グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

11 / 155
試験があるなんて聞いてないぜ!!

でも補習は嫌だ、そう思っていたらカレンが練習相手をしてくれた。

トレーナーとして、強くなる為に頑張らないとな!!


第10話 〜トレーナーの極意、3対3のバトル!(後編)〜

「――ツタージャ、つるのムチ!!」

「タジャ!!」

二本のつるのムチが、ピカチュウに向かっていく。

 

「でんこうせっかでかわしなさい!!」

「ピカッ!」

しかし、ピカチュウはすぐさま素早い動きでつるのムチを回避してしまう。

 

「逃がすなツタージャ、もう一度だ!!」

「タージャ!!」

 

逃げたピカチュウを、再びつるのムチで攻撃するツタージャ。

それでもピカチュウのスピードの前では意味を成さず、易々と回避され続けてしまう。

――けど、ただつるのムチを繰り返していたわけじゃない!!

 

「もう一度つるのムチ!」

「何度やっても――」

「そのままたいあたりだ!!」

「えっ……」

「タジャー!!」

 

ジャンプしてつるのムチを回避したピカチュウに突撃するツタージャ。

空中ではピカチュウも回避できない筈だ………!

 

「ピカチュウ、アイアンテールよ!!」

「ピカーッ!!」

それでもさすがというべきか、アイアンテールを発動させツタージャの頭部目掛けて振り下ろすピカチュウ。

……だけど、やられっぱなしなわけじゃない!!

 

「読んでたぜその動き。ツタージャ、右のリーフブレード!!」

「タジャァァッ!!」

右腕から発動したリーフブレードが、不安定なアイアンテールを完全に捉えた。

 

「タ、ジャッ!!」

そして――左腕で展開させたリーフブレードをピカチュウの身体に叩き込み、地面に打ち落とす!!

 

「ピカチュウ!!」

「ピ、カ……」

「ツタージャ、そのままリーフブレード!!」

重力に逆らわず、ピカチュウに向かって落ちながら再びリーフブレードを展開するツタージャ。

 

「ピカチュウ、避けなさい!!」

「ピッ!!」

だが、間一髪ピカチュウはリーフブレードをバックステップで回避し、ツタージャの攻撃は地面に命中しただけ。

 

「へびにらみ!!」

「ター……ジャッ!!」

「ピッ……!?」

 

キッと、鋭い眼光で逃げたピカチュウを睨みつけるツタージャ。

それを見て、ピカチュウは直立不動のまま固まってしまった。

 

「しまった……!?」

「グラスミキサー!!」

「ター、ジャ!!」

「ピカァッ!?」

 

まひ状態になって動けないピカチュウを、グラスミキサーの葉っぱが容赦なく包み込む。

だが、まだだ!!

 

「ツタージャ、トドメのリーフブレード!!」

「タジャ、タジャーッ!!!」

 

上空に投げ出されたピカチュウを追撃するツタージャ、その両腕は既にリーフブレードを展開している。

ピカチュウはグラスミキサーとまひ状態によって動くことはできず、そのまま落下していき……。

 

「タジャーッ!!!」

「ピィガ………!」

ありったけの力を込めたツタージャのリーフブレードを受け、ピカチュウは地面に叩きつけられた。

 

「…………」

「いいぞ、ツタージャ!」

「タジャ」

 

「――ピカチュウ、戻りなさい」

 

「え……?」

ピカチュウはまだ戦えるのに、どうしてカレンはボールに戻したんだ?

「これは練習バトル、ギリギリまで無理をさせる気はないわ。

 それに……あのまま戦ってもピカチュウじゃアンタのツタージャには勝てなかった」

「そうかなぁ……?」

「――グリード、アンタはもっと自分の力を信じた方がいいわよ」

「へ……?」

「なんでもないわ。それじゃあ、次のポケモンを出させてもらうわよ。

 ―――コモルー、出てきなさい!!」

「――コ、モー」

「コモルー……」

まるで大きな岩石みたいな身体だ、でも……たしかコモルーはドラゴンタイプだったはず。

 

「ツタージャ、戻ってくれ」

くさタイプのツタージャは不利だ、それに……せっかく実践形式の特訓をしてるんだ、コイツを出さないわけにはいかない。

 

「ミロカロス、君に決めた!!」

「――ミィ!!」

「……そうよグリード、相手のポケモンの相性を考えて自分のポケモンをチェンジするのも、複数のポケモンを使用するバトルでは重要よ」

「よーし。ミロカロス、みずでっぽうだ!!」

「ミィィィィッ!!」

 

