けど、ヤツのポケモンによって俺達は海に落とされ、更にガブリアスが迫る。
絶体絶命の中、俺達を助けたのは……サクラとリザードン。
そして——もう会う事は叶わないと思っていた、ミロカロスだった。
「―――――」
目の前の光景が、信じられない。
だって、どうしてここにサクラと……ミロカロスが居るのか。
「ミロォ……」
呆けている俺に、ミロカロスが嬉しそうに顔をすり寄せてくる。
……夢じゃない、のか?
「……本当に、お前なのか?」
「ミィ!!」
そうだよ、と言いたげに頷くミロカロス。
……頬に、暖かい液体が伝った。
「ミロカロス……」
みっともなく涙を流し、俺はミロカロスに抱きついた。
「ガブァァァッ!!」
「っ」
再会を邪魔するかのように、再びガブリアスが俺に迫る。
さっきは突然の事で何もできなかったけど、今度はそうはいかねえ!!
右手をガブリアスに向けて翳し、俺は波導の力を解き放とうと意識を集中させ。
「ガギャァッ!!?」
「えっ……?」
またもガブリアスは、水流によって吹き飛ばされ海に落ちた。
今のはハイドロポンプ……けど、一体や二体による攻撃じゃない。
〈間に合いましたね〉
「っ、ミロカロスママ!?」
頭に響いた声に反応し、俺は視線を後ろに向ける。
するとそこに居たのは、群れを率いたミロカロスのお母さんの姿が。
〈お久しぶりですねグリード、また一段と逞しくなられたようで……〉
「ど、どうしてミロカロスママ達がここに……? それに、サクラもどうして……」
「もちろん、君を助けに来たに決まっているじゃないか。
お母様はこの事件に関与するなと、頑なに僕をイルミナから出そうとしなかったんだ。
けど、ソラネ達が協力してくれて、ようやくイッシュ地方に来る事ができたというわけさ。
リザードンにも、随分無理をさせてしまったよ、休みなしでホウエンからイッシュまで連れてきてもらったからね」
ありがとう、そう言いながらリザードンの頭を優しく撫でるサクラ。
「初めてだよ、お母様に逆らったのは。けど……僕にとってグリードは、何者にも変えられない大切な人なんだ。
そんな君が戦っているのに、そのまま知らんぷりしてるわけにはいかなかった。ソラネ達も同じ気持ちだったから協力してくれたんだ」
「…………」
……みんな、バカだよ。
俺なんかの……俺なんかの為に、こんな事するなんてさ。
「……バカだよ、みんなして俺なんかの為に」
「君の助けになるなら、僕達は喜んで世界一の大馬鹿者になってみせるさ。
みんな、それだけ君が大切なんだから」
〈そうですよグリード、皆あなたを愛しているから……。
この子もそうです、グリードの波導に乱れが生じたのを察知した瞬間、周りの制止も利かずに群れから飛び出していってしまったのですから〉
「ミィ……」
少し恥ずかしそうに、ミロカロスがはにかむ。
〈――お前を中心に、私達はこの地にやってきたのだ。ただ守りたいと、小さく大切な願いを叶えたいと願ったお前を、助ける為に〉
「レシラム……」
いつの間にか、レシラムが近くに寄り声を掛けてきた。
上空では回復したルギアと叔父さん達が戦っている。
〈外は我々にお任せください、あなたはあなたの成すべき事を。
貴女は、グリードと共に行きなさい。彼を……守ってあげるのですよ?〉
「ミロォォッ!!」
「……また、俺と戦ってくれるのか?」
俺の問いに、当たり前だと言わんばかりに、ミロカロスは頷きを返す。
「グリード、行くよ!!」
「――おぅ!!」
サクラのリザードンに乗り込み、ピカチュウと……ミロカロスをボールに戻す。
たとえ別れたとしても、俺はミロカロスに使っていたボールを持っていなかった日はなかった。
