俺は遂にツタージャを投入した。
頼むぞ、お前の力でこの流れを変えてくれ!!
「こうそくいどう!!」
「マニュッ!!」
縦横無尽にフィールドを駆け抜けるマニューラ、ツタージャは当然追いつけるわけがないが……。
「えっ……?」
それ以前に、ツタージャはその場から一歩も動こうとせず、マニューラを目で追おうともしない。
無駄な事をしないだけなのか、カレンがそう思った瞬間。
「ツタージャ、最大パワーでリーフストーム!!」
「ツタァァァァ……ジャァァァァッ!!!」
グリードが指示を出し、ツタージャはリーフストームでマニューラを……。
「なっ――うぷっ!」
顔を手で覆うカレン、何故なら……フィールド全てにツタージャのリーフストームが及び、辺り一面に突風が巻き起こったからだ。
(ウソでしょ……なんなのよこのふざけたパワーは!!)
最終進化系のジャローダや、強力なくさタイプポケモンならばまだ話は分かる。
だが相手はツタージャ、未進化のポケモンだというのに、フィールド全体を覆うリーフストームを放つなど、正気の沙汰ではなかった。
「マニュゥゥゥッ!!?」
まるで嵐のようなリーフストームに、マニューラはたまらず上空に吹き飛ばされる。
「ツタージャ、リーンフォースブレード・EX!!」
「タジャタジャタジャ………!」
両腕に、くさタイプのパワーを込めていくツタージャ。
程なくして、両腕が深緑に輝く大剣と化し、マニューラへと向けて跳躍する。
「っ、マニューラ、れいとうパンチで迎え撃って!!」
「マ、マニュ……」
今のリーフストームでダメージを負いながらも、マニューラはカレンの指示通り空中でどうにかバランスを整える。
既にツタージャは眼前まで迫っている、躊躇している暇はなかった。
「マニャァァァッ!!」
「ター、ジャァッ!!」
ぶつかり合う氷の拳と深緑の大剣。
どちらも一歩も譲らない、互角の勝負だったのだが……ツタージャは“右腕”しか使っていない。
「タジャァッ!!」
左腕の大剣を振り上げるツタージャ。
「マギャッ!!?」
回避も防御もできず、マニューラはまともにリーンフォースブレードの直撃を受け、地面に叩きつけられた。
「マニューラ!!」
「マ、マニュゥ……」
立ち上がるマニューラ、しかしその身体は既に限界が近い。
「リーフブレード!!」
「タジャーッ!!」
すかさず地を蹴り、マニューラに向かっていくツタージャ。
――振るわれる尻尾の一撃
「かわして!!」
「マニュッ!!」
だが間一髪、跳躍してリーフブレードの一撃を回避するマニューラ。
「ふぶき!!」
「エナジーボール!!」
「タァァァ、ジャッ!!」
マニューラが口を開くより速く、振り向き様にツタージャは瞬時に生成した4つのエナジーボールを撃ち込む。
「マニュゥゥゥッ!!?」
またも直撃、地面に倒れ……マニューラは動かない。
「マニューラ戦闘不能、ツタージャの勝ち!!」
『な、なんという凄まじい強さだーっ!? ツタージャという未進化ポケモンでありながら、相性で不利なマニューラを圧倒してしまったぁぁぁっ!!!』
この結果には、実況も観客からもどよめきと歓声が入り混じる。
そして、それは応援していたフィル達も例外ではなかった。
〈……おいおい、マジかよ〉
〈凄い……まさかここまで強くなってるなんて……〉
フィルも彼のポケモン達も、ただただ驚く事しかできない。
「……マニューラ、よく頑張ったわね。ゆっくり休みなさい」
自身のポケモンをボールに戻し……カレンはツタージャを見やる。
(一体どんな特訓をしたらあんな力を得られるんだか……)
