転生者セイズ・ベルベットの憂鬱 作:エリス
その後の帰還は速やかに済んだ。途中温泉イベントとかあったが当然私は入らずにスルーした。
ヘルメス・ファミリアは当然多大な罰金が科せられ、ヘルメスは灰になっていた。ダンジョンではハイになっていたのに。アスフィの胃が心配である。最近は会う度にタダで回復魔法をかけてあげている。
ヴェルフのランクアップ祝いにも着いてきた。これからポンポン上がりまくるベル君と違って彼の場合次がいつになるか判らないからな…
繁華街の裏側にある
「「「「乾杯!」」」」
「ランクアップおめでとうヴェルフ!」
「「おめでとうヴェルフ(様)」」
「はあ…正体知った後だとお前に『様』付けされるのはむずかゆいなマナスケ…」
「私達にとってはもう慣れたものとはいえ初回なら特別に思ったほうが良いですよ…【二つ名】も貰えることだし…」
「そうね…私も最初はかなり嬉しかったし…マナ…気付いた?」
「はい…今店に入ってきた6人ですね…外でこちらを尾行してましたし、入店した際の視線もすぐこちらを探してきました」
「やはり『【アポロン】がベルに目を付けた』というのは事実でしょうね…これから茶番を演じて喧嘩を売られるだろうから、せいぜい高く買ってやりましょう。奴らの資産は結構なモノですから『飛んで火に入る夏の虫』…ってやつですね…」
リリがしめしめと嗤っている。強引な引き抜きを繰り返している素行不良なファミリアだし、都市外でも暴れることあるし、かといって都市内では明確な犯罪歴は無しの取り締まるのには面倒くさいファミリアだったので
本音を言えばとっとと潰したい連中だったのだろう。え?
「しっ連中も素人に毛が生えた程度だけどこちらから露骨に視ると流石にバレるわ」
「大丈夫ですよ、ベル…私達が鍛えた貴方はあんな数が多いだけの連中には負けません…なんなら私やセイズ様もいるしアルフィア様達もいる…」
そして始まるアポロン・ファミリアの
だが───
「威厳も尊厳もない女神が率いる【ファミリア】なんてたかが知れているだろうな!きっと主神が落ちこぼれだから眷属も落ちこぼれなんだ!」
「ア?」
看過出来なかった
10
「ぐががががぁっ!?」
「意図が見え透いた滑稽な茶番でも…許せない
「なんで貴女が真っ先にキレているんですかぁ!?」
「ぐっおのれっ!?我らの仲間を離してもらおうかっ!」
予定とはかなり違うがベル・クラネルの仲間に先に手を出させることには成功したので、仲間の挑発を棚に上げていきり立つヒュアキントス。
そしてほぼ予備動作無しに掴んだルアンをヒュアキントスに投げつけるセイズ。頭同士がぶつかり無様に転げる2人。レベル1のルアンが死なないように調整したのでヒュアキントスもかろうじて意識は有る。
「がっ…」
「女の子が皆がみんな
「変態神にケツの穴緩くされ過ぎて頭もユルくなっちゃったのね、可哀想。まああんたらとしては当てが外れた気分だろうけど。心配せずともベル・クラネル率いる【ヘスティア・ファミリア】はあんたらアポロン・ファミリア連中の喧嘩を買ってやるわっ」
「下品ですよっもうっ」
ベルは「ええええええええええええええええええええええっ!?」
みたいな感じになっていたが、彼の敬愛する
「これから奴らの主神はベル君のケツ狙って
「マジどうするんですか?確かにベルの周りの人間はヤバい人ばっかりでしょうが【ヘスティア・ファミリア】としては未だ1人だけなんでしょう?」
「えー?ヴェルフは友達を見捨てるような薄情者じゃないでしょう?ヘファイストス様のことは敬愛していても『絶対にあの方の眷属じゃなきゃイヤ』みたいな拘り無いでしょう?アンタは。それにファミリアで浮き気味のアンタなら尚更良い機会じゃないの」
「私も焚き付けた手前、最大限協力するからさ。流石に私の今の立場じゃ改宗は出来ないけど…あの程度の連中にザルドさんやアルフィアさんらが直接出張る必要も無いわ。ベル君がメインで片付けなさい。」
「ハイッ」
ベルがやや食い気味に返事をする。仲間と主神を侮辱され腹が立っていたのはこちらも同じなのだ。まあ正体を隠しているセイズとリリルカに対しての
セイズが先にキレたせいで変に冷静になってしまったが。ベルは「この手で借りを返してやる」と強く誓うのであった。