それが、こんな形で役に立つとは思わなかったけど。
ツタージャもリザードンに乗った事を確認してから、すぐさま高度を上げ王の鎖へと向かう。
〈グリード、お前達の絆を見せてやるんだ!!〉
背中越しからは、レシラムの声と戦闘が激しさを増す音が聞こえた。
それに片手を上げて返事を返し――俺は、再び王の鎖の内部へと進入した。
「クロス・エグフィード!!」
「……貴様、まだ生きていたのか?」
「もう終わりですよクロス・エグフィード、今回の事件を起こすまでに行った犯罪行為、全てリア・エグフィードが話してくれました」
「何……!?」
サクラの言葉に、おもわず驚きの声を上げた。
あの人が……。
「どうやら彼女はクロスの犯罪行為を知っていたようでね、今までクロスの圧力で言えなかったみたいだけど……お母様がグリードがこの事件に関わってると話したら、すぐに話してくれたよ。
よかったねグリード、まだ君の母親は君を愛してくれているじゃないか。息子の為に己がどうなろうと構わない、そんな気概を感じたとお母様は言っていたよ」
「…………」
「僕も、君の過去を聞いて君の両親を絶対に許せないと思った、けど……もう許してあげてもいい頃だと思うよ。けど今は――彼を止めてあげないとね」
言って、サクラはクロスに再び視線を向ける。
「エグフィード家にもあなたの悪行は知れ渡った、総帥の地位も剥奪されただろうし……もう終わりだよ」
普段の彼女とは違う、冷たい声と瞳。
……怒りを、懸命に抑えているのだ。
しかしヤツは、そんなサクラの言葉に動じる事はなく、口元に歪んだ笑みを浮かべた。
「――はっ、何を言うかと思えば……それがどうした?」
「…………」
「あと少しで王の鎖が完全に解放される、そうなればこの世全てのポケモンが私の僕になる。
そうなれば、もはやエグフィード家もイルミナ家も国際警察も関係ない、私はこの世界を支配する神となるのだからな!!」
両手を天に掲げ、ヤツはどこか恍惚とした表情を見せ告げる。
「………グリード、残念だけど……もう彼は、完全に妄念というものに取り憑かれてしまったみたいだ」
「………そうだな」
わかりきっていた事だ。
この男は、どこまでいっても救いようのない存在だと。
だけど、それでも。
「——それでも、信じたかった」
叶わない願いを口にして、迷いを断ち切る。
「今度はこの場で始末してやろう」
「――レジジジ、レジアイ」
「レジスチ、スチチチ」
レジアイスとレジスチルを場に出すクロス。
対する俺は、ツタージャを前に出し。
「――グルルル」
今までの移動で確実に疲労しているはずだというのに、リザードンはサクラを守るようにレジアイス達と対峙する。
「……リザードン、悪いけどもう少し頑張って。
この男だけには……絶対に負けたくない、グリードの優しさを踏みにじったあなたを……僕は絶対に許さない!!」
珍しい、サクラの激情。
おもわず俺はサクラを見やり、ツタージャも驚いていた。
だが――それすらも、クロスは嘲笑う。
「くだらんなイルミナの娘、そのような駒風情に肩入れするとは。
生きていても何の意味もない、くだらない感情しか持てない屑だよ、それは」
「…………」
ギリッ、と。
サクラから、歯が軋む音が聞こえた。
「………自分で言うのもなんだけど、僕はあまり他人を憎まないんだ。
けど、今僕は心の底からあなたが憎い!! 彼を侮辱した償いは、受けてもらう!!」
「やってみせろ、やれるものなら」
「……サクラ、ありがとな。お前が怒ってくれただけで、俺は充分だよ」
「グリード……」
「みんなで止めるんだ、もうこんなものは……存在してはいけないんだから」
「――うん!!」
キッとクロスを睨む俺とサクラ。
