色々あったけど……本当に!色々!あったけど!とりあえず一回適当な所に置いといて。
「聖蹄祭です。美食研究会と言う形で活動をしているアタシたちも、何かしなければなりません」
「食べ物を売るのはどうだ。私達が作ったものならばきっと喜んでくれると思うぞ」
「ライスもそう思うな……でもでも、あんまりたくさん売るとライスたちの分が無くなっちゃうから、数量限定にしてみるのはどうかな?」
「残念ですが理事長に『今年の聖蹄祭で食べ物を出すのはやめてくれ!』とお願いされてしまっているので駄目です。まだ国家相手に守りきるための防衛圏ができてないんだって」
オグリ先輩とライスがしょんぼりしてるけど、理事長に止められちゃったんだから仕方ないよね。アタシ悪くなーい。
ただね、この国からの干渉を抑える方法はアタシがこの国の所属だからほぼ無いらしいところをなんとかするために国取りするとか言ってたのが怖い。実際名家の皆さんが協力すれば日本の舵取りくらいできちゃいそうなのがね……。なんだったら会長さんが選挙に出ていい感じのマニフェスト掲げてやれば議席のいくつかを取るくらいはできそうだし、一強になってる今の政治を変えるのも不可能ではなさそう。良くない手を使うことにはなりそうだけど。
普通に考えればやらないと思いたいんだけど、あの時のライオンな会長さんの顔を思い出すとね……あるかな、って。やっぱり会長さんにふじりんごは駄目だったかー。
いつだったか忘れたけど、ファンの人達に『誕生日にプレゼントがあるならふじりんごが欲しい』って発言したら大きめの一部屋が埋まるくらい送られてきてりんご雪崩に潰されて検査入院したにも関わらず次の年も『去年はふじりんごをありがとう。よければまた今年も送ってくれると嬉しい』とか発言しちゃうくらい好きだったみたいだしね。
他の世界とは言えそのくらい気に入っていたものを、この世界……あらゆる食べ物が牛が三回反芻した後の吐瀉物の方がまだマシと言えるくらい不味いこの世界で食べさせたらまずかったかな? 全く違う意味で脳が焼かれちゃうかも?
ああ、もしかして時々生徒会室の方から視線を感じるのはそれかな? でもりんごって木を植えてから実をつけるようになるまで5年くらいかかるし、丁寧に世話をしてあげないと味も落ちるし数も減るから大変なんだよね。畑はやったことあるけど果樹園はやったことないし、土の管理とか良く知らないから流石に無理だ。
……いや、そう言えば名家の皆さんからの後押しのおかげでお金に関してはほぼ考えなくってよくなったんだっけ? じゃあもっと広く借りて、実験農場の一画を果樹園にするのもアリと言えばアリかも?
人手も、この時期になると学園を去らないといけない人たちが出てくるからその人達の中から真面目な人達を選んで雇えば増やせる。学園にはそう言う追い詰められた人達を使って栄養たっぷりの食事の有無でどれだけ身体能力が変わるかの実験、みたいに言えば人道とかの方面で顔を顰めつつ学園を出ていくまで猶予がもらえそうな気がするし、結果が出なくても健康なウマ娘は畑仕事ではすごく役に立つ。
アタシが作ってても規格外版の野菜なんて後から後からできるんだからご飯はそれを食べてもらって、三食に住むところと十分仕送りできるくらいの額を渡せば文句は出ないんじゃないかな?
で、たまに走ってもらって統計をとってアタシ達の野菜がどれだけ優秀かのデータになる。すると買いたい人が増えて儲かり、従業員、改めモルモットが増やせる。そして従業モルモットが増えれば耕作地を増やせてよりたくさんの野菜が出回るようになる、と。
そう考えると、この聖蹄祭は美食研究会の名を広める格好の場になり得る。最近になってようやくマーベラスもライスも腹水が無くなって健康的な体に近づいてきたし、オグリ先輩は体型こそ幼女のそれでありながらも下限ギリギリいっぱいではあるけれど健康体にはなっている。
ガリッガリで肋骨が綺麗に浮き出ている胸に、腹水でぶくりと膨れ上がった腹、骨に貼りついた皮のすぐ下で存在を主張する何本もの腱と筋に、細い細い筋肉。
もうね、ほんとね、正直なところ見てるだけでかなり辛い。抱き締めるとメシマズ物質のせいでドブと廃油と腐臭の混じったような匂いがするんだけど、それを塗り替えるほど強く死臭がするからつい抱きしめちゃうんだよね。元気になれって。死ぬなって。
なのにみんな懐いてくるし、元気に動き回ってるし、美味しいもの食べてるところとか見ると『たくさんお食べ……』っておばあちゃんみたいになる。はい、クラスで毎日朝に一人一つ大きめのおにぎりを渡しているのはアタシです。後悔はありません。
大丈夫、先生にも渡してるので叱られはしても罰まで行ったことは一回もないし、内申点も最高だから。賄賂? お裾分けですが何か? それとも貴方はおにぎり要らない?
「いる」
「いるー!」
「ほ、ほしいです」
「正直で素直な子は好きですよ」
中身は水を絞った豆腐を崩して醤油で炒めたそぼろ豆腐と浄水設備の一角を使って育ててた山葵の茎の浅漬け、それから針生姜の味噌和え。どれが当たるかは運次第。
……ありがたいのは、この世界はメシマズ物質のせいで「不味い」のハードルが地面にめり込むを通り越してマントルに到達しそうなくらいだから大体のものは美味しく食べてくれることかな。もちろん好みはあるんだけど、アタシの知る普通の食材でこの世界の「不味い」に当たるものは基本無いと思っていい。逆に悲しくもあるけどね。
Q.よく抱きしめてた理由、それ?
A.はい。なんなら抱き締める際にちょっとだけ活力を分け与えていました。
Q.結局聖蹄祭で何やるのか決まってなくない?
A.ネイチャ「忘れてたー!?」
Q.オグリ「で、どうするんだ?」
A.ネイチャ「えっと、とりあえず今回は生徒会と理事会に賄rけほけほ、お願いして免除ですかねー。やりたいことは色々ありますけど命と自由にはかえられませんし?」
番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)
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ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
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ウィニングカラオケ(NN杯直後)
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『ハヤイ』という名の馬について