見てろよ、二回戦は余裕で勝ち進んでやるぜ。
って、今日は休み?
なんだよ、人が燃えてんのにさ!!
今日はお休み、二回戦に向けて英気を養わないとな。
と。
「うぇーん、アヤト助けてくださーい!!」
いきなりモモカがアヤトに抱きついてきた、いつもの事だけど。
「……何なんだ、いきなり」
抱きつかれてもまったく動じず、面倒そうに引き剥がすアヤト。さすがに慣れてるな。
けど、本当に涙を浮かべているから、何かあったのだろう。
「モモカ、見つかったの?」
「フェイト?」
「………あれ?」
なんだか、いつもと違うような……。
――ああ、そうだ。いつも付けてるピンクのリボンが無いんだ
「フェイト、リボンはどうしたんだ?」
「それが……盗まれたの」
「盗まれた?」
「私のパンツも盗まれました!!」
「大声で言うな!!」
「なので、今の私……履いてないんです」
顔を赤らめ、スカートの裾をチラチラと上げ下げするモモカ。
「…………」
「……ごめんなさい。私が悪かったです。ちゃんと履いてますから許してください」
物凄く冷たい瞳で見つめられ、平謝りするモモカ。
というか、話が続かないから説明してくれ。
「盗まれたと言っていたが……一体誰にだ?」
「そもそも、この学園に盗みに働く奴が居るんだな」
「うぅん、盗んだのは人じゃなくて……ポケモンなの」
『ポケモン?』
俺とアヤトの声がハモる。
「ミィィィィッ!!!」
「んっ――おぶっ!!」
何かの泣き声が聞こえたので振り向いた瞬間、いきなり誰かにタックルをかまされた。
「……ミロカロス、どうしたんだよ」
たしか俺の部屋でごはんを食べていたはずだ。
それなのに、なんで泣いてるんだ?
「ミィ、ミィィ……」
うーむ、わからん。
とりあえず、部屋に行ってみるか。
というわけで、部屋に行ってみたのだが……。
「あれ!?」
ない、ミロカロス用に用意したポケモンフーズとポフィンが。
それだけではなく、俺のポフィン調合のノートまで……。
「ちょっと、誰よ!!」
「ん?」
カレンの部屋から怒声が聞こえる、と思ったら凄い形相でカレンが飛び出してきた。
「カレン、どうしたんだ?」
「どうしたもこうしたもないわよ!!」
な、何で俺に怒るんだよ……完全に八つ当たりじゃねえか。
「これ、見て!!」
そう言ってカレンが見せてきたのは……一冊のノート。
しかし中身は、めちゃくちゃな落書きだらけ。
「……誰がやったの?」
「おい、何で俺を見ながら言うんだ?」
完全に俺を疑ってる証拠じゃねえか、俺はこんな幼稚な事はしねえよ。
「あ、あの……グリードくん」
「? ソラネまでどうしたんだ?」
「そ、その……私のコンタクトケース、知らないかな?」
何故俺に訊く?
でも、なんだか周りで物が無くなったりイタズラされたりしてるけど……一体何が起きてるんだ?
「きっと、カレンさんに対するイタズラもソラネさんのコンタクトケースを盗んだのも、同じ犯人ですよ!」
「誰なの、こんなくだらない事したのは!!」
「カレン、なんでそんなに怒ってんだ?」
「当たり前じゃない、これには今まであたしが書いてきたポケモンのイラストに勉強してきた事が全部書いてあるのよ!!
それにあんな落書きをされて怒らない方がどうかしてるわよ!!」
がーっ、と噴火したように怒るカレン。
「……犯人が捕まったらカレンさん、その犯人を殺しちゃいそうですね」
否定できんな、それ。
とりあえず、カレンは犯人を捕まえるグループに入れるのはやめよう。
彼女の為ではない、犯人の為だ。
「けどフェイト、犯人がポケモンって言ってたけど……どういう事だ?」
「……私もはっきりと見たわけじゃないけど、あのシルエットは間違いなくポケモンだった。空を飛んでたし……」
「空を飛んでたって事は、ひこうタイプのポケモンなのかな?」
「そんな事どうでもいいわよ、さぁて……どうしてくれようかしら……」
「……カレン、お前は部屋で待機してろ」
「なんでよ!!」
「何でもだ。とりあえずフェイト、コイツを抑えといてくれ」
「私が!?」
「じゃあみんな行くぞ、とりあえず学園の中を虱潰しに捜そう!!」
「そうですね」
「はい」
「わかった」
「みんなも私に押しつける気満々なの!?」
そうです、異論は認められません。
これ以上文句を言われる前にカレンをフェイトに任せ、退散する。
頼むぞフェイト、カレンを抑えつけておいてくれ。
………。
「――結構、被害がある奴が多いんだな」
あちこち探し回っていると、俺達以外にも物を盗まれたりイタズラをされてる生徒も居るらしい。
これは、割と深刻になりかけてるな……。
「ん………?」
前方に、キョロキョロと周りに視線を送っているポケモンの姿が。
あれは……ドレディア?
