存在してはならなかった世界   作:真暇 日間

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絶対に存在してはならない世界91

 

 アイルランドに飛んで初めにやることがまさか王族の歓待を受けて王宮に迎え入れられることだとは思わないじゃないですか。まあ迎え入れられるとは言っても婚姻政策だとかそういうのじゃなくて普通に客人としてなんだけどね。

 ごめん嘘だった。普通に客人っていう扱いじゃないわこれ。結構な賓客としての扱いだ。流石に天皇陛下とかそういう人と同格とは言わないけど比較対象としてそのくらいの人達を出してもおかしくないレベルで歓迎されている。パレードとかは無いけどこれちょっとした我儘だったら普通に聞いてもらえそうな気がする。ちゃんと国益に繋がることしか言うつもりないけど。

 

「ようこそ、ナイスネイチャ様」

「ごめん待ってなんでアタシ殿下に様付けで呼ばれてるのめっちゃ怖い」

「ナイスネイチャ様はナイスネイチャ様ですよ?」

「新作のカップラーメンあげるからやめて? あ、お湯入れて三分待つと完成するから小腹が空いた時にでも食べてね」

「ありがたく頂きますわ」

 

 にっこり笑顔。やっぱ公的な場での王族相手は面倒臭い。アタシが敬語とか使わないでも大丈夫な時点で相当楽させてもらってるんだけど。

 そう、今はなんと王族専用の車で王宮まで運ばれている真っ最中。と言うか、王宮の敷地内にはもう入ってるんだけどなんとその敷地に入ってから王宮に到着するまで車でもしばらく時間がかかるという。流石は王宮、広いね。流石に使われてない所とかもあると思うけど、そう言う所があるならそこを畑にして実験に使いたい。近い方が良いしね。

 

 ……って言うか、トレセン学園よりも大分広い。確かにそんなことを言っていた気もするけど、冗談か何かだと思ってた。本当にこんな広いのか……そりゃあ迷子にもなりますわ。

 

 さて一応の目的は、この国に溜め込まれたメシマズ物質をなんとかして抜いてまともに食べられる作物の畑を作ること。あとアタシの脚をこの世界の洋芝に合わせること。この世界の芝って栄養をわざわざメシマズ物質に変えてるから生育が遅いししっかりした形には育たないのね? 根っこは大分しっかり張るけどふかふかにはならないわけ。大分がっつり硬いの。

 ちなみに野芝はもっとすごい。コンクリートの地面を走ってるほどではないけど硬質ゴムを張った床を走っているような感覚。反発力は凄いけど脚への負担もなかなかのもの。脚の調子を合わせるのに十五分もかけちゃった。洋芝の方も同じくらいで適応できるとは思うけど、一応長めに時間を見ておく予定。

 

 あと、メシマズ分離用の半透膜モドキも持ってきてるし車の中ではあるけどそれを使って真水を作っている最中。作った水はアタシからすると当たり前の水だけど、この世界で今まで生きてきた人たちにとっては奇跡の水だとか天上の甘露だとか言われるくらいには美味しいらしい。なお奇跡の水と言う言葉はTTGが揃って遊びに行ったことで発狂したクライムカイザーさんからの言葉で、天上の甘露に関してはセントライトさんからの言葉。どちらも蕩けるような笑顔でございました。まああくまで『ような』だから現実には蕩けてない。安心してほしい。

 そうやって作った水が少しずつ金属製のボトルに溜まっていってるんだけど、やっぱりあんまり早くはない。蒸留の方がよっぽど遅いのはそうなんだけど、こっちのはある程度使うと交換が必要だからね。再利用はちょっと現在の技術だと無理かなって。

 まあ材料に大金がかかるような物は使ってないからある程度大量に作れば安くなりそうだとは思うけど、その材料にメシマズ物質が使われてない物を使わないといけないのは大変かも。植物由来のものには大概混じってるからね、メシマズ物質。一旦焼くと変質して空気に溶けて、更にある程度放置すると酸素とかオゾンとか紫外線とかに反応して無毒化するんだけど。

 なお1550℃以上で加熱すると一気に無毒化した状態にまで分解されるからそっちがお勧めね。

 

 歓待の宴とかに関して色々あったんだけど、申し訳ないんだけどお断りさせてもらった。いやほら、本当に申し訳ないんだけど多分何もかも美味しくないじゃん? 不味くないは美味しいって言うのとは大きく違うってことをわかってるはずだけど、でもそれがわかってるからと言って用意できるわけじゃないからね。悲しいけど。

 

 それともう一つ、非常に勝手だしデリカシーとか個人情報保護だとかいろいろな所に問題があるのはわかってるんだけどそれでも調べずにいられなかったから勝手に調べさせてもらったんだけど、この世界でも殿下は体質的に子供ができなさそうだった。どうやらウマソウル由来っぽくてこうして人の身を得てから何をしても基本駄目っぽいんだけど、どうにかできなくはない。なおどうにかできる人がアタシ以外にも居て、それがいわゆるファイトレさん。殿下と会わせるとアイルランド行きになることで有名な、ぶっ飛んでるトレーナーさん。あの人の場合なんでか染色体異常とかそういうの全部纏めてどうにかしちゃうから凄いよね。多分三女神様のマッチング能力によるものだと思うんだけど、それに関しては感謝してますありがとう。アイルランドでも美味しい野菜ができたら奉納させてもらいます。

 




Q.国籍その他は無事ですか?
A.流石にこの状況で国籍に手を出せるほど蛮勇振るわない。

Q.なんか買収されてない?
A.ラーメン美味しいからね。仕方ないね。しかも沸かすお湯をちゃんとしたものにするための道具までくれたからね。

Q.三女神マッチング凄すぎない?
A.『いや実は俺達じゃないんだよね』

番外編のネタ(すぐ用意できるものに限る)

  • ナイスネイチャ+αのヒミツ(ウマ娘風)
  • ウィニングカラオケ(NN杯直後)
  • 『ハヤイ』という名の馬について
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