色々ゴタゴタしてたし、みんなをおもいっきり休ませてあげないとな。
青い空、白い砂浜、眩しい……わけではないけど、それなりに強い日差し。
イッシュ地方のサザナミタウンは、一年を通して温暖な気温に包まれており、リゾート地として有名である。
そんなサザナミに、俺達は遊びに来た。
「おぉー……!」
子供みたいに目をキラキラとさせるのは……人間になったレシラム。
「海を見るの、初めてじゃないだろ?」
「無論だ。しかし人間の視界で見るのは初めてなのでな、こんなにも広く見えるのかと感動していたのだ!!」
「ふーん……」
そういうものか、でもゼクロムは感動していないから、いまいち同調はできない。
「よし、では行くぞー!!」
「えっ?」
うぉー、と海に向かって一直線に突撃していくレシラム。
「って、おい! 服のまま入る気かお前?!」
「わはははーっ!!」
ザッパーン、勢いよく水しぶきを上げながらレシラムは海に飛び込む。
ああもう、替えの服がないのに何でそのまま入るかなぁ?
「………………あれ?」
おかしいな、飛び込んだのにいつまで経ってもレシラムの姿が……。
「って、レシラムーーーーッ!!!?」
ぷかーっと水面に浮かび上がる物体。
それは紛れもないレシラムであり、まさしく土左衛門状態と化していた。
「はぁ……」
やっぱりな、そんな言葉を呟きつつ、土左衛門レシラムを引き上げ浜辺に戻ってくるゼクロム。
そして彼女を仰向けに寝かせ……そのお腹を容赦なく踏みつけた。
「ぴゅ〜……」
口から飲み込んだ海水を噴水みたいに吹き出すレシラム、マンガみたい……。
「……お前、自分がほのおタイプのポケモンだという事を忘れてたのか?」
「だ、だがドラゴンタイプは水に強い……」
「だがほのおタイプがある事には変わりない、そんな事もわからないのか?」
呆れたような、冷たい視線をレシラムに向けるゼクロム。
何だか態度が冷え切っているが、ライモンシティでの一件をまだ根に持っているらしい。
「うぅ……うーみー……」
「……こんなに弱るもんなんだな、ほのおタイプのポケモンが海に入ると」
「訓練されたほのおタイプなら大丈夫だが、コイツはこんなだからな」
「ゼ、ゼクロム……さっきから好き放題言いおって……うぅ」
「いいから寝てろ」
……ダメだこりゃ。
というかレシラム、お前伝説のポケモンだろ? 白き英雄って呼ばれてるんだろ?
うーうー唸っているレシラムに、皮肉やら嫌味やらを連発しているゼクロムに苦笑しつつ、俺は手持ちのポケモン達を全員外に出してあげた。
「みんなー、今日はおもいっきり遊ぼうな?」
そう言うと、みんな嬉しそうに鳴き声を返す。
と、背後からフウロの声が。
「グリード、お待たせ!」
「おー……」
後ろに振り向き――そのまま固まってしまった。
「ど、どうかな?」
どこか期待するような視線を向けつつ、フウロは問う。
いつもの露出の高い服の面積をそのまま小さくしたような、水色のビキニ。
きめ細やかで綺麗な白い肌は、陽の光によって輝いてみえる。
それに……いかん、どうしても目線が彼女の胸に行ってしまう。
周りに居る男達も、フウロの実りすぎな胸に視線を送り、一部は何故か前屈みになっている奴も。
ええぃ、見るんじゃない!!
