グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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サクラとの激闘は続いていく。

みんな、あともう少しだ……もう少しだけ、頑張ってくれ!!!


第150話 〜終わり、そして見つけた己の強さ、グリードVSサクラ!!〜

「シャドーボール!!」

「ゴゼェェルッ!!」

先手はゴチルゼル、自身の周りに5つのシャドーボールを生み出し、ドサイドンに向けて放つ。

「アームハンマー!!」

「ドザアァァァッ!!」

それを、ドサイドンは右腕のアームハンマーで、まとめてシャドーボールを砕く。

更にゴチルゼルへと接近、左腕のアームハンマーを仕掛けようと左腕を振り上げた。

 

「かわせ!!」

「ゼルッ!!」

爆音が響き、フィールドの一部が陥没する。

しかしそこにゴチルゼルの姿は無く、彼女は既にテレポートでドサイドンの背後に回っていた。

「サイケこうせん!!」

「ゴゼルッ!!」

瞬時に、両手を使ったサイケこうせんによる反撃を仕掛けるゴチルゼル。

二発三発と、連続でドサイドンの身体にサイケこうせんが当たっていく。

 

「あなをほる!!」

「ドサァッ!!」

両腕を激しく動かし、ドサイドンは地面に潜る。

「ゴチルゼル、注意しろ!」

「ゴゼール」

グリードの言葉に頷きを返し、ゴチルゼルは身構えドサイドンの奇襲に備える。

 

――静寂に包まれるフィールド内

数十秒か、はたまた数分か、長い時間が経ったと錯覚した瞬間。

 

「っ、ゴチルゼル右だ!!」

「遅いよグリード!!」

いち早く気づいたグリードが声を荒げるが、時既に遅く。

「ドッ、サアァァァァッ!!」

「ゴ、ゼル……!?」

ゴチルゼルの少し右側の地面から飛び出したドサイドンが、彼女の身体を宙へと吹き飛ばす―――!

まともに受けた、しかし。

 

「ゴチルゼル、サイコウィップ!!」

「ゴ、ゼェェェル!!」

ダメージが大きく、意識も薄れてきているというのに。

ゴチルゼルはグリードの声に応え、最後の攻撃を繰り出した。

 

――拘束されるドサイドンの巨体

 

「叩きつけろ!!」

「ゴ…チ…ゼルゥゥゥゥッ!!!」

「ドサァッ!!?」

最後の力を振り絞り、ゴチルゼルはドサイドンの身体をフィールドから吹き飛ばし、壁に叩きつける。

「ゴ、ゼ、ル……」

地面に倒れるゴチルゼル、すなわちそれは戦闘不能だが……。

「…………」

ドサイドンは……ゆっくりとではあるものの、壁の中から抜け出し健在だった。

「ゴチルゼル戦闘不能、ドサイドンの勝ち!!」

『凄まじいドサイドンの強さに、グリード選手のポケモンもたまらずダウンー!!』

 

「……戻れ、ゴチルゼル。よく頑張ったぞ」

もうドサイドンもまともに戦えないはずだ、ゴチルゼルの分まで他のみんなで挽回すればいい。

気持ちを切り替え、グリードは別のポケモンを繰り出す。

「ティア、もう一度行ってくれ!!」

「クォォォォゥ!!!」

ボールから出現するティア、先程のバトルのダメージなど感じさせない迫力だ。

「がんせきほう!!」

「ドサァァァァァッ!!!」

自身の巨体にも負けない程の大きな石塊を生み出し、ドサイドンはティアへと撃ち込んだ。

当たれば大ダメージは免れない、しかし……ティアは自らがんせきほうへと向かっていく。

 

――彼女の口には、高い純度のドラゴンエネルギーの光弾が込められておりそして

 

「りゅうせいぐん!!」

「クゥゥゥォォォォゥ!!!」

裂帛の雄叫びを上げ、眼前のがんせきほうへとその光弾を撃ち込んだ―――!