一生懸命努力した、という言葉だけでは決して当てはまらない努力を重ねたのだろう、脱帽するというよりもはや呆れてしまった。
全ては愛する主人の勝利の為に、プライドの高いツタージャにあそこまでさせるなど、グリードの可能性を読む事はこれからもできないかもしれない。
だが……だからといって諦めるわけがなかった。
否、むしろますます何が何でも彼等に勝ちたいと思うのは、彼女もまた大いなる可能性を秘めたトレーナーだからか。
「――エルレイド、もう一度行きなさい!!」
「ルレイドッ!!」
ボールから飛び出し、フィールドに着地した瞬間……エルレイドは全力で身構える。
目の前の小さな存在であるツタージャ、その彼女の小さき身体に秘められた力に気づいたのだ。
この相手は小さいけれど強い、それを理解したからこそ……エルレイドは微塵も油断するわけにはいかなかった。
「リーフストーム!!」
「ツタァァァァ……ジャァァァァッ!!!」
先手必勝、すぐさま大技を仕掛けるツタージャ。
「サイコキネシス!!」
「ルレェェェ………!」
両手を翳し、手加減なしのサイコキネシス。
しかし……それでもリーフストームを自らの意志で操る事はできず。
「レェェェェイッ!!」
明後日の方向にリーフストームを弾き、防御するしかなかった。
「リーフブレード!!」
「タジャーッ! ター、ジャァッ!!」
跳び上がり、尻尾によるリーフブレードを仕掛けるツタージャ。
「こちらもリーフブレード!!」
「レィァァァッ!!」
それを、エルレイドも右腕の刃で真っ向から迎え撃った。
「連続でほのおのパンチ!!」
「ルレィッ!!」
互いに弾かれ、エルレイドはすかさず地を蹴り炎を纏った両の拳をツタージャに振るう。
「タジャ、タジャ、タジャ!」
連続で振るわれるほのおのパンチ、それを小さな身体で懸命にちょこちょこと回避していくツタージャ。
だが、ツタージャの回避よりもエルレイドのスピードの方が速く、だんだんと回避する動きが鈍っていき……。
「タジャッ!!?」
エルレイドの左の拳が、ツタージャを軽々と宙へと吹き飛ばした。
「インファイト!!」
「レィァァァッ!!」
跳躍するエルレイド、ツタージャに追いつき……まずは右足による蹴り上げ。
すかさず拳の連打を十数発、回し蹴り、そして両の拳による振り下ろしでツタージャを地面に叩き落とした。
「ツタージャ!!」
『ほのおのパンチからのインファイトがまともに決まったーっ!!』
「タ、タジャ……」
よろよろと起き上がるツタージャ、しかしエルレイドは既に彼女の頭上で最後の一撃を放とうと構えている―――!
「ほのおのパンチ!!」
「ルレィァァァッ!!」
「かわせ、ツタージャ!!」
「タ、タジャ……タジャァァッ!!」
自らに喝を入れ、ツタージャは間一髪後ろに跳び退き攻撃を回避する。
轟音と共にフィールドに開く大穴、大きな岩の破片が宙に飛ぶ。
「(っ、今だ……!!)ツタージャ、つるのムチでその岩をエルレイドにぶつけるんだ!!」
「タァァァジャァッ!!」
二本のムチで、ツタージャは岩の破片をボールのようにエルレイドへと打ち出していく。
「っ、破壊してエルレイド!!」
「レィィッ!!」
だがエルレイドには通じない、カレンの指示を受け拳や蹴りで迫る岩達を粉砕していく。
わかっている、グリードもツタージャもこんな程度の小細工など足止めにもならないという事くらい。
それでいい、たとえ数秒でもその場にエルレイドを留められたのならば。
「リーンフォースブレード・EX!!」
必殺の一撃の準備には、充分過ぎる時間を得られるのだから―――!
