グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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カミツレさんとのバトルは続く。

俺はグライオンを、カミツレさんはゼブライカとエモンガを失った。

流れを掴み、一気にティアで決めようとした俺だけど……デンチュラの巧みな攻撃で、一気にピンチへと陥ってしまった……。


第122話 〜電光石火のポケモンバトル、グリードVSカミツレ!!〜(中編)

「………ティア」

「クゥゥ……」

地面に落ち、苦しそうな声を出すティアを見て、グリードは歯を食いしばりながら俯く。

「……俺は、何をやってるんだ……」

 

どんな時でも、冷静であれ。

それが強きトレーナーのあるべき姿、だというのに……自分は傲り高ぶり冷静さを失った。

その結果、ティアに対してこのようないらぬ傷を負わす結果となったのだ。

 

「グリード君、貴方のトレーナーとしての腕に既に一流と言えるわ。

 類い希なる才能、そしてそれを無駄にさせない為の努力、何よりポケモン達に対する愛情が、貴方をここまでのトレーナーにした。

 けどね……強さに、終わりはないの」

「…………」

「世界は広い、伝説のポケモンを普通のポケモンで倒す事ができるトレーナーも居るの。

 さあ、これで終わりにするの? 尻尾を巻いて負けを認めるかしら?」

「くっ………!」

「クォォゥ!!」

「っ、ティア……」

まだ戦える、そう言いたげに鳴くティア。

……それを見て、グリードは己の馬鹿さ加減を改めて思い知らされた。

 

「………ごめんな、ティア。俺、調子に乗ってた。カミツレさんにリードして、ラティアスであるお前なら、あっという間に勝てるなんて思い込んでさ。

 情けないよ……本当に、情けない」

……今の自分に、ティアを使役する資格などはない。

だから……グリードはある行動へと移った。

「…………、っ!!」

 

――鈍い打撃音が、グリードの顔面から響く

 

「なっ――」

「ちょっ!?」

カミツレとフウロも、グリードの行動に驚きの声を上げた。

何故なら彼は――自分の顔に自分の拳を容赦なく叩き込んだのだから。

「っ、いっ、て……」

顔をしかめ、フラフラと身体を揺らしながらも、グリードはただその痛みに耐えた。

これは戒め、自分が受けるべき罰だと己に言い聞かせながら。

 

「わぁっ!? グリード、血が出てるよ!?」

額から流れる一筋の血を見て、フウロは慌ててグリードの元へと駆け寄りハンカチで拭ってやる。

「わりぃ、フウロ」

「別に気にしなくていいけど、いきなり何してるのよ……」

「こうでもしなきゃ、俺は自分を許せなかったんだ。ティアの力に甘えて、トレーナーとしての役割を忘れてた。

 あのままじゃ、俺はティアと一緒にバトルする事ができなくなってたからさ」

「………もぅ、しょうがないなぁ」

 

彼らしい、と言えばそこまでだが……フウロはため息をつかずにはいられなかった。

気持ちはわかる、しかしフウロとしてはグリードに怪我をしてほしくないというのが本音だ。

フウロが血を拭き終えると、グリードは自分の頬をパンパンと叩き……改めてカミツレを見やる。

 

「すみません、カミツレさん。ここからは絶対に油断も慢心もしません!!」

「……そう。その言葉が嘘にならなければいいのだけど」

「嘘になんかしませんよ。ティア、戻れ!!」

ボールを翳し、ティアを戻すグリード。

その判断は当然といえる、エレキネットを何度も受けたティアでは、デンチュラの相手をするのは難しい。

 

(グライオン、オノノクス、クチート、ピカチュウ……そしてラティアス、これで五体目だけど……あとの一体は)

おそらく、ツタージャであろうとカミツレは予想を立てる。

そして、彼女の予想はものの見事に的中した。

「ツタージャ、君に決めた」

「タジャ」

頷きを返し、フィールドに入るツタージャ。

 

「グリード君、デンチュラはツタージャに有利なむしタイプよ? よっぽど自信があるみたいね」

「当たり前です。俺達はカミツレさんに勝つためにここへ来たんですから」

「…………」

力強い瞳。

グリードとツタージャも、己の勝利を得るために全力を尽くそうとしている。

 

(そうよ……私は今の貴方とバトルがしたかったの)

あの時と同じ、いやそれ以上の強き瞳を宿したグリードこそ、カミツレにとって一番戦いたかった相手なのだ。

嬉しさのあまり身体の震えが、口元が緩むのが止められない。

ここでようやく、カミツレが望むバトルができるようになったのだ―――!

