グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

127 / 155
イルミナリーグに向けて、サザナミで休みつつ特訓をする俺達。

さーて、今日はどんな1日になるのかね。


第126話 〜アオイとジャノビー、進化への道!!〜

「ツタージャ、リーフブレード!!」

辺りに私達以外の人の気配が存在しないサザナミ海岸で、グリードの指示が響き渡る。

「タジャーッ!!」

グリードの指示を聞き入れ、ツタージャがこちらに向かってくる。

 

「ジャノビー、リーフブレード!!」

「ジャノ!!」

こちらも自らのポケモンに指示を出す、私のジャノビーも頷きを返しつつツタージャに向かっていった。

「タージャ!!」

「ジャノー!!」

真っ向からぶつかり合う、グリードのツタージャと私のジャノビー。

体格や進化系だという事を考えれば、勝つのは私のジャノビーなのだが……。

 

「ジャノ……!」

押し負けたのは――私のジャノビーだった。

 

「リーフストーム!!」

「ツタージャ、こっちもリーフストームだ!!」

「ジャァァァノォォォッ!!!」

「ツタァァァ……ジャァァァァァッ!!!」

指示は同時に、ポケモン達も同時にリーフストームを放つ。

今度こそ……!

 

「ジャノ……!」

「なっ!?」

また、押し負けた!?

「ジャノビー、つるのムチ!!」

「エナジーボール!!」

「ター、ジャ!!」

(っ、速い……!)

「ジャノ!?」

 

ジャノビーが攻撃が繰り出される前に、ツタージャはエナジーボールを放つ。

そのスピードは速く、私の指示の方が早かったというのに、ツタージャの方が速いとは……。

 

「つるのムチで捕まえるんだ!!」

「タージャ」

怯むジャノビーを、ツタージャはすかさずつるのムチで拘束する。

 

「ジャノビー!!」

「そのままギガドレイン!!」

「タジャァァ……!」

つるのムチに伝わっていく、エメラルドの光。

それはジャノビーの身体を包み……パワーを奪っていく。

 

「ジャノビー、脱出しろ!!」

「ジ、ジャノ……」

ジャノビーも必死に脱出しようともがくが、それも意味をなさない。

拙い……このままでは何もできずに負けてしまう。

 

「ツタージャ、そのまま引き寄せてリーフブレード!!」

「タ、ジャ!!」

「ジャノ!?」

ぐいっと引き寄せられ、ジャノビーがツタージャの元へ。

そして……。

 

「ター、ジャッ!!」

「ジャノーッ!!?」

ツタージャのリーフブレードがジャノビーに叩き込まれ、地面に沈んだ。

 

「ジャノビー戦闘不能、ツタージャの勝ち。よって勝者、グリード!!」

審判をしていたカレンが、バトルの終わりを告げる。

「よーし、いいぞツタージャ!」

「タージャ」

当然、とでも言いたげに胸を張るツタージャ。

 

「……ジャノビー、よく頑張ったな」

今回はジャノビーのせいじゃない、トレーナーの私が未熟だったせいだ。

しかし、ジャノビーは申し訳なさそうに顔を俯かせた。

「グリードくんもツタージャも、いい調子だね」

「まあな。でもまだまだこんなもので満足なんかできないよ」

「うわぁ……厳しいね」

 

確かに、フウロの言う通り少し自分に厳しい。

しかし、強きトレーナーを目指すならあれくらい当然なのかもしれない。

 

「立ち止まってなんかいられない、俺には……どうしても勝ちたい奴等が居る。

 それに、まだ見た事がないポケモン達と出会うためにも、もっともっと強くならないとな」

「タージャ」

グリードの言葉に、ツタージャも頷く。

……立ち止まってなんかいられない、か。

強いな……本当に、グリードはここまで強くなったのか。

 

「グリードくん、次はわたしとバトルしてくれないかな?」

「ちょっと待って、次はあたしとよ」

「はいはーい、私も私もー!!」

「私もだー!!」

「レシラム、お前トレーナーじゃないだろ」

「…………」

「? アオイ、どうしたんだ?」

「……ジャノビーを、休ませてくる」

 

