オグリ先輩に頼まれてこちら側に引き込んだタマ先輩は、今日も元気にテレビに出ている。オグリ先輩は実はテレビとか週刊誌があんまり好きじゃないから、タマ先輩が広報になってくれるのは助かる。まあ、あんなことがあったらそりゃ嫌にもなりますわ。
ただ、タマ先輩の健康状態が一気に回復したことに関してマスコミがずいぶん気にしているらしい。倒れた話はそれなりに広まっていたけど、復帰した直後からどんどん元気になっていっているのに驚きを隠せない人もそれなりに居るようだ。肌艶とか髪とか、明らかに綺麗になってると話題。
そしてオグリ先輩も冬のドリームトロフィーリーグにて、タマ先輩と並んで現役時以上の怪物的強さを見せつけたことで物議を醸している。まあ明らかに現役時より強かったもんね。実際は栄養失調が無くなっただけなんだけど。
特にオグリ先輩はラストランで劇的勝利していたこともあってこれから本格化だったとか変なことを言われている。オグリ先輩のトレーナーさんも言ってたけど、そんなことないからね?
……あと、タマ先輩も病み上がりの体で頑張ってくれたのでお礼にちょっとお願いを聞いてあげることにした。お願いと言ってもアタシにとっては結構簡単なことで、甘えさせてあげることなんだけど。
ほら、アタシの赤ちゃんになりたいとか寝言にしたって酷いこと言ってたじゃん? 流石に本物の赤ちゃんにするのは難しいけど、そういうふうに扱うだけならできるから。スーパークリーク先輩がかつてやってたのとそう変わらないやつだけど、ちょっと小道具も使おうか。
赤ちゃんを抱いてる母親は赤ちゃんの匂いがうつって乳臭くなるけど、実際のところ母乳しか飲んでない赤ちゃんが母乳の匂いになるのは当たり前なんだよね。なのでそういう匂いの香水をちょっと振り掛けて、タマ先輩を優しく抱きしめて、ゆらゆら揺れたりしながら耳元で慈愛の言葉を囁いて───
「そしたらこうなりました」
「クリーク以上のママ力……タマがこんなにも簡単に赤ちゃんにされてしまうとは……!」
「ぅや……ままぁ……?」
「はーい、ママですよー?」
この後栄養たっぷりのミルクを飲ませてゲップさせて、うつらうつらしてきたところでそのまま寝かしつけた。これで起きた時には正気に戻っているはずだ。戻ってなかったら? 成長を早回しさせて今の年齢まで精神を成長させる。すりおろした野菜食べさせて、そのまま野菜食べさせて、気がついた時には結婚できる年齢にってね。
まあ、多分やらないでいいと思うけど。
「ところで、タマが頑張ったのは事実だからタマへのご褒美があるのはいいとして、私も頑張ったんだが?」
「勿論用意してありますよ。秘密のお鍋です」
秘密の〇〇っていうのは、簡単に言うとお肉とかお魚とか今はまだメシマズ抜きでのコンスタントな育成ができていないものを使ったものってことね。多分将来的には減ってくると思うけど、というか絶対減らしてみせるけど、今はまだ秘密にしないといけないものがたくさんある。
そういうわけで今日は水炊き。博多風の鶏骨ばっちりな濃厚なやつ。そこに鶏の切り身を入れて、少ししてからお野菜をたっぷり。激しく沸いたりしないように火を弱めて、白菜の芯がクタッとしてきたらはいどうぞ。
「ッ!!!! ッ~~~~!!!!!」
「あーはいはい感動したのはわかりましたから叫ばないようにお願いしますねバレたら面倒な子が何人かいるんですから」
「いや、それはもう遅い。私が勝った時点で絶対何か出してくれるということは共通認識だった。でも今回は遠慮してもらっているから、その子たちが勝てた時にまた好みに合わせて作ってあげてくれ」
その時点でバレとんのかい。まあアタシの性格ある程度知ってればなんとなく予想は付くか……。でも何作ったかの内容までは知らないはずだからアタシの気分とかで決めるのがいいかな。勝ったレースの内容とかどんなレースで勝ったかとかも勘定に入れると面白いかも。
例えばテイオーは会長さんに憧れて三冠コースを目指してるから、三冠、つまり3つの冠に合わせてそういうお膳でも作ってあげようかな。一品一品でも完成されているようで何かがほんの少し足りなくて、三品揃えて食べると一気に変わる奴。難しいけど作れるし。
ハイハイ御代わりですねもう少し待ってくださーい。このままだと蒸発分でスープ無くなっちゃいそうなんで足しますねー。火の通ってないのは食べないでくださーい。はーいいい子ですねー。
今回の水炊きの締めも雑炊ですが、その前にちょっとひとひねり。ちゃんと調べてきた。あのラーメン大好きな王女様は今年で五歳、どう頑張っても日本のトレセン学園にやってくるようなことはあり得ない!流石に五歳の王女が我儘言ったからって国外に何の目的もなく来てたまたまトレセン学園に入り込んでたまたま外からこの状況を見てるなんてことは───
(窓開け上下左右確認)
(ドア開け全方位確認)
(広域気配察知発動!)
───流石に無いだろうから。うん。フラグとか脳焼きとかは早いうちにって考えた三女神様がゴリ押ししてる可能性もあったから一応確認したけど流石にないね。うん。流石にね。
じゃあそういう訳で麵投下ね。ついでに鶏チャーシューも追加しちゃおっと。お目目がきらっきらなのがとても可愛いのはもうなんかずるいと思う。
じゃ、雑炊の後はデザートにプリンにしようか。これについて他の誰かに知られたら多分本気で泣きながら何言ってるのかよくわからない感じの嗚咽と慟哭と絶叫のような物でまくしたてられるのが目に見えるから気をつけようね。
はいそれじゃ、お粗末様でした。
Q.オグリってテレビ嫌い?
A.テレビと言うよりマスゴミが。有名でしょう? オグリキャップの例の事件。
Q.確認が周到過ぎない? なんでそこまで?
A.たまに、あるので。主に妖精さんの悪戯とかで神隠し(チェンジリング)されてどこか遠いとこまで来てる場合。神が近い世界ならあるかなって。
番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)
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ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
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ウィニングカラオケ(NN杯直後)
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『ハヤイ』という名の馬について