「グリード?」
「えっ、あ、おぉ……いいと思いますよ?」
「何で敬語?」
「い、いや……気にしないでくださいませ」
「???」
ま、拙い……フウロが眩しすぎてまともに見れない。
……と言いつつ、しっかり彼女の胸をチラ見してしまう辺り、俺も男という悲しい生き物だと実感してしまった。
最悪だ……最悪だよ、俺。
「……ところで、レシラムはどうしたの?」
まだ唸っているレシラムに視線を向けるフウロ。
「……海に入って、具合悪くした」
「……ほのおタイプのポケモンなのに、海に入ったの?」
なんともいえない、呆れやら驚きやらが入り混じった苦笑を見せるフウロに、俺も同じような表情を返す。
――フウロには、レシラムとゼクロムの事はライモンシティで話した
初めは驚き、信じさせるのに暫し時間を有した。
信じさせたら信じさせたで、レシラムのキャラにめちゃくちゃ落胆して大変だった。
まあ気持ちはわかる、イッシュの人にとってレシラムとゼクロムというポケモンは文字通り英雄なのだ。
それがこんなアホの子では、ショックを受けるのも仕方ない。
ゼクロムが寡黙で大人だから、まだマシかもしれないが。
「グリード、コレは我に任せてお前達は遊んでこい」
(コレ扱いされてる……)
「えっ、でもいいの? ゼクロムだってゆっくりしたいんじゃ……」
「コレを放っておいたら余計に休めん、何をしでかすかわからんからな」
「あはは……」
否定できないのが悲しいぜ……。
……ゼクロムもこう言っているし、お言葉に甘えさせてもらおう。
「フウロ、みんな、レシラムはゼクロムに任せて遊びに行こう」
「うん!!」
俺がそう言った瞬間、フウロは俺の手を掴み海に向かって走り出した。
「それーっ!!」
「おわっ!?」
ザッパーンと、顔から海に突っ込んでしまった。
「ぷはっ、うぇ……」
塩辛い……ちょっと飲んじまった。
「ふふっ、グリードってば変な顔!」
「やったな、この!!」
「きゃは♪」
追いかける仕草をしたら、フウロは一目散に逃げ出した。
こうして、サザナミタウンでの1日が幕を開いたのだった。
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「――それっ!」
海の中で暫く遊んだ後、俺達はビーチボールを使って遊び始めた。
「っとと……えいっ!」
俺が打ったボールを、フウロが打ち返す。
「タージャ!」
「ムクホーッ!」
ツタージャがつるのムチで、ムクホークが右の翼でパスを回し。
「オガァッ!」
オノノクスが……ボールを破壊した。
「ってこらオノノクス! お前は力が強いんだから、もう少し加減しろって!!」
あーあ、これで四個目だよ……。
五個目のボールを取りに行く傍ら……周りのみんなの様子を見る。
クチートとゴチミルとキュウコンは、海辺の近くで砂のお城を作っている。
ピカチュウとコジョンドは、ミロカロスの上に乗りサーフィン。
グライオンとティアは、ミロカロスと並行するように飛んでいた。
「……平和だなぁ」
おもわず、そう呟かずにはいられない。
みんな倒しそうだし、もちろん俺だって楽しいし……幸せだ。
この幸せ、いつまで続くかなぁ……。
今日も、明日も、明後日も、この幸せは続いていって……。
ずっとみんなと一緒に旅して……学園で暮らしていって、一緒に強くなっていく。
ああ、それのなんて魅力的な未来か。
「グリード、どうしたの?」
「……うぅん、ちょっと幸せを感じてただけ」
「???」
当然ながら、首を傾げるフウロ。
それになんでもないよと答えつつ、今度こそビーチボールを取りに行こうとすると。
「クワーッ」
「ん……?」
ゴチミル達の前に、ポケモンが三匹現れた。
「あれは……コアルヒーだね」
「コアルヒー……」
たしか、スワンナの進化前のポケモンだ。
それにしても……こう言っちゃなんだけど、変な顔。
「チミュー!」
突然現れたコアルヒー達にも警戒せず、ゴチミルはトコトコと近づき声を掛ける。
たぶん挨拶をしているのだろう、微笑ましいなぁと思っていたら……。
『――クワーッ!!』
「チミュー!?」
「はぁっ!?」
突然、何の前触れもなくコアルヒー達は一斉にエアカッターでゴチミルを攻撃し始めた。
しかも、エアカッターは近くに居たクチート達にまで命中してしまった。
「何するんだよ!!」
「クワカカカカッ!!」
今度は小馬鹿にしたように笑い始めた。
……なる程、こいつら喧嘩売ってるな。
上等だ、受けて――
「クワーッ!!」
「へ――? うぁっちゃぁぁぁぁっ!!?」
「グリード!?」
コアルヒーの口から放たれた液体が顔面に当たり、俺はその場で倒れ込みゴロゴロと転がってしまう。
熱い!!ものすごく熱いぞ!!