 

刹那、石塊は跡形もなく粉々となり。

「りゅうのはどう!!」

「クォォォォゥッ!!」

「ドザァァッ!!?」

がんせきほうの反動で動けないドサイドンへ、エメラルドの光弾を撃ち込み吹き飛ばした。

倒れるドサイドン、暫く待つが……起き上がる気配はない。

「ドサイドン戦闘不能、ラティアスの勝ち!!」

『遂にサクラ選手のドサイドンが倒れたー!! グリード選手、まだまだ諦めてはおりません!!』

 

「ふぇ〜……やっと倒れたね、あのドサイドン」

まったくもってタフすぎである、ついついフウロは安堵に似たため息を零してしまう。

だが、サクラの残り二体のポケモンは無傷だという事を、忘れてはならない。

対するグリードのポケモン、ティアとキュウコンはどちらもダメージを受けている。

ましてやティアは、目に見えてわかる程に疲労の色を濃くしていた。

 

「ドサイドン、いいバトルだったよ、お疲れ様。

 ――エネコロロ、次はキミの出番だ……僕に力を貸してくれ!!」

「――ニャァァ」

ボールから出るやいなや、突然毛繕いを始めてしまうエネコロロ。

それを見てポカンとしてしまうグリードとティア、どうやらこのエネコロロは随分とマイペースのようだ。

「エネコロロ、大事なバトルなんだからシャキッとして」

「ニャア」

サクラに言われ、しょうがないとばかりに一声鳴いたエネコロロは、毛繕いを止めティアと対峙する。

緊張が少しだけ薄れたが、だからといって油断する気など毛頭ない。

 

「一気に決めるぞ! りゅうせいぐんだ!!」

「クォォ――」

「ねこだまし」

ティアがりゅうせいぐんの準備に入った瞬間、サクラは静かに指示を出す。

刹那、エネコロロは一瞬でティアの眼前に移動し……前脚をパンッと拍手するように叩いた。

「クゥッ!?」

突然の事で驚き、ティアは技を中断して動きを止めてしまう。

それを見て、エネコロロは満足そうな笑みを浮かべ。

 

「ふぶき!!」

「ニャニャアァァッ!!」

「クゥゥゥ……!?」

地面に落下しながら、特大のふぶきでティアの身体を包み込んだ。

「ク、クゥゥ……」

全身を霜で凍りながらも、ティアはどうにか意識を保ち戦闘不能状態になる事を防ぐ。

「いくら弱点とはいえ、さすがに一撃では倒せないか……。

 けど畳み掛けるだけだ。エネコロロ、アイアンテール!!」

「ニャァァァ………!」

身体をぐらつかせているティアに、エネコロロは跳び上がり硬質化させた長い尻尾を振り下ろす。

「かわせ!!」

「ッ、クゥ!!」

グリードの声に反応し、ギリギリ回避に成功するティア。

 

〈さっきのふぶきで、もう限界みてぇだな……〉

〈……エネコロロって、あんなに強いポケモンだったっけ?〉

ハルの記憶では、エネコロロというポケモンはリザードンやカイリキーといったポケモンに比べ、能力は劣っているというイメージがあった。

しかし、サクラのエネコロロはハルのイメージとは真逆の強力なポケモンだ。

「……確かに、エネコロロは強いポケモンとは言えないかもしれないな」

ハルの疑問に答えたのはゼクロム、彼女の身体を抱き上げながら言葉を続けた。

「だが強い弱いを決めているのはあくまで人間達だ、エネコロロは単純な筋力や身体能力などは他のポケモンに劣る点はあるかもしれん。

 しかし、そんなものはあくまで目安、想い人の為ならばそのようなものなど簡単に超えてしまうさ」

現に、ツタージャやピカチュウなどの小さなポケモンだろうとも、自分よりも遥かに大きく力も強い相手にだって、決して退く事なく戦う事ができている。

単純な能力だけでは真価はわからない、人もポケモンも同じだ。

だからこそ、ゼクロムもレシラムも永き時を生きて尚、人とポケモンという存在を計りきれないのだから。

 

「クゥ…クゥ……」

息を荒げるティア、もはや彼女は限界を超えてバトルをしている。

それでも、彼女の瞳からは微塵も闘志が失われてはおらず、まだバトルをする意欲を見せていた。

「ふぶき!!」

「ニャニャアァァッ!!」

しかしサクラは容赦しない、再び広範囲にふぶきを放つエネコロロ。

顔をしかめながらも、ティアはどうにか回避を行うが、既にエネコロロはティアが避難した場所へと先回り。

「でんこうせっか!!」

「ニャァッ!!」

「キュゥゥッ!?」

全力で、ティアの身体に自分の身体をぶつけて吹き飛ばす。

……もはや飛ぶ事もできないのか、うずくまったままティアは動かない。

 

「ティア、頑張れ、立ってくれ!!」

「ク、クゥ……」

身体を震わせ、懸命に起き上がろうとするティア。しかし……それでも彼女はその場から一歩も動く事ができないでいた。――そして

 

