存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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絶対に存在してはならない世界43

 

 熱中症は怖いのでみんなに麦わら帽子を配給しておいたんだけど、これがなかなか好評。実際には麦わら帽子じゃなくて稲わら帽子なんだけど、まあ気にしなくていいでしょ。似たようなもの似たようなもの。同じイネ科だし。

 ウマ娘が頭に被るものには耳の穴を開けないといけない。ウマ娘によって耳の大きさや長さは様々で、それによって色々と言われることもある。耳の大きいウマ娘はどうとか、そういうことだね。

 ただ、そういう中で統計的にまあ正しいんじゃないかと思うものもある。ステイヤーはキスが長いとかがそういうのだけど、『長い』の定義が決まってないからどんなキスでも長いと思えば長いよね。

 

 ……いやそういう話じゃなくて。

 

 およそ夏と言える気温になってからは毎日の水の消費量が凄い。畑に使う量ほどとは言わないけれど、浄化した水の一割くらいは飲み水として持っていかれているのがわかる。まあ数千人を擁する中央トレセン学園の生徒全員に美味しい水を渡すとなればそうもなるよね。それはわかる。

 でもそのお陰でちょっと問題が出そうなのも間違いないので、そろそろ浄水施設を新しくすることも考えなければいけない。新しくすると言うか、大規模化すると言うか……まあともかくもっと水を作れるようにしないといけない。夏はたくさん水を使うからね。

 多分トレーナーさんが自重しなければこの場に真水の滝でも作るんだろうけど、アタシは自重して普通に水道水を浄化する方向に。あと雨はメシマズ物質を含んだ塵などを核にしていなければ大丈夫なのでそれも集めておく。まあ黄砂があるとダメなんだけど。実際それでちょっと問題起きたし。

 ……メシマズ物質って本当に、ほんっとうに邪魔。この世界にトレーナーさんがいなくって良かったと初めて思った。大体いつでもトレーナーさんが隣にいてくれれば幸せだけど、この世界ではちょっとトレーナーさんが居たらトレーナーさんに負担がかかりすぎると思う。半分アタシが受け持つとしても相当だよ? 実際やって半分受け持てるかっていうとそれも結構難しそうだしさ。

 トレーナーさんが居たとして、この世界でどんな風に過ごすかを考えると……多分一切の自重を無くしてると思うんだよね。トレーナーさんってなんでもできるけど気が乗らないとやらない人なんだけど、食べ物が何もかも不味くて臭いってなると最悪即座にこの世界を見限って別の世界に抜けるんじゃないかなって。トレーナーさんはそれができる人だから、多分やる。

 そう考えると、居ても居なくってもある意味じゃ同じなのかな? アタシがこの世界を変えたいって言ったら力だけは貸してくれそうな気はするけど、今までこの世界が積み重ねてきた全てを力技で塗り替えそうだからこういうことではあんまり頼りたくないという思いも少しある。会いたいは会いたいんだけどね。

 

 今年の収入が既にそれなりにある身だけれど、無駄遣いは避けないといけない。どこかから『ケイヒニスルカラ……ケイヒデオトシテ……』なんて声が聞こえる気がするけどきっと気のせい。あ、なんかメジロデスワさんとかが経費にするための書類とかを書いてくれるらしい。そのあたりあんまり得意じゃないからありがたいですねぇ。お礼と言っては何ですがこちら、レモンのはちみつ漬けね。手伝ってくれたみんなで食べてー。

 

「ようメジロの。なんか仕事任されたそうじゃないか私にも手伝わせろよ」

「おっと奇遇ですねメジロデスワさん。偶然ですが手が空いています、仕事のお手伝いをしましょう」

「水臭いですよ。仲間じゃないですか」

「目的が分かりやすすぎません!? いえまあ手伝ってくれるのは嬉しいですけどね? じゃあみんなでササっと終わらせて頂きましょう?」

「おたくのお嬢さんに知られないうちに終わらせないと平らげられるかもしれないしな!」

 

 なんだか元気だね、皆。それに手伝いとして手を貸してくれる人もいっぱいいるし、もしかするとこの世界はアタシに友好的な人間が一番多い世界かもしれない。母数そのものは少ないかもしれないけれど、割合から見ると結構な数だと思う。

 あとダイイチナノカさんも誘ってあげてね。あの人も頑張ってくれてるから。ちゃんと仕事してるのにそれをアピールするのが苦手であんまり褒めたりしてあげられないからこういう時に褒めておきたいし、ご褒美もあげたい。こういう時に甘い果実なんかをあげるのは効果的だよね。効果的って言っていいのかはわからないけど。

 名家のお目付け役の皆は大抵書類仕事をやってくれているけれど、なんだか知らないうちに書類仕事がものすごく多くなってるんだよね。株式なんて全然やったことがないからよくわからないし、会社の経営もこんな大規模なのはこれが初めてだからもうどうすればいいのかわからないんだよね。お任せお任せ。悪いようにはならないでしょ。多分。

 最悪の状況になったら逃げればいいしね。その場合、この世界は多分メシマズ物質から逃げられなくなるんだろうなと思うけど……自業自得という事で。アタシもその時はトレーナーさんよろしく自重を投げ捨てる予定だし。

 




Q.もしかしてまだ自分の金でやってる部分あるの?
A.あります。特に後々必要になってきそうだけど今はまだ理解を得られなさそうな所で。こんにゃくとか。

Q.実際、ステイヤーはキスが長かったりする?
A.「なに聞いてるんです? 別にキスの長さにはステイヤーもスプリンターもそんな関係ないですよ。」

Q.耳のサイズと性欲の強さの相関は……
A.「セクハラですよー」

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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