そう言えばなんだけど、英国にも有名な騎士団があったよね? そう、いわゆる円卓と呼ばれるやつ。アーサー王が率いる超人集団。
ええ、もちろん会ってきましたとも。皆さんとても美人さんで……ただちょっとそっちのケのある人も数人いたけど近寄らせなかったから大丈夫。
そうそう、世界一有名な聖剣であるエクスカリバーも見せてもらった。流石は妖精が鍛えた聖剣だけあって神秘の濃さがものすごい。ちょっとした神相手なら天秤にかけたら沈むねあれは。
それはそれとして円卓の騎士はやっぱりウマ娘が大半で、一部にトレーナー的な役割を持った人がいるくらいのようだ。これだけの人数を満足させる食事なんて、この世界じゃあ作るのも大変だったろうに……アタシじゃ我慢できない。実際我慢できなかったから今改造してるわけですし?
そういう訳で今年のナイスネイチャ記念の招待状を渡しておく。円卓全体から三人くらい出てもらう予定だけど、いったい誰が出ることになるのか今から楽しみでしょうがない。ちなみに今年もナイスネイチャ記念は開催予定。デビュー前、ジュニア級、クラシック級、シニア級、ドリームトロフィー、そして偉大なる蹄跡を残した神話のウマ娘と分けたんだけど、去年は最後のレースは公開しなかったんだよね。その存在を知ってるのは美食研究会の幹部とそれにある程度深く関わってきていた人たちだけで、それ以外の人はそういうレースがあった事すら知らないままだった。
今年はちょっと変えて、三女神様に属するウマ娘ではないウマ娘達のレースも開こうと思う。要するにクー・フーリンとかアーサー王とかが一堂に会してガチレースする感じのやつをね。したいと思うんですよアタシは。
そのためにも人を集めないといけないんだけど、実のところ今の時点で人数はどうとでもなることが確定している。アイルランドではフィアナ騎士団が参加のために血で血を洗う様な
原因は……まあ言わなくてもわかると思うけどアタシだ。アタシと言うか、アタシの作った料理と言うか。
参加しただけで参加賞として少量が配られるし、十分な結果を残したならその後の打ち上げに参加できる。打ち上げでは勿論アタシが用意する料理を好きに食べられると言ってあるし、やる気は十分と言えるだろう。十分どころか十二分な気もするけど。
それと、やっぱり魔力だとか秘術だとかが当然のように存在していた時代のウマ娘だけあって現代のウマ娘に比べて身体能力が明らかに上方向に外れている。魔法による身体強化なんかが当たり前に存在しているんだからそれ自体は全くおかしくは無いんだけど、そうなってくると2000mとか3000mでは碌な差がつかずに終わってしまう。当時の英雄にとっては10000mまではほぼ短距離らしい。クー・フーリンなんて鮭跳び一歩で直線距離にして500mは跳べるし、アーサー陛下は身体能力強化と精霊の力を借りたジェットでカッ跳んでくるし、どうなってるんだろうね神代って。
仕方ないから場所も特別に用意することにした。とは言ってもアタシが好きに使える所でそんな広いところなんて畑くらいしか無いし、畑を潰してレース場にするのは論外だから無理。
じゃあどうするか。ここで有り難いのが、この世界の神格はその殆どが姿を消しているということ。つまり、かつてアタシに領域の一部を継承させてくれたゾリャー三姉妹やビフレストなどもいないからアタシがある程度勝手に権能を扱っても怒られないということだ。
……前の、と言ってもだいぶ前、それこそ一回ウマソウルを逆流させる前だったかな。トレーナーさんと一緒にその世界の神様に拉致られて神様相手にレースすることになったことがあった。
その時に見せてもらったのが、虹やオーロラを使った空のコースの作り方。雲よりしっかりしててちゃんと走れて凄いと思ったことを覚えている。ちなみにその時は流石に負けた。八人中三位に食い込んでやったけど流石に神格持ち相手にほぼ生身では辛かった。相手の神様たちは勝った神も負けた神も大喜びしてたけど。
その時の賞品というか掲示板入りの報酬として一部の神様から権能を領域にまで格を落としたものを継承させてもらったんだけど、その時に貰ったのがオーロラや虹で空にコースを作る技。技っていうか御業っていうか……まあそんな感じ。
直接速さに関わらないものをあえて貰ったのは、そういうので頑張ってもアタシじゃなくてそっちの神様に流れていっちゃうからだね。トレーナーさんの場合は権能の欠片をそのままアタシに貸してくれてるからアタシのものにできるんだけど、権能の貸し出しなんて普通はやらないからね。
それに、空にコースを作ると良いことがある。左右の曲がりだけじゃなくて上下も作れるから物凄く厳しい登り坂とか旋回半径小さめの螺旋階段みたいなコースだって作れる。そんなところでレースできるのかって? そんなところでもどんなところでもレースできるからこそ英雄だけど?
そう、地獄の針山をコースにしても走り切れるのが英雄。流石に川の上とか溶岩の上になると話が変わってくるけど、それはそれとして距離がそんな無ければ水面を踏みつけて走るくらいできるのが英雄。アーサー陛下の場合は精霊の加護で水面走れるらしいけどそんなものに関係なくちょっとした海峡くらいなら走り切れてこその英雄。
英雄へのハードルが高すぎる? あのね? 神と言う存在が本当にいて、魔法とかそう言うものが実際にある世界だよ? そういうのが無くても人間より遥かに強力な力を持ってるウマ娘が魔法とか気とかで強化されるの。倍率数十倍が最低限の世界で。そのくらいできないと英雄なんて呼ばれないわけ。
これが魔法とかが無い世界ならまた変わってくるんだけど、あるからさ。この世界だとそれがデフォなわけ。世界が変われば常識も変わっていくわけだね。
「そういう訳で今年の十月末にちょっとアイルランド圏の空をお借りしたいんですけど可能ですかね?」
オヨソシンザンさんが血を吐いた。アイルランド王は乾いた笑いを零していたけど許してくれた。ありがたいね。
Q.ウマソウル逆流前って強調したけど何かあるの?
A.ナイスネイチャのヒミツの一つですね。
実は、ウマソウル逆流の前と後でウマソウルの質が大きく変わっている。
Q.具体的にどう変わってる?
A.有馬記念三年連続三着の愛され系ブロンズコレクターから世界全体を相手に真正面から殴り合いを始めた挙句に勝っちゃうタイプの修羅ですかね。
それにあたって領域も変化してたりして。
番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)
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ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
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ウィニングカラオケ(NN杯直後)
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『ハヤイ』という名の馬について