トリニティとゲヘナ、共通の敵が出来れば両校とも仲良くできるのでは?   作:ミカへの愛

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6話 お別れと帰省

 

 ホシノの説明によって警戒を解いたノノミと未だに警戒を解こうともしないシロコ。

 

 自己紹介を交わそうともしないシロコは銃を握りしめたまま俺とミカねぇを見る。

 

「ん、そこのピンク髪姉妹は早くここから去るべき。」

 

「おじさんもピンク髪なんだけどなぁ〜」

 

 

「…弱そうな方の話。特に髪が短い方のやつとか、砂漠にあんな大きなバックを持って来といて倒れるだなんて、体だけじゃなくて頭も弱いの?」

 

一一一ぐぬぬ…

 

 何も言い返せない…その通りすぎる。

 何のために大量の水と遭難用の装備を持ってきたんだか…

 

 

「あなた、シロコって名前だったかな?ちょっと表出よっか、分からせてあげる☆」

 

 顔は満面の笑みを浮かべているが目は一切笑っていないミカねぇ。

 

「ミカねぇ!私は大丈夫だから…」

 

 このままではマズイと止めに入ろうとする。

 

「安心して」

 

 その一言にホッと一息をついたが…

 

「完膚なきまでにボコボコにしてあげるんだから☆」

 

 ダメだった。

 本気出したミカねぇ相手に意識のある状態で帰ることが出来た人なんて今まで誰1人いなかったのに…このまま戦い始めたら学園同士の問題になるかもしれない。

 

 俺がどう止めようか迷っていると、ホシノが声を上げた。

 

「さすがにミカ相手にシロコちゃんは務まらないかなぁ」

 

「ふーん?私が弱いって言いたいのかな?」

 

「違う違う、強すぎてシロコちゃんがどうなるか分からないって言いたいんだ。」

「だから代わりにおじさんと戦うっていうのはどうかな?」

 

「ホシノ先輩が直接…?」

 

「ん、ホシノ先輩が出るまでもない。」

 

 愕然とするノノミと不満そうにするシロコ。

 

「ホシノが…?まあいっか、貴女この学校だとかなり強そうだし!」

 

 "この学校だと"を強調するミカねぇ

 

「うんうん、じゃあ校庭行こっか。」

 

 

 

 

 

 ホシノとミカねぇ、両者が校庭の真ん中で銃を構えながら向き合う。

 

 もちろん俺は少し離れたところでノノミやシロコと見学だ。

 

 

 

 はじまりの合図が鳴ると、ホシノは身をかがめてミカねぇの懐へ駆け出す。

 

 ホシノの武器はショットガンでミカねぇはサブマシンガン、両者ともに近距離戦で本領を発揮する。

 

 ミカねぇもそれを分かっているのだろう。ある程度の距離までは何もせずに待ち構えるのみだった。

 ホシノが銃口を向け、引き金を引こうとしたその時、ようやく動き出す。

 

 しかしミカねぇは銃口をホシノに向けず、防御の姿勢をとることもせずに足でホシノの鳩尾を蹴り上げた。

 

 蹴り上げられたホシノは苦しそうな表情を浮かべるが、銃口は冷静にミカねぇに向けられている。

 そのままショットガンを撃つと、ミカねぇはここまですぐに反撃されると思っていなかったのか一瞬怯んだ。

 

 その隙にホシノは少し引いて体勢を立て直し、追撃をしようとするが……先に引き金を引いたのはミカねぇだった。

 

弾幕を掻い潜りながらもミカねぇに肉薄し、ショットガンを向ける。

 

 ミカねぇはホシノのショットガンを持つ手を銃床で叩き付けて腕を持っていくつもりだったのだろう。引き金から手を離し、銃床を下に向けてアイスピックを持つように銃を持つ。

 

 ホシノはそれを予測していたようにショットガンを撃つ前にミカねぇの足に蹴りを入れて大きな隙を作ろうとする。

 