「タジャタジャタジャタジャ………!」
地を蹴り走りながら、両腕を深緑の大剣へと変化させるツタージャ。
「ほのおのパンチ!!」
迫る岩達を全て粉砕し、カレン達も真っ向から迎え撃つ。
「タジャァァァッ!!」
「レィァァァッ!!」
ぶつかり合う大剣と炎の拳。
バチバチと周りにスパークを撒き散らせながら、どちらも一歩も譲らない。
「頑張れ、ツタージャ!!」
「エルレイド、押し返して!!」
互いの主人も、ポケモン達を必死で呼びかける、そして……。
「タジャ、タジャタジャタジャタジャァァァァ………!」
「ルレィッ……!?」
少しずつ、ツタージャの大剣がエルレイドの拳を圧していき……。
「いっけぇぇぇぇぇっ!!!」
「タジャァァァッ!!」
「ルレィァァァッ!!?」
エルレイドの身体に、リーンフォースブレードの刃が交差した。
「エルレイド!!」
その場に倒れるエルレイド。
「エルレイド戦闘不能、ツタージャの勝ち!!」
『な、なんという大番狂わせ!! ツタージャが一気にカレン選手を追い詰めてしまったぁぁぁぁっ!!!』
「………嘘」
フウロの口から、そんな呟きが漏れてしまう。
正直、ツタージャがエルレイドを倒せるとは思っていなかった、だというのにこの結果……驚く以外の反応を見せる事ができない。
(ふふん、驚いているようだな)
(まあ、無理もないが)
唖然としている皆を見て、レシラムとゼクロムは口元に笑みを見せた。
彼等は、ツタージャがまさしく命懸けで努力している姿を見てきたのだ、必要以上に感情移入してしまうのも、無理はないのかもしれない。
とはいえ、ツタージャとて余裕の色があるわけではなく、肩で大きく息をしておりダメージは大きい。
「……エルレイド、あなたはよく頑張ったわよ」
エルレイドをボールに戻し、カレンは最後のポケモンをフィールドへと出す。
「ボーマンダ、最後はあなたよ……精一杯のバトルを見せて!!」
「ボガァァァァッ!!」
雄叫びを上げるボーマンダ、ツタージャも身構え戦闘態勢へ。
「かえんほうしゃ!!」
「ガァァァッ!!」
「リーフストーム!!」
「ツタァァァァ……ジャァァァァッ!!!」
攻撃は同時に、ぶつかり合った二体の技は空中で相殺。
「リーフブレード!!」
「タジャーッ!!」
地を蹴り、ボーマンダへと走るツタージャ。
「飛んで!!」
「ボガッ!!」
赤く大きな翼を羽ばたかせ、ツタージャの攻撃を回避しながら空へと移動するボーマンダ。
「りゅうせいぐん!!」
「っ」
「ガアァァァァ……ボガアァァァァッ!!!」
撃ち出されるは、ドラゴンタイプ最強の技“りゅうせいぐん”。
空高くで爆散、十数の光弾へと変化しツタージャへと落ちていく―――!
(回避しきれない………!)
あのりゅうせいぐんは、オノノクスにも匹敵する破壊力だ、回避は不可能であると同時に生半可な技では相殺もできない。
(仕方ない………!)
出し惜しみをすれば負ける、瞬時にそう判断して――グリードは遂にあの技を解き放つ。
「ツタージャ、“ハードプラント”だぁっ!!!」
「えっ―――!?」
「タジャァァァァ……!」
力を込め、くさタイプのエネルギーを体内に溜め始めるツタージャ。
りゅうせいぐんはすぐ傍まで迫っている、そして……。
「――タァァァジャアァァァァッ!!!」
ツタージャがそのエネルギーを放出した瞬間、地面から幾つもの蔦が現れ、りゅうせいぐんを全て粉砕する!!!
