トリニティとゲヘナ、共通の敵が出来れば両校とも仲良くできるのでは?   作:ミカへの愛

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1話目とそれ以外で主人公の名前が違うとかいうとんでもないミスしてました。
正しい名前は「聖園カレン」です。
なんで旧設定の名前のまま書き始めたんですかね…?


7話 記憶違い

 

 

 アビドスに行ってから一日が経ち、月曜日になった。

 

 ミカねぇは忙しそうだしヒフミはペロロ様のゲリラライブがあると言って出掛けてしまい話す相手が居ない状況。

 

 …少し寂しいような気もするが、今までも基本は1人だったから大丈夫なはずだ。

 

「そこの人ー、ちょっとお話を伺いたいっす。」

 

 正義実現委員会が何やら事情聴取をしているようだ。

 …一体誰に向けて言ってるんだろう?

 

「そこのピンクの髪した方ー、あなたに言ってるっす。」

 

 キョロキョロと周りを見渡すがピンクの髪をした生徒は俺以外居ない。

 よって俺に用がある様子だが…

 

一一一えっなにかやらかした…?

 

「わ、私ですか!?何もやってないです!」

 

「大丈夫っす。捕まえに来たわけじゃないんで。」

 

 

 

 

 

 

 

「私の保護…?」

 

「そっすー。まだ私も1年ですけど、正義実現委員会の名に恥じない実力はあるんで安心してくれていっすよー。」

 

 仲正イチカと名乗った彼女は俺の保護をすると言ったが、実際は護衛に近いことをしてくれるそうだ。

 

 ミカねぇの名前を出すと少し動揺した様子だったため、ミカねぇは自分がいない場所でも守ろうとしてくれていることが分かる。

 

一一一我が姉ながら、優しすぎる…!

 

 登校から下校までのみならず夕飯の買い出しにまで着いてきてくれる彼女を見ると非常に頼もしく思う一方で、なんだか目付きや雰囲気が俺の知ってる仲正イチカとは異なるように感じる。

 

 俺の知ってるイチカはずっと糸目だった気がするのだが…こんなに目が開いてただろうか。

 それに長い髪は極力邪魔にならないように後ろでひとつにまとめてあり、これもまたひとつの違和感となる。

 

一一一少なくとも俺の知ってる"原作時点"でのイチカはもっと理性的で人あたりの良い先輩って感じだったんだけど………今のイチカは表面上こそ取り繕っているものの、ふとした拍子に獰猛な様子が見て取れる。

 

 

 

 違和感を拭いきれないまま3日が経った木曜日の朝。

 

「うーん、やっぱりミカねぇからもらった銃の調子が悪い…」

 

「スライドが上手く噛み合って無いみたいっすね〜」

 

「!!!???」

 

 いきなり横にイチカが現れたことに驚き、椅子から転げ落ちてしまう…が、床にぶつかる前にイチカが支えてくれる。

 

「いやぁ、悪かったっす。実はこれをもらったんで寮の中でも守れるかなと。」

 

 イチカは俺の体を椅子の上に戻すと、ポケットの中から合鍵を取り出して見せる。

 

「さすがに心臓に悪すぎるっ!」

 

「あはは!その顔が見たかったっす〜」

 

一一一さっきの守る発言はどうしたんだ。ただ単に驚かせたかっただけじゃないか…

 

「まあまあ、そんな怖い表情してたら可愛い顔が台無しっす。ほら、笑って笑って。」

 

 ジトッとした目でイチカを見つめる。

 

「…はあ、私が悪かったんでそんな目で見ないでほしいかな、と……お詫びにその銃、私が見てあげるんで預けてほしいっす」

 

「本当!?」

 

「うわ、いい笑顔。もし異性だったら惚れてたかもしれないっすね」

 

「なんか言った?」

 

「いいえ何も。」

 

一一一なんか怪しいな…やっぱり預けない方が良いかな…?

 

「今日中には返すんで!また後で!」

 

 そう言って俺の銃をとって開きっぱなしの窓から出て行った。

 

「合鍵、関係ないじゃん…」

 

 いきなりすぎて状況が呑み込めない俺はひとりごちて、2度寝する事にした。

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミカ様から直接「私の妹のカレンを護衛してほしい」と頼まれては断ることなんて出来ずに保護という形で受けてしまった。

 

 正直なところ、最初はあまり乗り気ではなかった。

 断る余地もなく頼まれたから、というのもあるが何より護衛だなんてつまらないからだ。

 

 初めて話しかけた時も、話慣れて無さそうで護衛中に暇つぶしで話すことさえ出来なさそうでがっかりした。

 だが少し打ち解けるとなんだか不思議な距離感となった。

 

 何に例えられるか分からないが…強いて言うならば異性間での友情だろうか。

 互いに異性であるからこそ一定の距離感を保って仲良くする…そんな感じだ。

 

 今までできた友達の多くがただの友情だけでなく恋愛や性的な関係を求めてきたことがあったので、そういうのを気にせずに関われるカレンともっと仲良くなりたい、知りたい思うのは自然なことだろう。

 

 

 

 初めてカレンと会ってから2日が経った頃、ミカ様から家の中でも守るようにと合鍵を渡された。

 

 

一一一ちょっとからかってあげようとしただけなのに、ここまで良い反応をするだなんて、驚かしがいがあるっすね〜

 

 そう思いながら椅子から転げ落ちたカレンの腰と肩を手で支える。

 

一一一あれ、なんか私の知ってる感触じゃない…?

 

 肩甲骨や骨盤の形が自分の知っているものとは違う気がしたが、怪しまれる前に手を離す。

 

 

 

 

 

 

 それからカレンの銃を見ることになった私は家に持ち帰って分解する事にした。

 

一一一スライドが粗悪品すぎないっすか…それ以外はちゃんと作られてるのに……不良品っすかね?

