。このまま契約をせずに外に出てみますか?きっとあなたの帰りを待っている素敵なゴロツキが居るに違いありません。』
「わ、わかった、、、、、」
震える手で契約書にサインを書いていく。
《契約》を定義づけた契約書は《約束》の契約書とは違い、黒に白いヒビが入ったような神秘的な模様となっていた、まるで私の顔のようだ
やっと書けたのか震える手でこちらに渡してくる。
『契約は成立です。またのご利用をお待ちしています。』
「もうしてたまるか、、」
お客を帰らせた後、契約書をアタッシュケースに入れる、これで5枚目。
抗争によって縄張り内の技術を食い荒らしたまるまる太った鶏のような存在の彼らはカモであり、契約書という圧倒的な差を無くされて怯えきった彼らから契約を取るのは簡単だった。
契約書の内容はこうだ
1.今保有している技術は◼️◼️と共有し、契約を解除する場合は契約者と被契約者との互いの了承が必要である
2.今後特許を取った場合、◼️◼️が技術を使っても特許侵害を主張しない
3.◼️◼️に対する情報を故意に話すこと、殺害を企てる行為は禁止する
4.どちらかが死亡した場合、互いの技術は生き残った方に譲渡する
5.4以外の契約に違反する行動を取った場合、保有する全技術を◼️◼️へと譲渡する。その後、この契約書を概念焼却器に入れ、契約は解除される
あくまでも《契約》であるためいつか出てくる
そのため概念焼却器に頼る形ではあるが、これなら痕跡を残さずに奪うことが出来る。
『まあ流石に小さい字で騙すマネはしません。あくまでも契約、対等です。』
『さて、未だに契約書を見つけられずに燻っているハナ協会にはちょっとしたサプライズと行きましょう。』
闘争の跡が残る路地裏の一角、ハナ協会南部の拠点
「退却だ、契約書の流通が見られないようであれば骨折り損、支部に帰って溜まっていた仕事をこなさないとならない。」
指揮官であるフィクサーはため息を吐きながら退却命令を出した
ハナ協会の制服である純白の戦闘服は返り血で真っ赤に染まり、重みによって彼らの気力と体力を削っていく。
「良いのですか?まだ探せば、、、、、、、」
「良い。我々が必死となって見つけ出した契約書は尽く使用済み、成果として提出ができない」
「そもそも今回の任務は表所上であるが監視だ、これ以上干渉すると上の方で何を言われるか分からん」
そう言い、部下とともに片付けを行おうとしたその時。
「ま、待ってくれ!」
焦ったような声とともに真っ黒な契約書を持った人が近づいてきていた
「!?」
「どうした?」
「一般市民が契約書を持ってこちらに走ってきました」
市民はフィクサーたちの近くへ行くと何やら焦ったような態度で言い出した
「なあ、あんたらハナ協会のフィクサーだろ?契約書を持ってくればカネが貰えるってフィクサーに聞いてきたんだ」
「聞きますがその契約書は使用しましたか?」
「使ってねえよ!早くしろ!」
今まで走ってきたのだろうか何やら挙動がおかしい事に指揮官は気がついた
「何やら焦っていますが、何があったのですか?」
「ああああああ早くしろ!カネだカネ!早くしろ!」
半ば錯乱した状態の市民に心配に思ったのかもう一度指揮官は訪ねた
「どうしましたか?まさか、契約書を狙っている奴らに付きまとわれているのでしたら一時的に保護しますよ?」
そう聞くと
「良いから金を出せ!じゃないと、、、、、じゃないと、、、、」
「指揮官!」
「ああ、何やら様子がおかしい。武器を構えろ。」
指揮官の命令で警戒態勢に入った時だった。
「言えない、いえない、イエナイ。言えないんだよオオオオ」
どこからか取り出したナイフで切りかかってきた
「うわっ!」ガキン「何をするんだ!」ザシュ
いくら不意打ちに近くても相手は協会のフィクサー、いとも簡単に返り討ちにあってしまった
「指揮官、これ反省文モノですか?」
「正当防衛だ、だがそんなことを言っている場合じゃないぞ。」
耳を澄まさなくても聞こえてくる足音、しかも複数。
静寂に包まれ、ネズミでさえ死に絶えていた路地裏に金属の衝突音はよく響いた
「聞いてみろ、大勢の足音だ。さっきの戦闘音で惹きつけてしまったようだな」
「戦闘態勢!奴らを引き付けるな!」
「指揮官!仲間が一人やられました!」
孤立していたフィクサーが被害にあってしまったようだ。
路地のあらゆる所から人影があたりを囲む
無数の目はフィクサーの一人が持っていた契約書に向いていた
「見つけたぞ!契約書だ」「持っているのは赤いフィクサーだぞ!」「アイツラが全部持っているのに違いない!」「殺せ!殺して奪い取れ!」
「殺せええええ!!!!!!!」
その声を皮切りに四方八方から襲いかかられる、切っても切っても襲いかかってくる肉壁
中には仲間の死体に紛れて襲いかかってくる者さえ現れ、一人、また一人と居なくなっていく。
「指揮官!ああああ」一人は契約書を持っていると勘違いされ、群衆の中に引きずり込まれていった。断末魔が響く、何人かが期待が外れたかというように舌打ちして襲いかかってきた
「指揮官、逃げてください!」一人は大柄な男だった。狭い路地に逃げ込んだ仲間を逃がすために殿を務めた、それでも追ってきた敵が彼の武器を持っていた。気が滅入る
「嘘だ!指揮官!!何で、、、、嘘だ、嘘だうs」死体に躓いてしまった彼は逃げる私を涙を流しながら見つめ、言葉を発しながら飲まれていってしっかりと止めを刺されていた。幸運なことは死んだことが確認できたから助けようとして留まろうとしなかったことだ
「ハア、ハア。ここまでくれば、、、、、、」
私はなんとか逃げ切ることが出来た、契約書は時計や財布と共に落としてしまったようだ。
「3242352654」 「573258768374」
今は何時なのだろうか。いや、追手が居ない中、今が好機、無駄な思考は止めてしまえ
「3245647463」
私は帰らなくてはならない、このことを協会に伝えて、危険度を上げてもらわなくては。しかし、、、、何か根本的なことを忘れている気がする
「1212874167」「23123542345」「1119183812」「11123247」
抗争は一日で終決した
明日になれば血で濡れていた街路も肉で埋まっていた路地もすべてが元に戻るだろう
新しい細胞が生まれるように空いた部屋も土地も直ぐに人で埋まり、何も知らないまま過ごすのだろう。
『やりすぎましたかね?』
「やり過ぎさね、一旦は契約書も止めたほうが良いだろうね。」
『ですがかなりの技術を手に入れることができました。』
「ま、黒服が頭に目をつけられないかが心配さ、そうなったら直ぐに縁を切るよ。」
『クックック、、、、今、私が作った料理を食べている居候に言われるセリフじゃないと思うのですが』
まさか、都市に目をつけられることなんて、、、、、無いですよね?
お気に入り登録している人が、、、、99?ま?
こんな駄文に付き合って下さりありがとうございます
ヒョウカチラ カンソウチラ スゥー 感想、評価頂けると作者がねじれなくなります!