「―――――」
先程よりも大きなどよめきが、スタジアムの中に響き渡っていく。
「……ハード、プラント」
「ちょ、ちょっと待ってよ……究極技をなんでツタージャが使えるの!?」
「特訓して身につけたに決まっているだろう」
「……特訓しただけで身につけられるものなのかい?」
あっけらかんと言い放つレシラムに、フィルは問う。
「実際あの子はそれで身につけたんだ、確かに究極技は最終進化系でしか習得できないというのが一般的な考え方、すなわち常識だな。
だが、たまに居るんだよ。そんな常識に構わずとんでもない事をしでかすヤツが」
「人とポケモン、そして生きとし生ける者には誰しも可能性を秘めている。
常識という鎖に縛られず、自分の全てを懸けて前に進む……それができるからこそ、我等は人もポケモンも平等に愛しているのだよ」
慈愛に満ちた表情で、グリードを見つめるレシラムとゼクロム。
〈常識という、鎖……〉
ぽつりと、レシラム達の言葉を呟くハル。
〈………ねえ、レシラム、ゼクロム〉
「ハル、どうした?」
〈わたし、ね……進化したくないと思ってる、進化した姿ってあまり好きじゃないから。
けど、強くなる為には進化するのが一番良いんだよね?〉
自分はツタージャのような強さは手に入れられない、彼女のような覚悟は抱けない。
けど強くなりたいと願った、フィルを、仲間を守りたいから。
「……ハルは、ハルの信じた強さの元に向かえばいい」
ハルを優しく抱き上げ、レシラムは答えた。
〈わたしが信じた、強さ……?〉
「どんな選択が一番正しいか、私もゼクロムもわからぬ。
強くなる為の道を探し選ぶのは、あくまでハルが自分で見つけねばならないんだ」
〈…………〉
「進化して守りたい者を守るのも、ツタージャのままで守るのも、全てお前の自由だ。
己を信じ、皆を信じ、ゆっくりと前へと進んでいけ。答えは……いつだってお前の中にある」
〈レシラム………〉
「お前達もそうだぞ。己を信じ、仲間を信じて前を歩いていけばきっと自らの答えを見つける事ができるだろう、迷い苦しむ事もあるだろうが……決して負けぬ心を身につけるがいい」
『は、はい!!』
その場に居た全員、あのシェリーやトナですら、レシラムの言葉に素直な反応を返した。
言動や態度におふざけが見えるレシラムだが、やはり彼女も英雄と呼ばれし存在なのだ。
「戻れ、ツタージャ!!」
「っ、タジャ!!」
一方、グリードはツタージャをフィールドから出す。
「タジャ…タジャ……」
荒い息を繰り返すツタージャ、やはり大技を連続で使用した事によって消耗が激しいようだ。
「……よく頑張ったなツタージャ、偉かったぞ」
ボーマンダをかなり消耗させる事ができた、彼女は充分に役目を果たしてくれたと言えよう。
「必ず勝つぞ、お前の頑張り……絶対に無駄にしない!!」
「………タージャ」
約束よ?疲れた表情のまま、ツタージャはグリードに笑みを浮かべる。
その笑みに応えるように頷きを返し……グリードは再びポケモンをフィールドへと出す。
「頼むぞピカチュウ……みんなの分まで頑張ってくれ!!」
「――ピッカァッ!!」
今までの疲れなど知らぬとばかりに、ピカチュウは自身より段違いに巨体なボーマンダを睨むピカチュウ。
「いくぞピカチュウ、お前の力でボーマンダを倒すんだ、10万ボルト!!!」
「ピーカチュゥゥゥッ!!!」
放たれる電撃。
「かわして!!」
「ガァッ!!」
翼を羽ばたかせるボーマンダ、電撃がフィールドに突き刺さった。
「ドラゴンダイブ!!」
「ガァァァァッ!!」
巨体をピカチュウに向けて吶喊させるボーマンダ。
「アイアンテールで迎え撃て!!」
「チュゥゥゥゥ、ピッカァッ!!!」
激突する両者、しかし……。
「ピカァァッ!!?」
やはりパワーに差があるのか、ピカチュウは呆気なく宙に弾き飛ばされてしまった。
「まだだ…まだだぞピカチュウ!!」
「っ、ピカッ!!」
グリードの声を耳に入れ、ピカチュウは身体を広げボーマンダの背中に落ちていき……そのまましがみついた。
「なっ!?」
「10万ボルト!!」
「ピーカチュゥゥゥッ!!!」
「ガガ……ッ!?」
自分ごと、ボーマンダを電撃で包み込むピカチュウ。
「10万ボルト!!」
「ピーカチュゥゥゥッ!!!」
二撃目、ボーマンダも苦しげな表情のまま飛行を続ける。
「なんて無茶を……!?」
「ピカチュウは絶対に負けない、このままどっちが先に倒れるか勝負だ、10万ボルト!!!」
