グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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究極技、ハードプラントを習得する為に奮闘するツタージャ。

しかし、ハードプラント習得まで、今のままでは3ヶ月かかってしまうらしく……。


第137話 〜目指せ究極技、ツタージャの奮闘!!〜(後編)

「うっ、く………」

森の中で、ツタージャは自らのエネルギーを放出し続ける。

傍らに居るのは、彼女の教官となったポケモン、ドダイトス。

そして、彼女の頑張りを優しく見守るメガニウムの姿が。

「ぐ、ぅ………!!」

顔をしかめ、歯を食いしばり、ツタージャは自らの生命力を吹き出し続ける。

 

「――もうやめろ、けれ以上は保たん」

「っ、まだ、よ……まだ、まだ…あたし、は……だいじょう、ぶ………!」

「…………」

無理をしている、だが……その瞳に宿る強い光に、ドダイトスはそれ以上何も言わず、ただ黙ってツタージャの様子を見つめる事に。

「ぐ……あ、ぅ……うぁぁぁっ!!」

放出が止まる。

それと同時に、ツタージャは荒い息を吐き出しながら崩れ落ちた。

 

「は、が…え、ぐぅ……」

「無理をするからですよ……はい、お水を飲んで」

「うぐっ……は、ぐ……んぐ…んくっ……」

葉に注がれた水を飲み込むツタージャ、荒い息は止まらないが……少しは落ち着けたようだ。

「あまり無茶をしてはいけませんよ?」

「げほっ、けほ……そんな事、言ってられないわよ。あたしは…イルミナリーグが始まるまでに、なんとしてもハードプラントを使いこなせるようにならないといけないの!!」

 

――習得まで、3ヶ月かかる

 

初めにそう言われた時、ツタージャは間の抜けた返事を返し放心した。

その後、驚き、怒り、どういう事だとドダイトス達を問い詰めた。

曰わく、「本来ならば1ヶ月かからずとも習得できる」との話だが、それはあくまでジャローダに進化していればの話。

小さく力も弱いツタージャでは、どう頑張ってもそれだけの期間が必要だとの事。

だが、ツタージャはそれを聞いて「はいそうですか」と、納得できるわけがなかった。

イルミナリーグまで1ヶ月を切った今、悠長に3ヶ月もこの島に滞在しているわけにもいかない。

そう告げたものの、ドダイトスの答えはあくまで非情で現実的なものだった。

 

―――ならば、ハードプラントは諦めろ。

 

―――1ヶ月では、到底習得できるわけがない。

 

だがそれでも、ツタージャは諦めずに修業を続けている。

何もせずに諦めるなど、負けず嫌いな彼女に耐えられるはずもなく。

何より、グリードとの約束を果たすためにも、諦めるわけにはいかなかった。

初めは呆れていたドダイトス達であったが、やがてツタージャの熱意に折れ、再び彼女の様子を見守る事に。

 

「だが、このような無茶を繰り返せば、自らの寿命を縮める事になるのだぞ?

 はたして、それをあのグリードという人間が望むのか?」

「…………」

その言い方は狡い、とツタージャはドダイトスを睨む。

確かに、グリードは今の自分の無茶を見たら絶対に怒るだろう。

しかし、ツタージャにだって意地があるのだ、今回ばかりはたとえ彼が怒ったとしても、止めたくはない。

「――続けるわよ」

メガニウムが用意してくれたオレンのみを食べ尽くし、ツタージャは再び立ち上がる。

 

「………メガニウム、またきのみを採ってきてくれ」

溜め息混じりの声で、ドダイトスはメガニウムに指示を出す。

それに対して、メガニウムは笑みを浮かべて頷きを返し、森の中へと歩いていった。

「ふぅぅぅぅぅ………!」

それを見届ける前に、ツタージャは再び自らの生命力を放出し始めた。

(………本当に、たいしたものだな)

 