そして――最後の戦いの幕が、クロスの声によって開かれた。
「レジアイス、ふぶき。レジスチルはツタージャにアイアンヘッド」
「レジジジ……!」
「レジスチチチ!!」
不気味な機械音のような声を響かせながら、攻撃を始めるレジアイス達。
「リザードン、かえんほうしゃ!!」
「ツタージャ、リーンフォースブレード!!」
「グォォォォン!!」
「タジャタジャタジャ………!」
迫るふぶきを、かえんほうしゃを浴びせて相殺させるリザードン。
疲労などまるで感じさせない、凄まじいパワーだ。
対するツタージャは、真っ向から向かってくるレジスチルに、自身も真っ向から立ち向かい深緑の剣を振り下ろす。
ぶつかり合う両者、暫し鍔迫り合いになるも互いに弾かれ距離をとる。
「エナジーボール!!」
「きあいパンチ」
俺とクロスが投げつける指示は同時。
「ター、ジャ!!!」
「レジジ、レジスチ」
放たれたエナジーボールを回避し、ツタージャに迫るレジスチル。
「リザードン――」
「レジアイス、リザードンにれいとうビーム」
「レジアイアイ」
点字のような部分から放たれるれいとうビーム。
リザードンは避けられない、けど。
「フレアドライブ!!」
「グゥゥゥゥ……グガァァァアァッ!!」
全身を蒼い炎で包み込み、レジアイスのれいとうビームを受けながらも、ツタージャの前へ。
「ドラゴンクロー!!」
「グルゥガアァァアァッ!!」
凍りついた左半身を完全に無視し、右腕を振り上げレジスチルに向けて振り下ろす―――!
「レジ、スチチ……」
吹き飛ばされ、地面を削りながら滑っていくレジスチル。
それを見て舌打ちをしながら、クロスはレジアイスに攻撃の指示を――なんてさせるかよ!!
「れいとう――」
「リーフストーム!!」
「ツタァァァァ……ジャァァァァッ!!!」
葉の嵐が、レジアイスを包み込み吹き飛ばす。
「チッ――」
「リザードン、大丈夫か!?」
半身が氷漬けになっているリザードンに声を掛ける。
リザードンは俺に対して頷きを返し、氷漬けになっている部分に炎を浴びせて溶かしてしまった。
と、クロスは倒れたままのレジアイスとレジスチルをボールに戻し。
「カロロロロ……」
「レジ、ギガ、ギガ」
代わりに出したのは……ヒードランとレジギガス!!
「これはまた……凄いのが出てきたね。リザードン、戻るんだ」
「ツタージャ、お前も戻るんだ!!」
「タージャ」
俺の足下まで移動するツタージャ、それと同時に俺はボールを手に取りあいつを場に出す。
「ミロォォッ!!」
「ミロカロス、また俺に力を貸してくれ!!」
「ミィィ!!」
こくりと頷き、相手を睨むミロカロス。
「ミミロップ、君の力を貸してくれ!!」
「――ミミロー!!」
サクラが場に出したポケモンはミミロップ、長く美しい両耳を拳のように構えている。
「アクアリング!!」
「ミィィロォォー……」
キラキラと、ミロカロスの身体が水晶のように輝き出す。
「レジギガス、アームハンマー」
「ギガ、ギガ、ギガ……!」
ドシンドシンと地面を揺らしながら、レジギガスがミロカロスに迫る。
好都合だ、このまま引き付けて………今だ!!
「跳べ、アイアンテール!!」
「ミッ、ロォッ!!」
硬質化した尻尾を地面に叩きつけ、その威力を利用して跳び上がるミロカロス。
レジギガスの視線が、一瞬上空に居るミロカロスに逸らされ、その隙を逃さずミミロップが間合いを詰める。
「ヒードラン、マグマストーム」
「カロロロロッ!!!」
しかし読んでいたのか、口元に勝利を確信したような笑みを浮かべ、ヒードランに攻撃の指示を出すクロス。
だが甘い、お前が一歩先を読むなら俺達は更にその先を読んでいる!!!
