存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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絶対に存在してはならない世界96

 

 オヨソシンザンさんから泣きが入った。さっき作っていたドルイド風衣装をサイズ違いでいくつか作り直していただけなんだけど、そのさいにぽろぽろ零した情報でお腹が痛いそうだ。

 まあ確かに、一般的な考えだと着ただけでリジェネ効果のある服なんてこの世界には存在しないし破れたり汚れたりしないようになることもない。まあ今回作ったこれらに関してはアタシの力はきっかけだけでどちらかというとアイルランドの土地に染みついた信仰からくるものの方が強いんだけどね。わざわざ言わないけど。

 

 まあ仕方ないからさらに追加で作るのはやめておいた。代わりにピルサドスキー殿下の尻尾の毛を一本頂いて染料に混ぜ込み、固有化しておいた。これでピルサドスキー殿下がどんなに成長してもどんな体型になってもぴったりの大きさになるからこれ以上作らないでいいね。

 ……そう伝えたらオヨソシンザンさんの口の端から血が垂れてきた。肺から出てきた感じの真っ赤なのじゃなくてどす黒い血だったから、多分胃潰瘍かな?

 お大事に、という気持ちも込めて芋から作った水飴をプレゼント。甘いものはストレスを緩和してくれるからね。さあ食べて食べて。ついでに胃袋も治ると思うから。治った傍から穴が開いてまた治っての無間地獄? いやいや、なんのためにストレス緩和してると思ってるのさ。

 

 ただ、どうも二つ作った時点でとても大変らしい。アイルランド的には嬉しいと思うんだけど、父親的には複雑なんだとか。ちょっとわかる。親としては自分の子が大変なことに巻き込まれかねないのは不安もあるよね。よーくわかりますとも。まあアタシの場合はそれも経験として送り出しちゃうんですが。大体の事は何とかなりますし?

 でもまあ、流石に対象が国家ともなると面倒事が増えすぎて大変かもしれない。アタシが王様やってた時はわかる人に大体の事は投げてたし、基本的には自分にしかできないことしかやってなかったしね。ちゃんと王族として生まれて王族として育った人からすると足りない所もいっぱいあったんだろうなとは思う。今更だけど。

 

 でもこれ多分必要になるし、申し訳ないけどオヨソシンザンさんのお願いは聞いてあげられない。あんまり増やすのはしないようにするし、現在のアイルランドの王族にしか使えないようにセーフティ的な物もかけておくからそのあたりで大目に見て欲しい。方法としては、服の外側に出ないように内側だけオガム文字で禁則事項なんかを書いておいて、それに反するものには効果が及ばないようにする感じかな。

 とりあえず思いつく内容としては『ファインモーション/ピルサドスキーの血を引いている』かな。これで王族なのはまず間違いない。後は……『アイルランド王国の王族としての血統表に名が記されている』とか? こうすると例えば未来で色々やらかして放逐された人がいたらその人は王族としての名前は消されるだろうから効果は使えなくなる。何だったら害まであるかもね。

 

「害が、あるのですか?」

「害って言うか……この服って元々オークの樹に宿った宿木なのね? つまり、これが宿っている存在はオークの樹ってことになるわけ。ここまで大丈夫?」

「……えー、あー、すみません、ちょっとよく……」

「……、うん、見立てってヤツ。日本で言うと藁人形が近いかな? 『この人の髪を持っている人形(ヒトガタ)は本人である』っていう見立てから呪いをかけるのが丑の刻参りなんだけど、それと似たような感じで『オークの樹に宿った宿木を纏う存在はオークの樹である』って感じで結び付けてるわけ。だから怪我しても致命傷になりにくくなるし傷も治りやすくなる。オークの樹、と言うか、生命の象徴としての大樹の形を使って活性効果を持たせることで疲れにくくなったり徐々に回復していったりするようになるんですな」

「それ寿命とかにも影響しません?」

「するだろうね。長くなると思うよ。何もなければ200年くらい生きるんじゃないかな」

 

 あ、倒れた。泡噴いてる。顔色も物凄く悪いね。生きてはいるみたいだし大丈夫だとは思うけど。

 

 で、ここからは渡す本人達には関係ないから言うつもりはないんだけど、この服ってまだ生きてるのよ。着てる人から若干生命力を奪っていく仕様なんだけど、ゲーム的に表すとスリップダメージが三十秒ごとに二くらいあるのと同時にリジェネが五秒ごとに十あるから、着てる本人がちゃんと資格を持ってる人なら大丈夫。ただ資格がないとどんどん吸われて衰弱していくから大変なことになる。ついでに言うと、ずっと着てないと枯れたりするかもしれないと思うかもだけど、その場合は周囲から魔力やら何やらを奪って自己を保つから大丈夫。少なくともこの世界の現代において魔力的な封鎖なんてしてる所はほぼ無いからね。魔力的な封鎖をされたらその術から魔力を奪っていくだろうから大丈夫だろうし、物質相手ならよっぽどじゃない限りはどうにでもなる。よっぽどだった場合? 諦めるといいかな。

 

 まああれだよ、普通に使っている限りは大丈夫ってこと。

 

 




Q.ちなみにアクセサリーの方には何か効果はないの?
A.怒りに呑まれそうになった時に思考を一気に加速して冷や水を浴びせるのと同じ効果を与えるとか、毒のあるものに近付けると震えるとか、そんな感じ。

Q.オヨソシンザンは大丈夫?
A.オヨソシンザン用に回復効果付きミサンガを作って渡したから平気。無ければ入院だった。

Q.作中における現代の平均寿命どのくらいだっけ?
A.55くらい。それなりに化学も医学も発達してなおこれ。

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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