 だが蹴りを入れたと同時にミカねぇの銃床がショットガンを持つ右腕に叩き付けられ、取り落としてしまう。

 それと同時にミカねぇも体勢を崩し、ホシノは残った左腕で肘打ちをしてミカねぇの武器を落とす。

 

 両者共に落とした武器を拾う一一一なんてことはせずに、次に取った行動は拳を振るうことだった。

 

 ホシノは小柄な体格を活かして被害を最小限にしながら立ち回り、ミカねぇはいくつかの殴打をくらいながらも置きエイムの要領でホシノを殴りつける。

 

 

 

 殴る、蹴る、たまに頭突きなんてしながら服はボロボロになり、目に見える素肌は痣だらけになる。

 

 それでも全く怯むことなく戦い続けること30分以上が経ち、シロコはずっと目を輝かせているがノノミは心配そうにし始めた頃、校舎の外から大きな砲撃音が聞こえてきた。

 

 総勢30人くらいだろうか、ヘルメットを被った人達がこちらに向かって戦車と共に向かって来る。

 

「先輩!ヘルメット団の襲撃です!」

 

 とノノミが大きな声を上げるとホシノは戦いを止めてヘルメット団の方へ走り出す。

 

 ミカねぇも『今いい所だったのに」と言いたげな顔をしながらホシノの後を追った。

 

「私達も応戦しますよ〜!カレンちゃんはまだゆっくりしていて大丈夫ですからね。」

 

「ん、弱いやつは引っ込んでるべき。」

 

「いえ…私も戦わせてください。」

 

 そう言ってバックからトライデント…ではなくデザートイーグルを取り出す。

 

 シロコは気付かぬうちにヘルメット団の方へ向かったようだ。

 

「援護射撃くらいなら出来ます。」

 

「分かりました、任せましたよ☆」

 

 そう言ってノノミもヘルメット団の方へ駆け出す。

 

 俺も後を追って戦場へ向かうと、既にホシノとミカねぇによって半分のヘルメット団員が倒れていた。

 

一一一銃も無いのに短時間でここまでやるだなんて…

 

 それから、俺はデザートイーグル、ノノミはミニガン、シロコは拳で……拳で???

 

「シロコさんはなんで銃をもっているのにわざわざ拳で戦っているんですか…?」

 

「うーん、ホシノ先輩とミカさんの影響でも受けたんじゃないでしょうか。」

 

 しかもある程度対等に戦えているのが恐ろしい…

 

 

一一一あっでもあれはマズイな…

 

 シロコは正面の敵に気を取られて死角からの敵に気づいていない。

 

「ていっ!」

 

 自分の情けない声と共にデザートイーグルの引き金を引き、大きな銃声が発生する。

 

 俺の撃った弾はちょうどシロコへ不意打ちを掛けようとしたヘルメット団の頭へ吸い込まれるように当たり気絶させる。

 

…前世も今世も含めて銃を人に向けて撃ったのなんてこれで初めてだ。

襲ってきた相手が悪いとはいえ、なんとも言えない罪悪感に襲われる。

 

 

「カレンー!初めてでヘッドショットを決められるだなんてすごいじゃんね☆」

 

 少しセンチメンタルになっていた俺の心にミカねぇの褒め言葉が刺さる。

 

「ううん、きっとたまたまだよ。」

 

 ………本当はたまたまとは言い難かった。

 あの敵を撃ちたいと思ったら勝手に腕と体勢が動し、俺が意識して行った動作は引き金を撃つことだけ。

 まるで頭の中に演算機と照準器がついてるかのような感覚に違和感を覚えるが…ひとまず言わないでおくことにした。

 

「そっか…ところで、私があげたあの銃はどうしたの?」

 

「えっと…最近調子が悪くって、修理屋に持っていっても装飾が多すぎるとか改造のし過ぎで直せないって」

 

「改造…?確かに色をつけたり、ラメ塗ったり、キーホルダーをつけたりはしたけど…………改造と言えるほどでは無いはず…

 

 何やらよく分からないが改造について引っかかる様子。

 少し前、俺の見ていない所で銃のスライドを新しいのに取り替えてくれたのはミカねぇじゃなかった…?

