存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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絶対に存在してはならない世界32

 

 アタシには実はペットと呼べなくもない子がいる。ペットと言うには自由すぎるし、餌付けしてるだけとも言えるんだけど、まあ何と無く言うことは聞いてくれるし躾もなぜかできてるし多分ペットに近いと思う。

 ペットの内容は、雀が20羽、鳩が18羽、燕が6羽、そのほかのよくわからないのが1羽。端的に言えば、昔にメシマズ抜きがちゃんとできてるかを確認する時に実験に使った野鳥達だ。何度か代替わりもしてるのだけど、なぜかずっとアタシについてきている。

 一応トレーナーさんの置き土産を探ってみたのだけど、そういう能力は無かった。できることと言えば動物の思考を読んだりこちらの思考を押し付けたりすることで事実上動物と意思疎通ができるくらいで、ゲームで言う所のテイムみたいなことはできないみたい。

 なのになんでこんなにペットみたいな子たちがいるのか。それは正直なところアタシにもわからないけれど、まあ一応家族みたいなものとして扱えばいいでしょ。多分。

 

「だからアタシのペットにウマ娘はいないよテイオー」

「知ってるけど? だから新しくどう?」

「不要です」

「そっかー」

 

 ああこれあれだ、タマ先輩の赤ちゃんになる発言とおんなじ感じのやつだ。望み薄だけど一応言っておいて万が一にでも通ったら喜んで実行するやつ。なんでこうなった?

 

「主にべっこう飴のせいかな。あれでちょっと脳のイケナイところが変な感覚を覚えちゃったと言うか、癖がついちゃったと言うか」

「えぇ……ただの砂糖の塊なんですけど?」

「うん凄く重要なことだよね? もう駄目だよボク以外にそんなことしたら。増えるよ?」

「どんな脅迫の言葉?」

「いや、実際増えてるから言ってるんだけど? クラスでチュロス出してきたときあったじゃん? あの時みんな一口食べてもうネイチャに逆らえなくなってたんだから」

「……はい?」

「やっぱり自覚なかったかー」

 

 いや自覚も何も……あのくらいでそんなになるなんて思わないでしょ普通。

 

「いや、これだけ甘いものを突然与えられたらこの甘さに脳をやられてもおかしくはない。実際、ネイチャのクラスメイト達はみんなネイチャの言うことなら大体従うだろう?」

「餌付けの効果って思ってるかもだけど、多分これウマ娘に限らないよ? 人間でもそれ以外の動物でも、状況によっては遺伝子にまで刻まれるくらい脳が焼かれちゃうかも」

 

 そう言われて窓の外を見る。勢揃いしているアタシのペットの鳥たちがいる。ちなみにこの鳥たち、中々強い。同種族だけじゃなく、雀なのにカラスぐらいなら簡単に撃退するし、鳩の方なんて何をどうやったのか猪撃退したからね。よくわからないのは……なんだろうね。よくわからないけどたまに金色に光ったり尾羽が長ーくなったりしてるけど、普段は赤みがかった羽を持つ普通の鳥だ。図鑑で調べても出てこないけど。金鳥? なにそれ知らない。アタシが知ってる金鳥は除虫菊で物凄い儲けてたあれくらいだし。

 視線を戻す。アタシの事をじっと見つめてくる二人と目が合う。冗談とか言ってる感じじゃないね?

 

「とりあえずアタシは産んでない赤ちゃんも同い年のウマ娘のペットも欲しくないです」

「ちゃんとタマに牽制かけたな。偉いぞ」

「『同い年じゃなければいいのかな』ってこっち見ながら首輪選ぼうとしてる誰かさんを止めた方が良いかもね」

「ライスーそもそもアタシはウマ娘のペットを欲しいと思ったことが無いからいらないよー。ライスだからじゃなくてそもそもウマ娘とか人間とかをペットにしたいって思ったこと無いからねー?」

「はーい」

 

 ここでそういういい返事が返ってくるってことは狙ってたってことなんだよね……もしかして美食研究会に入ってる子達ってみんなヤバい? 単純に美食につられてるだけだと思ってたんだけど、もしかしてもしかするとアタシにマジで忠誠捧げてたりする?

 

「理由次第では命をくれと言ったら死んでみせる者もいると思うぞ。タマも多分、本当に必要でかつ家族に類が及ばない状況なら仕方ないと言いながら命を懸けたりするだろうし」

「あと、連絡員として扱ってるトウカイ(うち)の娘いるじゃん? 多分ネイチャが狙撃されたりしたら即座に身を投げ出して守りに行くと思うから危ない所に行かないようにしてね。危ないことになりそうだったらさっさと逃げて、安全な所に籠ってくれると嬉しいな」

「なんだかいつの間にかアタシの命がめちゃくちゃ重くなってませんかね?」

「自覚して? ネイチャの命は現状では総理大臣の首より重いの。日本の名家の当主を全員集めても、反対側の天秤の皿の上にネイチャがいるだけでネイチャの側に傾くくらい重いの。そのくらい今のネイチャって言う存在は日本にとっても世界にとっても重要なの。自覚して?」

 

 完全に本気の顔でそんなことを言われてしまうと、流石のアタシでも少しは気をつけようという気になる。

 ……あと、多分だけどこの二人……わざわざ自分とは違う名前出しているけど自分自身もおんなじことをするからそのつもりでいろよって言われてる気がする。普通自分自身を人質にしますかね? いやそういう人も知ってますけども。

 まあとりあえず、いつもの通りにペット達にご飯を上げる。美味しくお食べー。

 

 





Q.ネイチャのペットって何ができる?
A.畑を野生動物から守ったり勝手に入ろうとする奴から守ったりできます。あと捨て身になればギリ熊まで行けます。

Q.ネイチャさんの命重くない?
A.もし今ネイチャさんが死んだら砂糖の供給とか止まるし美味しくて栄養価の高い野菜とかも全部供給されなくなります。しかも、この世界の植物がメシマズ物質の産生を止めることは現状無いので二度と味わえないようになります。

Q.ところで、ヤバい鳥いない?
A.居ますね。いろんな意味でヤバいのが。

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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