転生者セイズ・ベルベットの憂鬱   作:エリス

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第17話 魔導書(グリモア)

ある日のバベルの最上階───

 

「フレイヤ様…一応聞いておきますが…そのスロットごと拡張させて魔法を発現させる最高級の魔導書(グリモア)をどうおするつもりで…?」

 

「それは…当然あの子…ベルへ渡すつもりよ…」

 

「いいえ、それには及びませんので必要ないです。『ナイフ』に殆ど関われなかったザルドさんが空きスロットを埋めて魔法を発現させる廉価版の魔導書(グリモア)を用意してくださったので、そちらを使います。

彼元々空きスロット1つありますし、理論上発現する魔法の質に差はないので、数億もする無駄に高いこちらは私が預かりましょう。いつか彼がより力を求めた時に私の判断で渡しますので」

 

「ぶぅ~ベルのステイタスを把握しているからってズルい!いいじゃないどうせ私のお金で買った物なんだから!」

 

()()()()()()…?あ・な・たぁじゃなくて眷属(わたしたち)が稼いだお金でしょうがぁ?『全てを女神に捧げます』みたいなノリの脳筋(ばかども)と私を一緒にしないでくださぁい?」

 

「杜撰な財政管理を改善して、黒字を増やしたのは誰?」

 

「うぅ…セイズぅ~」

 

「派閥内1番の稼ぎ頭はぁ?」

 

「セイズですぅ!」

 

「寄付金が年々増えまくっているのは誰の貢献!?」

 

「セイズよぉ!うぅ~」

 

「可愛らしく唸ってもダメなものはダメですぅ」

 

「貴女年々小姑みたくなってない…?と言うよりは話に聞く九魔姫(ナイン・ヘル)みたいな…ママ?」

 

「だぁれがぁママですかぁ!ン億歳のメスガキなんざこっちから願い下げですっ!」

 

思わず手が出たセイズにそのままグリグリされるフレイヤ。魅了が効かない相手には美の神(フレイヤ)の力などこんなものだ。

 

「はぁ…ちなみにどうやって渡すつもりだったんですか?」

 

「それはぁ『店』にこっそり置いておいてお客さんの忘れ物のフリしてそのまま───」

 

「はいアウト──────知り合ったばかりの相手にいきなり最低数千万のプレゼントをしない程度の常識が有ったことには少し安心しましたが…客観的に見てやっていること普通に泥棒扱いされますよね?ベル君の方まで…全くン億歳のクセに恋愛弱者なんだから…

言っておきますが男と寝た数なんて恋愛の数に入りませんよ?」

 

「善良な彼は気にして罪悪感を感じるだろうし、確かに時間が経てば忘れるかもしれませんが…そんな胡散臭い暗躍させるくらいなら普通にザルドさんのものを使います。あの人の資産も20億ヴァリス越えてますから全然懐痛くないだろうし…」

 

「ぶぅ~ベルばっかりずるいずるいずるいぃ貴女とばかり遊んでぇ!」

 

「…遊びじゃないですよ?()()アルフィアさん達から託された大切な愛し子で地上の希望に成り得る大切な英雄候補なのです」

───

「本当にいいのっ!?おじさん!」

 

「ああ、お前のために用意した物だ…遠慮なく喰らえッ!糧にしろっ!」

 

「その言葉選びはどうなんですかね…とはいえ貴方は純魔導士というほどではないですが、魔法適性もそこそこ高そうなので遠慮することないですよ?」

 

「やったぁ!ありがとう皆ッ読んでくるっ!」

 

これだよこれ。渡した時の喜びはこうでしか見られなかっただろうな…暗躍好きの女神様は自重してもろて…結局発現した魔法は正史(ほんらい)通り【ファイアボルト】だった。

少し安心した。私らの影響で【サタナス・ヴェーリオン】だの回復魔法だのが発現したらどうしようかと思った。単純な性能なら【サタナス・ヴェーリオン】の方が上のような気もするが多分アレはチャージスキルとの相性が悪い。

元々反動も結構ある魔法だ。チャージなんてしたら制御出来なくなる可能性が高い。というか衣服弾け飛びそう。回復魔法は…私が居て更にアミッドやヘイズまでパワーアップしているのに「これ以上要らんやろ」という感じだ。

その後はダンジョンではしゃいで精神枯渇(マインドダウン)したのでおんぶして連れ帰った。

 

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