 

 だが中学校入学時にミカ様もらったとか言っていたのを思い出しその線は無いと思う。

 

一一一このスライド、なんか開けられそうなところがある…?

 

 力ずくで無理やり開けると、そこには普通のスライドには付くはずのないプリント基板とマイクが付いていた。

 

「…まさか、そんなわけないはず…」

 ミカ様が仕込んだのか…?

 

 

 いや、それは無いか。

 盗聴器が付いてるのなら私を護衛にする必要などないはず。

 それに撃ったこと無い銃のスライドだけがいきなりここまで悪くなるだなんてありえない。

 

 つまりミカ様以外の誰かがカレンを監視するために後からスライドを入れ替えた、ということになるが…

 とりあえずこの盗聴器は破壊して…スライドはちゃんとしたやつに交換すれば銃の調子は良くなるだろう。

 

「はぁ…とりあえずミカ様に報告っすね。」

 

 自分のあげた銃に盗聴器が仕込まれてただなんて知ったらどんな顔をするのか。

 護衛をさせる理由もまだ聞いてないしこの際それも教えてもらおう。

 

 そう思案しながらティーパーティーの部屋を向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「ミカさん、落ち着いてください。そんなにソワソワされると下品ですよ。」

 

「だってぇ…カレンが心配すぎて…」

 

「別に実家に帰るくらいそこまで心配しなくても良いと思うのですが…万が一に備えて護衛は付けたのでしょう?」

 

「うん、正実の知り合いに頼んで1人護衛するように頼んだけど………それでもやっぱり心配だよ!」

 

「過保護ですね…」

 

 過干渉は嫌われますよと言わんばかりの目で見つめてくるナギちゃん。

 

 カレンが家からどんな扱いを受けているのか、ナギちゃんにはまだ言っていない。

 だからカレンが実家に帰ることを軽く見ているのだが…実際は何があるのか分からない。

 

「あっヒフミさんとの約束の時間です!少し…いえかなりの時間席を外させていただきますね!」

 

 

 そう言ってナギちゃんは控え室から出て行き部屋に残るのは私1人。

 

「はぁ…カレン、大丈夫かなぁ。」

 

一一一これがただの杞憂で終わってくれたら良いんだけど…

 

 そろそろ休憩も終わりにして仕事をしなければならないなと席を立とうとした瞬間、コンコンっと扉をノックする音が聞こえた。

 

「はい、どーぞ。」

 

「失礼するっすー。あれ、ミカ様1人なんすね。」

 

 えーっと、この子は確か…ああそうだ!カレンの護衛をしてる子だったかな。

 

「ナギちゃんは友達と遊ぶって言って出て行っちゃったからね!」

 

「ふーん…まあならちょうどいいっす。カレンについて聞きたいことがあるっすけど。」

 

 そう言って見慣れない銃のスライドを私に見せてきた。

 

「これとカレンになんの関係があるのかな…?」

 

「ミカ様がカレンにあげた銃のスライドっすよ。その様子だと見覚えがないようで。」

 

「え?」

 

 こんなものあげてない。私の記憶だとピンク色で可愛らしい絵や装飾を付けていたはずだ。

 …まさか

 

「あの人達…勝手に付け替えたのかな?」

 

「やっぱりなんかあるんすね。教えてくれませんか?」

 

一一一やばっ口に出してた!

 

「貴女に教える義理は無いよ。黙ってやる事やっといて。」

 

「そういう訳にもいかないっすね。情報を知っておかないと守れる人も守れなくなりますから。それに一一一一一カレンは私の大切な友人っす。だからどうか、教えてください。」

 

 今まで軽薄な態度だったイチカが真剣な表情をして頭を下げる。

 

一一一友人、か…カレンにもそんな人が出来たんだね。良かった。……この人相手なら少しは教えても良いかな。

 

 私はカレンが両親から邪魔者扱いされていることや、発信機を付けられている事を話した。

 ……邪魔者扱いされている原因とされる、小学生の頃ゲヘナの子を助けた事を除いて。

 

 

「そっすか、じゃあこの盗聴器はその両親が付けた、と。」

 

「盗聴器?なんの話!?」

 

「…そういえば言ってなかったっすね。ここに来た理由。」

 

「カレンが最近銃の調子が悪いって言うんで、見てあげたら粗悪なスライドが使われてたんです。」

「でも最近になっていきなりここまでスライドだけが悪くなるだなんてありえないんで分解したら盗聴器がそこに…って感じっすね。」

 

一一一そこまでして何を監視したいの?あんなにも良い子なのに、どうして信頼してくれないの?一一一一私はなんで毎回何も出来ていないの?

 

 両親と不甲斐ない自分への怒りが抑えるために強く握った拳から血が流れる。

 

「なるほど…あれから1週間保護するという名目で私をカレンの傍につかせたのは実家に帰って何をされるか分からないからっすか。」

 

「…そうなるね。」

 

「任せてください。カレンには指一本も触れさせませんから。」

 

 イチカの気迫ある目線に少し安堵する。

 

「お願いね。カレンを守るためなら一一一一"何をしても良い"から」

 

「もちろんっす!それじゃ護衛…じゃなくて保護の任務に戻るっすー」

 

 そう言って扉から出て行ったイチカを目で見送る。

 

「…理性的で誠実な人って噂だったたけど、実際はツルギにちょっと似てる感じだったかな。」

 

 やっぱり所詮噂は噂だったかなーっと独り言を漏らしてから、残っている仕事を片付けてカレンと話す為に立ち上がるのだった。

 

 

 




1月中旬までめちゃくちゃ忙しいので投稿頻度が落ちます。
5日に1回は投稿出来るように頑張りはしますが…不定期更新になるかなと。
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