「だ、大丈夫!?」
「お、おぅ……今の、コアルヒーのねっとうだな」
「クチ、クチャーッ!!」
「きゅこーん!!」
「チム、チミュー!!」
クチート達も、コアルヒー達の奇襲に対してご立腹のようだ。
あっ、せっかく作った砂の城が……。
しかし、コアルヒー達は笑いながら飛び立っていってしまった。
当然ながら、クチート達は追いかけ始める。
「待てーっ!!」
絶対に許さん、逃がしてたまるかと俺もコアルヒー達の後を追った。
「クチャーッ!!」
頭部の牙を空に向け、ラスターカノンを撃ち放つクチート。
「クワッ、クワーッ!!」
それを回避し、すかさずコアルヒー達はねっとうで反撃を――って!!
「あぢゃぁぁぁっ!!?」
クチート達じゃなくてトレーナーの俺を狙って来たぁぁぁっ!!?
完全に油断していた俺は避けられず、またしても顔面にねっとうを被る羽目になってしまう。
「きゅぅぅぅ……!!」
俺が攻撃されて怒っているのか、キュウコンがキッとコアルヒー達を睨む。
「――きゅぅぅぅ……こーーーーん!!!」
そして、大きな叫び声と共に口から光線を吐き出した―――!
「コワァァァッ!!?」
光線はコアルヒーの一体に命中、戦闘不能にさせなかったものの、地面に叩き落とした。
「今のって……ソーラービーム?」
くさタイプの技で、威力だけで見ればかなり強い部類の技だ。
「キュウコン、お前ソーラービームを覚えたんだな!!」
「こーん!!」
よっしゃ、新しい技ゲットだぜ!!
……あれ?けどおかしいな。
「今、ソーラービームをチャージなしで使わなかったか?」
ソーラービームは強力な技だ、けれど放つにはチャージが必要である。
しかしキュウコンはチャージなしで放った、これは一体……。
「……ねえグリード、キュウコンのとくせいって何?」
「えっ、とくせい? ……なんだろ?」
そういえば考えた事もなかった、そう言うとフウロはその場でずっこける。
「あのねぇ……自分のポケモンのとくせいくらい知っときなさい!!
たぶんグリードのキュウコン、とくせいが『ひでり』なのよ」
「ひでり?」
「にほんばれって技があるでしょ? 使うと暫くの間ほのおタイプの威力が上がって、ソーラービームのチャージが必要なくなる技」
「うん」
「とくせい『ひでり』を持つポケモンは、場に出るだけでにほんばれの効果が得られるの。
キュウコンがチャージなしでソーラービームを使えたのも、きっとそれが理由よ。
けど凄い珍しいわよ、『ひでり』のとくせいを持つキュウコンって」
「へぇ……珍しいんだな俺のキュウコンって」
たしか、キュウコンのとくせいはもらいびのはずだ。
運がいいなぁ、などと思っていると。
「コアーッ!!」
再び、コアルヒーが俺に向かってねっとうを……って。
「三度目の正直!!」
そう何度も受けてはたまらない、ひらりと回避する。
「ふっ。決まっ――ぎゃぁぁぁぁっ!!?」
二度ある事は三度ある!?
