さて、今日はどんな1日になるのかね。
「ん〜〜〜、おいしー」
「……よく食べるわね、ホントに」
ここはイルミナシティにあるケーキショップ。
今日は女性陣だけでケーキバイキングを食べよう、という事で来たのだが……。
……先程から、フウロとソラネがこれでもかとケーキを食べまくっており、他の女性陣は軽く引いていた。
まあ、確かにここのお店のケーキは美味しい、雑誌に掲載されるくらいなのだから。
しかし、しかしだ……もうこの2人は既に9個目のケーキを口に運んでいるのだ。
もう1ホール以上のケーキを食べてる2人を見ているだけで、胸焼けがしてくる。
一体どういう胃袋をしているのだろう、誰もがそんな疑問を抱く。
「さてと……次は何食べようかな?」
『まだ食べるの!?』
おもわずツッコミを入れる女性陣、しかしフウロはあっけらかんとそうだよー、などとのたまった。
更に、フウロに続きソラネまで立ち上がったのだから、もはや理解不能だ。
尤も、彼女のケーキ好きを知っていたサクラだけは、たいして気にした様子はないが。
「……ねえ2人とも、そんなに食べたら太るわよ?」
「大丈夫大丈夫、これくらいならまだ腹八分目だし」
(そういう問題じゃないだろ……)
もはや呆れるしかない、そんな彼女達の心中を理解できないフウロはソラネと共に新しいケーキを取りに行った。
――しかし、ソラネ達はまだ知らなかった
この自重しない行動が、後にくだらない(2人にとっては死活問題だが)戦いになる事に……。
と、まあ――それらしいモノローグを入れてから、数日後。
「〜〜〜♪」
歌を口ずさみつつ、グリードはポケモン達にブラッシングを施していく。
全員お風呂に入ったばかり、少し頬が上気しており気持ちよかったのか少々口元が弛んでいる。
まあ仕方ない、グリードのブラッシングは気持ちがいいのだ、終わった頃には全員ふにゃふにゃになっているだろう。
現にムクホークにクチート、コジョンドなどはブラッシングを終えグリードのベッドの上で気持ちよさそうにふにゃふにゃになっていた。
「――よし終わり。ツタージャ、ピカチュウと交代だ」
「タ〜ジャ〜」
いつもの凛としたものではなく、間延びした声で応えころころと転がっていくツタージャ。
そして、待ってましたとばかりにグリードの膝の上に座り込むピカチュウ。
「チャァ〜♪」
ブラッシングを開始すると、気持ちよさそうな鳴き声を放つピカチュウ。
のどかな時間を過ごすグリード達、すると。
「……グリード〜」
「おっ……?」
「ピカ……?」
視線を入口に向けるグリードとピカチュウ、そこには。
「ど、どうした!?」
しおしおと、元気がなくなっているサクラ、カレン、アオイの姿が。
慌てて立ち上がり、彼女達に駆け寄るグリード。
「どうしたんだよ一体?」
「………もう、無理」
「? 無理って、何が無理なんだよ?」
とりあえず、3人分のミックスオレを持ってきて手渡す。
すると、3人は我先にと飲み物を口に含み……一気に飲んでしまった。
「……あのさ、一体何があったの?」
少しは落ち着いた彼女達に問いかける。
「実はね……」
そして、3人はゆっくりと何があったのか話し始めるのだが……。
……時間は、ケーキバイキングの翌日まで遡る。
「――太った?」
『…………うん』
ソラネとフウロが女性陣を呼び出し「大切な話がある」と言ったので、少し緊張しながら言葉を待っていたら……2人がそんな事を言ったのだ。
……一気に、場に白けた空気が漂う。
「いや……当たり前じゃないですかそれ」
尤もな言葉を放つモモカ、他の者も同意するように頷く。
そりゃああれだけケーキを食べれば太るに決まっているではないか、ただでさえ2人は甘党だから普段でもよく食べてるし。
「というわけで、ダイエットしようと思います!!」
「何がというわけなのか意味分からないんだけど」
「それでね、みんなにも協力してもらいたいの」
(無視か……)
「お断りです、私はダイエットなんかしなくても大丈夫なので。
こう見えても、普段の食生活などはきちんとしていますので」
早々に立ち上がるモモカ、ルーテシアとフェイトも同じように立ち上がる。
「ちょっとは協力してくれてもいいじゃない!!」
「ごめん、ワタシもダイエットしなくても大丈夫だから」
「えっと……ごめんね?」
そそくさと逃げ出す3人、まあダイエットなんてキツい事をする必要ないのにわざわざしたくはないだろう。
「薄情者〜」という2人の言葉を無視し、3人はその場を逃げ出し……後にした。
「………えっと、僕達も」
「逃がさないよサクラちゃん」
同じように逃げようとしたサクラ達だったが、少し遅かったかソラネ達に捕まってしまう。
「なんであたし達までやらなきゃいけないのよ!!」
『2人だけじゃ寂しいからですどうかお願いします!!』
「何だその理由!?」
「それにサクラちゃん達がいないと、絶対ダイエット途中で辞めちゃうし」
「根性無いなオイ!!」
……と、まあ。
当然ながら、サクラ達は本気で拒否をしたのだが、ソラネとフウロの必死な形相に押し切られ、一緒にダイエットをする事になってしまったわけで。
「で、具体的にダイエットってどうやるの?」
「それくらい自分で調べておきなよ……」
ホントにこいつは痩せる気があるのか?