「ピーカチュゥゥゥッ!!!」
「グ、ガ、ァ……!」
「ボーマンダ、振り落としなさい!!」
身体を振って落とそうとするボーマンダだが、負けじと力を込め粘るピカチュウ。
「頑張れピカチュウ!!」
「ピ、ピカ……チュゥゥゥゥッ!!」
四発目の10万ボルト、ピカチュウもボーマンダも限界が近い。
「ピカッ!?」
「ピカチュウ!!」
遂に振り飛ばされ、天高く飛んでいくピカチュウ。
「決めなさいボーマンダ、ドラゴンダイブ!!」
「グガァァ……ガァァァァッ!!!」
裂帛の気合いを込め、ピカチュウに向かっていくボーマンダ。
……ツタージャはもう戦えない。
ハードプラントに、リーンフォースブレード等の大技の連続使用、今までのバトルのダメージで立っているのがやっとだ。
ここでピカチュウが敗れれば、おそらくそこで勝敗が決する。
それはグリードも、ピカチュウもわかっていた。
だから――次の一撃で雌雄を決する。
「負けるなピカチュウ、最大パワーで……ボルテッカーだあぁぁぁっ!!!」
「っ、ピカッ! ピカピカピカピカピカピカピカピカピカピカ………!」
黄金の雷を纏い、落下していくピカチュウ、ボーマンダも真っ向から突撃していき……両者が空中でぶつかり合う―――!
「ピカピカ、ピカピカピカピカピカピカピカピカァ………!」
「グ、ガ、アァァァァァッ!!!」
己の全てを懸けた最後の一撃、それはどちらも負けてはいない。
「さーて、どちらの意地が勝つ……!」
心躍りながら、ゼクロムは目を見開きバトルを見やる。
「ピカ、ピカ…ピカ、ピカ…ピカ…ピカ……」
ピカチュウの電撃が弱くなっていき、だんだんと圧されていく。
〈もうダメっす!!〉
〈バリオン、まだ決まった訳じゃないよ!!〉
〈勝負は最後の最後まで……わからないんですから!!〉
立ち上がり、身を乗り出しながらバトルを観るフィルのポケモン達。
(グリード、カレン……!)
(2人とも、頑張って……!)
スタジアムの全員が、ピカチュウ達の攻防に視線を向ける。
「――ピカァァァッ!!?」
負けたのは―――ピカチュウ!!
(勝った!!)
「まだだぁぁぁぁっ!!」
叫ぶグリード、それに応えるように……ピカチュウにも動きが。
「ピカピカピカピカピカピカピカピカピカピカピカピカ………!」
身体を丸め、再び黄金の雷を纏うピカチュウ。
「またボルテッカー!?」
「違う!!」
フィルが立ち上がる、そう…あれはボルテッカーだけではない!!
「いけピカチュウ、アイアンテール!!」
「チュゥゥゥゥゥゥゥゥ………!」
黄金の雷が、ピカチュウの尻尾へと集まっていく。
ボーマンダは、ドラゴンダイブを放ったばかりで次の攻撃の準備には入れずそして。
「――ピカピッカァァァァッ!!!」
「ガガ……ッ!!?」
ボルテッカー・アイアンテールの一撃が、ボーマンダの頭部へと深々と突き刺さり、地面へと落ちていった……。
「ボーマンダ!!」
……ボーマンダは、動かない。
技を放ったピカチュウは……ゆっくりと起き上がった。
「ボーマンダ戦闘不能、ピカチュウの勝ち!! よって勝者、グリード選手!!」
『決まったぁぁぁっ!! 激闘のフルバトルを征したのは、グリード選手だぁぁぁっ!!!』
「ピカチュウ!!」
「ピカ……」
よろよろと歩くピカチュウに駆け寄り、その身体を抱きかかえるグリード。
「よく頑張ったな、本当によく頑張ったぞ」
「チャァ〜」
嬉しそうに、グリードの胸に顔を埋めるピカチュウ。
「――ボーマンダ、いいバトルだった。本当にいいバトルだったわよ」
労いの言葉を掛け、ボーマンダをボールに戻すカレン。
「……おめでとう、グリード。まさかここまで強くなるなんて思わなかったわ」
「カレン……」
「初めて会った時は、ポケモンの事なんて何一つわからなかったのに……いつの間にこんなに強くなったのかしら」
「俺だけの強さじゃないよ、俺が勝てたのは……ポケモン達のおかげさ」
そうだ、勝利できたのはポケモン達の力があってこそなのだ。
しかし……カレンはそんなグリードの言葉を否定するように首を横に振った。
「もっと自分を信じなさい、アンタはアンタのできる全てを持ってここまで来たの。
もちろん、ポケモン達の力があったからこその部分もある、でもね……そんなポケモン達の力を引き出せたのはアンタの力よ」
「…………」
そう言われても、グリードにはピンと来なかった。
(俺の力……そんなもの、あるのかな?)
