こんにちは実力主義の学園   作:恋キング

6 / 6
赤毛で赤点のアンちゃん

須藤健という人間がいる。

 

ハッキリいうとウチの苦手どころか嫌いな部類に入る人物だ。

 

自尊心だかなんだか知らないが、最初からクラスと仲良くする気もはなはな無いだけでなく、なんならそれを邪魔する行動に走る人物である。

 

その癖、小テストではぶっちぎりの最下位。そのせいで退学も危ぶまれているにも関わらず、平田が提案した勉強会にも不参加という始末。

 

言動は常に荒々しく、困ったことは暴力で解決するであろう人物の癖に、CタイプではなくDクラスに入ってることを考慮すると、たとえCクラスであろうとも最低限の知識が必要ということだろうか?

 

さて、そんな須藤のことを話すのにはわけがある。

 

なぜか?

 

 

その須藤とバスケットの1on1で戦うことになったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた、池くんや山内くんには勉強教えてるのに須藤くんには勉強教えないの?」

 

急に櫛田が「今日は二人だけで昼ごはんを食べよう」と誘ってきたので、ウチらは食堂にいた。

 

池や山内は相変わらず嫉妬の目を向けていたがそこはご愛嬌。

 

「ハニーが黒髪少女のことが嫌いなように、ウチはあの赤点赤毛のこと、あんまり好きじゃないんだよね」

 

「ふーん、でもこの後勉強会に誘いに行くよ?」

 

聞いてない聞いてない

 

「そもそも私、池とか山内の視線も嫌いなんだから今更一人くらい増えたところで同じようなもんじゃないの?」

 

「まあね?でも」

 

「くどい、あんたの好きなワンちゃんと嫌だけどその連れも誘っていいからやるよ」

 

そういうと櫛田は不自然に視線を向けるので、その先を見ると、綾小路と件の黒髪少女が豪華な昼食を食べている。

 

「堀北さんと綾小路くん奇遇だね!」

 

「櫛田さん?ちょっと綾小路くん、貴方また」

 

「今回のは本当に偶然だ」

 

疑われてしゅんとしている綾小路くん。かわいい

 

「そう、なら櫛田さん何の用かしら」

 

「実は、ウチのヒナタくんが勉強会を開いてるんだけど、二人も一緒に勉強しない?」

 

「そう、申し訳ないのだけど、私はクラスとは仲良くするつもりがないの」

 

「ちがうよ堀北さん、クラスの勉強会とは別でね、赤点を取りそうな子を何人か集めて一緒に教えてほしいの」

 

「堀北、丁度いいんじゃないか?」

 

堀北は少し考える素振りをする。

 

「実はいま丁度その話を堀北と」

 

「わかったわ」

 

割り込まれてしゅんとする綾小路くん。かわいい

 

その後、堀北と連絡先を交換し、山内と池にもそのことを伝えると、ウチたちは須藤に声をかけに行くこととなった。

 

 

 

「須藤くん、一緒に勉強しない?」

 

こういう交渉ごとに関しては櫛田が本当に強い。

バスケに支障が出ない程度にならと、須藤も勉強会に参加してくれることとなった。その時、須藤がなぜかこっちを見ていたのが、少し気になる。

 

そして、放課後図書館で勉強会を始めたわけだが

 

 

「無知無能って言ったか???」

 

この始末である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

 

正直、ウチが元々須藤のことが嫌いだからこそ、今回の堀北と須藤の争いは、堀北が正しいと感じてしまう。須藤は帰ってしまったが、池と山内がいるならそれでいいだろう。

 

「堀北、須藤のやつ帰っちまったぞ?」

 

「あんな言い方されたら俺たちでも帰るぞ」

 

「堀北さんあんなやり方じゃ誰も一緒に勉強してくれないよ?」

 

三人が堀北を責める。

 

「たしかに私は間違っていたわ。」

「足手まといは今のうちに脱落してもらったほうがいい」

 

「そんな、みんなとこんなに早くお別れなんて嫌だよ」

 

「櫛田さん、あなたがそれを本心で言ってるのならいいけど」

「あなた、本当はなんのためにこんなことをしてるの?」

 

 

「キーちゃん、二人とも、行こっか」

 

ちょっと耐えきれなくなったので、後のことは綾小路に任せて、三人とこの場を去ることにする。綾小路には目線だけでも謝ると、気にするなという風に返してくれた。

かわいいけど、今はそれも思えなかった。

 

 

 

 

「なんだよあいつ俺たちが勉強できないからってさ」

 

「それなー」

 

池と山内は堀北に対してまだブツブツ言っている。

 

「とりあえず、須藤はウチから改めて声かけるから、二人もまた一緒に勉強しようぜ?」

 

「別に堀北を呼ばないなら俺はいいぜ?元々やってたしな」

 

「俺も俺もー」

 

そんな風なやり取りがあり、今日はお開きになった。

 

 

 

「あーもう、最悪、最悪!自分が可愛いと思ってお高くとまりやがって、なんなんだよ!嫌い、嫌い、堀北!何なんだよあいつは!」

 

カラオケのクッションに埋もれて櫛田がわめいている。

 

「お前もさ、止めるならもっと早く止めればいいだろ?自分の彼女が嫌味言われてるんだから、代わりにキレろよ!」

 

「申し訳ない」

 