それだけを告げ、私はジャノビーを抱えその場を離れる。

後ろでグリードが私を呼ぶ声が聞こえたが、今の私にはそれに反応する余裕はなかった。

 

――グリードとの力の差を、思い知ってしまったから

 

「……………」

暫し歩いて……砂浜に座り込む。

 

「………ジャノ」

「心配するなジャノビー、少しナーバスになってしまっただけだ。

 ……すぐ、元に戻るさ」

心配してくれたジャノビーの頭を撫でつつ、私は海に視線を向ける。

「……グリード、強くなったな」

「ジャノ……」

「グリードだけじゃない、グリードのポケモン達も……みんな強くなった」

 

初めて会った時は、指示も悪ければポケモン達だって弱かった。

ジャノビーだけで、ツタージャもムックルも呆気なく倒せた。

私の相手になどなりはしない、そう思っていたが……今では、完全に立場が逆転してしまったな。

私も特訓をしてきたが、グリード達はそれ以上の経験を積んだようだ。

 

「……悔しい、な。やはり悔しい……」

同じトレーナーとして、負けたくないと思ってしまう。

だが今のままでは勝てない、それはジャノビーにもわかっているのか余計に元気を無くしてしまった。

……だが、すぐに強くなる方法がないわけではない。

 

「ジャノビー」

「ジャノ……?」

 

 

「――そろそろ、お前も進化してみるか?」

 

 

「…………」

私の言葉に、ジャノビーは驚く。

私のポケモンは、ジャノビー以外最終進化を果たしている。

そして、ジャノビーもまた……進化を果たすまでのレベルに達しているだろう。

 

――進化すれば、今よりも確実にレベルアップする

 

簡単に強くなるには、まさしくうってつけの方法……。

「…………」

だが、ジャノビーは首を縦に振ろうとはしない。

進化する事に躊躇いがあるわけではない、だが……何か、進化したくない理由があるように見えた。

 

「ジャノビー、進化したくはないか?」

「…………」

ふるふると首を横に振るジャノビー。

やはり、進化したくないわけではないようだ……。

だが、何か他に理由があるのか……?。

 

「アオイ」

「っ」

聞き慣れた声に、私は顔を上げる。

そこにいたのは……グリードと、彼の肩に乗るツタージャが。

 

「あ、ああ……グリードか、どうしたんだ?」

「いや……お前、なんか元気なさそうに見えたから……」

「…………」

心配、してくれたのか。

バカな奴だ、そう思う反面……やはり嬉しくて頬が緩んでしまう。

 

「大丈夫だ。心配する事ではない」

「そうか? ならいいけど……」

「なに、ちょっと負けて悔しかっただけだ」

「……意外だな、アオイも悔しがったりするんだ」

「当たり前だ。私だって悔しいと思う事だってあるさ。特に、負けたくない相手だと余計にな」

「あはは……」

 

なんともいえない、苦笑いを浮かべるグリード。

……そういえば、グリードのツタージャは進化しないな。

あれだけの強さだ、ジャノビーどころかジャローダになっていたっておかしくはない。

ツタージャが進化を拒んでいるのか、それとも……グリードが進化させたくないと思っているのか。

ふとした疑問はどんどん大きくなっていき、私はついグリードに訪ねてしまった。

 

「なあ、グリード」

「ん?」

「お前のツタージャ、その……今まで進化していないだろう?

 ジャローダにだってなっているはずなのに、どうして進化させないんだ?」

 

ポケモン達を強くさせたいと言った、それなのにグリードはツタージャを進化させない。

ムックルはムクホークに、キバゴはオノノクスに、ゴチムはゴチルゼルにしているというのに、だ。

私の問いに、グリードは「ああ……」と呟きを漏らした後、こう答えた。

 

「確かに最初はツタージャを進化させようとしたよ、ツタージャも早く進化してもっと大きくなりたいって思ってたみたいだし」

「なら、何故?」

「……俺達さ、最初は負けてばかりいただろ? それに、アヤトとフルバトルをして負けた時……俺、ツタージャに進化しないかって訊いた事があるんだ」

(……今の私と、同じ状況)