負けず嫌いで意地っ張り、プライドが高くて根性があるなど、タチが悪い事この上ない。

しかし、更にタチが悪いのは……この無茶の理由の殆どが自分の為だけでなく、誰かの為だという点だ。

主人の為に――その想いは自らの身体を限界以上に酷使する。

尤も、それがわかった所で、ドダイトスは何かアクションを起こす気はなかった。

起こした所で無意味、おとなしくツタージャがこちらの言い分に従うわけがないのだから。

なので、ドダイトス達にできる事はただ一つ、ただ彼女を見守り自分達の知識を教えていく事だけ。

(………ここまでの想いを抱かせる人間、か)

少しだけ、ドダイトスは彼女の主人である人間に興味を持った。

 

――そして、瞬く間に半月という月日が流れる

 

「――そろそろ、次の段階に進むぞ」

「えっ………?」

今日も、朝から特訓を始めようとしたツタージャだったが、ドダイトスのその言葉に動きを止めた。

「パワーだけならば充分身についた、おそらく既にハードプラントは使えるようになっただろう」

「えっ、ホントに!?」

3ヶ月もかかると言っていたのに……ツタージャは何だか拍子抜けしてしまうが、まだドダイトスの話は終わっていない。

「あくまでも“使えるようになっただけ”に過ぎない。

 まだ、本当の意味でお前はハードプラントを使う事などできんさ」

言いながら、ドダイトスはツタージャから少しだけ離れ、彼女と正面から向き合う形で数メートルの距離をとった。

 

「………?」

「ハードプラントを使ってみろ、体内にくさタイプのエネルギーを集め……ハードプラントの形をイメージしながら一気に放出すればできるはずだ。

 イメージは、できるな?」

「う、うん……」

訝しげな表情を浮かべながらも、ツタージャは言われた通りに力を込める。

「っ―――」

今までの放出訓練で、大きなエネルギーを使う事に慣れたものの、やはりハードプラントという技は消耗が激しいのか、ツタージャの表情が曇る。

しかし……。

 

「――やあぁぁぁぁぁっ!!!」

裂帛の気合いを込め、そのエネルギーを一気に放出すると。

ツタージャの周りの地面から、巨大な棘付きの蔦が出現する―――!

「や、やった!!」

喜ぶツタージャ、だったが……。

「あ、あれ……!?」

蔦はドダイトスではなく、明後日の方向に飛んでいき……近くの木を粉砕する。

「な、何で……!?」

自分は確かにドダイトスを狙った、だというのに……何故こんなデタラメな方向に行ったのか。

混乱するツタージャに、ドダイトスは現実を口にした。

 

「これが理由だ。究極技はパワーだけでなく、それを扱うコントロールを必要になる。 ましてやお前は進化などしてない、パワーもコントロールも進化しているポケモンより数段劣っているのだ。

 無進化ポケモンが、究極技を使うのには、多大な時間と苦労が必要だというのが、これでわかっただろう?」

「…………」

甘かった、ドダイトスの言葉でツタージャは自分の浅はかさを思い知る。

ハードプラントが、まるで自分以外のポケモンが放ったかのように、コントロールが利かなかった。

「だが、正直ここまでの成長スピードを見せるとは思わなかった。

 ここまで到達するのに、1ヶ月はかかると思ったが……」

たいしたものだと、ドダイトスは嘘偽りのない賞賛の言葉を送る。

 

「しかしここまでだ、第二段階の修練は第一段階よりも難しい。

 残りは半月たらずなのだろう? 如何に頑張りを見せた所で、間に合うはずもない」

「…………」

間に合わない。

そう言われても、たとえ自分自身がそれを事実だと認めていても。

「………いいえ、まだ続けるわ」

それでも、ツタージャは自分を立ち止まらせるわけにはいかなかった。

「…………」

「あたしは、最後の最後まで絶対に諦めない、諦めたりなんかしないんだから!!」

まるで自分に言い聞かせるように、ツタージャはそう叫んで再びハードプラントの準備に入った。

 

「…………やれやれ」

諦めが悪すぎるというより、このツタージャは生粋の頑固者らしい。

溜め息をつきつつ、ドダイトスはツタージャの特訓にひたすら付き合う事を決めた。

島の様子は、残りのフシギバナ達が見てくれるので問題はない。

それに何より……ドダイトス自身が、このツタージャがどこまで高みを目指せるのかを、見たくなった。

(諦めない……あたしは、どんな事があっても諦めないんだから!!)