回避したのはよかったのだが、コアルヒー達は予期していたのか時間差で俺に攻撃してきたのだ。
「だ、大丈夫……?」
「……フウロ、お前も加勢してくれよ」
「ごめん、ポケモンセンターに預けてて……」
な、なんてタイミングの悪い……。
「クワーッカッカッカ!!」
パタパタと飛びながら、完全にバカにした笑い声を放つコアルヒー達。
……もう許さん、完全に怒った。
「クチート、キュウコン、ゴチミル。トリプルバトル行くぞ!!」
「クチッ!!」
「きゅこーん!!」
「チミューッ!!」
『コアーッ!!』
一斉にエアカッターを放つコアルヒー達。
「ゴチミル、前に出てまもるだ!!」
「チミュッ!!」
キュウコンとクチートの前に立ち、エメラルド色の膜を形成しコアルヒー達の攻撃を完全に防御。
「キュウコン、ほのおのうずでコアルヒー達の動きを封じるんだ!!」
「こん! きゅこーん!!」
螺旋状に広がるほのおのうずを吐き出すキュウコン。
それは瞬く間にコアルヒー達を包みこみ、逃げ場を無くす。
「クチート、かみなりのキバ!!」
「クチクチクチ……クチャーッ!!」
コアルヒー達の動きが止まっている間に、クチートは間合いを詰め跳躍。
巨大な牙を目一杯まで広げ、なんと三体全てをかみなりのキバの餌食にしてしまった。
「コワワワワッ!!?」
弱点の技を受け、ポタポタと砂地に落ちるコアルヒー達。
そして……。
「今だキュウコン、ソーラービーム!!」
「きゅぅぅぅ……こーーーん!!!」
ひとまとめに落ちているコアルヒー達に、トドメの一撃となるソーラービームをお見舞いした。
『コワワァァァッ!!?』
避けられるはずもなく、まともにソーラービームの餌食となったコアルヒー達は、そのまま浜辺の近くにある森の中へとぶっ飛んでいったとさ。
「………やれやれ」
ついため息が出てしまった、何だったんだあのコアルヒー達は。
「随分、イタズラっ子だったね」
「イタズラのレベルが過ぎてるけどな」
とはいえ、これで危機は去った。さあまた遊ぶとしよう……。
『コアァァァッ!!?』
『っ!!?』
コアルヒー達がぶっ飛んでいった森から、爆音が響く。
俺とフウロは同時に視線をそちらに向け……。
「ブルガァァァァッ!!」
さっきぶっ飛ばしたコアルヒー達が、森の中から逃げるように飛んでいき。
巨大な雄叫びを上げたポケモンが、森の中から浜辺に侵入した光景を、見てしまった。
「あいつは……!?」
間違いない……いつも手に持っているコンクリートの塊は無いけど、あのポケモンはローブシンだ!!
「ブガァッ、グルガァァァァッ!!!」
ひどく興奮した叫び声を上げながら、ローブシンは周囲の砂地を攻撃している。
と、ローブシンの瞳がこちらへと向けられた。
「ガァァァァッ!!」
「こっちに来る!?」
「やばい……! キュウコン、かえんほうしゃ!!」
「きゅぅぅぅ!!」
迫るローブシンに、キュウコンのかえんほうしゃが命中する。
「グッ!!? グォォァァァッ!!」
すると、ローブシンの身体が炎に包まれてしまった。
かえんほうしゃの追加効果で、やけど状態に……。
「っ、いけない!!」
「フウロ?」
「忘れたのグリード?! ローブシンのとくせいは『こんじょう』なんだよ?!」
「―――――」
その言葉に、俺はおもわず戦慄した。
とくせい『こんじょう』は、状態異常になった際に攻撃力を上昇させる効果がある。
あんな興奮した状態のローブシンに、『こんじょう』の効果が発動したら……。
「――ギガァァァァァッ!!!」
全身を赤いオーラに包まれながら、先程よりも更に大きな叫び声で、ローブシンは再びこちらに向かってくる。
仕方ない、ローブシンは悪くないけどバトルでおとなしくさせないと!!
「クチート、てっぺきだ!!」
「クチッ!!」
ローブシンが走ってくるコースの上に立ち、てっぺきを発動させるクチート。
だが……。
「ギグァァァッ!!」
血走った目で、ローブシンはクチートに向かって両手を振り上げ――そのまま叩き降ろす!!
「クチート!?」
今のはローブシンのアームハンマーだ、砂地に大穴を作り上げ。
「……クチ〜……」
その穴の中では、クチートが身体の半分を砂に埋めたまま気絶していた。
「い、一撃……」
かくとうタイプの技は、たしかにクチートにとって弱点となる。
だからこそてっぺきを用いたというのに一撃、今のローブシンのパワーはオノノクスすら上回っているかもしれない。
「ガギャァァッ!!」
残された俺達には目もくれず、再び走っていくローブシン。
「グリード、向こうには人が……!」
「わかってる!!」
ひとまずクチートをボールに戻し、俺達は急いでローブシンの後を追った。
しかし、ローブシンの脚は意外に速く一向に追いつけない。
くそっ、このままじゃ……!
