――突風が舞う
ここは、イッシュ地方にあるとある街。
まだ朝日が昇ったばかり、人々の1日の始まりを告げたばかりの時刻。
仕事を始める者、散歩をする者、少しずつ街の人達も動き始める中。
“ソレ”は、唐突に現れた
「んっ……?」
最初にそれに気づいたのは、日課としている朝の散歩をしている老人だった。
朝日が出たばかりなのに、大きな影が出来たので何事かと上を見上げた瞬間。
「ガギャァァァッ!!」
空を塗り潰すような黒き身体を持つポケモンが、雄叫びを上げた。
「なっ、ななな……!?」
おもわず、老人はその場にへたり込んでしまう。
そんな、まさか、有り得ない。
譫言のように呟きを漏らし、けれど……目の前の存在が現実のものだと思い知らされる。
何故なら、そのポケモンは身体から凄まじい電気エネルギーを込めた光球を生み出しているからだ。
それが、一体何を意味するのかを理解し。
「ひ、ひぃぃぃぃっ!?」
悲鳴を上げ、地を這うようにその場から逃げ出した。
瞬間、そのポケモンは光球を街にめがけて投げつける―――!
爆音と、それに次いで悲鳴が辺りに響き渡った。
逃げ惑う人々、その誰もが……このような惨劇を突然引き起こした存在を見て、驚愕する。
そのポケモンの名は――ゼクロム。
黒き英雄と呼ばれしポケモンが、まるで地獄からの使者のように、街を破壊していたのだから。
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「――イルミナリーグ?」
首を傾げる俺に、サクラはそうだよと返しながら言葉を続けた。
腹が減っては戦はできぬとばかりに、俺はツタージャと一緒に食堂で朝飯を食べようとしたら、サクラ達が既に朝食を食べ始めていた。
挨拶を交わし、さて朝食を——と思った矢先、サクラからそんな単語が飛び出し現在に到るわけで。
「まあ、イルミナ学園のポケモンリーグみたいなものだよ。
この学園で最強のトレーナーを決める為を大会を開催するって、お母様が急に思い付いたんだ」
「急にって……」
さすがキキョウさん、なんとなく納得できてしまった。
でも……イルミナ学園最強のトレーナーを決める大会かぁ……。
「ふふっ……目が輝いてるねグリード」
「当たり前だろ。それでいつ開催するんだ?」
「3ヶ月後だよ」
「さ、3ヶ月後?」
ず、随分先なんだな……。
「あたしとしてはありがたいわよ、イルミナリーグに向けてポケモン達を調整したいと思ってたから」
「そうだな。3ヶ月あれば万全の状態で望めるだろう」
カレンとアオイはそう言ってるけど……3ヶ月って長いなぁ。
「そんな「今すぐバトルしたい」みたいな顔をしないでよグリード。
仮にも君達は、一年の中で唯一リーグ出場を認められたんだよ?」
「えっ……リーグ出場を認められた?」
「イルミナリーグは誰でも出場できるわけじゃないんだ、学園で決めた100名の生徒だけが出場できる。
君達は、その中の100名に選ばれた優秀なトレーナーというわけさ」
「……私、コーディネーターなのにいいのかな?」
「えっ、じゃあソラネもイルミナリーグに出場するのか?」
「うん。グランドフェスティバルの後だからちょうどいいけど……」
確かに、ポケモンリーグみたいな大会なのに、コーディネーターのソラネが出るというのもちょっと不思議な感じだ。
「ソラネ以外にもコーディネーターで出場する人は居るさ、コンテスト主体といってもバトルはあるんだから」
「へぇ……」
コーディネーターの方でも出場する人が居るのか……だとすると、その大会って相当レベルが高いのかもしれない。
「大会のルールは各選手の端末に送られるはずだから、よく目を通しておいた方がいいよ」
「わかった」
よーし、じゃああと3ヶ月はイルミナリーグに向けて特訓だ!!