「ハイドロポンプ!!」
「ミロォォォッ!!」
「カロロロロ……!?」
上空に居るミロカロスから放たれる水流が、攻撃を仕掛けようとしたヒードランを狙い撃つ。
その隙に、ミミロップはレジギガスの眼前に迫り。
「ダブルアタック!!」
「ミミッ、ローッ!!」
頭を振り、左右の耳を鞭のように操ってレジギガスを殴りつける。
「ピヨピヨパンチ!!」
「ミミミミミミミッ!!」
続いてこれまた両耳によるピヨピヨパンチの連打で、レジギガスの巨体を少しずつ宙に浮かせていく。
そして、充分にレジギガスを浮かせた瞬間。
「とびげりだ!!」
「ミミッ、ロップッ!!」
爆発的な運動エネルギーを両脚に込めて跳び上がり、まるで矢のような貫通力を含んだ右蹴りをレジギガスに叩き込む!!!
「レジ、ギ、ガ……」
巨体を地面に滑らせ、レジギガスはそのまま柱へと叩きつけられてしまった。
「何だと――!?」
驚愕の色を隠そうともせず、クロスが叫ぶ。
その隙に、俺は落ちてくるミロカロスに指示を告げた。
「ミロカロス、そのままヒードランにアクアテールだ!!」
「ミィィロォォォ……!」
尻尾を天に掲げるミロカロス、その尻尾には水が渦巻き更にその大きさを増していった。
「チィッ! マグマストーム!!」
珍しく焦りを含んだ声で指示を出すクロス。
灼熱の炎が、瞬く間にミロカロスを包み込んだ。
――だが、その炎の中でもミロカロスは攻撃の手を止めたりしない
「なっ――!?」
驚愕の声は――クロスから放たれる。
ミロカロスのアクアテールは、マグマストームの中でも勢いを衰えさせる事なく、炎を文字通り切り裂きながら落下していった。
「ミロカロス、いっけぇぇぇぇっ!!!」
「ミィィィィィ………!」
アクアテールの本来の威力に、落下による速度が上乗せされていく。
「ミィィィィ……ロォォッ!!」
そして、強化されたアクアテールの一撃が、ヒードランの巨体を地面へと沈ませる―――!
「おのれ……おのれ……! 駒風情が、この私に逆らうか………!!」
怒りと憎しみに満ち溢れたクロスの瞳が、向けられる。
けど、もう俺にはヤツに対する怒りや憎しみは存在していなかった。
あるのは――憐れみ。
……この男も、可哀想な存在なのだ。
他者を信じる事ができず、ずっと独りで道を歩んできた。
その孤独は、きっと俺には想像もできなくて……けれど、それすらも“悲しい事”だと理解できないこの男は、憐れなのかもしれない。
「遊びは終わりだ、死んでもらう!!」
レジアイスにレジロック、レジスチル。
自身が持つ全てのポケモンを場に出し、ヤツは最後の勝負に出た。
「グリード、ここは僕達に任せて!!」
言って、サクラは複数のボールを投げ、ドレディアとリザードン、そしてフライゴンとエネコロロを場に出した。
「サクラ!?」
「次の攻撃は僕達で必ず食い止める!! 後は……任せたよ」
「――死ね!!!」
レジ系四体による、はかいこうせん一斉掃射。
更にヒードランのマグマストームまで加わり、凶悪などとうに超えた攻撃が俺達に迫る。
当たれば人間である俺達など一瞬で消し炭にする、波導の力を用いてもただでは済まないだろう。
だが――俺達は一切迎撃には移らない。
だってそうだろう、サクラが任せてと言ったのだ。
俺達には、俺達のやるべき事をするだけだ―――!