 

「クラクラしちゃいそう……! デンチュラ、かみなり!!」

「ヂュヂュ、ヂューッ!!」

四方八方から、ツタージャを狙うデンチュラのかみなり。

「かわしながら接近するんだ!!」

「タージャ!!」

それを、ツタージャは華麗に回避しながら、デンチュラとの間合いを詰める。

 

「リーフブレード!!」

「タジャー!!」

そして、最適な間合いを確保して渾身の一撃を叩き込む。

「かわしてエレキネット!!」

「ヂュラ!!」

ツタージャの攻撃が虚しく空を切る。

その場で跳躍したデンチュラは、ツタージャの真上から攻撃を仕掛けようとして。

 

「エナジーボール!!」

「ター、ジャ!!」

振り向きざまに放たれたツタージャのエナジーボールを、まともに受けてしまった。

「(技の展開が速い………!)デンチュラ、落ち着きなさい」

「デン、ヂュ……!」

確かに攻撃をまともに受けたが、効果が今一つなエナジーボールではデンチュラに対し決定打にはなりはしない。

その為、問題なくエレキネットは放たれるが……。

 

「右に移動しろ!!」

「タジャ!!」

ツタージャは迫るエレキネットを右方向へと跳んで回避、そして。

「リーフストーム!!」

「ツタァァァ……ジャァァァァッ!!」

無防備なデンチュラを、渾身のリーフストームでフィールド端まで弾き飛ばした。

 

「デンチュラ!!」

「ヂュ……ヂュヂュ」

立ち上がるデンチュラ、しかしダメージは決して小さくない。

だが……それでもカミツレの表情は、楽しげな笑顔のそれだった。

 

(凄い……さっきとは見違えるコンビネーションね)

これこそがグリードの本領発揮という事か、ならばとカミツレはデンチュラをボールへと戻す。

「――シビルドン、あなたが輝く時がやってきたわよ!!」

「――シビビ、シビ!!」

「シビルドンか……」

強敵だ、だがでんき技ならばツタージャには効果が薄い。

そう判断し、グリードはそのままツタージャに戦わせる事に。

 

「リーフブレード!!」

「タジャー!!」

地を蹴り、シビルドンに向かっていくツタージャ。――しかし。

「かえんほうしゃ!!」

「なっ――ツタージャ、避けろ!!」

「シビビーッ!!」

「っ、タジャ!!」

間一髪、迫るかえんほうしゃを回避するツタージャ。

 

「ドラゴンクロー!!」

「シビ、ドンッ!!」

「タジャーッ!!?」

だが、それにより生じた隙を突かれ、シビルドンの攻撃をまともに受けてしまった。

 

「くっ……ツタージャ、戻るんだ!!」

「タ、タジャ……」

顔をしかめつつ、グリードの足元まで移動するツタージャ。

それを確認した後、グリードはモンスターボールを手に取り、フィールドに投げつける。

「ピカチュウ、もう一度行ってくれ!!」

「ピ、ピカ……」

モンスターボールから出てきたピカチュウ、しかしその表情はかなり辛そうである。

 

(カミツレさんは四体、グリードは五体。数の上ではグリードが優勢だけど……)

グリードのポケモンは、全てダメージを受けている。

対するカミツレは、まだ場に出してもいないポケモンが二体も残っているのだ。

どちらが優勢か、まだ決定付ける事はできないが……。

 

「シビルドン、かみなり!!」

「シビィィィィッ!!」

「でんこうせっか!!」

「ピッ――!」

フィールドに電撃を撒き散らすシビルドン、所々に落ちるがでんこうせっかのスピードでピカチュウは確実に回避し――シビルドンの身体を突き飛ばす。

 

「かえんほうしゃ!!」

「10万ボルトで迎え撃て!!」

「シビビーッ!!」

「ピーカチュゥゥゥッ!!!」

空中でぶつかり合うかえんほうしゃと10万ボルト、互いに爆散し相殺し合った。

 

「アイアンテール!!」

「チュゥゥゥゥ……ピッカァッ!!」

跳び上がり、シビルドンの頭部目掛けてアイアンテールを叩き込もうとするピカチュウ。

「かみくだく攻撃!!」

それを――シビルドンは真っ向から口で受け止めてしまった。

 

「ピカッ!?」

距離を離そうにも、しっかりと咬まれており抜け出せない。

「ドラゴンクロー!!」

「シビ、ドンッ!!」

そして――無防備なピカチュウに向かってシビルドンはドラゴンクローを叩き込んだ。

「ピカァッ!!?」

「ピカチュウ!!」

勢いよく地面に叩きつけられるピカチュウ、起き上がろうと身体を動かそうとして……そのまま再び地面に倒れ込んでしまった。

 

「ピカチュウ戦闘不能、シビルドンの勝ち!!」

「くっ………!」

(これで並んだ……!)

