『大変長らくお待たせいたしました。現在時刻は深夜一時四十五分、草木も眠る丑三つ時一歩手前のこの時間、ナイスネイチャ記念最終レース、フェニックス杯の開催です。実況は引き続きナイスネイチャが、そして解説はこの方』
『あの世の鬼も閻魔様も日曜だけは休暇中、サンデーサイレンスだ。覚えなくていいぜェ』
『早速ですがフェニックス杯の解説をいたします。フェニックス杯はアタシ、ナイスネイチャが独断と偏見でもって選んだ『この人たちのレース見てぇ~』を詰め込んだ特別レースとなっております。そのため特殊な方法でもって参加者の皆々様は全盛期の肉体と現在まで積み重ねてきた経験の両方を持った状態でこの場に立っております』
『どうやった……?』
『泰山府君祭と
『お前それここだけの話にしとけよマジで……』
『そして今回のレースの条件ですが、東京レース場 芝2400m 晴れ 良バ場 となっております。時刻は15時40分です』
『……真夜中だが?』
『ええですので今から昼にします』
『人生で一番聞かない単語の並びだわそんなの』
『事前に結界を張り、東京レース場を一つの区域として区切ってありますので外まで効果を及ぼすことはございません。場内の皆様は太陽光にご注意ください。それでは失礼して……【ラナルータ】』
『本当にやるやつがあるかバ鹿野郎』
『ついでに季節も五月中旬に合わせてあります。春ウマ娘が力を発揮しやすい状況ということですね』
『お前ほんとマジでいい加減にしとけよ?』
『さてそれではこれより参加者の紹介と参りましょう。1枠1番、日本ウマ娘レースにおける始まりの怪物。マルゼンスキー。赤を基調にした勝負服がよくお似合いです』
『貰った資料には『真紅のスーパーカー』って書いてあんだが?』
『異名がいくつもあるなんてそう珍しいことでもないでしょ?』
『さて次に参ります。1枠2番、五冠馬。シンザン。日本ウマ娘レースにおいて三冠を獲得し、当時としては最大の冠数を掴んで挑むべきレースがなくなったからとレースを引退した、まさに最強の戦士です』
『私はそのあたりはよく知らねェけどだいぶバケモンじみてねえ? アメリカで言うなら三冠獲ってトラヴァースとトレーナーズカップにペガサスワールドカップ取ったから引退しますみてえなモンだろ?』
『そう聞くともう完全に化物ですね』
『2枠3番にはシンボリの老雄、初めて日本ウマ娘レース界から凱旋門へと挑戦したウマ娘、スピードシンボリが参加いたします』
『話だけ聞くと格落ち感があるんだが……大丈夫かね?』
『生きている中では最も長くレースを走り続けた選手ですよ。技術ならば相当のものです』
『2枠4番、幻なりしパーフェクト、生涯戦績11戦11勝、トキノミノル。事務員として選手たちの走りを見て取ってきた結果、恐らく最も多くのスキルを見て取っていることでしょう』
『現在進行形で生きている奴の中では、だろ? まあ……相当やばそうなのは認めるが』
『実際相当やりますよ。破傷風にかかって脚の痙攣が酷い中2400m走って当時のレースレコード出してますからね』
『色んな意味でヤベー奴じゃねえか』
『それは本当にそう。いい子は真似しないようにしてくださいね』
『3人纏めて紹介させていただきます。3枠5番、天馬トウショウボーイ。3枠6番、流星の貴公子テンポイント。4枠7番、緑の刺客グリーングラス。日本ウマ娘レース界における伝説の3人、TTGの揃い踏みです』
『……おい、お前なんかトウショウボーイって奴から信仰向けられてね?』
『まっさかーw』
『いやまさかじゃねえよ向けられてるってこれ。お前また人の脳焼いたのかよ』
『放火魔みたいに言わないでくれる?』
『犯罪じゃないから捕まえられねえ分タチ悪いんだわ』
『4枠8番、『唯一抜きんでて並ぶ者無し』とすら称されましたヒートレースの覇者。エクリプスです。日本トレセン学園の校訓にも名を遺す名ウマ娘ですね』
『恐らくだが本来は長距離、5000m以上で力を発揮するウマ娘だと思うが……イヤ、あれは明らかにどこでも行けるな?』
『ちなみに数日前に最終調整で一緒に走りましたが力技一辺倒だったところに後から技術を詰め込んだ感じの走り方をしていました。全部無視して勝ちましたが』
『
『コンパスの長さが違いますからねぇ』
『5枠9番、最強の系譜にして恐らく最も有名な珍名バ。
『その情報居るか?』
『必要かもしれない。いらないかもしれない。そういう時にはとりあえず伝えておくべきだと思います』
『5枠10番、日本ウマ娘レース界における始まりのウマドル。ハイセイコーです。』
『アメリカ生まれアメリカ育ちアメリカ没の私には縁遠い存在だわな』
『お前は一応日本で死んだろうに』
『ここの私はアメリカ没だよ』
『そうでした』
『またも3人纏めて紹介させていただきます。6枠11番、司るは個性と太陽、ダーレーアラビアン。6枠12番、司るは愛情と大海、ゴドルフィンバルブ。7枠13番、司るは規律と大地、バイアリーターク。三女神の登場です』
『私あいつら嫌い』
『運命にも神にも噛みついたウマ娘は言うことが違う』
『あいつらを私から奪わないでくれてたら祈ってたさ』
『はいこの話ここまでー』
『7枠14番、世界統一王者、トウカイテイオー。アタシの愛バです』
『コネかよ』
『いや実は日本で三冠獲ってフランスで凱旋門取ってアメリカでトレーナーズカップクラシック取ってるんですよアタシの愛バ』
『バケモンの愛バもバケモンか』
『は? アタシのトレーナーさんがなんだって?』
『言ってねえよ』
『言ってないか』
『言ってねえよ』
『そっか』
『んじゃ紹介も終わったところで───』
『8枠15番』
『おいちょっと待て。私の所の書類には14人しか……浮き出てる!? なにこんなものに力入れてんだお前!?』
『驚くかなって』
『驚くわ!ってかお前……これマジか? 正気か??』
『さあ?』
『さてここからは飛び入り参加、追加出走者の紹介です』
『8枠15番、アメリカにおける初のスーパーフェクタ達成者。ワーラウェイ』
『笑えねぇ』
『www』
『笑うな』
『8枠16番、アメリカにおいて赤と言えばこの方、初代『The Red』あるいは『Great Red』。マンノウォー』
『だからお前笑えねえって……どうやって話付けたんだよお前……』
『向こうから来た』
『洒落になんねえ……』
『8枠17番、ハンガリーの至宝。キンチェム』
『お前なんで私をこっちで呼ばねえんだよ!?』
『うっさい』
『う゛っ』
『以上、17名でのレースになります。』
『……』←半死半生のサンデーサイレンス
Q.なんか増えてない?
A.増えてますねぇ。
Q.なんかヤバいのが増えてない?
A.増えてますねぇ。
Q.なんで18番はいないの? 絶対まだ参加したい人いたでしょ
A.公式じゃなければネイチャが最後に入るはずだった場所でございます……。
番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)
-
ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
-
ウィニングカラオケ(NN杯直後)
-
『ハヤイ』という名の馬について