「みんなの力を合わせるんだ!! リザードンとエネコロロはそれぞれフレアドライブとギガインパクト!! ドレディアは後ろからリーフストームで援護!!」
「グルゥゥゥ……ガァァァァァッ!!!」
「ニャニャァ……ミャァァァァッ!!」
並ぶように走り出し、それぞれ炎と高エネルギー体に身を包むリザードンとエネコロロ。
「ディアァァ……ドレ、ディィィィッ!!!」
背後からリーフストームを使い、ドレディアの攻撃は相手——ではなく、吶喊するリザードン達を包み込んだ。
フレアドライブ、ギガインパクト、そしてリーフストーム。
三者三様の攻撃は混ざり合い、真っ向からぶつかり合う!!
「くっ………!」
爆音と衝撃波、更に熱風が辺りに舞い散り、おもわず腕で顔をガードする。
両者の攻撃は――互角!!
「バカな、こいつらは伝説と謳われるポケモン達だぞ!! だというのに何故拮抗できる!?」
「たとえ能力や体格が劣っていたとしても、想いの力がみんなを強くするんだ!!
ずっと独りで、誰にも信頼を抱けない貴方には、一生理解できない力だ!!」
サクラとクロス、両者のポケモンのぶつかり合いは互角だ。
でも、まだサクラのポケモンは残っている。
「りゅうせいぐん!!」
「ラァァァァイ、ゴォォォォォンッ!!!」
天井付近に居たフライゴンが、渾身の力を込めてりゅうせいぐんを撃ち放つ。
空中で分解したエネルギー弾が、クロスのポケモン達を連べ打ちにしていき、そのままリザードン達が攻撃を押し切った。
――攻撃が止み、相手は完全に無防備に
「グリード、今だ!!」
「――みんな、出てきてくれ!!」
腰のボールを手に取り、全員を場に出す。
「ミロカロス、たつまきだ!!」
「ミロォォォッ!!」
「ピカチュウ、あのたつまきの中に入ってボルテッカー!!」
「ピッカァッ!!」
地を蹴り、自分からミロカロスのたつまきに入るピカチュウ。
「ピカピカピカピカピカピカピカピカ………!」
たつまきの回転に巻き込まれ、ピカチュウの身体が高速回転していく。
それと同時にボルテッカーの電撃が黄金の光を放ち、更にその勢いが増していった。
「いけぇぇぇっ!!」
「ピカピカピカピカピカピカ――ピカピッカァッ!!」
たつまきとボルテッカーのコンボ攻撃は、迷う事なくクロスのポケモン達を吹き飛ばす。
「カロロロロ!!」
しかし、はかいこうせんの反動で動けないレジ系達とは違い、ヒードランは俺に狙いを定め攻撃を――
「クチ、クチャー!!」
「キュ、コォォン!!」
迫るヒードランのかえんほうしゃ。
しかし、俺を守るように前に出たクチートとキュウコンのダブルかえんほうしゃが、相殺させた。
「グラィィィ、グライォォォン!!!」
「コジョコジョコジョ……コ、ジォォッ!!」
「クホォォォ、ムクホォォォクッ!!!」
グライオンのギガインパクト、ムクホークのブレイブバード、そしてコジョンドのきあいパンチが今度こそヒードランを地に沈める。
――次で最後だ!!