『――どうやら、他のグループでの決勝戦も終わったようです!!』
「っ」
モニターへと視線を向けるグリード、本戦に勝ち進んだのは誰だろうか……。
『Bグループ本戦出場者は……アオイ選手!!』
「アオイ……」
「やっぱり勝ち進んだのね、あの子アンタとバトルしたがってたから」
『そしてAグループは……激戦の末、フェイト選手が勝ち進みましたぁぁぁぁっ!!!』
「………フェイト」
決勝では、順調に勝ち進んでいたモモカとフェイトがバトルをしていたはずだ。
そして、勝ち進んだのは……フェイト。
『これにて、本戦に出場する七人が決まりました!
尚、対戦表は翌日発表され、本戦は二日後に行われます、予選以上に激しいバトルを皆様、ご期待ください!!!』
「……二日後、か」
それを聞いて、グリードは安心したようにそっと息をつく。
今までのバトルの疲労がポケモン達に溜まっている、明日はゆっくり休ませられると思うと、安心するのは当然と言えた。
(………サクラ、アヤト、本戦に出場する事ができたぜ。
もし仮にバトルする事になったら、俺は俺のできる限りのバトルでお前達にぶつかってみせる!!)
グッと握り拳を作り、本戦への熱意を胸に抱くグリード。
「……タージャ」
「……ピィッカ」
そんな主人を見て、ツタージャとピカチュウは互いに顔を見合わせ、彼と同じく本戦への熱意を高めるのだった……。
To Be Continued...
【ツタージャ】♀ 【ムクホーク】♂ 【ミロカロス】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・つるのムチ ・はがねのつばさ ・たつまき
・リーフブレード ・かぜおこし ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード ・でんこうせっか ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん ・つばさでうつ ・れいとうビーム
・へびにらみ ・つばめがえし ・じこさいせい
・リーフストーム ・ブレイブバード ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り ・インファイト ・アクアリング
・エナジーボール ・かげぶんしん ・アクアテール
・ギガドレイン ・はかいこうせん ・みずのはどう
・リーンフォースブレード・EX
・ハードプラント
【オノノクス】♂ 【コジョンド】♀ 【グライオン】♂
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・ダブルチョップ ・みきり ・シザークロス
・シャドークロー ・はっけい ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり ・とびひざげり ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー ・はどうだん ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき ・おうふくビンタ ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん ・ギガインパクト ・はがねのつばさ
・あなをほる ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう ・ストーンエッジ
・はかいこうせん ・きあいパンチ
・かみなりパンチ
【クチート】♀ 【ラティアス(ティア)】♀ 【ゴチルゼル】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・てっぺき ・ラスターカノン ・ねんりき
・アイアンヘッド ・じこさいせい ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ ・はかいこうせん ・サイケこうせん
・ねごと ・りゅうのはどう ・サイコキネシス
・ラスターカノン ・りゅうせいぐん ・まもる
・かみくだく ・れいとうビーム
・かみなりのキバ ・ドラゴンクロー
・はがねのつばさ
・サイコキネシス
【ピカチュウ】♂ 【キュウコン】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】
・10まんボルト ・かえんほうしゃ
・アイアンテール ・ほのおのうず
・ボルテッカー ・じんつうりき
・でんこうせっか ・エナジーボール
・かみなり ・アイアンテール
・ボルテッカー・アイアンテール ・ソーラービーム
・オーバーヒート
・フレアドライブ