それだけではない、あのシビルドンはグリードの残り手持ちのポケモン全てに対し、有利な立ち回りができるというのがわかった。

ツタージャ、クチートに対してはかえんほうしゃ。

オノノクス、ティアに対してはドラゴンクロー。

攻撃の範囲が広いこのシビルドンを倒さねば、グリードの勝利は遠のくばかりだ。

 

「オノノクス、もう一度行ってくれ!!」

「オガァッ!!」

次にグリードが繰り出したのはオノノクス、比較的ダメージが少ないが故の判断だろう。

「ドラゴンクロー!!」

「ガァァァァッ!!」

地響きを立てつつ、シビルドンに向かっていくオノノクス。

 

「シビルドン、こちらもドラゴンクロー!!」

「シビィィィィッ!!」

対するシビルドンも、ドラゴンクローで真っ向からぶつかり合う。

鍔迫り合いになる両者、パワーの上では互角――ではない!!

オノノクスが、少しずつとはいえシビルドンを押し戻していく。

 

「そのまま押し切れ、オノノクス!!」

「そうはさせないわ。シビルドン、そのままほうでん!!」

「シビビーッ!!」

鍔迫り合いになりながら、自分とオノノクスを電撃で包み込むシビルドン。

これには、オノノクスもノーダメージというわけにもいかず、僅かに力が緩まる。

 

「シビ、ドンッ!!」

「グガッ!?」

その隙を逃さず、シビルドンは連続でオノノクスの身体にドラゴンクローを叩き込んでいく。

「オノノクス!!」

「そのまま畳み掛けなさい、シビルドン!!」

「そうはさせるか!! オノノクス、シビルドンの身体を掴むんだ!!」

「っ、ガ、ガァッ!!」

ダメージを受け苦しげな顔を見せながらも、オノノクスはドラゴンクローを放つシビルドンの両腕を掴み上げた。

 

「なっ―――」

「そのまま上空に投げつけろ!!」

「グガァァァッ!!」

ブンッ、とシビルドンを天井付近まで投げつけるオノノクス。

しかし、それだけではダメージになりはしない。だから――

 

「フルパワーでりゅうせいぐんだ!!」

「グッ、ガァァァァ………!」

体内のドラゴンパワーをチャージしながら、落ちてくるシビルドンに向かって口を開くオノノクス。

「させないわよ。シビルドン、でんじほう!!」

「シビィィィィッ!!」

口から、強力な雷球を撃ち出すシビルドン。それは迷う事なくオノノクスへと命中し、地面に膝を付かした。

 

「負けるな、オノノクス!!」

「っ、オガァァァァァァァァッ!!!」

グリードの声を聞き、オノノクスは再び立ち上がり。

シビルドンへと、りゅうせいぐんを撃ち込んだ!!!

 

空中で爆散したりゅうせいぐんは、フィールドへと撃ち込まれていき。

その内の一つの中に、シビルドンの姿も。

「……シビィ〜……」

「シビルドン戦闘不能、オノノクスの勝ち!!」

「やったぜ!!」

拳を握りしめるグリード、だったが……。

「グ、ォ……」

ズズンと、オノノクスの巨体がフィールドに沈んだ。

 

「オノノクス!?」

「シビルドン、オノノクス、共に戦闘不能!!」

「あぁ、惜しい!!」

おもわず、そう叫んでしまうフウロ。

りゅうせいぐんを出す前に受けたでんじほう、あれが決定打になってしまったようだ。

これで、互いのポケモンは三体ずつ。

 

「――マッギョ、あなたが輝く時がやってきたわよ!!」

「――マッギョギョギョ」

「うぇ?」

「タジャ……」

 

おもわず、間の抜けた声を出してしまうグリードとツタージャ。

しかし仕方ない、それほどまでにマッギョというポケモンの外見はインパクトがあり過ぎるのだ。

おもわず噴き出してしまいそうな面白い顔、そしてそんな外見に妙に似合う渋い鳴き声。

見ると、フウロも必死に笑いを堪えている。

 