「オガァァァッ!!」
「えっ……?」
しかし、突如として現れたポケモンがローブシンの身体を真っ向から受け止める。
「オノノクス!!」
そのポケモンは俺のオノノクスだった、それにコアルヒー達を追いかけた俺達が心配になったのか、他のみんなも来てくれた。
「グ、ガァァァ……」
「グルガァァァァッ!!」
しかし、パワータイプであるはずのオノノクスですら、今のローブシンのパワーには適わず、少しずつ後退させられてしまう。
「オノノクス、かみなりパンチ!!」
「ッ、オガァッ!!」
右腕で、ローブシンにかみなりパンチに叩き込むオノノクス。
それにより顔をしかめるローブシンだが……。
「ブァァァァッ!!」
「グ、ゥ……!?」
「オノノクス!?」
すかさず、拳の連打を放ちオノノクスの身体を後退させる。
膝を折るオノノクス、見ると頭をクラクラさせそのまま倒れてしまう。
今のは……ばくれつパンチか!!
「オノノクス、戻れ!!」
混乱し倒れたオノノクスをボールに戻す、すると。
「チミューッ!!」
「グッ!?」
「なっ、ゴチミル!?」
怒ったような声を上げ、ゴチミルがサイケこうせんでローブシンを攻撃する。
たしかに弱点ではあるが、あのローブシンとはパワーが違い過ぎ……ローブシンは怒りに満ち溢れた視線を、ゴチミルに向けた。
「逃げろ、ゴチミル!!」
「ガァァァァッ!!」
俺の叫びと、ローブシンがゴチミルに向かっていくのは、ほぼ同時。
しかしゴチミルはローブシンの顔を見て脚が竦んだのか、その場から動かない。
「ちっ!!」
すぐさま走り、ゴチミルを抱きかかえる。
瞬間、アームハンマーを放とうとするローブシンが眼前まで迫り。
「こいつ―――ぐぁっ!?」
「チミューッ!!?」
とっさに波導の力を使い盾を作り上げたが、それはたやすく叩き割られた。
そして俺の身体は、ゴチミルごと宙に飛ばされて、きりもみしながら地面に叩きつけられる。
「がっ………!!?」
息が詰まる、呼吸という行為が一瞬だけできなくなった。
だが直撃を受けたとはいえ骨は折れていない、波導の力を用いたからこそであり、生身のまま当たれば俺の骨なんか文字通り粉砕されている。
とはいえ、身体を強く叩きつけられたせいか痺れてしまい、すぐには動けそうになかった。
――ローブシンが、倒れた俺達に向かって拳を振り上げている
………ヤバい、これは間違いなく死ぬ。
さっきみたいに波導の力は使えない、そうなれば脆弱な人間の身体なんてあっという間にグッチャグチャにされて二次元の仲間入りに……。
「チミュ、……チミュゥゥゥゥッ!!!」
「えっ……」
死への恐怖を感じ、目を閉じようとした瞬間。
――ゴチミルが大きな声を上げて、白い光に包まれていった
「これは……進化!?」
「ウガッ!?」
突然の光に面食らったのか、ローブシンは攻撃を止め後退する。
「――ゴゼル、ゼル」
光が収まり、俺の腕の中に居たゴチミルは……ゴチルゼルへと進化を果たし、しっかりと立っていた。
「ゴチルゼル……進化したんだな」
「ゴゼール」
にっこりと微笑みを返すゴチルゼル。
「主の危機に、強い力を望んだのだな」
「そ、その想いが…うぷっ、力へと変わり進化を果たしたか……さ、さすが私のパートナー……自分の仲間に愛されてるなうぇっぷ」
「ゼクロム! ……と、レシラム?」
カッコよく登場したゼクロム、しかし……レシラムはよれよれで見るからに気分が悪そうだ。
……もしかして、まだ治ってない?
「ウガァァァッ!!」
「チッ、うるさい奴だ。せっかくグリードとゴチルゼルの感動的な場面だというのに」
「し、仕方ない……し、少々仕置きを…おぇぇっ!!」
「汚っ!! レシラム貴様、仮にも人間の女性の姿なのだからそんな醜態を見せるな!!」
「…………」
とりあえず、レシラムとゼクロムの事は放っておこう。
「ローブシンを止めないとな……ゴチルゼル、進化したお前の力を見せてくれ!!」
「ゴーゼル!」
身構えるゴチルゼル、ローブシンが再びアームハンマーを繰り出そうと拳を振り上げた。
「かわせ!!」
「ゴゼル!!」
自身のサイコパワーで浮かび上がり、アームハンマーを回避するゴチルゼル。
「ギガァァァァァッ!!」
口を開き、ローブシンは光線――はかいこうせんを撃ち放つ。
「ひかりのかべ!!」
「ゼルッ!!」
左手を翳し、迫るはかいこうせんを薄い壁を張り完璧に防ぐ。
「サイコキネシス!!」
「ゼール……!」
今度は両手を翳し、ローブシンの巨体が浮かび上がる。
凄い、進化してパワーが上がってる……!
