存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

37 / 115
絶対に存在してはならない世界36

 

 ミホノブルボンはとてもよくご飯を食べる。今までも十分食べていたようだけど、美食研究会に入ってからはそれまで以上によく食べるようになった。

 しっかり食べて、しっかり運動して、しっかり眠ってを繰り返している間に身体はどんどん出来上がっていく。それまで美味しくない栄養食を食べ続けて、それでも体が健康体を維持できるくらいに食べることができていたその精神力には正直脱帽する。アタシはちょっと無理。無理だから食べられる物を用意したわけですし?

 そうして作った身体は明らかにこれまでの物より良くなってきている。とは言ってもまだ本格化の予兆もないウマ娘ということもあってクラシック級のウマ娘であれば二勝クラスのウマ娘でもコンスタントに勝利を掴めるくらいの身体能力だ。逆に言えば、一勝クラスだと普通に勝ち負けできるくらいには今のミホノブルボンの調子はいいということになるんだけど。

 そしてミホノブルボンを連れてきたライスも同じようにどんどん強くなっている。もともとライスは誰かを追いかけている時に最も強さを発揮できるウマ娘だと認識しているし、それはこの世界でも変わらない。今までは何かを追いかけていたわけではなくアタシに憧れていてアタシの後をついてきていただけで、本気で追っていたわけではなかった。まあライスにとって短距離は基本無理だし仕方のないことではある。

 ただ、ここにきて自分の意思で追いかけるに足る相手を見つけたライスは成長速度が大きく増している。流石に本格化が始まった後と比べれば大したことではないけれど、この世界の常識から考えるとすさまじい速度の成長と言っていい。

 

 最近はちょっと美食研究会関連のウマ娘ばかりが勝ってしまうという問題が浮上し始めてきているんだけれど、今までだって名家とかが勝利を独占……いやまあ独占とまでは言わないけれどかなりの割合で勝っていたことは間違いない。要するにちゃんと身体を作ってノウハウを学んでいれば勝ちやすいのは当たり前と言うだけの話なんだけど、それでも文句を言って来ようとする人もいる。いつの間にか消えて帰ってきた時にはとても好意的になってるんだけど多分原因は青汁。

 

 あと、少しだけ問題がある。最近砂糖を解禁して、更に元々作ってた醤油と合わせて和風なご飯をよく作っているんだけど、これがまあそれなりに美味しいのね? アタシにとってそれなりってことは、アタシ以外のこの世界の誰かにとってはそれなりどころじゃないわけよ。

 さてここについ最近まで砂糖なんてメシマズ物質入りのクッソ不味い奴を塩水に混ぜて何とか飲むくらいしかしてこなかった純粋無垢なウマ娘、ミホノブルボンが居ますね?

 ミホノブルボンにアタシの作ったご飯を食べさせて、なんだか宇宙を背負わせますね?

 気が付いたらアタシの事を(しゅ)って呼んできてるんですけどこれやめさせるにはどうしたらいいと思います?

 

「ネイチャの事をそう呼びたがっても不思議ではないかなぁ……少なくともボクには止められないかな。ゴメンね」

「普通とはさすがに言いませんけどこれでも一般的世界最強ウマ娘なだけなんですが?」

「世界最強は一般的ではない」

「マーベラス☆ウマ娘!」

「いっ……ぱん?」

「世界最強は一人。一般とはありふれてること。世界最強が一般的になるためにはその世界の世界最強以外の全てのウマ娘を駆逐する必要があるかな。……する?」

「しませんが?」

 

 なんか凄いツッコミ入れられた。まあツッコミ入れられたところでそんな困んないし別にいいけどね。

 まあ実害と言えばそれくらいで、別に何かあるわけじゃない。ちょっとアタシが嫌だなって思うくらいだ。なにしろ(しゅ)だからね……いやミホノブルボンが自分のトレーナーさんに言ってる『マスター』も相当あれだとは思うけど、どっちがやばいかって言われるとちょっと差をつけるのが難しいかなってネイチャさんは思う訳ですよ。

 いやね、もう崇められたりって結構ある事ではあるんですよ。アタシってトレーナーさんの置き土産無しでも結構強い方ですし。なんだったらレースにトレーナーさんの置き土産を直接使ったことって本当に命がかかってる時くらいですし。それでも勝てるし。

 トレーナーさんの置き土産を全く使わないと確かにアタシは弱くなる。でもだからと言って早々負けてしまうようなやわな鍛え方はしていない。ちゃんと世界最強に相応しいだけの実力を振るわせていただきますよ。

 それに、レースの経験だけなら多分この学園どころか世界でも最も多いと思うからね。経験は力ということを考えれば強くても当たり前。周りにそんなことは言えないけど。

 

 ……あとは、今までいろんな世界で色々な経験をしてきたわけだけど、結構な世界で『継承』が発生している。

 継承とは、四月の頭ごろになるとなんとなく三女神の噴水の前に行きたくなって、そして実際に行くとなぜか力がついたり適性が突然伸びたりする現象だ。身体の方の適性はその世界で色々違うから、これで伸ばしたりできるのはなかなかありがたい。まあ練習で伸ばそうと思えば伸ばせるものでしかないんだけど、結構時間がかかるのは間違いないからね。

 ちなみにアタシから誰かに継承させたりすることもできる。別に減るもんじゃないし疲れるわけでもないからいくらやってもいいけど、変な所が継承されるとちょっと困るからあまりやったことは無いけどね。

 

 

 




Q.やっぱり問題は起きてますか。
A.起きないわけがないですからね。それでも被害は最小限です。なにしろ美食研究会は来るものを基本的には拒みませんから。マスゴミと寄生虫を含んだ害獣は除く。

Q.……自力で継承起こせるってそれもう神では?
A.ネイチャさんは気付いてないので黙っててあげてください。

Q.トレーナーさんの置き土産を使わない場合のネイチャの力量ってどんなもの?
A.この世界なら問題なく勝てるし普通の世界でも世界相手に勝負ではなく蹂躙ができる程度。

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。