存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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日間7位……こわ
週間と月間にも入ってる……ウマ娘パワーってすごいね……。

皆様応援ありがとうございます。


絶対に存在してはならない世界18

 

 ……タマモクロス先輩、思ってたより大変なことになっていたらしい。

 中央になんとか来て、必死に胃の中に美味しくもない栄養食を詰め込んで無理矢理体調だけ整えてレースに出る。なんとかトレーナーも見つかりトゥインクルシリーズを走り抜け、家族にたくさん仕送りをして。

 体を壊した。

 

 競争ウマ娘としてはよくあることで、特にそれまで食べていたメシマズ物質抜きの栄養食に慣れてしまった身体がそれまでのあまりにも美味しくない食事に耐えられず、一気に体を壊してしまったらしい。

 せっかく鍛えた分はあっという間に落ちて、多少マシになっていた栄養失調は元通りに。それでもまだなんとか動けてるしタレント業などで稼げているというのだから驚きだ。

 そんなタマモクロス先輩にオグリ先輩が手を貸そうとしないわけもないのだが、タマモクロス先輩はそれを拒否していたらしい。なんだったら自分の家族である弟や妹達にも心配をかけないよう必死に耐えていたと。

 

 そしてどうやらそれにも限界が来たらしく、タマモクロス先輩の元トレーナーからオグリ先輩やイナリ先輩、スーパークリーク先輩に連絡があって、オグリ先輩はそのことを知ったらしい。

 あと、タマモクロス先輩のトレーナーさんはよく見る人だった。ダーリンさん、あるいはタマトレさん。タマモクロス先輩のことについて、この人は信用できる。自分の教え子が学校卒業する前に恋愛的な意味で付き合い始める教師なんて信用できない? それはそうだけど一部の例外を除いて人間はウマ娘には勝てないようにできてるから……ね?

 

 そもそもこの世界に限らず、走りに脳を焼かれた人は基本一途だ。なにしろ一度焼かれた脳はもう一度は焼けないからね。あまりに圧倒的な相手だと焼ける前に砕けるし。

 だからタマトレさんはタマモクロス先輩の健康とかそういうことに関しては絶対に嘘はつかないし、いってることに基本間違いはない。

 問題があるとするならタマモクロス先輩のお母さんってシンボリ家に若干縁のある人だったらしいことだけど、別にそれそのものに問題があるわけじゃなくてなにか問題が起きた時にシンボリの方からなんか言ってくる可能性が……あー、いや、どうだろ? タマモクロス先輩の行動見てるとそのあたり知らなさそうだし、あの年まで知らないってことは母親の方も教える気が無いあるいは隠してたってことだろうし……そもそもこの世界だと子供の扱いがこれまでの世界と結構違うからわかりにくいんだよね。なにしろ一人産むだけでも命がけなのは変わらないけどそのリスクがものすっごく高いから。

 栄養失調がある場合が多いから、ウマ娘が子供を作る時はしっかりご飯を食べて月経が来るように整える所から始めないといけない。そして来たタイミングに合わせてやることやって、ちゃんとできた後もウマ娘の母親はこれまで以上に食べないといけない。自分の身体と子供の身体をどちらも十全な状態でおいておくには食事と言う苦行をひたすらに続けないといけない。どんどんと重くなっていく子供を抱えながら、十か月以上もだ。

 そんな風にして産んだ子供は、基本的にとても大事にされる。この世界で子供を大事にしない親は白い目で見られるし、同じようにあまりにも我儘が凄い子供も白い目で見られる。だから大抵親子は仲がいい。仲がよくないとメシマズ世界ではまともに栄養が取れなくて死ぬらしいからね。

 

 さてそれはそれとして、なんやかんや限界が近づいてきているタマモクロス先輩の状態を見かねてタマトレさんが手をまわし、なんとか食べられそうなものをちゃんと用意できないかと探していたところ、オグリ先輩がラストランの後にインタビューで言っていた『美しい味』と言う言葉にひかれてオグリ先輩に連絡が回ってきたとか。

 

 オグリ先輩は友達想いの人だし、自分のかつての、あるいは今でもライバルだと思っている相手がどうしようもない所で衰弱死しかけていると聞いたらそりゃあ力になってあげたいと思うんだろう。アタシだってテイオーが事故に遭って輸血が必要ってなったらテイオーのと合う血液探し回ったりこっそり出したりしますとも。だから気持ちはよーくわかる。

 でも、わかってる? 今のこの世界では美味しくない食事が世界中で当然のものとして広まっている。ここでアタシたちが作った野菜をタマモクロス先輩に食べてもらったら、タマモクロス先輩が元気になったとしても多分二度と辞められないよ? なんだったら大麻やヘロインに並ぶくらいには美味しい食事の依存性って凄いんだから。アタシのよく知る世界でもそうなんだから、この世界ではそれ以上なのはつい最近知ったことだけど。

 そうなったらタマモクロス先輩は今までの食事なんて絶対食べられなくなる。実際に理事長たちも一回提出されたアタシの野菜とかを食べてからは遵法範囲内ではあるけれど全力かつ手段を択ばず可能な限りアタシたちを囲い込んで十分な量の食材を手に入れようとするくらいだからね?

 そうなるとタマモクロス先輩が次にアタシたちの野菜を含んだ食材を手に入れることができるようになるのはいつになるか。それこそ身売りでもしてきそうなくらいだと思う。

 

「タマはそんな事はしないぞ」

「今の仕事を辞めて復学からの美食研究会入会コースってことですよ」

「それは……あるな。私ももしネイチャと会う前に卒業してしまってからネイチャのことを知ったら同じことをしていたという自信がある」

 

 胸張って言うことじゃないんですけどね……。

 

「だが、命には代えられない。……お願いします」

 

 ……ッスゥ……ハァァァァァ…………。

 

「……どんな結果に終わっても文句は言わないでくださいね」

「! 勿論だ」

 

 ……どんなふうになるかわからないけど、まあ、ここまで求められたら仕方ないかぁ。

 

 





Q.タマモクロスはトレーナーとコンコン(婚々)したんか!?
A.卒業直後に。

Q.ダーリンさんってどういうこと???
A.そういう風に堂々呼んでいた世界もあったというだけのことです。

Q.結局ネイチャは何を悩んでたの?
A.十中百面倒なことになるのは間違いないなと思い、それを受け入れる覚悟をしていただけです。

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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