「ツタージャも進化したいと言っていたし、ちょうどいいかなと思ってた。

 けど……ツタージャは進化を拒んだ」

「? 何故だ? ツタージャも進化を望んでいたんじゃないのか?」

「俺もそう思っていたから、初めは驚いたよ。

 それで訊いたんだ、どうして進化したくないんだ?って」

そうしたら、ツタージャはこう答えたそうだ。

 

―――この負けは、今までの負けの何よりも悔しかった。

 

―――だから、私はツタージャのままで今よりも強くなる。

 

―――進化して強くなってしまえば、たとえ勝ってもツタージャとして負けた時の悔しさが晴れる訳じゃない。

 

「―――――」

進化して強くなれば、ツタージャとして負けた時の悔しさが晴れる訳じゃない……。

……まさか、じゃあジャノビーが進化を躊躇っているのは。

 

「アオイ、どうした?」

「……いや、なんでもない」

ツタージャも、色々と意地っ張りというか……主人に似て、根性でどうにかしようとする点があるみたいだな。

だが、先程の言葉でよくわかった。

 

「グリード、もう一度バトルしてくれないか?」

「えっ、ここで?」

「ああ、ダメか?」

「いや、そんな事ないよ。それじゃあルールは?」

「1対1だ、もう一度お前のツタージャと私のジャノビーで勝負させてくれ」

ジャノビーの傷はきずぐすりを用いて回復している、体調は万全だ。

 

「ああ、いいぜ!」

立ち上がり、私から離れるグリードとツタージャ。

 

「――ジャノビー、お前が進化したくないなら……しなくてもいい」

「ジャノ?」

「ジャノビーとして強くなりたいのだろう? ならば私はどこまでもついていくぞ。

 お前はお前の望むままの姿で居てくれ、私は……お前のトレーナーなのだからな」

「――ジャノ!!」

 

力強く頷きを返すジャノビー。

そうだとも、私はジャノビーのトレーナーだ。

ポケモンと共に歩み、強くなっていく。進化せずとも強くなる道を見つけてみせる!!

 

「……アオイ、なんか機嫌いいな。なんか良い事でもあったのか?」

「まあな。……ありがとう、グリード、ツタージャ」

「えっ?」

「タージャ?」

 

当然ながらどうしてお礼を言われたのかわからず、グリードとツタージャは首を傾げる。

……言うつもりなどあるものか、言ったらグリードは気にするなと言うだろうから。

だから……グリードも楽しんでくれるバトルを提供して礼を返す!!

 

「いくぞグリード! ジャノビー、リーフブレード!!」

「ジャノーッ!!」

「ツタージャ、こっちもリーフブレード!!」

「タジャーッ!!」

同時に走るジャノビーとツタージャ、先程と同じようにぶつかり合う。

 

「ジャノォォォ……!」

「タ、ジャァァァ……!」

先程は弾き飛ばされたが、今度は押し負けず鍔迫り合いになる。

やがて、どちらからともなく離れた。

 

「もう一度リーフブレード!!」

「ジャノ!!」

「かわせツタージャ!!」

もう一度接近し、上段からリーフブレードを繰り出すジャノビー。

ツタージャは跳躍して回避するが……。

 

「リーフブレード・二段斬り!!」

「なっ!?」

「ジャ、ノーッ!!」

「タジャッ!!?」

両手を地面に置き、そのまま尻尾によるリーフブレードをツタージャに叩き込む。

 

「……リーフブレード・二段斬り、使えるんだな」

「いや……実は使ったのは今回が初めてだ」

「はぁ!?」

私の言葉に驚くグリード、まあ仕方ないか。

私だってできるかわからなかった、でも……ジャノビーならできると信じたのだ。

 

「……楽しいよ、さっきよりもすっげえ楽しい!!」

「ああ、私もだ!!!」

今度は勝つ、ただポケモンと自分を信じて……勝つ!!