「とりあえず、何も食べなきゃいいんじゃないの?」
「適当過ぎるだろ……」
マジでホントにこいつは痩せる気があるのか?
「適度な運動と食事だね、甘いものは控えて過ごすしかないさ」
「えーっ!? 甘いものダメ!?」
サクラの説明に、あからさまな不満の声を上げるフウロ。
「当たり前だよ。痩せるという行為は大変なんだから」
「うー……」
嫌だ、もう既にダイエットしたいというやる気が八割方消えてしまった。
しかし、なんとしても痩せなくては。
だって……グリードに嫌われてしまうではないか。
「サクラちゃん、カレンちゃん、アオイちゃん、私頑張るよ!!」
ぐっと握り拳を作るソラネ、どうやらやる気を再燃させたようだ。
これにはフウロも黙ってはいられない、負けるものかと同じように握り拳を作る。
そして、ソラネ達のダイエット大作戦(笑)が始まったわけだが……。
「まず一番最初にやったのが、イルミナ学園の周りを100周だったんだ……」
「うわぁ……」
イルミナ学園の周囲は距離として考えるとかなり長い、たしか数キロはあっただろう。それを100周とは……。
無論言うまでもなく、全員途中でダウン。ダイエットは計画的に。
その後、ありとあらゆる運動を行い……すっかり弱りきってしまったサクラ達。
もう無理、マジで死んでしまいます。そう判断してサクラ達は命からがら逃げ出してきた。
「何とかしてくれ……このままじゃ、わたし達は全滅する」
「今のソラネとフウロを止められるのはアンタだけよ……グリード」
なんだか「世界の命運はお前に任せた」みたいな雰囲気で言われたが、内容が内容だけにアホらしい。
ともあれ、無理なダイエットは身体に毒、倒れられても困る。
「はぁ……しょうがねえな」
やれやれと立ち上がり、ソラネ達を探そうとするが。
「ピカッ!!」
「ぐぇ……」
ピカチュウによって阻まれ、立ち上がる事ができない。
……どうやら、ブラッシングをするまで逃がさないらしい。
「……とりあえず、明日になってからだな」
ブラッシングをするポケモンはまだ居るし、時間だってもう遅い。
苦笑しつつ、ピカチュウにブラッシングを始めるグリード。
「チャァ〜♪」
嬉しそうなピカチュウ、すっかりグリードに心を開いたようだ。
一方、グリードは一人考える。
(さてどうしようかな……)
どうしたものかと考えつつ、その日は結局ポケモン達のブラッシングをしてから眠りに就いたのだった。
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――翌日
「うぅ……」
「ま、まだまだ……」
朝っぱらからスポーツウェアでよろよろと走る2人の少女。
今日も今日とて、ダイエットに励むソラネとフウロ。その表情はすっかり元気を無くし、普段の瑞々しい姿とは真逆だ。
明らかに無理をしているのだが、グリードに太った自分達を見られたくはない。
「が、頑張ろうねソラネ」
「う、うん……」
互いを励まし合い、さあ今日も頑張ろう。そう思った矢先。
「はい、ストップ」
彼女達の頭を掴む1人の少年、グリードが現れた。
「グ、グリードくん……」
「お前等、ダイエットするのはいいけど無茶はするなよな。それと、サクラ達まで巻き込むな」
しおしおになったサクラ達は、現在治療中。
まあ、ただ単に食事をしているだけなのだが。
「それと、いくら痩せたいからってロクに食事しないのもダメだぞ。だから、これ食え」
そう言ってグリードが2人の前に差し出したのは、2つのお弁当。
「カロリー控え目のヘルシー弁当だ」
「…………」
ジュルリと、口元から涎を垂らし始めるソラネとフウロ。
しかし、すぐさまはっとしたようにブンブンと顔を横に振る。
「グリードくん、気持ちは嬉しいけど……」
「わ、わたし達……ダイエット中だから」
「ダメだ。大体何で無茶してまで痩せようとするんだよ、というか全然太ってないじゃないか」
グリードとしては、無茶をして身体を壊されるのは困る。
すると、2人は拗ねたように頬を膨らませ……呟くように口を開いた。
「………だって、グリードは……太った女の子は嫌いでしょ?」
「だから私達、ダイエットしようと……」
「はぁ? 俺がいつそんな事言ったんだよ? それに、太ってないって言ってるじゃないか」
首を傾げるグリード、しかし……好きな人だからこそ、そんな自分を見られたくないと思うのはある意味当然の話だ。
「あのなぁソラネ、フウロ、俺は無茶して身体を壊して心配を掛けるような行動に出る方が嫌いだぞ?