それに、あれはサクラのドレディアだ。
「ドレディア、どうしたんだ?」
「ディ……?」
顔を上げ、俺と視線を合わせるドレディア。
「お前、サクラのドレディアだろ? こんな所で何してんだ?」
辺りにはサクラの姿はない、ドレディアだけでどうしたのか。
すると……。
「ディィィ……」
いきなり、ドレディアの瞳が潤んで涙目になった。
「ちょ、え、ま、待てドレディア!!」
何でいきなり泣く!?
ミロカロスのように大声で泣きはしないが、必死で泣くのを我慢してる姿も精神力をゴリゴリと削られる。
と、とりあえず泣き止ませようと……頭に手を置いて撫で始めた。
「な、泣くなドレディア、とりあえず泣かないでくれ頼むから本当に」
「ディ……ア」
潤んだ目で上目遣いは止めてくれ、なんか凄まじい罪悪感が……。
――悪戦苦闘の数分後
涙は治まってくれたので、改めてドレディアに訪ねた。
「それでドレディア、サクラはどうした? どうしてこんな所に1人で居るんだ?」
「ディ、トレディ」
可愛らしくぱたぱたと手を動かして説明しようとしてくれるドレディアだが、正直よくわからない。
「……もしかして、ドレディアも何か盗まれたりイタズラされたんじゃないですかね?
それで、サクラさんと手分けして犯人を捜してるとか……」
そうなのか、そう訊くとドレディアはこくこくと頷きを返す。
「モモカ、よくわかったな?」
「サクラさん達四天王は学園の問題を解決する仕事もしてますから、この事態を見逃すわけがないと思いまして」
へぇ……四天王も大変なんだな。
「でもその様子じゃ、ドレディアも犯人を見つけてないみたいだな……」
「ディア……」
しょんぼりと肩を落とすドレディア、可愛いけど罪悪感が増すから止めてくれ。
「こうなったら……みんな、出てきてくれ!!」
ボールからツタージャ達を外に出す、こういう時は手分けして捜した方がいいからな。
……あっ、でも犯人の特徴とかわからないや。
「ドレディア!!」
自分の浅はか加減に肩を落としていると、ドレディアの名を呼ぶ声が聞こえた。
「サクラ!」
「グリード、それにみんなも……一体どうしたの?」
「俺達も今お前達と同じくイタズラの犯人を捜してるんだよ」
「なる程ね……けど犯人が何者かはわかったよ」
「サクラさん、本当ですか?」
「うん。とりあえず庭園に行こう!!」
「庭園?」
………。
「――ムウマ?」
「そうだよ、そのムウマが今回の騒動の犯人なんだ」
庭園に移動しながら、サクラから説明を受ける。
なんでもサクラが調査した結果、物を盗んだり落書きによるイタズラの犯人はムウマというポケモンらしい。
「けど、なんでそんな事を?」
「ムウマはイタズラ好きなポケモンだからね、でも……今まではそんな事なかったのに」
「とにかく、今はムウマを捕まえましょう!!」
「だったら、ここからは手分けして捜した方がよさそうだな」
というわけで、全員散開してムウマを捜す事に。
さーて、どこにいるのかな?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【モモカside】
「いませんねぇ……」
どうもこんにちは、モモカです。
今、私は1人でムウマを捜しています。
本当はアヤトと2人だけで捜したかったのに、アヤトが。
『手分けして捜すと言っただろ?』
そう言って、さっさと行ってしまったんです。
もうっ、2人っきりになってもう色々と描写できないような桃色な感じにしたかったのに!!
アヤトだって、私の瑞々しい肉体の色香を味わえば、やみつきになること間違いないんです、それなのに彼は素っ気ない態度ばかり……そんなに私を興奮させたいのでしょうか?
おっと涎が……いけないいけない、また妄想で向こうの世界に行ってしまう所でした。
仕方がないので、今はムウマを捜す事だけを考えましょう。
そう思った矢先――
「あ」
居ました、ムウマです。
私の目の前でふよふよと漂ってます。
って、頭の上に乗っかってるのは、フェイトちゃんのリボン!!
「ムウマ!!」
「ムゥ?」
私の声に少し驚きながら、ムウマがこちらを向いてきました。
「ムウマ、おとなしくみんなから盗んだ物を返しなさい!!
それと、イタズラした事も謝って!!」
「…………」
ビシッと指差しながらそう言い放ちますが、ムウマは素知らぬ顔でぷいとそっぽを向いてしまいました。
あっ、なんか今イラッと来ました。
人が下手に出てれば調子に乗って……ふざけんじゃないですよ?