「オノノクス、ティア、レジギガス達にダブルりゅうせいぐん!!」
「グゥゥゥゥ……オガァァァァッ!!!」
「クォォォォゥ!!!」
起き上がろうとするレジギガス達に、だめ押しの二連続りゅうせいぐん。
さすがに効いたのか、そのままレジギガス達が起き上がる事はなく。
俺は、最後の決着を着けるために走り出した。
「バカな……負けるというのか、この私が……こんな……」
「クロス・エグフィード!!」
迷う事なくヤツの元へと向かい、拳を握りしめる。
ヤツは自らのポケモン達が敗れた事が信じられないのか、呆然とその場に立ち尽くしており。
「ぶふぁっ!!?」
その顔面に、加減も遠慮もなく右の拳を叩き込んでやった。
骨が砕けるような嫌な感触を感じながらも、俺はもう一度拳を振り上げる。
「今のは、ゼクロムの分だ。そして――これはレシラムの分!!」
「ごばぁっ!!?」
ヤツの頬に今度は左の拳を叩き込む。
「ビリジオンの分!!」
三撃目。
「テラキオンの分!!」
四撃目。
「コバルオンの分!!」
五撃目。
「フィルとシェリーとトナ達の分!!」
六撃目。
「ご、ぁ、ぶ……」
膝が折れ目が裏返り、おそらくヤツの意識は殆ど失っているだろう。
だけど、それでもこの拳を止める事はできなかった。
「ルギアと、叔父さん達の分!!」
七撃目。
「リンの分!!」
八撃目。
「お前のせいで傷ついた人達と、ポケモン達の分!!」
九撃目。
両の拳はヤツの血で染まり、次の一撃で最後にしようと全身に力を込めて。
「そして、これが―――あの時、俺と一緒に見捨てて命を落とした、ポケモン達の分だぁぁぁぁっ!!!」
十発目で、ヤツの身体は完全に地面へと沈んだ。
……起き上がる気配はなく、完全に気絶している。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
拳に付着した血を払って地面に落としながら……俺は、この男を生かそうか迷っていた。
生きていても意味はない、無駄に悲しみを増やすだけの存在。
――だけど、殺すわけにはいかない
死んで楽になどさせない、そんなものは逃げなのだから。
「……アンタは、これから生きて罪を償うんだ。自分の行い全てに頭を下げて、反省しろっ!!」
既に意識など無くなっているクロスにそう吐き捨て、俺はツタージャ達の元へ……。
おっと、その前にやる事があったな。
俺はツタージャを呼び寄せ、最後の指示を告げる。
移動した先は――王の鎖の心臓部である、クリスタルの前。
「……これを破壊する。ツタージャ、頼めるか?」
「タージャ」
こくりと頷きを返すツタージャに、俺は指示を告げた。
「リーンフォースブレード!!」
「タジャァァァ……タージャ!!」
生成され、クリスタルに向けて振り下ろされる深緑の剣。
迷う事なく、剣はクリスタルを真っ二つにして。
―――この戦いに、終止符を打ったのだった
To Be Continued...
【ツタージャ】♀ 【ムクホーク】♂ 【ミロカロス】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・つるのムチ ・はがねのつばさ ・たつまき
・リーフブレード ・かぜおこし ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード ・でんこうせっか ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん ・つばさでうつ ・れいとうビーム
・へびにらみ ・つばめがえし ・じこさいせい
・リーフストーム ・ブレイブバード ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り ・インファイト ・アクアリング
・エナジーボール ・かげぶんしん ・アクアテール
・はかいこうせん ・みずのはどう
【オノノクス】♂ 【コジョンド】♀ 【グライオン】♂
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・ダブルチョップ ・みきり ・シザークロス
・シャドークロー ・はっけい ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり ・とびひざげり ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー ・はどうだん ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき ・おうふくビンタ ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん ・ギガインパクト ・はがねのつばさ
・あなをほる ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう ・ストーンエッジ
・はかいこうせん ・きあいパンチ
・かみなりパンチ
【クチート】♀ 【ラティアス(ティア)】♀ 【ゴチミル】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・てっぺき ・ラスターカノン ・ねんりき
・アイアンヘッド ・じこさいせい ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ ・はかいこうせん ・サイケこうせん
・ねごと ・りゅうのはどう
・ラスターカノン ・りゅうせいぐん
・かみくだく ・れいとうビーム
・ドラゴンクロー
・はがねのつばさ
【ピカチュウ】♂ 【キュウコン】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】
・10まんボルト ・かえんほうしゃ
・アイアンテール ・ほのおのうず
・ボルテッカー ・じんつうりき
・でんこうせっか ・エナジーボール
・かみなり ・アイアンテール
・ボルテッカー・アイアンテール