だからさ、もうこんな無茶なダイエットはやめてちゃんとごはんを食べてくれ。
それに……みんなは充分魅力的だから、その、自然なままが一番というか……」
だんだん尻すぼみになりながら、顔を赤くしてグリードは呟く。
しかし、彼女達にはしっかり聞こえたようで、向こうも顔を赤くしている。
「あ、うん……その、ありがとう」
「うぅ〜……反則だよ今のは」
「は、反則でもいいだろ。とにかくもうダイエットはしなくていいの」
ほら、と赤くなった顔を誤魔化すように少し強引に弁当箱を渡すグリード。
その行動がなんだか可愛らしくて……ソラネとフウロは、顔を見合わせ笑ってしまった。
「な、なんだよ! 笑うならもうこの弁当はやらないぞ!!」
「ああ、ごめんごめん」
「グリードくん、心配掛けてごめんね?」
「…………ふん」
わかりやすいくらいに顔を逸らすグリード、やっぱりその光景が可笑しくて……2人はまた笑みを浮かべてしまう。
「だ、だから、何笑ってるんだよ!!」
それがまた恥ずかしくて、グリードは真っ赤な顔で抗議するのだった。
――その後
ソラネとフウロは無茶なダイエットをしなくなり、サクラ達の命は救われた。(大袈裟)
グリード特製のヘルシー弁当の効果もあったのか、2人の体重も元に戻ったようで以後その話題が出る事はなく、再びのんびりとした日々が戻ってきた。
………なのだが。
「…………」
「〜〜〜〜〜っ、本当にここのケーキって美味しいねー!」
「うんうん、手が止まらなくなっちゃうよ」
ソラネとフウロは、またケーキバイキングに勤しんでいた。
あの時と同じように、2人の食べっぷりに胸焼けを感じる他のメンバー達。
ちなみに、2人とも既に12個のケーキを完食、現在は13個目に突入しまだまだ終わりが見えない。
「あのさ……あまり食べ過ぎるとまた太っちゃうよ?」
遠慮がちにそう進言するフェイト、しかし2人は笑顔でこう返した。
「大丈夫大丈夫、グリードはいくら太っても構わないって言ってるし、ちゃんとカロリー計算はしてるんだから!」
グリードの言葉をかなり歪曲して解釈するフウロ、ソラネも似たようにこくこくと頷いている。
それを見て、女性陣は揃ってこう思った。
(絶対リバウンドするだろ、これ………)
後日。
予想通り、見事にリバウンドして前回よりも体重が増えたソラネとフウロ。
彼女達が、再びしおしおに弱り切るまでダイエットしたのは、言うまでもない。
To.Be.Continued...
【ツタージャ】♀ 【ムクホーク】♂ 【ミロカロス】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・つるのムチ ・はがねのつばさ ・たつまき
・リーフブレード ・かぜおこし ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード ・でんこうせっか ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん ・つばさでうつ ・れいとうビーム
・へびにらみ ・つばめがえし ・じこさいせい
・リーフストーム ・ブレイブバード ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り ・インファイト ・アクアリング
・エナジーボール ・かげぶんしん ・アクアテール
・はかいこうせん ・みずのはどう
【オノノクス】♂ 【コジョンド】♀ 【グライオン】♂
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・ダブルチョップ ・みきり ・シザークロス
・シャドークロー ・はっけい ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり ・とびひざげり ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー ・はどうだん ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき ・おうふくビンタ ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん ・ギガインパクト ・はがねのつばさ
・あなをほる ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう ・ストーンエッジ
・はかいこうせん ・きあいパンチ
・かみなりパンチ
【クチート】♀ 【ラティアス(ティア)】♀ 【ゴチミル】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・てっぺき ・ラスターカノン ・ねんりき
・アイアンヘッド ・じこさいせい ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ ・はかいこうせん ・サイケこうせん
・ねごと ・りゅうのはどう
・ラスターカノン ・りゅうせいぐん
・かみくだく ・れいとうビーム
・ドラゴンクロー
・はがねのつばさ
【ピカチュウ】♂
・10まんボルト
・アイアンテール
・ボルテッカー
・でんこうせっか
・かみなり
・ボルテッカー・アイアンテール