クラシック最後の冠、菊花賞。今回も危なげなく勝利させてもらいました。
ちなみにこれで無敗三冠が達成されたわけだけど、周りからは『知ってた』みたいな反応しか返ってこない。うん、知ってた。
ちなみに実質優勝と言われている二着の人は、皐月賞ではハクタイセイさん、ダービーではアイネスフウジンさん、菊花賞ではメジロマックイーンさんだった。そのあたりはあんまり変わってないというか、面白みのない世界だなと思う。
そう、なんと言うかこの人は大抵このレースには勝つ、みたいな流れが存在するんだけど、それって結構いろんな世界で共通してるんだよね。年代のズレとかそういうので重なった結果外れたりって言うのもあるけど、その場合でもいい成績を残していることが多い。不思議だよねぇ。これが運命力ってやつ?
そういえば、勝つレース以外にも大怪我を負ったり死んでしまったりするレースというのもあって、そういうのも割と共通しているような気がする。
例えば、ライスの宝塚記念。例えば、テイオーのダービー。骨折を起こしたり転倒して大怪我を負ったり、死んでしまうこともあって。
……とりあえず、この世界ではそんなことが無いようにしないと。人の死には慣れているけれど、それでも目の前で起きる人死には喜ばしいものでもなければ嬉しいものでもない。ましてや見たいものであるわけがない。アタシもできるだけ助けようとはしてきてたけど、いったいどこまで効果があったのやら。
アタシの行動もそうだけど、たまにいる頭のおかしい新人トレーナーさんが関わると結構変わってくることがある。どんなものからでも担当の成長に繋げたり、ふとしたきっかけから担当に新しいスキルのヒントを教え込んだり、よくもまあそんなことを考えつくねと言いたくなるような突飛な行動を取ったりもするし、いろんな生徒さんに巻き込まれたりして担当をどんどん強くしていく人。
多分だけどあの人、もしくはあの人たち、まともな存在じゃないと思う。まともな存在である必要なんてないからなんだっていいんだけど、ああいう人たちはなんでかちょくちょくアタシと関わることになってくる。理由はわからないけどそういう時には突然何かを思いついて、自分の担当に変なスキルを教えている姿を見かける。見てて面白いことも多いからいいけどね。
で、この後は何だっけ? 秋華賞が来て秋の天皇賞が来てちょっと空いてからエリザベス女王杯にマイルチャンピオンシップ、ジャパンカップ、有馬記念? わかってはいたけど続くなぁ……今のところアタシに届きそうな相手はいないから今まで通りやらせてもらいましょうか。
それに秋は実りの季節、つまり収穫も相当多くなるし収穫した分の野菜の扱いも大変なことになる。名家の人達が肥え太っちゃう!
ちなみにこの世界だと肥え太るなんてことはほぼ無いから何かの病気を疑われるらしいね。ちょっと前にやけ食いして太り気味になった娘達が半泣きになってる所に話を聞きに行って初めて知ったよ。ちゃんと説明して安心させておいたけど、ダイエットしないとタイム落ちるよと脅しもした。事実だけどね。
そういえばアタシの予想したとおり、今年の菊花賞・秋華賞・天皇賞秋の参加人数が相当落ち込んでいるらしい。原因はもちろん、って言っていいのかはともかくとして、アタシの開こうとしているナイスネイチャ記念。だから夏ごろにぱっと開いてぱっと終わらせとけばよかったのに……。
一応開ける人数ではあったけど、十人を切ってるどころかアタシを含めて参加者六人は少なすぎると思うんですけど? しかもある程度以上優秀な人でもどんどん参加見合わせしてるから本来ならG1なんて参加すら怪しい人が参加できちゃってるし。アタシがいなければそのまま勝ちまでしそうだし。ほんと、どうなってるんだかね。
……うん、現実逃避やめよっか。
この世界ナイズされた姿のままアタシに抱き着いている統界帝王の頭を撫でるけど、帝王はぐりぐりとアタシに頭を押し付けたまま離れようとしない。帝王はメシマズ物質漬けされてないから臭くないし別にいいといえばいいんだけど、なんかずっと頭を押し付けてきている。
いやまあ、やって欲しいことはわかってるんだけどさ。
空いていた手で帝王の耳を優しく触る。一瞬耳が震えるけれど、すぐにアタシの指を受け入れる。
ウマ娘の耳は敏感だ。大きな音や声を聞けば頭が痛くなってくるし、あまり強く触ると出血することもある。だから極めて慎重に、優しく、爪ではなく指の腹でゆっくりと撫でる。
目的の行為が行われることを察したらしい帝王が、アタシのお腹からずるりと落ちて膝枕の体勢になる。数秒前まではうつ伏せで後頭部と耳しか見えなかったが、今では顔も表情もちゃんと見ることができる。
でもまあ基本的にウマ娘ならあまり耳垢は溜まらない。全く無いわけではないけれど、大抵の場合はいつの間にかなくなっているし耳垢で詰まってしまうようなことはない。なのでこれは言ってしまえば掃除を兼ねたマッサージ、というのが一番近いだろうか。
ウマ娘の耳は繊細で敏感だ。柔らかで暖かで、ほんの僅かにではあるが拍動を感じることもできる。……いや、これは多分帝王の拍動が大きいだけだね。
要するに、この世界のテイオーに嫉妬したってわけ。自分なのに、もしくは自分だからこそ、ってことかな?
大丈夫だよ、帝王。アタシの可愛い、自慢の愛バ。その立ち位置に居られるのはあんただけなんだから。
Q.この後どうなった?
A.耳掃除してふーってしてマッサージしておねんね。
Q.参加者少ないのはどう考えても自業自得では?
A.その通りだけど現状開催はされるらしいので困ってはないです。なので大丈夫。
番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)
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ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
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ウィニングカラオケ(NN杯直後)
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『ハヤイ』という名の馬について