ぐっと握り拳を作り気合いを入れていると……食事を終えたのか、アヤトが席から立ち上がった。
「……じゃあなグリード、イルミナリーグで会おう」
「へ……?」
「オレはリーグ開始までカンナギに戻る事にしたんだ」
「ええっ!?」
「ちなみに、私達も一緒にカンナギに行きますからー」
そう言って、モモカとフェイトとルーテシアも立ち上がった。
「な、なんで?」
「……もう一度自分を見つめ直す為だ、この大会で……オレは必ず優勝する。
その為に学園を離れて、ポケモン達の調整がしたいんだ」
「私達も、アヤトと同じように今よりもっと強くなる為に学園を離れる事にしたんです」
「…………」
「あら、やっぱりアンタ達もそうするんだ」
ポケーッとしていたら、今度はカレンとアオイまで立ち上がってそんな事を言い出した。
「お前達も!?」
「ええ。あたし達はお互いに親友同士だけど……負けたくないライバルでもある。
だから、絶対に勝つために自分なりの方法で特訓しようと思ってるの」
「わたしもカレンもまだ未熟だ、でも未熟は未熟なりに強くなりたい。
だから、朝食を食べ終えたらちょっとした旅に出ようと思ってな」
「…………」
みんな、既に自分のやるべき事を考えて実行に移そうとしている。
……もしかして、とソラネに視線を向けた。
「私はまず、グランドフェスティバルに出場する為にコンテストリボンを手に入れないといけないから、同じように旅に出ようと思ってるよ」
「ソラネまで……」
俺は、どうすればいいんだろう……。
旅に出るべきなんだろうか、でも……ただ旅に出ればいいってわけじゃないだろうし……。
「焦ってもしょうがないわよグリード、アンタはアンタの思う通りにやりなさい」
「お前とわたし達は違う人間なんだ、同じ事をすればいいわけじゃない」
フォローするようなカレンとアオイの言葉に、俺は頷きを返す事しかできない。
……とにかく、今は朝飯を食べる事にしよう。一度思考を中断させ、俺は再び食事を再会させた。
――それから、アヤト達は揃ってシンオウ行きの船に乗っていった
ソラネも出発しちゃったし、カレンもアオイも程なくして学園を離れるだろう。
「……で、お前は何で俺の部屋に居るんだ?」
ジト目で睨む先には、ベッドでくつろぐサクラの姿が。
「サクラ、お前は学園を離れないのか?」
「うん。というよりお母様にお願い事を頼まれてね、学園を離れる事ができないんだよ」
「お願い事って?」
「学園の運営に関わる雑務だよ」
「えっ……お前、ここの生徒だよな?」
「そうだよ。でも僕はいずれお母様の後を継がないといけないんだ、今の内にそういった事も覚えないとね」
「ははぁ……」
あっけらかんと言い放つサクラに、俺は感嘆のため息を漏らす。
まだ俺と1つしか変わらないのに、しっかりと自分の将来を見据えてる。
……俺は、将来どんな大人になるんだろう。
ふと、そんな事を考えていた時だった。
『グリード!!』
「おわぁっ!!?」
いきなり扉が乱暴に開き、何事かとそちらに視線を向けると……。
「……何やってんだ?」
そこには、倒れ込んだカレンとアオイとソラネとフウロが。
どうやら一斉に入ってきたせいで、倒れ込んでしまったようだ。
「いたたた……って、何でサクラがグリードの部屋に居るの!?」
「アンタ、あたし達が旅に出るのをいい事に、グリードに迫るつもりだったんじゃ………!」
「違うよ。僕がそんな卑怯な事するわけないじゃないか」
「文章じゃわからないけど、ひどい棒読みだし何で顔を逸らしてるのサクラちゃん!!」
「くっ、わたし達とてグリードと離れるのは心苦しいというのに……!」
わいわいがやがやと一気に騒がしくなる俺の部屋。
ツタージャは既に呆れた顔で避難しており、うるさいから何とかしろと瞳で訴えている。
はぁ……勘弁してくれよ。
「そもそも、フウロ以外は旅に出てたんじゃないのか?」
『…………あっ』
俺の質問に、全員が思い出したかのように口を開く。
「忘れてた。グリードにお客さんが来てたんだった」
「早く言えよ!!」
とりあえず、サクラ以外の全員にゲンコツをお見舞いしてから、俺は客人を待たせてる応接室へと足を運んだ。
ちなみに、何故かサクラ達までついてきたけど……突っ込むのは止めておく。
「すみません、お待たせしました――」
「やあ、グリード。久しぶり――」
お互いに、顔を見て固まってしまった。
「…………フィル」
相変わらず、優しそうだけどどこか頼りない雰囲気を持つ少年――フィル。
と、彼の隣に座るのは……赤く長い髪を靡かせ、キツい雰囲気を醸し出している1人の女性。
この人、確か……。
「……随分、大人数だね」
「あ、えっと……後ろのは気にしないでくれ。それよか久しぶりだなフィル、トナ達も」
彼の傍に居るポケモン達に声を掛けると、笑みを見せながらお辞儀をしてくれた。
〈お久しぶりです、グリード〉
頭の中に響く声、波導を使うルカリオ――リコのものだ。
ツタージャは、既にハルとバリオンと握手したりじゃれ合ったりしている。
「おいフィル、わたしはグリードだけを呼べと言ったはずだが?」
「僕に言われても困るよ」
ジト目でフィルを睨む女性、しかし慣れているのか軽く流すフィル。
「……ねえグリード、フィルって言ったけど……もしかして、この間話した君の友人?」
「まあ、ね……」
サクラの問いに、こくりと頷きながら答える。
何だか、このままじゃ全然話が進まないな。
それに……さっきから俺を睨んでるんですよ、あの女性が。
――と、いうわけで自己紹介タイムをして
『こ、国際警察!?』
はい、やっぱりその単語が出てきたね。
赤髪の女性――シェリーが国際警察の人間だと知って、サクラを除いた4人が驚愕の声を上げた。
「そんな恐がらなくてもいいよ、取って食うわけじゃないから」
「……フィル、お前結構いい度胸してるな」
確かに……。
フィルの発言に、全員が目を丸くしている。
「け、けど……フィルさんはどうして国際警察の人と知り合いなんですか?」
少し躊躇いがちに、ソラネがフィルに問いかける。
