存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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絶対に存在してはならない世界99

 

 色々あって畑が万全な状態になったので畑仕事をすることにした。あまり離れてると腕が落ちるからね。いやまあ分霊がずっと畑仕事してるから大丈夫だとは思うけど。

 万全な状態にするまでに九つほど篝火を焚いて、それによってできた灰を畑に混ぜ込んで、漸く多少釣り合いが取れるようになったところで少しずつ場の力を廻して整えて……とやってたら二時間くらいかかってしまった。やっぱりそんなすぐには終わらないね。いやまあ何もしてなければ次に使えるようになるまでどれくらいの時間が必要かはわからないしかなり早い方なんだけどさ。

 ほら、アタシの畑仕事の経験って基本的には三女神様の加護を受けたトレセン学園の特殊な畑によるものばかりだからなんの加護もない普通の畑がどうなるかって言うのは現状よくわかってないんだよね。それを理解するためにわざと連作したりしてるわけだし。

 そうして調べてもわからないことはたくさんある。特に日本とはかなり違う気候であるアイルランドで本格的な農業をしようとするとなにが問題になってくるかというのは正直なところ今でも少しわからない。ただ、世界史でちょっと習ったところによるとアイルランドはジャガイモ飢饉で一回滅びかけたと言うかほぼ一回滅んだような状態になったことがあるらしいからそこは気をつけないといけないね。

 じゃがいもは確かにとても効率のいい食材だ。やせた土地でも育つし手間もそうかからず、一度の収穫量もなかなか多い。ただ、連作障害が凄いんだよね。お芋さんとか三女神様が手を出してくれないと同じところで連続してじゃがいもを育てるなんて絶対にやってはいけない。そのくらいは知っている。

 まあそれは実の所水田じゃない米にも同じことが言えるんだけどね。水田って凄い。山々を流れる川から直接栄養を補給し続ける事で連続して稲を育てることができるようにするなんて初めに思い付いた人には敬意を表さないといけないと思う。

 

 で、なんだかんだ言ったけど今のアタシならそれらの事は大体無視できる。無視できるけど、アタシがいなくなってから無視できなくなると問題が一気に表面化してくるだろうからアタシじゃなくっても無視できるようになってもらうか別方向からの解決策が見つかるまでは連作とかそういうのはやめた方が良いと思う。

 それに、この世界で畑を広げるなら絶対にやっておかないといけないことがある。そう、メシマズ抜きだ。

 ただしアイルランドは寒いので蒸留した水を使ってどうこうというのはほぼ不可能。仕方ないから例のメシマズ物質を周囲から一気に集める芋を植えて高速成長させ、周囲一帯のメシマズ物質を無くしてからまた栄養その他を追加していく。こうしないとまともに使える畑にならないから仕方ないよね。

 広域を一度に浄化するとなると禹歩や反閇はあまり向いてない。なにしろ進める速度が遅いし、畑に使うならやっぱりバランスを整えることも考えて火を焚いて混ぜ込む方式の方が良い。ついでに貝殻も焼いて混ぜ込めれば別の栄養も入れられてお得なんだけど、この世界だと貝、と言うか、海の物はねぇ……。

 あ、焼畑とは違うからね? あれ一回きりならそこそこ効果出るかもだけど続けていくと本当に不毛の土地になっちゃうからさ。あれは最後の手段ですよ。

 

 そういう訳で殿下たちを連れ回しながらアイルランドに色々と作ったり広めたり復活させたりしていった。作った物は主に畑で、広めたのは主に野菜や畑の使い方及び手入れの仕方。復活させていったのは民間伝承や力の流れを確認した上で隠された、と言うか衰退しきっていたアイルランドの妖精郷。ついでに一部の妖精郷は王宮のあの絵の妖精郷と地続きになっていることを確認したので本当にまずい時には避難経路になることを確認した。流石に殿下たちもSPさんたちも頭を抱えてたけど、別にアタシが繋げたわけじゃなくて元々繋がってたのを発掘しただけだからアタシ無罪。

 

 あと、今回のアイルランド巡りで凄く良いものを見つけたので共有しておくことにする。

 前に、テイオーにオイルマッサージしたことがあるんだけど……その時にメシマズ物質と対消滅を起こして光る油があったじゃん? あれに植物を漬け込んでおくと当然その植物もメシマズ抜きされるんだけど、種を漬け込んでおくとメシマズ物質を産生しなくなるんだよね。しかもその性質は子孫に遺伝されていく。

 ね? 凄く良い発見でしょ? これに気付いたことでアイルランドの多くの植物の種を貰って浄化して増やすために育ててるんだけど、一番すごいのは例のメシマズ物質抜きのお芋。なんとメシマズ物質が一気に抜けて小さくなると、またそこから芽を出せるようになるうえにちゃんと浄化もしてくれるのでとても便利になった。栄養根こそぎ持っていくのは変わらないからそう簡単には使えないままだけどね。

 

 ……よーし、それじゃあそろそろ陛下と殿下だけじゃなくて王妃様にも出すもの出しておこうかな。多分そろそろやきもきしてるころだと思うし。




Q.事実上空間転移できるうえにセキュリティがばっちりすぎて王族しか使えない通路ってお前……。
A.便利ですね!(勢いで押し切らんとしてるのがまるわかり)

Q.王妃になにすんの?
A.女性はどんな世界でも美容に目が無いものらしいですよ……?

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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