冬を越したキャベツは甘味が増して美味しい。よく言われてるけど自分で作るとよりそう思うよね。
まあキャベツに限らず葉物野菜は雪に埋もれたりすると葉が凍るのを防ぐために糖分を葉に回して凍結しづらくさせるんだけど、葉物野菜って甘くて困ることは無いからね。よっぽどじゃない限りは。
そして名家の皆さんが国にまで手をまわして緊急の国家予算をもぎ取ってまで速攻で作ってくれた巨大な工場が本日稼働を始めます。……まだ二か月も経ってないのに。早すぎない? いやまあ内容を考えると早いに越したことは無いんだけど、作るものの性質的に隙間風とか大敵よ? やっぱり雨少なめの南国に土地用意した方が……あ、それするにも実際に作ったっていう実績と効果があることの確認が必要? だからこんな小規模になってすまない? 私達の実力不足?
……小規模? 700ヘクタールの土地を丸ごと使った巨大な人工甜菜栽培施設(三階建て)が? マジで言ってる? マジなんだろうなぁ……だって目が本気で謝罪と自身の力不足を痛感してる感じのアレだったし。
太陽光に似せたライトと雨に似せた純粋な水、そして適宜撒かれる化学肥料。気温と気質の制御も平方メートル単位で完璧で、何人もの人たちが住み込みで二十四時間体制で監視し、適切な水分量や栄養の量、土の質などを延々と記録し続けている。
小規模とは? アタシの知ってる小規模とは違う意味の言葉ですね???
あと多分なんだけど、これ上手くいけば一年中育てることができるようになるよね? アタシよく知らないんだけど、確かあったかい時に大きくなって涼しい時に甘くなるはず。一日のうち半分を25度くらいにして夜は20度くらいにするんだっけ? なんか成長の段階で色々変えなくちゃいけなかった気もする。正直今まであんまり興味を持ってこなかった領域だからこのくらいしかわからないんだよね。
発芽直後はある程度あったかかった方がよかったはず、なのは覚えてる。でももうそのくらいよ?
あと、アタシの会社であるNice Nature(株)、アタシの中での略称NNの株価がびっくりするほど伸びてきている。具体的にはタマ先輩が三が日終わってすぐに飛び込んできて「株式市場こわれたぁ」なんて言うくらい。まあ壊れてるのは間違いないけど。
作ってすぐのころは10000株で20円くらい。タマ先輩が買ったあたりでも10000株35円くらいだったんだけど、気が付いたらなんだか大化けしてる。今だと100株で300円から。しかもそれでも下がることなく上がり続けている。なにこれコワ……。
ちなみにタマ先輩は調子に乗って五万円分くらい買ってた。ご祝儀の意味も込めてって。株そんな出していいのかとか当時は大して考えてなかったからね……五割を上回るくらい買っといてその他は売れなかったら自分で買っておけばいいやくらいにしか考えてなかった。
さて、タマ先輩の持ち株、いくらになったかな?
「 」
「た、たいへんだネイチャ、タマが泡を吹いて倒れてしまった!顔色も赤かったり青かったり黄色かったり黒かったりで大変なことになっている!」
「赤青黄色はともかく黒はやばいですねぇ。この人参を一本……一本はオグリ先輩にあげますからもう一本はタマ先輩にあげてくださいね」
「わかった」モッモッモゴックン
「いや食いながら返事すなやんで食いきんの早いわ」
「復活したからもう一本も私がもらっていいだろうか」
「駄目でーす。もう一本はタマ先輩のでーす」
「わかった」
「ふほいへん!ふぁうふぁうひっほんはふほいへんって!」
「プロイセン……?」
「(ゴリィ!)なんで今この状況で突然昔のドイツあたりの名前があっこの人参すごぉ……♡」
「すごいぞネイチャ、即堕ち二コマなんてよく言うが同じコマ内で堕ちたぞ」
「はーい今から魔女裁判しまーす。オグリ先輩に即堕ち二コマなんて言葉を仕込んだ悪い子だーれだ?」
「私はこれでもネイチャより年上なんだが? なんだったら14歳のネイチャが知ってる方が問題があるのでは?」
「若さの秘訣かい?」
「いや違う」
まあアタシの知ってる若さの秘訣なんていいもの食べて適度に運動してしっかり眠るくらいだけどね。強いて言うならトレーナーさんの置き土産で使えるようになってる波紋の呼吸とか? この世界じゃ現状アタシ以外には使えない方法じゃだめだよね?
「あと落ちた人参拾い食いは駄目ですよ」
「ちゃんと洗うぞ」
「いやそれ落ちてもタマ先輩のなので……ちゃんとタマ先輩に許可獲りました?」
「タマ!この人参頂いてもいいだろうか?」
「ぜったいダメぇ……♡ ウチのぉ……♡」
ダメになってるのはタマ先輩のような気がしますね? あとタマ先輩がそんな状態になってると後ろの方からどれだけ美味いのかっていう好奇と期待の視線が刺さるレベルで向いてくるんですが……。
「あーあーはいわかりました、後ろの皆にも一本つけとくから今日もよろしくね」
「「「「「ウォォォォォォ!!!」」」」」
「「「「「「ネイチャ!ネイチャ!ネイチャ様ァァァ!!!」」」」」」
こっわ。なにこれこっわ。人参一本でここまで喜んでくれるなら作った甲斐もあるけどさ……でも人参一本でこんな喜ばれると嬉しいと同時にめっちゃ怖い。あと『ネイチャ様』はやめない? 普段は付けないしノリノリになった時は本能からつい出てしまうから難しい? そっかぁ……。
Q.小規模とは?
A.ネイチャ認識「個人事業の範囲内」
名家認識「日本を支えられる範囲より小さい場合」
URA認識「ウマ娘達が走った後に値段だとかを気にせず飲めるようになるまで」
国家認識「せめて世界の小児の脱水時にみんな使えるようになるまで」
Q.えーっと、35円で10000株、5万円分だと14285714.3株だけど恐らくキリよく上げてるだろうから千五百万株くらいとして、それが暫くほっといたら100株300円でまだまだ上がって……?
A.ざっと52500円が4500万円に化けましたね。なおまだまだ上がる模様。
Q.こんな急激に株価が上がるとかそんなことあるの?
A.知らん。株には詳しくないんだ。すまんな。良いものを広めれば需要が増え、値段も上がる。そういうものではないのか?
番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)
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ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
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ウィニングカラオケ(NN杯直後)
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『ハヤイ』という名の馬について