「ふぶき!!」

「ニャニャアァァッ!!!」

エネコロロの放ったふぶきが、動けぬティアへと無慈悲な一撃を与え。

「ク、ォ……」

小さく鳴いて、ティアは今度こそ地面へと倒れ、動かなくなった……。

「ラティアス戦闘不能、エネコロロの勝ち!!」

『伝説のポケモンが敗れたー!! そしてグリード選手、遂に追い込まれてしまいました!!!』

 

「あぁっ!!」

「これで、残りはキュウコンだけになったわね……」

「あれ? そういえばラティオスは?」

ティアが戦闘不能になれば、あのシスコンが黙っていないはずだというのに、なんだか静かだ。

「ラティオスならそこで寝てるぞ」

『えっ?』

ゼクロムの指差す場所には……白目を向いて泡を吹きながら倒れている伝説(笑)のポケモンが。

「……何、したの?」

「煩いから黙らせた、死んではいないから大丈夫だろう」

「うわぁ……」

冷たく言い放つゼクロムに、その場にいた全員がラティオスに合掌を送る。

尤も、気絶していなければ間違いなくフィールドに乱入するだろうから、ゼクロムの判断は正しいだろう。

 

〈グ、グリード勝てるっすかね?〉

〈知らねーよ、けど……アイツはまだ諦めてないみたいだぜ〉

追い込まれたというのに、グリードの表情に諦めの色はなく、むしろ楽しげに笑みさえ浮かべている。

〈バトルバカだな、アイツ〉

身も蓋もない言い方をするトナ、しかし彼以外のポケモン達は否定どころか肯定の意を示していた。

 

「ティア、ありがとう、良いバトルだったぞ」

「グリード、僕の勝ちかな?」

「言ってろ。……負けないって誓ったんだ、勝つって決めた以上お前には負けない!!」

「…………愚問だったね」

「キュウコン、お前で最後だ。――おもいっきり戦ってくれ!!」

「きゅこぉぉぉん!!!」

キュウコンの登場と共に、フィールドに強い陽射しが照らし始める。

 

「エネコロロ、みずのはどう!!」

「ニャニャーッ!!!」

威力は下がっているが、キュウコンの弱点であるみずタイプの技を放つエネコロロ。

瞬間、キュウコンの朱い瞳が輝きを見せ。

「かえんほうしゃ!!」

「――きゅおぉぉぉぉん!!!」

迫るみずのはどうを瞬く間に蒸発させ、少しも威力を落とす事なく……エネコロロの身体を炎で包み込んだ。

 

「なっ、エネコロロ!!」

凄まじい炎を前に、エネコロロはなす術なく呑み込まれてしまい……。

「ニ、ニャ……」

全身を焦がし、呆気なく地面へと倒れ動かなくなった。

「エネコロロ戦闘不能、キュウコンの勝ち!!」

『な、なんという凄まじいかえんほうしゃでしょうか!?

 エネコロロがたった一撃で倒されてしまいましたー!!!』

 

「す、凄い……たった一撃で」

エネコロロにはダメージらしいダメージは無かったはず、だというのにただの一撃でキュウコンは倒してしまった。

「深き想いが力となる。今のキュウコンには今まで倒れた仲間達の想い、そして主人であるグリードへの勝利に対する想いを背負っている。

 想いとは形には見えず不安定なものだ、しかしそれでも時に自分の限界を超えた力を発揮する事があるものだ。

 ――あの深き想いと絆こそが、我等がグリードを主人と認める何よりの証」

尤も――ポケモンとの深き絆や想いの力はサクラにも備わっている。

だからこの戦いの結果は読めない、読めないが……読めないからこそ面白い。

 

「エネコロロ、お疲れ様、後は任せてゆっくりお休み。

 ……グリード、僕は微塵の油断も慢心もなく本気で戦ってる、そんな僕と互角に戦えるキミは……やっぱり天才かもしれないね」

「俺はただ、ポケモン達と一緒に精一杯バトルを楽しんでるだけだ、本当に……ただそれだけなんだよ」

勝ちたい気持ちはある、けれど楽しみたいという気持ちの方が強い。

「楽しむ、か……なる程、うん…キミらしい言葉だと思うよ」

 

――それこそが、グリードの強さ

 

ずっと彼が探していた、トレーナーとしての強さなのだろう。

勝利だけでなく、純粋にポケモンバトルを楽しみ強き力を身につける。

彼はずっと、無意識のうちにその強さを見せていたからこそ、これだけの才能を開花させたのかもしれない。

(けど……ここまでだ)