「ムゥ〜」
小馬鹿にするように、ぺろっと舌を出すムウマ。
……そうですか、そんなにあなたは私を怒らせたいみたいですね。
わかりました、ええわかりましたとも。
そんな態度なら、こっちだって考えがあるんですから!!
「ミジュマル、お願いします!!」
「――ミジュ、ミジュ」
「ムゥッ!?」
「ふふふ…ムウマ、私を馬鹿にした報いを受けてもらいますよ。
ミジュマル、みずでっぽうです!!」
「ミ、ジューッ!!」
先手必勝、相手の攻撃をバカ正直に待つ気なんてさらさらありません!!
「ムゥマッ!!」
「あっ!?」
しかし、ミジュマルのみずでっぽうはムウマに避けられ後ろの木に当たってしまった。
このムウマ、結構強いんですか………?
「ムゥ、マ!!」
ムウマの身体から黒色の波導が波のように現れ、ミジュマルを吹き飛ばす。
「ミジューッ!?」
「ミジュマル!?」
今のはムウマのあくのはどう……なる程、やっぱり強いですね!!
「ミジュマル、アクアジェット!!」
「ミジューッ!!」
水で身体を包み込み、ムウマに突撃していくミジュマル。
しかし……。
「ムッ」
ムウマはひょいと無造作に避け。
「ミジュッ」
ミジュマルは、アクアジェットのスピードで後ろの大木に顔面からぶつかってしまった。
「ミ、ミジュマル……」
ズルズルズル〜、と地面にずり落ちていくミジュマル。
だが、顔を赤くしながらもムウマに向かって勇敢に立ち上がりました。
「ミジュマル、シェルブレード!!」
「ミジュッ!!」
お腹のホタチを右手で掴み、ムウマに向かっていく。
「ムゥー、マ!!」
しかし、ムウマは来させないようシャドーボールで迎撃する。
「ミジュッ!!」
それを右にジャンプして回避し、そして。
「ミ、ジューッ!!」
「ムマーッ!!?」
シェルブレードで、ムウマの身体を地面に叩きつけた。
――今です!!
「いけ、モンスターボール!!」
空のモンスターボールを投げ、その中にムウマを入れる。
ダメージは与えた、これならきっと……。
「…………」
ボールはまだ動いてる、これが終わるまではゲットした事にはなりません。
そう思った矢先――ボールの動きが止まり、静かになりました。
「――やったぁっ!!」
ムウマ、ゲットです!!
「ミジュマル、どうもありがとうございました!」
「ミジュミジュ!!」
バンザイして喜ぶミジュマル。
と。
「ミジュ……?」
――ミジュマルの身体が白い光に包まれる
これは……ミジュマルが進化するんだ。
私がそれを茫然と見つめていると、光はだんだんと収まっていき……。
「――フタチッ!!」
ミジュマルは、フタチマルへと進化を遂げた。
「やったーっ!!」
おもわず飛び上がり、フタチマルに抱きついた。
「フタチマル、やりましたね!!」
「タチッ!!」
……おっとっと、このまま暫く喜びに浸りたいけど、皆さんの所に戻らないと。
ちゃんとムウマの事、許してもらわなければいけませんし。
【モモカside】out――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「――まったく、二度とこんな事しないようにちゃんと躾なさいよ?」
「わかってますよ。ですからそんなに怒らないでくださいよ」
みんなと協力して、ムウマが盗んだ物を持ち主に返したり、イタズラした事を謝ったりして、ようやく一件落着と言える状況になった。
尤も、カレンはよほど腹が立ったのかまだ怒っているが。
「でもよかったねモモカ、ミジュマルが進化して更に新しい仲間ができたから」
「はい。これなら試験でも優勝できそうです!」
「たいした自信だな、そう簡単に勝てると思うなよ?」
軽く火花を散らせるモモカ達、なんだかついていけない……。
と、ポケナビから電子音が響き渡った、どうやら二回戦の相手が決まったようだ。
……アヤト達じゃありませんように、そう願いながら確認してみると。
俺の相手は……シュンって人か、よかった〜、アヤト達じゃなくて。
さて、アヤト達の相手は誰に……。
「…………」
「……まさか、こんなに早く当たるなんて思ってませんでしたよ」
「………?」
なにやら、アヤトとモモカが互いに不適な笑みを浮かべ睨み合っている。
……まさか。ある一つの考えが思い浮かび、2人のポケナビに視線を向けると。
「…………」
やっぱりだ、おもわずそう呟いてしまう
そこに映されている対戦相手、それは――
――二回戦第五試合
アヤトVSモモカ
To.Be.Continued...
【ツタージャ】♀ 【ムクバード】♂ 【ミロカロス】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・つるのムチ ・たいあたり ・たつまき
・リーフブレード ・かぜおこし ・アイアンテール
・たいあたり ・でんこうせっか ・みずでっぽう
・かげぶんしん ・つばさでうつ
・へびにらみ ・つばめがえし
・グラスミキサー ・ブレイブバード(未完成)