「つるのムチ!!」

「タジャッ!!」

「かわせ、ジャノビー!!」

縦横無尽に暴れ回るツタージャのつるのムチ。

「ジャノ、ジャッ!!」

その悉くを回避するツタージャ。よし、良い動きだ。

 

「なら……! ツタージャ、つるのムチを地面にぶつけろ!!」

「っ」

「ター、ジャァッ!!」

ツタージャのつるのムチが、砂浜に叩き落とされる。

瞬間――大量の砂がジャノビーに向かって舞い上がった。

 

「ジャノ!?」

砂が、ジャノビーに降りかかり視界を塞ぐ。

しまった……!?

「エナジーボール!!」

「ター、ジャ!!」

 

すかさずツタージャの攻撃がジャノビーを襲う。

エナジーボールはジャノビーに直撃……ではなく、すぐ前の砂浜に直撃。

波のように砂が舞い上がる、二度も被ってたまるかとジャノビーも回避するが……。

 

「リーンフォースブレード・EX!!」

「タジャタジャタジャタジャ………!」

その隙にツタージャはジャノビーとの間合いを近距離に詰め――両腕を深緑の大剣に変化させる。

 

「タァァァァ……ジャァァァッ!!!」

「ジャノォォォッ!!?」

二刀流のリーンフォースブレード――リーンフォースブレード・EXにより、宙に打ち上げられるジャノビー。

そのまま地面に落ち……戦闘不能に陥った。

 

「…………」

負けた、か……。

だが、さっきよりいいバトルができたと思う、ジャノビーもジャノビーのままでまだまだ強くなる事ができると知れた。

「よーし、新しい技も完成したな」

「タージャ……」

疲れた様子で返事を返すツタージャ、どうやらあの技は相当体力を消費する技らしい。

 

「さてと……それじゃあ戻るとするか」

「そうだな」

ジャノビーをボールに戻し、ツタージャを肩に乗せたグリードの隣へ。

………皆には悪いが、これくらいは許してもらうぞ?

心の中で謝罪しつつ、私は自分の右手をグリードの左手に添える。

 

「アオイ?」

「か、構わないだろう? 手ぐらい握らせろ」

 

うぅ、恥ずかしい……やはり私にはこういう事は慣れないな。

しかしグリードは笑う事などせず、優しく私の手を握りしめてくれた。

ふふっ……役得だな♪

こんな事で満足してしまう私は、随分と安上がりな女かもしれない。

たがいいのだ、私は私らしくグリードに歩みよっていく。

他人にどう言われようとも、それが私なのだから。

 

 

 

 

To Be Continued...




【ツタージャ】♀           【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】            【使えるわざ】        【使えるわざ】
・つるのムチ            ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード          ・かぜおこし         ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード  ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん           ・つばさでうつ        ・れいとうビーム
・へびにらみ            ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム           ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り    ・インファイト        ・アクアリング
・エナジーボール         ・かげぶんしん       ・アクアテール
・ギガドレイン           ・はかいこうせん      ・みずのはどう
・リーンフォースブレード・EX

【オノノクス】♂     【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり         ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん   ・ギガインパクト    ・はがねのつばさ
・あなをほる     ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう   ・ストーンエッジ 
・はかいこうせん   ・きあいパンチ
・かみなりパンチ

【クチート】♀     【ラティアス(ティア)】♀    【ゴチルゼル】♀
【使えるわざ】    【使えるわざ】         【使えるわざ】
・てっぺき      ・ラスターカノン          ・ねんりき
・アイアンヘッド   ・じこさいせい          ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ  ・はかいこうせん         ・サイケこうせん
・ねごと       ・りゅうのはどう        ・サイコキネシス
・ラスターカノン   ・りゅうせいぐん        ・まもる
・かみくだく     ・れいとうビーム
・かみなりのキバ    ・ドラゴンクロー
            ・はがねのつばさ

【ピカチュウ】♂            【キュウコン】♀
【使えるわざ】             【使えるわざ】
・10まんボルト          ・かえんほうしゃ
・アイアンテール          ・ほのおのうず
・ボルテッカー            ・じんつうりき
・でんこうせっか          ・エナジーボール
・かみなり             ・アイアンテール
・ボルテッカー・アイアンテール   ・ソーラービーム
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。