転生者セイズ・ベルベットの憂鬱 作:エリス
「エレン」を名乗る神は財布を取られた挙げ句アストレア・ファミリアの少女達に助けられた。次代を担うかもしれない「正義」を掲げる今はまだ未熟な雛鳥達。
「いい機会」だとちょっかいをかけようとしたところで待ったをかける闖入者が現れた。
「はあまだ
貴女達は才能豊かでもっと強くなれる余地があるんだからダンジョンで鍛えてレベル上げて、敵の特記戦力を速やかに討ち取れる実力付けなさいって。『そうした方が結果的に多くの人たち守れるわよ』って。前にも言ったわよね?
せっかくの才能を無駄遣いよ、アンタたち。」
これは原作知識だけでなく、実際に見た感想だ。リューは言わずもがなそれと張り合っていた輝夜も凄い。アリーゼも武と魔法のバランスが高水準だ。ライラは武はちょい物足りないがパーティに1人は欲しい人材だ。
ウチにはこの手の人材皆無だしな…ヘディンは偉そうで上から目線だからすんなり聞きにくいし…
「モチロンッ!アナタの言うことは聞いてるわよッ!セイズッ!ただ今日はオフなのっ気晴らしに見回りをしていただけっ!眼の前に困った人がいたら見過ごせるわけないでしょッッ!?」
「どちらにせよ
「ええ…私らは美神様のお気に入りほどお気楽ではいられませんので」
リューが恨めし気に睨みながら言う。輝夜の嫌味は嫌味にすらなっていない。眼の前の少女が、いざ「悪」や傷ついた民衆を目にすれば誰よりも早く動くのは理解っているのに。
「気晴らしに見回りって…休めていないじゃん本末転倒ね。まあ私も眼の前に困っている人が居たらそりゃ助けるわ、
『お前らがゼウス・ヘラより弱いからだ』とか言われてもんなこと知りませんて。昔から居たらしい
この時代のガネーシャ・ファミリアは7年後と比べると大分弱い。まあ人数だけは多いのだが。
アストレア・ファミリアは眼の前の少女1人に負けたことがある。それもこの場の全員がレベル3同士だった時だ。
不完全燃焼で終わりそうだったところで彼女に喧嘩を吹っ掛けられたのだ。なんだかんだ言っている事自体は正論だし「一理ある」ぐらいには耳を傾けられたので、悪い人間とは思っていない。憎たらしいけど。
それにアストレア・ファミリアが無名の頃から眼をかけ時には力を貸し、高く評価をしてくれていた。実際強いし。むかつくけど。彼女は
傷ついた味方や自身をも癒やす
ファミリア単位ではなく個人で一番民衆を救っているのは彼女とも言われている。あの派閥の人間とは思えないほどあけすけに主神や同僚の悪口を言っている。ちなみに他所の人間が言うと機嫌を悪くする…面倒臭い。自分が言うのはいいらしい。
「貴方がエレボス様ですか…ふんふむやっぱり邪神って感じではないですねー無駄に顔は良いけどそこはかとなくロクデナシのかほりがしますが。『地下世界と暗黒』って権能、
マイナスイメージ付き纏いそうですけどそれ自体は別に悪い
「大先輩達にちょっくらこっちから挨拶したいなーなんて」
「待て…キミは
この時点で彼女らにバレては堪らないとセイズの手を引っ張るエレボス。
───
そうして連られてきた場所は例の廃教会。ここを集合場所にしていたらしい。
そこではレベル7の
「それで連れてきたのがそのフレイヤのお気に入りとやらか」
「死期を悟って自ら餌になりに来た貴方達に、少しは建設的な話をしましょうか…少し長くなるでしょうが…」
「まず…【太古の話】と【
「過去のことよりは建設的な未来の方がいいな」
「それではまず今から7年後のこの街での出来事を…この物語はある田舎から出てきた英雄になることを夢見た白髪と赤眼の兎のような少年が…
「その純朴で影響され易い少年は最初は育ての親の影響で『ハーレム作りたい』とかほざいていましたが、ある1人の
題名は名付けて【
「前者で」「捻りはないが前者だな」「えーオレは後者もいいと思うがねというかなんか妙な
「そりゃあどっちも
「少年の名前はベル・クラネル。女神様の名前はオリュンポス十二神の
ちなみに最初の住まいはぐーたらしていたヘスティア様がヘファイストス様に追い出され最後の情けとして充てがったこの廃教会の地下です。
