転生者セイズ・ベルベットの憂鬱 作:エリス
あの後───アーディとティオナもセットで来店してきて更に祝われた。アミッドもだ。借金が無い分ナァーザとはそこまで険悪ではない。
アミッドもレベル6だしディアンケヒト・ファミリアの地位は
【ロキ・ファミリア】にも、火が付いたらしい。まああの手の多くが目撃する名を上げる絶好の舞台はフィンさんが喉から手が出るほど欲しがりそうな場面だろうしな。
実際お三方がレベル7になって、若手幹部がレベル6になってもまだ今の
【ロキ・アストレア】で連合組まれたら流石に厳しそうだが…リリは基本私が居る側につくのでそれでも多分勝ててしまうだろう。
レベル8と2人のレベル7の存在はそれだけ大きい。ヘイズもレベル6だし。少し前までは「準最強」がレベル6だったのが、レベル7にまで上がり、
今の頂点は8だ。しかも都市内だけで3人もいる。確実にオラリオの位階は上がってきているだろう。【ロキ】も早めにレベル7を輩出させないと取り残されてしまう。
そしてオラリオ内の意識が高まりランクアップ者が増えてもきた。更に都市というか世界中でも少し変化があった。
古代遺跡に封印されていた太古の三大クエストクラスのモンスターなど、寝耳に水だったようで、世界中でそのあたりを「慎重に調査をしよう」という流れが出来たらしい。
実際に黒竜以下の討伐済みの2体レベルまでなら、当代の戦力でも対応出来ることが証明されたので、「今回のように初動が早ければオラリオの主要戦力を速やかに派遣して対応も可能」とも判明したので、
「通信道具」の存在は隠しきれなく、そのあたりにまで言及された。だが、「未だこの世界で
私がフェルズさんに「固定電話」の概念を伝え、
難しかったら「電報」のアイデアもあったが、普及出来るなら「電話」のほうがいいだろう。「自分らほどの技術者でなくても
それにまだ数を絞り、世界各地の都市同士とギルド間にしか設置されていない。また外のファミリアでは対応出来ないモンスターが確認されたら、オラリオの冒険者が派遣されるようになるだろう。
実際外への示威行為としてはかなり有効だ。ロイマンも結構乗り気だし。アストレア・ファミリアも。寧ろこうした場に乗ってこなければ今までで彼女らが人々のために力を付けた意味がなくなる。
まあイルルは一体だけなので、彼女が空いてない場合は速度では劣っていても数が揃っている【ガネーシャ】のワイバーンにも頼ることになるだろう。イルルも
都市内だけでせこせこ
そうしてベル君がオラリオに到着する時期が近付いてきた頃───
ベル君自身は正直どこの派閥に入っても頭角を現せると思うのだ。何なら二次創作でよくある、【ロキ・ファミリア】でもいいし、今なら【アストレア】という選択肢もあるし、【ガネーシャ】でもなんでもいい。
【アポロン】だの【イシュタル】だのはダメだろうが。だが、ここでフレイヤ様の存在がややこしくさせる。戦力的には少し頑張れば守れそうな【ロキ】でもフレイヤ様の魅了の前には無力だ。
【フレイヤ・ファミリア】も
仕込みさえ済めばほぼノーリスクで振るえそうなヘスティア様の「権能」も私が頼み込めば使ってくれるだろうが、自身となんら関係のない他所の派閥の
だから結局
ベル・クラネルには憧れた
全員が物語の中の英雄ではなく実在する
渡されていた
そうしてオラリオが近付いてきたことを報告すると「迎えに行く」とだけ簡潔に言われて、切られてしまった。
「やっほー直接会うのはおひさだねーベルくーん」
「セイ姉!?とイルル!?」
空から女(の子?)が!?
「じゃあこの子に乗ってオラリオに乗り込むから…」
「えっと…大丈夫なの…?」
「まあ私にだけは【常時飛行許可】が与えられているから。【ガネーシャ・ファミリア】にすら無いのよ。持つべきものは権力よねえ凄いでしょう?じゃあ空から大雑把に案内するわねえ」
「まずあの高い塔が『バベル』塔の上の方の階は神様たちが住んでいるの…下の方は武器屋とか色んなテナントやギルドが入っているわ。最上階は私の主神様…まあ今の時間は居ないんだけど住んでいるの。
地下の奥底はダンジョン…まあ
───
「───と主要部はこんな所ね、結局
「じゃあ、素敵な女神様が待っている教会に行きましょうか、貴方の主神様候補勝手に見繕っちゃったけど構わない?
「うん、構わないよ、皆の紹介なら信頼出来るし」
「ごめんなさいね、本当は【ロキ】とか高名な所受けたかったでしょうに…いつか本当の理由話すから今は納得してちょうだい?」
「ちなみにどんなファミリア?」
「貴方が1人目よ」
「え?」
「0からの成り上がりって楽しそうじゃない?幸い師匠役はいくらでも紹介出来るわよ」
「ちょっえっえっえ─────────っ!?」
戸惑っているベルをお姫様抱っこして飛び降りる。スキルで減速して降下する。
「はいとうちゃーく」
教会前に着地してベルを降ろす。
「ふぅ着いた着いたっ結構
中に案内されて、綺麗に内装も整えられた教会にベルも目を奪われる。
「ここは貴方のお母さん達のメーテリアさんとアルフィアさんが愛した場所なの、素敵でしょう?」
「馬鹿者”それ”は私が直接教えてやるつもりだったのに…」
中で待っていたアルフィアさんが声を荒げる。
「お義母さんっ!」
「一人旅はきちんと出来たか?」とか「あのクソジジイは死んだふりしなかったか?」と抱き合いながら2人で語り合う。
一通り語り合った後に地下にいるヘスティア様を紹介した。
ヘスティア様には紹介する眷属候補について「いつか彼を巡って【フレイヤ・ファミリア】と戦うことになるかもしれない」とは忠告しておいた。
知っていて教えないのはあまりに不義理なことだったからだ。「知らないほうが絶対上手くいく」という事柄ならともかく。
「セイズ君も敵になるのかい?」と聞かれたから「私は”ソレ”に関してだけはフレイヤ様の味方になれないです」と返しておいた。
「なら大丈夫さっ!ザルド君やアルフィア君達も味方になってくれるんだろう?」とニッコリ笑いながら聞かれたので頷いておいた。ザルドさんとヘスティア様も普通に顔見知りだ。
昔は無かったじゃが丸くんを食べ歩きしていた時に知り合ったらしい。私の話と大雑把な材料だけ聞いてじゃが丸くんと相性抜群の「中濃ソース」を再現してしまったザルドさんはアイズにかつて「じゃが丸くんの神」と呼ばれていた。
神が普通にいる世界でその呼び方は割とシャレになんなかったので私発案だとあっさりバラされ今度は私が「じゃが丸くんの聖女?」とか聞かれた。
ベル君とヘスティア様は流石の相性の良さであっさり打ち解けた。だが私とザルドさんとアルフィアさんとの関係は暫く周囲に隠すことにした。
具体的には【アポロン・ファミリア】という美味しい餌を逃せないからだ。奴らから喧嘩を売ってきたら潰してホームと資産をごっそり頂く。
これだけは絶対に
まあ私達という世界的強者が目にかけているとバレれば妙な注目を浴びるし、レベル1からそれは重荷になりすぎる。公に明かすのはせめてレベル3くらいになってからかな…
バベルの塔、下から見るか横から見るか