トリニティとゲヘナ、共通の敵が出来れば両校とも仲良くできるのでは? 作:ミカへの愛
イチカに銃を預けたのが朝で、今が夕方だから…8時間くらいは経ったのかな?
二度寝のせいで朝遅刻しかけがピンク色の髪をした救護騎士団の子に送ってもらったおかげで何とか間に合った。
途中明らかに学校へ向かう道じゃない場所を通った気がするが…一体どんな近道を使ったんだろうか。
それはさておき、ついさっきイチカから銃が返ってきた。
スライドを交換しただけで完全に治ったらしいが……スライドを変えたからか重心が変わっている気がする。
前のより軽いものにしてくれたのかな?
返された後に
「何があっても守ってみせますから、安心してくれていいっすよ~。」
と言われて聖母のような顔で抱きしめられたときは心臓が高鳴りすぎて自分でも驚いた。
ミカねぇは身内だから基本何をされても何ともなかったけど、ほかの人相手だとこうなってしまうらしい……一応ここ最近薄れてきていた男の意識を多少取り戻せた気がする。
なんと言うか、ただ実家に帰るだけなのに心配されすぎじゃないか…?あんな母親と二人きりだなんてとても嫌でしかないが実害はないはずなんだけど…
イチカやミカねぇの態度を見て考え込んでいるとふと、ヒフミからのモモトークの通知音が鳴った。
【カレンちゃん、明日のお昼にペロロ様のライブに行きませんか?】
明日…!?普通に学校はあるしなんなら小テストがあるというのにそれを受けずにライブに行くっていうのか!?
【明日は小テストがあるけど…それでも行くの?】
【そういえばそうでしたね。でも関係ありません!ペロロ様の前ではすべてが無意味です!】
何を言ってるんだこの人は…推しのために人生をかけているタイプなのか…?
しかしそれはそうと…明日の小テストは苦手教科だから受けても百点中五点とかしか取れない気がするんだよな………
よし、決めた。受けても受けなくても変わらないテストを受けるくらいなら友達と遊びに行った方が楽しい!
【私も行こうかな。集合場所はどこ?】
【やはりそう来ないと!場所は――――】
ヒフミに言われた通り、ゲヘナ自治区の一角にあるライブ会場前に来ていた。
「私達トリニティだよね?堂々とここに来て良いものなのかな…?」
「大丈夫です!同じ愛を持っているのであれば仲良くすることはできると思いますよ!」
「本当かなぁ…」
ペロロ様が好きな同志ならたとえゲヘナであっても仲良くできるはず、強くと主張するヒフミとそれに首を傾げる俺。
ここに来るまでに数えきれないほどゲヘナの生徒に睨まれた気がするが、ライブ会場に近づくにつれてそんな目線は少なくなっている気がするしヒフミの言うことにも一理あるのかもしれない。
―――もしかして、俺が両校の敵にならなくても共通して好きなものを見つければあのゲヘナとトリニティでも仲良くできるかも…?
そんなことを少し考えたが、共通して好きなものを見つけることも作ることも俺が在学中にできるとは到底思えない……
―――ならやっぱり、あの方法を使うしか――
「ペロロ様が舞台に上がりました!いつ見ても可愛い…!!」
もはや叫び声のようなヒフミの歓声により意識が舞台へと移される。
舞台には最初、三体のキャラクターがいたのだが、数分後には大げさなファンファーレとともに二体増えた。
―――あれがペロロで、あっちがウェーブキャットで、それがスカルマンで……後から増えた残り二体のキャラクターは誰なんだ…?
「アングリーアデリーとビッグブラザーも登場するだなんて、事前情報には書いてなかったのに…すごいサプライズですね!」
…残りの二体はアングリーアデリーとビッグブラザーというらしい。
―――そんなキャラいたっけな…?
朧げな前世の記憶を掘り返すがちっとも思い出せない。
それがもう15年以上前の記憶だからか、それとも影が薄すぎて記憶に残ってないだけなのか…
―――ま、この程度思い出せなくてもいっか!
ひとまず目の前のライブを楽しむことにした。
***
カレンに銃を返してから、私はずっとカレンのことを考えていた。
表面上こそ他生徒と同じように振る舞っているが…ミカ様からカレンに関する過去の写真を見せてもらい、情報を聞いた時、どうしても気になったことがあったからだ。
カレンは水泳の授業を1回も受けたことが無いのだ。
詳しくミカ様に聞いてみたが、「ずーっとカナヅチだから泳げないって言ってたじゃんね☆」と返された。
そもそもいつからカナヅチだと分かったのか聞いてみたが「うーん…あれ?幼稚園の頃からずっと泳いでなかったから分かんないかな。」と言われ疑問が深まる。
『カナヅチだから』という理由で一度も泳がずに済むとは学校の根幹に関わるレベルで何かが動いているのかと思ったが…それと同時になぜそこまでして泳ごうとしないのかが気になる。
「…まさか男だから、なんてことはないっすよね。」
…今のは明らかに妄言だったかもしれない。
でも辻褄が合うにはそれしかないのだ。
「と、なれば調査してみるしかないっすね。」
ライブが終わり、友達と別れたカレンを尾行しているといくつか気になる出来事があった。
女子トイレがそこまで混んでいた訳でも無いのにわざわざ多目的トイレことや人差し指より薬指の方が長いことだ。*1
それでも確証に至ることが出来ていなかった私は本人に聞くことにした。
「カレンってなんだか男っぽいっすよね〜」
道中たまたま会ったていで雑談をし、その流れで性別について聞いてみる。
これはただの好奇心だ。
だから面と向かって聞かないことで言いたくないのであれば言わなくても良い状況を作る。
「……何言ってるの?私は今までもこれからも、ずっと女だよ?」
返ってきたのは今までの親しげな声色とは正反対の冷たい声で自分が女性であるとの主張だった。
「あっはは!やっぱりそうっすよね!変な事聞いて申し訳ないっす!」
そんなカレンから感じた感情は強い拒絶と焦り。
幼少期から今までずっと女子生徒として生活してきたのにはそれなりの理由があるといいことだろうか。
一一一これ以上追求できる雰囲気じゃないっすね。
だからアプローチを変えることにした。
一一一カレンの両親に、直接聞くしかないっす。
忙しすぎて次回の更新は未定でございます。