「そもそもの話、お前が須藤と大人しく勉強してたら、私がこんな風に嫌な思いをする必要もなかっただろうがよ!」

 

「ウチが悪かった」

 

抱きつく櫛田の頭に手を乗せると、櫛田は顔を深くうずめる。

 

「もういい、今日はここ、全部あんたの奢りね」

 

そういって櫛田はコーラを飲むと、少し大人しくなる。

 

「明日の弁当はハンバーグもつけていい」

 

「本当?私、ヒナタくんの作るハンバーグだーいすき」

 

ウチらは同盟を結んでいる。だから助け合うのは当然だ。

 

「ダーリンくん、私ってかわいい?」

 

「かわいいかわいい」

 

「あのワンちゃんよりも、堀北なんかよりも?」

 

「ああ、かわいいよ」

 

「そんな適当な感じじゃ許してあげないよ?」

 

「あなたはとてもかわいいよ」

 

「うん、許す」

 

ウチの背中から手をはなすと、櫛田はニッコリわらう。

 

「君も十分かわいいよ?」

 

「知らんがな」

 

 

 

 

後日、ウチは須藤の元へ向かった。

 

「須藤、ウチと今度こそ一緒に勉強しないか?」

 

「もう懲りた、勉強なんかするくらいなら、バスケの練習をしていた方が、将来の役に立つ」

 

「そんなこと言わずにさ、池や山内、櫛田と4人でなら勉強してくれないか?」

 

「あのな?夢宮」

 

須藤が口を開く

 

「俺はな、お前のことも気に食わねぇんだよ!」

 

須藤に胸ぐらを掴まれる。

 

「まずよ、なんでお前に心配されなきゃなんねぇんだ!」

 

「それは、クラスのために」

 

「あぁ?仲良しこよしがやりたいんなら俺抜きでやれよ!」

 

「だって、須藤だって同じクラスの仲間じゃないか」

 

「俺は仲間になんかなった覚えはねぇ!!!」

 

「んな!」

 

「それにお前、自分の彼女に頼ませて自分は影に隠れてたろ?」

 

「んなこと」

 

「そういう、自分は頑張ってますーみたいにしといて、自分では何もしないやつが、俺は一番嫌いなんだよ!!!」

 

ガツンと殴られた気分になる

 

「るせぇよ」

 

「あん??」

 

「じゃあ、俺はどうすればいいんだよ!俺だってどうすればいいかわかんねぇんだよ!みんなで仲良しこよしの何が悪いんだよ!仲がいいならそれでいいだろ!折角お前が赤点だから!お前はいつだってクラスに馴染めないから!俺だってお前みたいなやつ大っ嫌いだけどさ!だからなんだよ!知らねぇよ!一人でもかけたらそれてまも寂しいだろうよ!自分一人で生きてるわけじゃねぇんだから!大人しく仲良くすりゃいいだろ!!!」

 

溜まっていた感情が爆発する。

 

「やっと言うじゃねぇか!」

 

「うるせぇ、やるぞ」

 

都合よく置いてあるバスケットボールを手に取り、須藤の後ろのゴールに走る。

 

「あん?やんのか?」

 

須藤も意図を理解したのか俺の後ろからおいかける。

 

俺はバスケットボールをゴールに投げるが、慣れていないこともあり、ボールは点数にはならない。

 

「そんな投げ方で入るわけねぇだろ」

 

須藤は入らなかったボールを手にすると、それをなんなくゴールに入れると、こちらを向く。

 

俺がそれを奪い取ろうとしても、須藤はドリブルであしらう。

 

「そんなへっぴり腰で俺のボールが取れるかよ」

 

「うるさい!」

 

俺の声も虚しく、須藤はボールをゴールに放り込む。

 

「くそ!」

 

須藤はボールを拾って俺に投げる

 

「何がしてえんだお前は?」

 

「須藤、お前悔しくねぇのかよ?」

 

「あ?」

 

「Dクラスだぞ?お前も、俺も!茶柱に、不良品って呼ばれてさ、お前悔しくなかったのか?惨めに思わなかったのかよ!」

 

「んなの悔しいに決まってんだろ」

 

「なら!見返してやろうよ!手伝うからよ、お前のこと、嫌いなんて言ってる場合じゃねぇんだよ!」

 

「今更あがいたってどうにもならねぇだろ?」

 

「これを使いなさい」

 

俺と須藤が、その声の方を向くと、堀北が立っていた。

 

「これは、私が授業の要点をまとめたノートよ」

 

堀北が須藤にノートを差し出す。

 

「堀北、お前いつから」

 

「私は私のために勉強を教える。だからあなたはあなたのために勉強しなさい」

 

冷静になるとウチが喚いていたことが見られていたことに気づく。

 

「え、えと堀北さん」

 

「夢宮くん」

 

「は、はい」

 

「あなたがこんなに熱い人だなんて思わなかった。須藤くんの勉強は私に任せて、貴方には池くんと山内くんの勉強をお願い」

 

「お、おい、堀北俺はまだ勉強するとは」

 

「やるの?やらないの?」

 

須藤は驚きを隠せないまま、堀北に引きずられていった。




普段、取り繕ってるキャラが内面むき出しにしたり
口調を荒げる様ってすごくかわいいですよね。

溜まっていた感情が爆発してそれを抑えられなくなる
とか大好きです。

楽しみにしていただいて幸いですが
書くの辛くなってきたので休止します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。