存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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絶対に存在してはならない世界83

 

 アイルランドあたりで育てられる物と言ったら……やっぱりジャガイモだろうか。

 

「今ポテトの話した?」

「話はしてないですけど考えはしました」

「そっか。沢山増やしてね」

 

 突然のお芋さんの出現。アタシじゃなかったら驚いちゃうね。驚くだけで済むかは知らないけど。

 まあともかくジャガイモだけど、ジャガイモって確か連作障害が凄いんだよね。多分そうだったと思って一応確認のために実験農場では連続してジャガイモを植えてる所と大豆とか麦とかと入れ替えながら植えてる所を作ってるんだけど、三回目の時点で既にちょっと影響が出始めている。やっぱり連作障害ってあるね。間違いない。

 そうなるとやっぱりお土産にジャガイモ持っていくだけじゃなくて大豆とかも持っていった方が良いね。お土産と言うか、賄賂と言うか……そんな感じのやつで。

 一応この世界にもジャガイモに当たる植物はあるんだけど、なんとこのジャガもどきは周囲のメシマズ物質を一気に集めて溜め込みつつ自分でもメシマズ物質を作り出すという、栄養価で言うと随一なんだけどそれはそれとして死ぬほど不味い作物だ。一回気合を入れて食べたけどもう二度と食べない。なんなら魚よりきつかった。

 でもそれしかまともな栄養源が無ければ食べるしかないんだよね。だからアイルランドの国民食はそれだ。可哀想にね……。

 

 そういう訳でちょっと理事長に相談してみる。アイルランドとの友好のために色々と企んでみたけどいかがでしょうか、みたいな感じで。

 なんか頭痛と胃痛が同時に来てるみたいな顔だけど、国家間の関係を良くするとか考えると結構いいと思うんだよね。国家間と言うかアイルランドとアタシの間の関係になるような気もするけど。

 

 ……アイルランドか。懐かしいなぁ……暫く暮らしたこともあったっけ。あの時ほど多く人を見送った人生もそうなかった気がするけど。

 

 ちょっと考え事をしている間に復活した理事長さんから、国との関係を一企業に任せるのも、ましては一個人に任せるのも非常に良くないと言われてしまったので関係云々に関しては無かったことになった。ただ、国家間の関係云々を抜きにして個人で色々やるのを禁止する日本の法律は現状においては存在しないので、やるなら聞かなかったことにするからこっそりやってくれと返されてしまった。うーん、大人の返し方。

 そう言えば、うちの芋畑に関してはお芋さんからの加護のような物がある。にもかかわらず収穫量が落ちているってことはつまり、加護のないよその畑だと結構な問題が起きる可能性が非常に高いってことだよね? トマトとかナスとかそういうのとおんなじだ。

 一回育てた土を解析して減ってる栄養素に関してはちょくちょく追加してたりするんだけど、確かにジャガイモとかはそう言うのの偏りが凄いかもしれない。ほんと、考えることが多くて大変だ。

 でもアタシくらいしか知らないんだから、アタシがやらないといけないんだよね。アタシの目的のためにやったことなんだし、ちゃんとやらないと。

 

 で、そういうことをやるならちゃんとあちらさんにも許可取りをしないと面倒なことになる。いくら相手にとって良いことばかりだと言ってもあっちにも面子と言うものがあるんだから、そう言う所をある程度でも考えてあげないとね。

 なおフランスと韓国に関しては適用外ね。

 

 ただ会話するだけだったら結構簡単なんだよね。ラーメン作るでしょ? そうするとなんでかあっちの妖精さんだか精霊さんだかが匂いだけ繋げようとするからそれにちょっと相乗りさせてもらって空間繋げて会話できるようにする。顔も見れた方が良いよね。これでアポイントメントは取れる。取り方がちょっと非常識だけど取れないことはない。取れる相手が第二王女殿下だけなのがちょっと問題だけど。

 でもまあ、陛下に直接繋げられるよりは幾分マシかなと思ったり。

 

 ……この世界って基本的に飢饉がものすごく起こりやすい世界なんだよね。なんでかって言うと、そもそも植物の多くが自分に溜め込む栄養の量が多くないから。つまるところ食べても食べても消化にかかるエネルギーと吸収できるエネルギーの釣り合いが取れてなかったりする場合がかなり多いということ。これじゃあ食べれば食べるほどにお腹が空いてしまうという最悪の状況になってしまう。

 だからジャガもどきというこの世界の中では相当効率のいいものが栽培されてたりするんだけど、そればっかり育ててると連作障害が起きるのもアタシのよく知る世界と同じ。アイルランドは一度飢饉が起きてマジで滅びかけてるからね。

 ……まあ、それに関しては日本とかアメリカとかイギリスとか中国とかが言える事じゃないけどね。みーんな同じような失敗してるみたいだし。そりゃあ普通思わないよね。何度も同じところで連続で育ててると発育が悪くなる植物があるだなんて。大抵の植物は種が近くに落ちるからそういうのがあると滅んじゃうから。

 最初に気付いた人は凄いよ、ほんと。

 




Q.アイルランドで暮らしてた時に何があった?
A.ネイチャ「第二次世界大戦の少し前に産まれまして……まあ後は察してくださいな」

Q.どんなアポの取り方よ?
A.でも一番早いホットラインよ?

Q.そう言えばこの畑って実験施設でしたね?
A.忘れそうになるけどそうなんですよ。

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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