そしてまだ駆け出しでパッとしない頃に5階層でミノタウロスに追われそこで
──────
「そうして同行者の少女のために【憧れ】に無様を晒すのも避けて、逃げずに立ち向かうことを選んだ少年は見事にミノタウロスを撃破します」
「ちなみに2度目のミノタウロスとの遭遇、対決を仕組んだのはウチのオッタルさんです」
「おい、待てそれは…」
「はい、【始源の英雄】と同一の魂を持つ彼はウチの
その後はアポロンとの
───
「そうして【ヘスティア・ファミリア】を主軸とした派閥連合は見事フレイヤ・ファミリアに勝利します。
「女神は
「待て…興味深い話ではあったが今の話『お前が』どこにも居なかった、お前には劣るであろう
「【私】は…居ませんよ…この世界で一番の
「…それで【今の話】を聞いてどうします?私は【
「その話が本当なら今この場でお前を殺すのが話が早いと思わないか?」
「おい、アルフィア…」
「黙れザルド。こいつの話が真実なら、どんなに有望でも妹の子を不幸にする要因なら私は残りの命を使ってでも全力で排除する」
まあ、こうくるわな。「ベル君inフレイヤ・ファミリア=不幸」は決まっているらしい。まあしゃーない。ここまでの話でフレイヤ様達に結構非道い目に遭わされているし。
「そいつの話が真実という保証は…」
「
「そこまで想うことが出来るのなら『絶対悪』なんて止めて生きてもらう道は…彼と出逢えば貴女にも病気を克服出来る余地はありますよ…恩恵のスキルにまで現れるような病気だからこそ強い想いだけで克服出来るはずなのです」
「それに私の回復魔法で効果が現れなかった存在は今までに有りません。『即完治』とまでいかなくとも、一定の効果は見込めるはずです。」
「ザルドさん…貴方はウチの団長あたりに
「この馬鹿騒ぎが収まったらすぐに団長は私がレベル7に押し上げますんで…どうかっ…」
頭を下げて懇願するセイズ…「それ」は凄く魅力的な提案だ。だからこそ受け入れ難くもある。「今更どの
「いいんじゃない?賛成するよオレは「「エレボスッ!!」」…元々オレは『こんな方法』気が勧まなかったさ。もう『これ』しかないと思い込んでいたからこそ提案しただけだし。アルフィアも『甥っ子』の顔見たくなってきたんだろう?」
「それにこんなに可愛くて有望な後輩にお願いされたら揺らいでいるだろう、お前らも。その『迷い』がある内はもっと生きた方がいい」
「───話は決まりましたね。その【ベヒーモスの毒】…『オッタル程度ならちょうどいいハンデ』とか思っていたのでしょうが…流石に死にに行くだけにしか見えませんよ」
セイズの魔力が高まる。現役時代のゼウス・ヘラの幹部級からしか感じられなかったレベルの魔力の高まりだ。
「【我が名は戦乙女。不朽を誓いし
「…どうだザルド?」
「完治ではない、完治ではないが…まず間違いなく
「…2割減ってところですかね。毒の成分だけ除去する方向でイメージすれば確実に効果が出るから魔法ってのは便利ですよねえ。その毒の悼ましい気配からだけでも討伐したあなた方の偉大さとそれ以上の黒竜のヤバさを片鱗だけでも理解しました。」
「それじゃあ次はアルフィアさん───【
「分かった…」
名前そのものを別に隠してはいないが、知る者はほぼ皆無のはずなのに当然のように言い当てられてもアルフィアはもう突っ込まなかった。
「【我が名は戦乙女。不朽を誓いし
「ああ…身体がここまで軽いのは久しぶりだな…ありがとうセイズ…」
その時心から浮かべたアルフィアの笑顔は「この世界で初めて魅了された微笑み」だったとかなんとか。
セイちゃんから見た同僚
オッタル→武人としては割と尊敬している、それはそれとしてもっとお勉強しましょうね?
アレン→
ヘディン→本当に頭良いの?君も結構
ヘグニ→その中二コミュ障なんとかならない?そこ以外はマシな方
兄弟→リリに近寄んなコント集団め…
ヘイズ→まあまあ可愛い妹
ヘルン→恩義は大事よねうんうん、え?アレになりたい?馬っ鹿じゃねーの?