 

…………。

 

その後、ツタージャはひたすらにコントロールを磨き続けた

疲れた身体に活を入れ、諦めない姿勢を貫き通し……けれど、現実はただ非情なばかり。

どんなに繰り返しても、どんなに努力を重ねてみても。

ただただ時間が過ぎていくばかりで、一向にハードプラントを使いこなす事ができなかった……。

 

「――今日は、ここまでだ」

「…………」

ドダイトスの言葉に、あたしは何も答えずにその場を後にする。

まだ足りない、完成するまでは休めない。

感情がそう訴えていても、身体がもうまともに動いてくれないのだ。

お前が休まないなら勝手に休む、そう言わんばかりに全身がストライキを起こしている。

「は、ふ………」

近くにある泉にまで足を運び、あたしは水を口に含み喉を潤す。

 

……もう、時間がない。

月日は流れ、遂にタイムリミットまであと3日になってしまった。

だというのに、あたしはまだまともにハードプラントのコントロールができない。

ある程度まではできるようになった、しかし所詮それは“ある程度”でしかない。

止まっている相手にすら当てられないのならば、使えないのと同意だ。

 

「――まだ、続けるの?」

「…………」

後ろに振り向く。

そこに居たのは、相も変わらず厳しい表情を浮かべているリフルの姿が。

「……何よ? 皮肉や嫌味を言うためだけに来たなら、消えてくれない?」

今は、あんたの相手をするほど余裕があるわけじゃないのよ。

冷たくそう言って、あたしはその場を後にしようとしたら。

 

「どうしてあの人間の為に、ここまでの事ができるんだ?」

どこか、探るような口調で、そんな質問をあたしに投げかけてきた。

 

「どうしてって……あいつがあたしの主人だからよ」

「そんな理由の為に、キミはそんなボロボロになってまで、ハードプラントを覚えようとしているのか!?

 ボクには理解できないよ、ボクは強くなっていつかこの島を守れるようになりたいから、一生懸命努力した。けどキミは人間なんかの為に努力して、無理をして……どうしてなんだ!?」

「…………」

理解できない、まるであたしを異形のものを見るかのような視線を、リフルは送ってくる。

それを見て……あたしはふと、昔の自分を思い出していた。

人間は傲慢で汚くて醜い存在、そう思って人を嫌ってきたあたし。

今のリフルからは、そんな昔のあたしと同じ空気を感じ取れた。

 

「……リフルは、人間が嫌い?」

「……わかんないよ、ボクはここで生まれてここから出た事がないんだ。

 けど、この島に住む他のみんなの中に人間を嫌ってるのだっている、だからボクは人間の為にここまでするキミを、理解できない」

「…………」

どうしてここまで、か……。

そうよね、人間に良い感情を抱いていないリフルには、わかるわけがないよね。

うぅん、多分理由を聞いてもわからないかもしれない。

だって、あたしがここまでがむしゃらに前に進むのは……。

 

「グリードの事、大好きだから。ただそれだけよ」

そう、ただ本当にそれだけの理由なのだ。

 

「………は?」

「グリードはね、あたしにとって一番大切な存在なの、ずっと一緒に居たい、喜ぶ顔が見たいって思える存在なのよ」

ちなみに、二番目はお姉ちゃんだ、バレたら怒られるかもしれないけど……。

「誰かの為に何かしたい、そう思うのはおかしいかな?」

「……でも、だからって人間なんかに」

「あたしもね、前はリフルと同じだった。特に理由もなく人間を嫌ってたの」

けど、それは間違いだと気づいた。

確かに、人間は醜い部分もあるし、実際そういう人間にだって沢山出会ってきた。

だからあたしは、今でも人間は好きじゃない。

 

でも……色々なポケモンがこの世界にいるように、人間だっていろんなのが居る。

全てが醜いわけでも、汚いわけでもないのだ。

そして、それをわかりかけた時に……グリードに出会った。

人間なのに、あくまでもあたしと対等に居ようとした。

人間なのに、本気であたしを心配し、怒り、導いてくれた。

 

――家族だと、思ってくれた

だからあたしも、それに応えたい、支えたいと思うのだ。

 

「リフル、あなただって大好きで大切な存在が居るでしょう?

