存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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絶対に存在してはならない世界98

 

 アイルランドに渡ってからおよそ一月。その間に色々変わったことがあるんだけれど、アタシの思う一番変わった所と言ったらやっぱり日本に残してきた分身が分身と言うか分霊っぽくなってきた事かな。

 分身と分霊とで何が違うかって? 大雑把に言うと、分身は使い切りの電池で動いて交換はアタシにしかできないのに対して分霊は分霊の意志で再充電ができるって所かな? ご飯とかを食べて回復したりができるようになってるわけ。

 ついでに怪我とかするとそれで死ぬこともありうるようにもなっちゃったけどまあそうそうそんなこと起きないから多分大丈夫。

 あと、分身だと本体のアタシが意識しないとトレーナーさんの置き土産を使えないけど分霊だと使えるってことくらいかな。結構大きい違いだね。

 

 さてそれはそうとしてこちらでも色々話は進んでいて、二人の殿下たちに色々と教えてみたけど本当に頭がいい。乾いたスポンジが水を吸うように教えたことを覚えていくし、応用はともかく基礎は十分。それに精霊や妖精との付き合い方もそれなりに様になってきた。ついでにアタシ以外にも認識されることが増えたせいかここら一帯の精霊たちがちょっと元気になってきている。アイルランドという国にとっては恐らくとてもいいことだと思う。なにしろ精霊や妖精が元気になるってことは自然が豊かになるってことだからね。メシマズ物質が増えるってことでもあるけど。

 

 そういうことでここらで異物混入。異物って言ってもアタシが出した野菜の種とかそういうのだし、メシマズ物質を自らより分ける例の膜も研究が進んで形になり始めている。これが完成したら安価で大量に作って、処理の時には1550℃を越える温度の炎で焼けば跡形もなくなる。1550℃で焼けば大体のものは跡形もなくなる? それはまあ、はい。

 やること自体は結構簡単で、まずメシマズ抜き。綺麗な水と油を使って砕いた木の破片を漬け込んでメシマズ物質を抽出。地面からメシマズ物質を抜いてるのは前提でね?

 それから地面に木を混ぜ込んで、いつもだったら時間をかけて細菌とか虫とかに頑張ってもらう所だけど今回は時間が無いので殿下たちに使い方を教えた魔力的な物を対価に精霊たちに頑張ってもらう。メシマズの抜けた土にメシマズの抜けた木を混ぜて分解させると、なんと豊かな土になるんだよね。

 ただ、アタシみたいに魔力だとか気だとかがいろいろな理由でありあまってるんだったら何も気にせずただやればいいんだけど、殿下たちみたいに一気にやったら魔力とか気の不足で体調面や精神面に問題が出かねない場合には、儀式的な物をしてその儀式そのものを対価に含めて消費を軽減させたほうがいい。そもそも大地に干渉したりとかって一人の人間がやる事じゃないしね。ウマ娘だからできるとかそういうことじゃないから勘違いしないように。

 

 ……流石に、いくらなんでもドルイドの行う儀式にまで詳しくはない。アタシが知ってるドルイドのことなんて精々かつての知識階級であり、神官のようなものであり、植物と共に在り、様々な場合で木組の人形を使うってくらいだ。お葬式とかね。

 なのでそれらしいものをでっちあげることにした。流石に一から百まで捏造するのは問題だと思うので、ちゃんと妖精や精霊の好きそうなことを対価にする。そう考えると、お祭りみたいなものがいいと思うんだよね。そこで火を使うともっといい。

 基本的に、アイルランドには火の気がちょっと少なめだ。日本と比べての話ではあるけど。

 ……どちらかというと日本の方が異常なほど様々な気に満ち溢れているだけという考え方もあるけどそれはそれとして、アイルランドは全体的に寒いということもあって火の気が少ない。日本では活火山がそこら中に存在しているし、水は海が、風は台風が、地面なんて四枚分のプレートの交点に存在するせいかちょっと多すぎるくらいに多い。ともかく、日本ではこういう術を使うのにほとんど何も考える必要は無いけど、アイルランドだとそのあたりちょっと変わってくる。水気はある。風も十分。でも緯度が大分高いこともあって寒いしプレートの端にあるわけでもないから地の気も活発ではない。まあ地の気って本来そう動き回るものじゃないんだけどね。動きまわってる日本が異常なだけ。

 そこでちょっと火を熾したりする感じの祭りでも開いてあげれば少なめの火の気をちょっとは補填できるはず。一応日々の炊事なんかで火を使うから最低限はあるんだけどね。

 

 と、そんな話をしながら作ったばかりの畑を取り囲むように篝火を置いて火の気を作り出し、ついでにできた灰を畑に混ぜ込んでいく。灰も火の気だからね。

 ついでにくべる木材にその場でオガム文字を刻んで力を加えていく。ただ、オガム文字は木や植物に特化してるから火にするには変換が必要だ。木から火に、あるいは水に、土に。一応木は大地と風とどちらもあるけど、どちらかというと圧倒的に地の属性だからそこから変換って大変なんだよね。直接燃やした方がずっと早いよねってくらいには。

 

 今度、オガム文字だけじゃなくてルーン文字も教えよっかな。あっちは植物特化じゃないから現象としてはあっちの方が使い勝手いいし。農業に使うなら間違いなくオガム文字の方が良いんだけど。

 




Q.これウマ娘でやる必要ある?
A.別に無いけどやってはいけないわけではないし別にいいと思います。ウマ娘世界って元々オカルト方面にも色々ある世界ですし。

Q.……まあ、日本はそりゃあそういう気は多いよね。
A.状況考えてみると多くないわけがない。

Q.ところでネイチャのヒミツの新しいのとかあったりする?
A.ちょくちょくサイレント追加してます。

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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