(っと、こんなんじゃダメだよな……)

たとえ相手が何だろうとも慢心しない、それにあのマッギョというポケモンは、なかなか侮れない能力を持つポケモンだ。

己を戒めつつ、グリードはオノノクスをボールに戻す。

「ツタージャ、もう一度行ってくれ!!」

「タージャ」

再び、フィールドに入るツタージャ。

 

「ギガドレイン!!」

「タジャァァァ……!」

ツタージャの身体から、エメラルド色の蔦が伸びていきマッギョに向かっていく。

「マッドショット!!」

「マッ、ギョ!!」

口から幾つもの泥玉を吐き出すマッギョ、それはツタージャの手前で炸裂し彼女の攻撃を中断させた。

 

「タジャ……!?」

「ヘドロばくだん!!」

「ギョ、ギョ!!」

怯むツタージャに、ヘドロばくだんの雨が降り注がれる。

「タジャーッ!?」

まともに受け、地面を転がっていくツタージャ。

 

「ツタージャ、大丈夫か!?」

「タ、タジャ……」

立ち上がるツタージャだが、大きく息を荒げ限界が近いというのがわかる。

しかし、カミツレ達の攻撃は緩まない。

 

「かみなり!!」

「ギョギョー!!」

「かわせツタージャ!!」

「っ、タジャ!!」

上手く動かない身体をむち打って、かみなりを紙一重で回避していくツタージャ。

だが、このままではいずれ攻撃が当たってしまうのは明白だった。

 

(何か、何かないか? この状況を打破する手が……!)

「マッドショット!!」

「マッ、ギョ!!」

「タジャ!?」

足元でマッドショットが炸裂し、ツタージャの脚がおもわず止まってしまう。

 

「ヘドロばくだん!!」

「リーフストーム!!」

「ギョギョー!!」

「ツタァァァ……ジャァァァァッ!!」

迫るヘドロばくだん、しかしどうにかリーフストームで相殺させる。

「マッギョ、あなをほる!!」

「ギョギョギョ……」

(っ、拙い………!)

これでは、マッギョがどこから攻撃してくるのか――

 

「――ギョギョー!!」

「タジャ!? タジャーッ!!?」

ツタージャの足元が盛り上がったと思った瞬間。

マッギョが勢いよくそこから飛び出し、ツタージャの身体を宙に飛ばす。

受け身もとれず、そのまま地面に落ちるツタージャ、そして……。

 

「ツタージャ戦闘不能、マッギョの勝ち!!」

「ツタージャ!!」

フィールドの中に入り、ツタージャを抱きかかえるグリード。

「………タジャ」

「よく頑張ったぞツタージャ、ゆっくり休め」

元の場所に戻り、ツタージャを足下に置いてから……グリードはモンスターボールを取り出す。

 

「頼むぞ……! クチート、もう一度いってくれ!!」

 

――激闘のバトルは、まだ終わらない

 

 

 

 

To Be Continued...




【ツタージャ】♀           【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】            【使えるわざ】        【使えるわざ】
・つるのムチ            ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード          ・かぜおこし         ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード  ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん           ・つばさでうつ        ・れいとうビーム
・へびにらみ            ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム           ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り    ・インファイト        ・アクアリング
・エナジーボール         ・かげぶんしん       ・アクアテール
                   ・はかいこうせん      ・みずのはどう


【オノノクス】♂     【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり         ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん   ・ギガインパクト    ・はがねのつばさ
・あなをほる     ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう   ・ストーンエッジ 
・はかいこうせん   ・きあいパンチ
・かみなりパンチ

【クチート】♀    【ラティアス(ティア)】♀    【ゴチミル】♀
【使えるわざ】    【使えるわざ】         【使えるわざ】
・てっぺき      ・ラスターカノン          ・ねんりき
・アイアンヘッド   ・じこさいせい          ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ  ・はかいこうせん         ・サイケこうせん
・ねごと       ・りゅうのはどう
・ラスターカノン   ・りゅうせいぐん
・かみくだく     ・れいとうビーム
            ・ドラゴンクロー
            ・はがねのつばさ

【ピカチュウ】♂           【キュウコン】♀
【使えるわざ】            【使えるわざ】
・10まんボルト          ・かえんほうしゃ
・アイアンテール          ・ほのおのうず
・ボルテッカー           ・じんつうりき
・でんこうせっか          ・エナジーボール
・かみなり             ・アイアンテール
・ボルテッカー・アイアンテール
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