 あたしは、たまたまその大切な存在がグリードだっただけ、誰かの為に何かをしたいと思うのに、人間もポケモンも関係ないの」

「…………」

あたしの言葉に、リフルは信じられないといった表情で、こちらを見つめてくる。

まあそうよね、昔のあたしなら信じられないどころか、一笑しているだろうし。

 

「――あれ、ツタージャ?」

あ、グリードだ。

しかし、リフルはグリードがこの場に現れた瞬間、逃げるように立ち去っていってしまった。

「あらら……やっぱりまだ警戒されてるのね……」

がっくりと肩を落とすグリード、こればかりはしょうがないわよ。

「……ツタージャ、なんか久しぶりだな。元気してたか?」

あたしを優しく抱きかかえて、グリードは変わらない優しい笑みを浮かべている。

元気よ、グリードは……何だか元気がないみたいね、隈できてるわよ。

 

「うーん……けど、あんまり元気そうじゃないな。やっぱり、特訓ってキツいのか?」

 

……うん、でも正直上手くいかなくて立ち止まってる。

グリード、あたし……ちゃんとハードプラントを習得できるかな?

あと3日しかないのに、こんな状態じゃ……きっとダメだ。

頑張ってるんだよ?けど……あたし、どんなに頑張っても前に進めなくて……。

あたし、どうしたら前に進めるかな?

 

「……ツタージャ?」

……グリードに言っても、あたしの言葉は届かないのに、何やってるんだろう。

自分自身に笑いたくなって、あたしは自嘲しようとした瞬間。

 

「―――ゆっくりやっていけばいいさ」

グリードは、あたしに対してそんな言葉を掛けてきた。

 

……えっ?グリード、もしかして……あたしの言葉、通じてる?

いや、そんなはずはない、波導を使えるリオル系統ならともかく、あたしの言葉が通じるわけがない。

なら、どうして……。

「これが俺の勘違いならごめんな、けど……何だかお前、どこか焦って悩んでるように見えたからさ」

 

――おもわず、言葉を失った

会話なんてできないのに、グリードはあたしの心を理解してくれている。

それに驚いて……同時に嬉しかった。

 

「もしそうだとしたら、俺から一つ忠告してやる。……お前はお前の思うままに、ゆっくりやっていけばいい。

 焦る必要なんかない、ツタージャの好きなようにしてみろ、お前は優しいから俺の為に無茶をするだろうけど……頑張りすぎなくてもいいんだぞ?」

優しく頭を撫でるグリード、彼の暖かな心が……手の平から身体全体に染み渡っていく。

 

……あたし、本当にバカだ。

あたしはツタージャ、ジャノビーやジャローダとは違う、小さくて弱いポケモンだ。

その分を弁えずに、自分の実力以上の事をしようとしても、上手くいくわけがない。

自分に合った速度で、前を向いて歩いていく。

それが大事だと、今更ながらに気が付いた。

 

「っと、ごめんな生意気な事言って、それじゃあ……またな」

 

あたしを地面に降ろし、優しく頭を撫でてから、グリードは行ってしまった。

……ありがとう、グリード。

あたし、もう大丈夫だから。

大丈夫だから……信じて待っていてね?

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

――翌日

 

「ドダイトス、もう始めても大丈夫ー?」

「うむ……問題ない」

朝、いつも通りのツタージャに、ドダイトスと傍らで見守っているメガニウムは、違和感を覚えた。

(妙だな……)

昨日までの彼女からは、焦りと苛立ち、そして自身に対する失望を感じられた。

だというのに、今のツタージャからはそれをまったく感じられず、自然体に近い状態だ。

僅か一晩で一体彼女に何があったのか、事情を知らないドダイトス達は首を傾げるばかり。

 

(……あたしはあたしらしく、自分の思った通りにやっていけばいい)

 