……そういえば、俺も不思議に思ってた。
フィルはポケモンブリーダー……になる予定の人物だ。
いわば一般人、だというのにどうして国際警察の人間と知り合いなんだろうか。
すると、フィルはあっけらかんと。
「ああ、シェリーは僕を監視してるんだ」
笑みさえ浮かべて、そんな事を言ってきた。
「おい!?」
『監視!?』
俺達はもちろん、シェリーすら驚いている。
「監視って……フィル、お前一体何したんだ?」
「そんな疑わしさ100%みたいな顔しないでよ、別に僕自身が何かしたわけじゃないよ。
ただ……とある事件に巻き込まれてね、そのせいでこういう知り合いができちゃったというわけさ」
「お前さっきから言いたい放題言ってるな」
「じ、冗談だよシェリー……」
割と本気で睨むシェリーに、フィルは顔を引きつらせる。
……事件って、何だろう。
訊きたい衝動に駆られたが、フィルの瞳がそれを拒否しているように見えたので、すぐさま言葉を呑み込んだ。
他のみんなも同じ事を考えていたのか、顔を俯かせている。
「……ごめんよ、グリード」
「? 何謝ってるんだ?」
「気を遣わせちゃったからさ、トナが……君の心を読んだから」
わりぃ、とトナが軽く頭を下げる。
「別にいいよ。……それよか、一体俺に何の用なんだ?」
そう言って俺は、フィル……ではなく、隣のシェリーに問いかける。
「………どうして、私を見て言うんだ?」
「フィルだけなら、単純に俺に会いに来たって事で納得できる。
でも、国際警察のあなたが俺を訪ねてくる理由はない」
「……フィル、お前よりずっと勘がいいなこいつは」
「一言余計だよ。……でも、急いだ方がいいんじゃないかシェリー?」
先程の仕返しとばかりに皮肉を言うシェリー、フィルは今回も軽く受け流すが……さすがに苦笑を浮かべている。
……監視する側とされる側なのに、随分と仲がいいというか。
どうやら、この2人の間には目に見えない絆があるようだ。
少なくとも、フィルはシェリーに対して好感を抱いているのは間違いない。
そうでなければ、あっけらかんと「監視されてる」などと言えるわけがない。
それより……急いだ方がいいって、何がだ?
内心フィルの言葉に不思議がっていると、シェリーはキッと引き締まった表情を浮かべ。
「そこまでわかっているなら単刀直入に言おう、お前の言う通り尋ねたい事があってわたしはここに来た。
フィルは付き添いだ、お前に会いたいと思っていたからちょうどよかったというのもある」
「……それで、善良な一般人である俺に、何を訊きたいんだ?」
少しばかり緊張しながら、シェリーの言葉を待つ。
すると、彼女は。
「お前の父、クロス・エグフィードが数日前から行方不明になっている。
だから、息子であるお前ならば居場所を知っているかと思ってな」
胸くそ悪くなるような問いかけを、俺に投げかけてきた。
To.Be.Continued...
【ツタージャ】♀ 【ムクホーク】♂ 【ミロカロス】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・つるのムチ ・はがねのつばさ ・たつまき
・リーフブレード ・かぜおこし ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード ・でんこうせっか ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん ・つばさでうつ ・れいとうビーム
・へびにらみ ・つばめがえし ・じこさいせい
・リーフストーム ・ブレイブバード ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り ・インファイト ・アクアリング
・エナジーボール ・かげぶんしん ・アクアテール
・はかいこうせん ・みずのはどう
【オノノクス】♂ 【コジョンド】♀ 【グライオン】♂
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・ダブルチョップ ・みきり ・シザークロス
・シャドークロー ・はっけい ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり ・とびひざげり ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー ・はどうだん ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき ・おうふくビンタ ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん ・ギガインパクト ・はがねのつばさ
・あなをほる ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう ・ストーンエッジ
・はかいこうせん ・きあいパンチ
・かみなりパンチ
【クチート】♀ 【ラティアス(ティア)】♀ 【ゴチミル】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・てっぺき ・ラスターカノン ・ねんりき
・アイアンヘッド ・じこさいせい ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ ・はかいこうせん ・サイケこうせん
・ねごと ・りゅうのはどう
・ラスターカノン ・りゅうせいぐん
・かみくだく ・れいとうビーム
・ドラゴンクロー
・はがねのつばさ
【ピカチュウ】♂ 【キュウコン】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】
・10まんボルト ・かえんほうしゃ
・アイアンテール ・ほのおのうず
・ボルテッカー ・じんつうりき
・でんこうせっか ・エナジーボール
・かみなり ・アイアンテール
・ボルテッカー・アイアンテール