転生者セイズ・ベルベットの憂鬱 作:エリス
ベル・クラネルがミノタウロスと戦う少し前の頃───レフィーヤ・ウィリディスは早朝に抜け出すアイズ・ヴァレンシュタインをいつもの如くストーキングしていた。
そんなレフィーヤを心配してフィルヴィスも付いてきた。
「…レフィーヤ…アイズは確かに天然なところはあるが、一応考えられる頭もちゃんとある…ストーキングまでして探る必要があるのか?」
「フィルヴィスさんはなんでそこまで落ち着いていられるんですかっアイズさんがきっとあのヒューマンの毒牙にッ…」
「『あのヒューマン』って…酒場に居た彼のことだろう…純朴そうで礼儀正しい少年だったじゃないか…何よりセイズのツレだったのならそんな心配も無いだろうよ」
(
正確には定員の問題も有ったのだが、実際彼らだけできっちり討伐し切っているのだから誰も文句は言えない。しかも自分と似た力も持っている上に、それを使わなくても滅茶苦茶強いときた。
アビリティが結構持っていかれるのは痛いだろうが、それにしては団長たちの見立てでは「アビリティも絶対かなり高い」とのこと。
レベル7は現在彼女と【疾風】と【
それは確かに上から目線にもなるだろうな…いやしかし尊敬する先輩達になんという態度を…
「どうせヘグニのランクアップも【彼女】のお膳立てだろう」とも団長達も言っていたが…そうなると今のレベル7以上の者たちは全員が彼女の恩恵を受けたわけで…
「そら特別視されるわな」と思ってしまう。自分達には不足気味の
しかもあの【アストレア】も彼女の盟友であり、多大な恩があるとのこと。相手は既にレベル7だ。自身とは比べるべくもない高みに居ることくらいは理解っている。
オラリオの一般人には「聖女様を見習って」などという文句が結構浸透しているくらいに「大衆の英雄」だ。レオン先生からも当然高評価だろうし…しかも美人。
そうして尾行して行った結果アストレア・ファミリアのホームにまで辿り着いてしまい───
「へったくそな尾行だったわねえ…ロキ・ファミリアは後輩に常識をきちんと叩き込むことからした方が良いんじゃないの?ストーキングして先輩のプライベート探るとか普通に犯罪ですよね?そこんとこどう思います、幹部兼保護者のフィルヴィス・シャリアさん?」
レフィーヤはとっ捕まっていた。ホーム付近でうろうろしていた所をあっさり召し捕えられた。反応出来たフィルヴィスは知った顔だったので特に抵抗はしなかった。アイズは完全に訳が理解らなくてオロオロしている。【アストレア】の面子は面白そうに遠巻きで眺めている。
「いやさ…面目ない…」
「あのうっお言葉ですがっフィルヴィスさんは私の保護者じゃ「ア?」ないっ…んですけどぉ…」
「誰がどう見ても”そう”見えてんでしょうが、ひよっこ、たとえフィルヴィスが『私達は対等な友人だ』とか言っても、周りはそう見ないわけ。『幹部の手を煩わせている馬鹿な下っ端』にしか見えないわけよ。」
「全く才能大事にするあまりダダ甘になってんじゃないのぉ?【ロキ】の方針は…ああ後『ベル・クラネル気に喰わないですぅ』とか言って彼追いかけ回すくらいなら見逃すけど、ティオネみたいに私に直接噛みついてきたら
大人気なくても容赦なくブチのめすから、あと彼の身内のこわーいお義母様がどう動いても私は庇わないからね」
「なんならアンタらもここで訓練していく?ここはウチと違って面倒見の良い第一級冒険者いっぱいいるしね、あと『アイズに直接教わりたい』とか無茶言わないでね、『魔法が使えるだけの』純剣士のあの
アンタに教えられることなんてほぼないでしょうから…」
「と言うかフィルヴィスに憧れるのはまだしもアイズに憧れるのって普通に方向性おかしいわよね戦闘スタイル全然違うのに…」
2人は良い機会だと結局頷いた。ロキ・ファミリア以上に広い訓練場に多数の上級冒険者、これを利用しない手は無い。アイズは既にベルと訓練を始めている。そしてフィルヴィスはリューと訓練を始めていた。
「じゃあレフィーヤ、アンタ今日から私の弟子ね、リヴェリアさんには後で了承取るから心配しないで、弟子達ベル君除いてみーんな第一級になっちゃったから教え甲斐無くなっていたのよね、アンタ程度のひよっこは丁度良いわー」
この世界じゃフィルヴィス失うようなことも無いだろうから精神的に大きな成長出来ない可能性あるかと思っていたけど丁度いい直接私が鍛えてやれば問題無しだ。