「ギッ、グ、ァァァ……」
ローブシンも抜け出そうとするが、まるで意味をなさない。
そのまま、勢いよくローブシンを地面に叩きつけるゴチルゼル。
「ガ、グゥ……」
立ち上がろうとするローブシンだが、サイコキネシスの威力が高かったのか、身体を震わせるだけで立ち上がってはこない。
………もう、充分だな。
「ティア、俺のバックを持ってきてくれ」
「クゥ……?」
首を傾げながらも、ティアは頷き荷物置き場に向かう。
程なくして、ティアが俺のバックを持って戻ってきたので、それを受け取り「かいふくのくすり」を取り出した。
それを、ローブシンの身体に振りかけてあげた。
「グリード!?」
「大丈夫だよ。ローブシンも落ち着いてくれただろうし、汚したままじゃ可哀想じゃないか」
「……やれやれ、グリードは優しいというか……甘いな」
後ろから皮肉が混じったゼクロムの声が聞こえたが、無視。
「ローブシン、怪我させちゃってごめんな?」
なるべく警戒されないように、柔らかい口調で話しかける。
すると……ローブシンは暫し俺の顔を見つめた後、ズシンズシンと森の方角へと歩いていった。
よかった、どうやら落ち着きを取り戻してわかってくれたようだ。
「ゴチルゼル、よく頑張ったな」
「ゼール」
何やら大変な目に遭ったけど、ゴチミルがゴチルゼルに進化したし、よかったよかった。
「グリード、大丈夫?」
「大丈夫。それよりポケモンセンターに行こうぜ、クチート達を休ませてあげたいし、フウロのポケモン達も引き取って一緒に遊びたいしな」
「うん!!」
みんな行くぞー、そう言って俺達はポケモンセンターへと向かったのだった。
「ま、待て……私を置いていくな〜……おえぇっ!!」
「汚っ!!?」
「……海に投げ捨ててやろうか」
「ゼクロム、それはさすがに可哀想だ」
「……伝説のポケモンのイメージが」
To Be Continued...
【ツタージャ】♀ 【ムクホーク】♂ 【ミロカロス】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・つるのムチ ・はがねのつばさ ・たつまき
・リーフブレード ・かぜおこし ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード ・でんこうせっか ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん ・つばさでうつ ・れいとうビーム
・へびにらみ ・つばめがえし ・じこさいせい
・リーフストーム ・ブレイブバード ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り ・インファイト ・アクアリング
・エナジーボール ・かげぶんしん ・アクアテール
・はかいこうせん ・みずのはどう
【オノノクス】♂ 【コジョンド】♀ 【グライオン】♂
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・ダブルチョップ ・みきり ・シザークロス
・シャドークロー ・はっけい ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり ・とびひざげり ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー ・はどうだん ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき ・おうふくビンタ ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん ・ギガインパクト ・はがねのつばさ
・あなをほる ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう ・ストーンエッジ
・はかいこうせん ・きあいパンチ
・かみなりパンチ
【クチート】♀ 【ラティアス(ティア)】♀ 【ゴチルゼル】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・てっぺき ・ラスターカノン ・ねんりき
・アイアンヘッド ・じこさいせい ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ ・はかいこうせん ・サイケこうせん
・ねごと ・りゅうのはどう ・サイコキネシス
・ラスターカノン ・りゅうせいぐん ・まもる
・かみくだく ・れいとうビーム
・かみなりのキバ ・ドラゴンクロー
・はがねのつばさ
【ピカチュウ】♂ 【キュウコン】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】
・10まんボルト ・かえんほうしゃ
・アイアンテール ・ほのおのうず
・ボルテッカー ・じんつうりき
・でんこうせっか ・エナジーボール
・かみなり ・アイアンテール
・ボルテッカー・アイアンテール ・ソーラービーム