身体が軽い、言葉だけでこうまで気持ちが楽になるとは思わなかった。

グリードの言葉、だったからかな?そんな風にさえツタージャは思う。

自分は強いポケモンじゃない、身体は小さいし手足は短いし進化だってしてない。

それなのに、自分の限界以上の事をしようとして、焦ってばかりで前に進む事ができなかった。

だから今のツタージャは、余計な力を抜いてずいぶんリラックスできているように見える。

 

「いくわよー!!」

力を込める、自分に合ったように……込めすぎずに、リラックスした気持ちで。

……身体の中に、ハードプラントのエネルギーが完成するのがわかる。

「ふぅぅぅぅぅ……」

大きく息を吸い込み、吐き出しながら……ツタージャは、大きく目を見開き。

「――いっけえぇぇぇぇぇっ!!!」

一気に、その力を解放した!!!

巨大な蔦が踊るように出現し、ドダイトスへと向かっていく。

 

狙いは―――定まっている!!

 

「むっ!? ぬぅぅぅぅぅ………!」

ツタージャのハードプラントは、ドダイトスの身体へと命中したが、その巨体を一メートル程度後ろに後退させただけだった。

でも……今確かに、命中した。

今まで、一度たりとも命中しなかったハードプラントが、初めて彼女の思った通りに動いてくれたのだ。

「やったぁぁぁっ!!」

嬉しくて、ついその場で飛び跳ねてしまうツタージャ。

 

「………これは」

「なんと、見事な……」

ハードプラントの成功に、ドダイトスもメガニウムも驚きの表情を浮かべている。

(やった……やったよ、グリード)

遂にハードプラントを使えるようになった事に、ツタージャは心の中で自分を信じてくれている主人に叫ぶ。

その事実があまりにも嬉しくて、ツタージャは暫くその場で飛び跳ね続けた。

ドダイトス達に、呆れた口調で止められるまで、ずっと……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

――そして、遂に出発の日

 

「えっと……」

ドダイトス達に別れを告げ、いよいよイルミナシティに戻ろうとしたのだが……。

何故か、ツタージャとリフルがバトルをする事になってしまった。

えっ、ちょっと、何でこんな状況になってんの?

何でも、リフルは俺とツタージャの絆が本物かどうか確かめたいらしい。

……ツタージャ、お前一体リフルに何を言ったんだよ?

「グリード、ツタージャ、負けるなよー!」

レシラムとゼクロムは、少し離れた位置でドダイトス達と観戦中。

周りは何もない砂浜、小細工無しの真っ向勝負をお望みらしい。

 

「………まあ、いいか」

 

バトルを挑まれて逃げるなど、トレーナーとしてできるわけがない。

それに、俺とツタージャの絆が本物だって事を、見せてやる!!

さあ………バトル開始だ!!

 

「ツタージャ、リーフブレード!!」

「タジャタジャタジャ……!」

地を蹴り、まっすぐリフルに向かっていくツタージャ。

「タァァァ、ジャッ!!」

対するリフルは、自身の周りに4つのエナジーボールを生み出し、向かっていくツタージャに撃ち放つ。

それを左右に走りながら回避し、間合いを詰めてツタージャはリーフブレードを繰り出した。

「ッ、ジャ……!」

攻撃は見事命中、地面を削りながらリフルは数メートル後退する。

 

「タァァァァ、ジャァァァァッ!!!」

リフルの身体が発光し、ツタージャに向かって放たれたのは――リーフストーム!!

「ツタージャ、こっちもリーフストームだ!!」

「ツタァァァ……ジャァァァァッ!!!」

真っ向からぶつかり合う、ツタージャとリフルのリーフストーム。

前回は押し負けたけど、今回は互いに相殺という形に終わる。

よし、ツタージャのパワーが格段に上がってる……特訓の成果が出てるんだな!

 

「――タァァァジャァァァァ」

「っ」

感じられる、リフルの身体に流れる凄まじいエネルギーを。

ハードプラントを放って、決着をつけるってわけか………!

「ツタージャ!!」

「………タージャ」

俺の声に、ツタージャはニヤリと笑って頷きを返す。

……さすが、俺の言いたい事をよくわかってらっしゃる。

「タジャァァァ………」

「――――」

 

凄まじいエネルギーが、ツタージャの内側から溢れ出していく。

おもわず一歩後ろに下がってしまう程に、強大で大きなエネルギー。

波導使いとして成長したからか、改めてその凄まじさを感じ取れた。

 

『…………』

睨み合う両者、そして。

 

『――タジャァァァァッ!!!』

両者共に裂帛の気合いを込めて、最大の一撃を繰り出した―――!

