存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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絶対に存在してはならない世界40

 

 朝起きて軽く走って、シャワーを浴びる。身だしなみを整えるのは大切なことで、ここを疎かにするのはよくないことだと言うのはそれなりに経験がある。ギャップとかそういうのは、極一部の人にだけ見せればいいんだということも。

 朝に畑を弄ってペットたちに餌をやり、ついでに軽く走ってからシャワーを浴びて研究会の皆と一緒に食べる朝ご飯を作り、学校の準備をする。アタシの場合はレースと農業の二本柱で学業とかそこそこでいいよむしろやりたくなければやらないでもいいよって言われてはいるけれど、流石にね?

 そういうことで授業が終わったらまた畑の面倒を見て、収穫したり肥料を蒔いたり水をやったりして土まみれになって、お風呂に入って眠る。宿題なんかは基本的に出されないけれど、試験で成績が悪かったりすると出たりする。まあ一応学校だからね。

 

 アタシの入るシャワーは実は特注だったりする。まあ周りとの身長差を考えればわかると思うけどかなり差があってまともに使えないと言う理由もあるし、何よりアタシの我儘ではあるけれどメシマズ物質の混じった水を浴びたくないのだ。身体にあの匂いが染みつくなんて絶対に嫌だ。

 なのでアタシはよくいい匂いがすると言われているわけだ。それは調理のすぐ後のおいしそうな匂いだったりもしくはお菓子作りの後の甘い匂いだったりするかもしれないけれど、まあ、状況的にそりゃあ他の人よりはいい匂いでしょうよと呆れが勝ってしまう。

 

 アタシの特注シャワーは、水道に繋がっていない。シャワーの形をしているだけで、実際にはアタシがトレーナーさんの置き土産を使って新鮮な水やお湯を出している。だから汚染されていないし、ついでにわざわざ浄化した水をここで使うような真似もしていないわけで。

 

 でもたまにそのことに気付くウマ娘が現れる。それはオグリ先輩だったりマーベラスだったりするけれど、今日はそこにもう一人追加されることになりそうだ。

 気付いた相手はテイオーで、自分もアタシと同じように匂いのついていない水を浴びたいということだった。ただ、これに関してはアタシが完全に自分の力でやっていることだからやりたいんだったら自分でやればいいと思うし、できないって言うならそれこそ昼の間に蒸留水を用意して湯船に溜めておくとかすれば数人分くらいならできると思うけどね。

 ちなみにアタシはここ最近は湯船に浸かっていない。メシマズ物質のない温泉とかがあればぜひ浸かりたいところなんだけど、残念ながらまだ見つかってないからね。見つかったらぜひ浸かりたいところなんだけど。(二回目)

 

 そういう訳でアタシがみんなの分まで水を出すのは断ったわけだけど、一緒にシャワーを浴びることまでは拒否しなかった。まあアタシ用に作られてるシャワーだからみんなが使うにはあまりに使い勝手が悪いって言うこともあるんだけど、一緒に入るくらいなら別にね。

 

 ……ああいや、でもそう言えばこういうのを全力で拒否してた世界もあるにはあったっけ。なんと言うか、ウマ娘なら男の人でも女の人でも問題なく子供が作れるような世界っていうのがあってね。その世界だとその、両方あったんだよ。なにがかは聞かないでほしいけど、あったの。

 その世界では結構不祥事とかもあってね。ウマ娘同士で現役中に子供を作ってしまうこともあったし、そういう系統の問題もそれなりに……。

 ちなみにアタシはそういう中ではさりげなーく目立たないように生きているつもりだったんだけど、なんだかいろんな人に目をつけられて大変だった。やっぱりG1を30勝して凱旋門を三連覇して同一年にアメリカのトレーナーズカップと有馬記念も制覇したのがまずかったのかな、なんて今になっては思う。前人未踏だしね。

 でもだからと言って既成事実で縛ろうとしたことは許さないしトレーナーさんに手を出そうとしたことも許さない。殺してやろうか? 殺してたわ。

 

「何考えてるの?」

「ん? あー、ちょっと昔の事を思い出してた。今のテイオーにはあんまり関係ないけど将来もしかすると関係してくるかもしれないことだから、今は気にしなくていいと思うよ」

「いやそういう言い方されたらものすごく気になるけど?」

「テイオーがアタシの恋と愛を邪魔しなければ大丈夫だよ」

「……そっちかぁ。そう言えばなんだけど、ネイチャの好きな人ってどんな人?」

 

 おや、テイオーもそういうことに興味が出てくる年頃? まあアタシらの年齢ってそういう年頃なのは間違いない。高校卒業が近くなってくるとそういう話の時にもっと生々しいのが混じってきたりするけど、この頃の恋愛話なんてのは可愛いものだ。

 

「三日はかかるけど本当に聞く? 睡眠も食事も全部語ることで潰れるけど大丈夫?」

「あっゴメンちょっとそれは大丈夫じゃないからボクの方から聞いておいて悪いんだけど遠慮させてもらうことってできる?」

 

 ちゃんと『マジ』であることを察知して即座に撤退を選択できるテイオーは賢いね。撫でてあげようよしよし。髪の毛がメシマズ汚染されてるからちゃんと美味しい物だけ食べて除去していこうね。美味しいものを食べ始めてからは髪も細くて弱いものから太くて強いものに変わっていってるから、十分な長さになったら切っちゃおうね。

 でもまあ今は今ある髪を大切に。アタシのお気に入りのやつで悪いけど洗っちゃいましょうかね。

 

 

 




Q.お風呂回、だと……!?
A.この世界でお風呂回なんてものがあるとは思いませんよね、はい。でもあります。

Q.ちょっと途中で出てきた世界について詳しく。
A.ウマ娘に両方あるだけでそれ以外は普通の世界です。トレウマ以外にウマウマでくっつくことも多い世界ですね。

Q.三日かかるの?
A.三日『は』かかります。一週間でも一か月でも三日以上かかる事には違いありませんよね?

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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