 

 まあいっか、元々使うというより飾って置きたいものだったし。

 

 

 ふと、俺のスマホの通知音が鳴る。

 …母親からだ。

『アビドスにいるようだけれど、何をしているの?そろそろ夜になるから速く寮に戻りなさい。それと、近々貴女には話がありますから来週の日曜日、1人で実家に戻ってきなさい。」

 

一一一どうやって位置を特定してるんだか。

 

 嫌なものを見る顔をしている俺を見てミカねぇは察したらしい。

 

「カレン、帰ろっか。」

 

「うん。寮に戻ろう。」

 

 アビドスのみんなと軽い別れをしてその日は帰ることにした。

 別れ際、ホシノのこちらを見る目が複雑だったのことが印象に残ってたが…ミカねぇが何か言ったのだろうか。

 

 

「ねぇ、お母さんからのメールでしょ?なんて来てたの?」

 人のいない電車内で俺はミカねぇに話し掛けられる。

 送られてきたメールをそのまま見せると、ミカねぇは一気に不機嫌な顔をする。

 

「あの人達…余計なことをしようとしてるのかな。でも大丈夫だよ。私が守るからね。」

 

「いや、私1人で行こうかなって思ってる。ミカねぇは日曜日でも予定はあるでしょ?」

 

「確かにお茶会とティーパーティーの準備があるけど…でもそんなのまた休めば良いから絶対大丈夫!」

 

「……今日休んでるのに?」

 

 ギクッとした顔でミカねぇは目を逸らす。

 この感じは休んだらダメそうだな。

 

「いきなり退学させられるなんてことでも無いだろうし、ただのお説教程度だろうから大丈夫だって。」

 

「…………………うん。」

 

 めちゃくちゃ微妙な反応だ。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 私には2人の子供がいる。

 人当たりが良く、持ち前の体を活かして人間関係の層では上位にいるミカと人付き合いが苦手で友達もほとんど居ないカレン。

 

 当然、将来有望株なのはミカなので小学校の頃から多くの人と関わらせて影響力が強くなるように仕向けた。

 

 カレンについては…このキヴォトスでは珍しく男性体でヘイローがあるということで一時は利用価値があると思ったがあんな性格じゃ到底無理だろう。

 よって最低限の生活だけさせておいて何かあった時ミカの身代わりにでも使ってやろうとでも思ったのだが、カレンが小学6年生の時、事件が起きた。

 カレンがゲヘナを助けてしまったことだ。

 このトリニティにおいてゲヘナに味方する人間がどんな末路を辿るのか、よく分かっていなかったようでそれからは相当制裁を受けたようだったが、反省していないようだ。

 あの時は何とか制裁の範囲をカレン本人のみに抑え込めたが次またゲヘナと仲良くしようとなんかしたらミカにまで悪影響を及ぼすかもしれない。

 

 それから、カレンのスマホに位置情報を特定出来るアプリと裏ルートで入手した遠隔で起爆が出来るヘイロー破壊爆弾を仕込んだ。

 

 カレンが中学生になってからはミカに貰ったらしい銃のスライドには盗聴器を仕込み、無警戒な私生活まで監視できるようにしたのだが……

 

 最近は気づいてしまったのか盗聴器を仕込んだ銃を置いたまま出かけたり、電波の届かないところへ不自然に出かけるようになり思うように監視が出来なくなっている。

 

 

 

 ………だがもうじきそんな心配もしなくて良くなる。私の古い知り合いの"ベアトリーチェ"からカレンを預けるように提案されたのだから。

きっと彼女ならカレンを監視下において良いように扱うことができるだろう。

 

 今週末、カレンを家に呼び戻してから無理やり彼女の元へ送り届けるつもりだ。

 

 カレン。今度こそ上手くやれるように頑張るのよ。

 

 




戦闘描写、難しい。
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