 

荒れ狂う巨大な棘付きの蔦、これこそがくさタイプの究極技であるハードプラント。

互いに互いの技を砕くために、ぶつかり合い辺りに衝撃波と旋風が巻き起こり、俺はおもわず顔を腕で隠す。

「ぐぅぅ……頑張れ、ツタージャ!!」

「タ、ジャ……タジャァァァァッ!!!」

一際大きな、ツタージャの叫び。

その瞬間、ツタージャのハードプラントの蔦はリフルのハードプラントを瞬く間に蹴散らしていき。

「タ、ジャァァッ!!!」

そのまま、驚くリフルの身体を連べ打ちにして、地面に沈ませた。

 

「…………」

立ち込めた土煙が晴れ、その中から……気絶したリフルの姿が見えた。

「そこまで、もう充分だろう」

ゼクロムが、バトルの終わりを静かに告げる。

「…………」

すげぇ……本当にすげぇよ、ツタージャ。

無進化でありながら、本来最終進化系しか扱えない究極技を、本当に習得してしまった。

驚きと嬉しさと、そんな彼女のトレーナーでいられる誇らしさで、胸がいっぱいになり。

 

「――ツタージャ、本当によく頑張ったな」

気が付いたら、俺はツタージャを抱きしめ……そう呟いていた。

「……タージャ」

「え、リフル?」

いつの間に起きたのか、俺の足元にはリフルの姿が。

「ツタージャの信頼を、絶対に裏切るな。そう言っているよ」

「…………リフル」

レシラムがリフルの言葉を通訳してくれた、その言葉は……俺にとって絶対に忘れてはならない言葉だ。

 

「……ああ、絶対に裏切ったりなんかしない、絶対にだ」

リフルと、そして自分自身に言い聞かせるように、俺は迷う事なくしっかりと言葉を返す。

 

 

――さあ、いよいよイルミナシティへ帰る時が来たんだ

強くなったみんなと共に、俺は絶対に負けたりしない。

確かな決意と、目標を胸に掲げ。

俺は——気が付くと強く拳を握りしめていた……。

 

 

 

 

To Be Continued...




【ツタージャ】♀           【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】            【使えるわざ】        【使えるわざ】
・つるのムチ            ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード          ・かぜおこし         ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード  ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん           ・つばさでうつ        ・れいとうビーム
・へびにらみ            ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム           ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り    ・インファイト        ・アクアリング
・エナジーボール         ・かげぶんしん       ・アクアテール
・ギガドレイン           ・はかいこうせん      ・みずのはどう
・リーンフォースブレード・EX
・ハードプラント

【オノノクス】♂     【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり         ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん   ・ギガインパクト    ・はがねのつばさ
・あなをほる     ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう   ・ストーンエッジ 
・はかいこうせん   ・きあいパンチ
・かみなりパンチ

【クチート】♀     【ラティアス(ティア)】♀    【ゴチルゼル】♀
【使えるわざ】    【使えるわざ】         【使えるわざ】
・てっぺき      ・ラスターカノン          ・ねんりき
・アイアンヘッド   ・じこさいせい          ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ  ・はかいこうせん         ・サイケこうせん
・ねごと       ・りゅうのはどう        ・サイコキネシス
・ラスターカノン   ・りゅうせいぐん        ・まもる
・かみくだく     ・れいとうビーム
・かみなりのキバ    ・ドラゴンクロー
            ・はがねのつばさ
            ・サイコキネシス

【ピカチュウ】♂            【キュウコン】♀
【使えるわざ】             【使えるわざ】
・10まんボルト          ・かえんほうしゃ
・アイアンテール          ・ほのおのうず
・ボルテッカー            ・じんつうりき
・でんこうせっか          ・エナジーボール
・かみなり             ・アイアンテール
・ボルテッカー・アイアンテール   ・ソーラービーム
                    ・オーバーヒート
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