口から勢いよくみずでっぽうを撃ち出すミロカロス。

けれどコモルーは避けようとしない、いや……避けられないのだ。

 

「コモー!?」

「いいぞミロカロス!」

「コモルー、すてみタックル!!」

「コモー……!」

ミロカロスにすてみタックルを仕掛けるコモルーだが、その動きはやはり遅い。

 

「ミロカロス、かわしてアイアンテール!!」

「ミッ!!」

真っ直ぐ向かってきたコモルーの攻撃を跳躍して避け、その身体にアイアンテールを叩き込む。

 

「コモー……」

「続いてたつまき!!」

「ミィィッ!!」

 

尻尾の先を回転させ、たつまきを発生させるミロカロス。

それをそのままコモルーにぶつけ、動きを封じ込めた。

 

「今だミロカロス、アイアンテール!!」

「ミィッ!!」

コモルーはたつまきを受けて動けない、ならアイアンテールで一気に……。

 

「コモルー、ずつき!」

「えっ―――」

「コモー!!」

 

ミロカロスのたつまきから難なく脱出し、その固そうな頭を真っ向からアイアンテールにぶつけるコモルー。

「なに……!?」

「ミロ……ッ!?」

それだけでも驚いたというのに、パワーは向こうの方が上!?

 

「ドラゴンクロー!!」

「コモー!!」

「ミロォッ!?」

短い腕でのドラゴンクローが、ミロカロスの身体を容易く吹き飛ばす。

 

「ミロカロス!!」

「コモルー、続いてころがる攻撃!!」

「コモー、コモ…ルゥゥゥゥッ!!!」

 

身体を丸め、まだ立てないミロカロスに向かって転がっていくコモルー。

くっ、こんな状態じゃ避ける事ができない!!

 

「こうなったら……ミロカロス、みずでっぽうでコモルーを吹き飛ばすんだ!!」

「ミィィ……ミロォッ!!」

 

どうにか顔を上げ、向かってくるコモルーにみずでっぽうを放つミロカロス。

だが――転がってくるコモルーはみずでっぽうを容易く弾き飛ばしてしまっただけでなく、まったく勢いを衰えさせる事はなかった。

 

「ミロッ!!?」

「ミロカロス!!」

そのまま、コモルーの攻撃はミロカロスを再び弾き飛ばす。

 

「そんな程度の攻撃じゃ、コモルーのころがるを防ぐ事はできないわよ」

「くそっ……!」

 

どうする? ここは一度ツタージャに……。

いやダメだ、ミロカロスに比べてパワーで劣るツタージャに変えた所で戦況は変わらない。

かといってころがるの威力は先程よりも上がっているし、今のミロカロスの技じゃ動きを止める事だってできやしない。

どうすればいい? 一体どうすれば………!

 

「―――っ」

焦るな、焦ったって状況が変わるわけじゃない。

トレーナーの乱れはポケモンの乱れ、さっきカレンがそう言ってくれたばかりじゃないか!!

考えろ……まだ打開策はあるはずだ。

 

「次でトドメよ。コモルー、もう一度ミロカロスにころがる!!」

「くっ………!?」

コモルーが迫る、けれどミロカロスはダメージが大きくて避ける事ができない!!

攻撃技を当てても、今のコモルーを止める事なんて――

 

「………攻撃技?」

 

……。

 

……………そうだ、これなら!!

 

「ミロカロス、地面に向かってたつまきだ!!」

「えっ……!?」

「ミィィッ!!」

 

コモルーが眼前にまで迫った瞬間、俺はミロカロスにそう指示を出す。

疑う事なく、ミロカロスはたつまきを地面へと向かって放つ。

すると――

 

「ミィ!?」

たつまきが、ミロカロスの身体を上空に押し上げてしまった。

当然コモルーの攻撃は空を切り、しかもたつまきの影響でミロカロスを見失ったのかころがるを解除して左右に視線をキョロキョロと動かしている。

 

「コモルー、上よ!!」

「コモ!?」

カレンの指示で、コモルーはようやくミロカロスの場所を把握するが、もう遅い!!

 

「頼むぞミロカロス、ありったけの力をコモルーにぶつけるんだ!!

 ―――最大パワーでアイアンテール!!」

「ミィィィィ………!」

たつまきから抜け出し、落下しながらアイアンテールを展開するミロカロス。

カレンが指示を出すが、コモルーは攻撃を仕掛ける事はできない。

そして―――

 

「ミ、ロォーーーッ!!」

特大のアイアンテールが、コモルーの頭部に突き刺さった———!

