よくあるメシマズ世界でもスポーツとかが人気だったりするが、この世界ではスポーツをしたがる人は限られている。理由は簡単で、運動をするということは食事をたくさん取らなければいけないということだからだ。
そもそもこの世界の植物は不味くなるために栄養を限界ギリギリまで溜め込まないことを選んでいるので、まともにカロリーを取るとなると私の知っている量よりだいぶ多く取る必要が出てくる。ちなみに米などのカロリーや栄養価は多いものでおよそ三分の一、少ないものに至ってはなんと二十分の一以下という、たくさん動く必要のある者にとっては凄まじい逆風となっている。
そのせいもあってこの世界では痩せ型が多い……と言うか、太っている人なんて皆無と言っていいくらいに居ない。テレビに出ているアスリート達も、必死に食べてあの体をなんとか保っているということを思うと涙が出そうになる。
特にウマ娘なんてそもそもカロリーの消費量が多いのにろくな食べ物がないから大抵栄養失調気味で、漫画とかで良くいる病弱キャラかってくらいに貧血などで倒れるところをよく見かける。レースで走るウマ娘達も、身体を壊さないギリギリの栄養しか取れてないように見える。当然だけど成長も阻害され、ウマ娘と言えば成人しても小学生くらいの身長しかない人が大勢いるのがこの世界の実情だ。
一応、栄養やカロリーだけを取り出して固めたような栄養補助食品も無くはないのだけれど、相変わらず死ぬほど美味しくないし材料からして量が二十倍くらい必要なのでびっくりするほど高価だったりする。名家くらいしかまともに用意できないし、結果としてこの世界では名家とそれ以外の差がさらにすごいことになっている。
では、そんな中で突然現れた美味で栄養価の高い食材(メシマズ栄養失調世界基準)を食べて育ったアタシがどのくらいできるかと言うと……そこらの名家の皆さんを遥かに超えた恵体(この世界基準)に育ち、室内に入ろうという時には毎回頭を下げないといけないような状態になっている。
そもそもおよそあらゆる食材から栄養が失われているこの世界では人間だけではなく他の動植物も小さいものが多く、わかりやすく人間で言うなら世界的な人間(男)の平均身長が130ほど。140あればアタシの居たところで言う2メートルくらいの扱いで、女性平均は120くらい。ウマ娘平均では110を少し下回るくらいで、もう完全に子供にしか見えない。名家の人でもウマ娘だとそんなもので、100に届かないような人も少なくない。
アタシの身長? いいもの食べてよく鍛えて成長力マシマシになった結果、164cmくらいですかね。中学にも上がってないのに。
当然だけど身体能力に差が出てきてるし、周囲でアタシに勝てるウマ娘なんていない。みんな栄養失調になりかけかつ成長障害がある状態でアタシだけ健康に走ってるんだから当たり前と言えば当たり前ですけども。なんなら軽く走ってみたらこの世界における1600〜4200間のワールドレコード全部塗り替えられたし。短距離は流石にできなかったけど。
そこでみんなに背を押され、中央トレセン学園に行くことに。食事が不味すぎる以外に違いなんてないはずなのに歴史自体がかなり変わっていて歴史は覚え直しになった部分が多かったけど、それ以外のは大体使えたからそのまま行く。何度もフランスに渡ったお陰で日本語だけじゃなくフランス語もペラペラなネイチャさんなので、ついでに英語も覚えてみることにした。アメリカダートは流石に難しいけどイギリスの方なら走れるからね。この世界の芝は今までの芝と違いそうな気がしてならないけど。
……あと多分、トレセン学園もあんまり良いものは出てこないだろうなって。だってみんなちっちゃいままだし。
そういうわけでなんとか色々作ったり環境を整えた場所を作ったりして、ついでにこの世界の人に毒味してもらったりもして、トレセン学園入学の日。周りがどこを見てもちっちゃい人しかいない今回の人生の中でも特にちっちゃい人しかいない場所で、何故かアタシはとある先輩に抱きつかれていた。それもガッツリ抱き付かれていた。セミかな?
Q.何が『存在してはならない世界』なの?
A.ウマ娘世界×メシマズ世界概念は多分相当やばいから。特にこういう解決方法を外から持ってくるしかないような絶望的メシマズ世界のは。
Q.どこで誰に合ってどうして抱き着かれてる?
A.次回。
番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)
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ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
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ウィニングカラオケ(NN杯直後)
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『ハヤイ』という名の馬について