 

「コモー!!?」

苦悶の声を上げ、ズシンと倒れるコモルー。

………やったのか?

 

「…………コ、モ」

しかし、コモルーはフラフラしながらもしっかりと立ち上がった。

あれを受けてまだ立てるなんて……。

 

「……まさかこんな回避をするなんて、ね」

そう呟くカレンの表情には、僅かな驚愕と……楽しげな色が見えた。

「カレン、まだまだこれからだぜ!!」

「いいわよグリード、かかってきなさい!!」

「よーし。ミロカロス、みず――」

みずでっぽう、そう指示を出そうとした瞬間。

 

「ミ、ロ……」

ミロカロスの身体が、地面へと倒れ込んでしまった。

「ミロカロス!?」

『ミロカロス戦闘不能、コモルーの勝ち』

「…………」

 

体力切れか……自分の身体をたつまきで覆った時のダメージを耐えられなかったんだ。

まだツタージャが残ってるけど、戦況を考えると俺の負けだな……。

 

「カレン、ここまでにしようぜ」

「そうね。けど3対3のバトルがどんなものかわかったでしょ?」

「ああ。カレンのおかげで助かったぜ」

ミロカロスをボールに戻す、よく頑張ったな。

 

「…………」

「? カレン、どうかしたのか?」

ミロカロスに労いの言葉を掛けていると、カレンが先程からこちらをジッと見ている事に気づき、声を掛ける。

 

「……ねえ、アンタさ。本当にこの学園に入学するまで、ポケモンを持った事がないの?」

「? ああ、ちょっと家庭の事情でな、けどそれがどうかしたか?」

「…………」

「……カレン?」

「……ごめん、なんでもないわ」

 

そう言って、カレンはさっさと歩き始めてしまう。

……カレンの奴、一体どうしたんだ?

 

 

(まだ半月しか経ってないのに、これだけのバトルができるなんて……コイツの成長スピードは異常とも言える。

 努力だけでどうにかなるものじゃないわ、だとすると……天性の才能だとでもいうの?)

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^

 

 

 

【サクラside】

 

 

「……ふーん、もうあそこまで成長したのか」

2人のバトルが終わってから、僕は自然とそう呟いていた。

結果的にグリードは負けたけど……それもいつまで続くかな?

ツタージャの時といい、彼は本当に僕を楽しませてくれるね。

 

「君もそう思わないかい?」

「………っ」

僕の言葉に、ある1人の女子生徒がピクリと反応する。

たしか彼女は二年生のコウヅキアオイだったね、単純なトレーナーの強さは上位に入るけど……性格面に問題があるって先生がぼやいてたっけ。

……そして、あのカレンという少女と確執がある。

 

「君はグリードとバトルした事があるみたいだけど、彼はなかなか見所があっただろう?」

「あんな弱い素人に見所だと? もし本気でそう思っているなら、四天王の質も疑われるな」

冷たく言い返す彼女、なる程……確かに性格面では問題あるかもね。

 

「そうは言うけど、ならどうして君は2人のバトルを見ていたのかな?」

「…………」

「彼は確かに弱い、でも近い内に強くなるよ。少なくとも……君以上のトレーナーになるだろうね彼は」

「っ、あんな男がわたしよりもだと?」

「もちろんさ、これは予想ではなく断言だね。

 君は確かにトレーナーとしては優秀だ、だけど……彼には君にない強さがある」

「くだらないな、そんな戯れ言などに耳を貸す意味はない」

吐き捨て、その場を走り去っていくコウヅキさん。

やれやれ……自分でも思う所があるって、バレバレだよ?

 

「さてと……」

彼のバトルを見てたら、僕もなんだかバトルがしたくなったな。

ソラネを誘って、バトルでもしようか。

そう思いながら、僕もその場を後にする。

 

 

 

……グリード、試験頑張ってよ。

いつか、君とは全力で戦ってみたいんだから、こんな所でつまずくなんて許さないからね?

 

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀  【ムクバード】♂  【ミロカロス】♀
【使えるわざ】   【使えるわざ】   【使えるわざ】
・つるのムチ    ・たいあたり    ・たつまき
・リーフブレード  ・かぜおこし    ・アイアンテール
・たいあたり    ・でんこうせっか  ・みずでっぽう
・かげぶんしん  ・つばさでうつ
・へびにらみ    ・つばめがえし
・グラスミキサー  ・ブレイブバード(未完成)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。