彼には悪いが、勝利し上へあがるのは自分だ。

自らに誓いを立てつつ、サクラは最後のポケモンをフィールドへと放つ。

「ドレディア、キミで最後だよ……精一杯のバトルを見せてくれ!!」

「――ディアー!!」

ボールから飛び出し一度着地してから、くるくるとダンスを踊るように回るドレディア。

そしてグリードへと身体を向け、深々とお辞儀をした。

 

「あはは、可愛いなドレディアは」

「ディーア♪」

褒められて嬉しいのか、ドレディアのほっぺたがほんのりと赤く染まる。

「ドレディア、気持ちはわかるけどバトルをするよ」

「ディアー」

こくりと頷き、ドレディアはとてとてとグリード達から離れ……表情を引き締めた。

 

「……キュウコン、頑張ろうな?」

「こーん」

掛ける言葉はただその一言のみ。

そして……。

「かえんほうしゃ!!」

「ソーラービーム!!」

グリードとサクラ、2人の最後のバトルが幕を開いた。

 

「きゅこぉぉぉん!!」

「ディアァァッ!!」

キュウコンの炎、ドレディアの光線が空中でぶつかり合い――相殺。

『エナジーボール!!』

次の指示は同時に、互いに4つのエナジーボールを放ち、再び相殺に終わらせる。

「フラフラダンスだ」

「ディ〜ア〜♪」

踊るドレディア、するとキュウコンの様子に変化が。

「きゅ、きゅぅぅ……」

「キュウコン!!」

突如として、地面に自分の頭をぶつけ始めるキュウコン。

混乱状態に陥ったのだ、グリードはすぐさま次の指示を出す。

 

「かえんほうしゃだ!!」

「きゅ、きゅこーん!!」

炎を吐くキュウコン、しかしドレディアにではなく明後日の方向に。

混乱していて、満足にドレディアと戦う状態ではないのだろう。

「ギガドレイン!!」

「ディィアッ!!」

更に相手の追撃が入り、キュウコンはギガドレインによる触手に絡め捕られて動きを封じられた。

 

「一気に決めるよドレディア、最大パワーでリーフストームだ!!」

「ドレディィ、アァァァッ!!!」

「きゅぅぅぅぅっ!!?」

嵐と呼ぶに相応しい凄まじいリーフストームが、キュウコンを襲う。

たまらず叫び、キュウコンは拘束されたままその一撃をまともに受け……地面に何度もバウンドしながら吹き飛び、動かなくなった……。

「キュウコン!!」

『ダウンー! ドレディアの猛攻に、倒されてしまったのかー!?』

 

「ウソ……グリード、負けちゃったの?」

「…………」

まだ審判のジャッジは下されていない、しかし……あのギガドレインとリーフストームは凄まじい威力だ。

今までのダメージを考えると、もうキュウコンは……。

 

 

「―――きゅ、ぅ」

 

 

「っ!!?」

「キュウコン!?」

サクラだけでなく、グリードですら驚きを隠せない。

今までのバトルでのダメージ、そしてドレディアの猛攻を受けて尚――彼女は、立ち上がろうともがいていた。

(そんなバカな……もう動けるわけがないのに……)

そう思いかけ、サクラは気づく。

 

――キュウコンの瞳に、光がない

 

無意識で立ち上がろうとしているのだ、敗北するわけにはいかないという想いで。

「キュウコン!!」

「っ」

ピクリと、グリードの声に反応したかのように、キュウコンの身体が震える。

「……頑張ってくれ」

掛ける言葉は、ただその一言のみ。

しかし――キュウコンにとっては、その一言で充分過ぎた。

 

「――きゅおぉぉぉぉん!!!」

雄叫びを上げ、キュウコンの瞳に光が戻る。

「……ドレディア、グリード達は強いね。あの時出会った彼が……こんなにも強くなったよ」

「ディーア」

「勝とうねドレディア、僕達の全てを懸けて……必ず勝とう!!」

「ドレ、ディ!!」

力強く頷くドレディア、サクラも大きく頷きを返し。

 

「リーフストーム!!」

「ディィアァァァッ!!」

今度こそ、勝利を手に入れる為に指示を出した。

「いくぞキュウコン、オーバーヒートだ!!」

「きゅぅぅぅ……きゅおぉぉぉぉん!!!」

迫るリーフストームに、地面を削りながら熱線が放出される。

ぶつかり合い――リーフストームが呆気なく蒸発し、ドレディアの身体を熱線が呑み込んだ。

 

「ドレディア!!」

「ディ、ア……」

全身を焦がしながらも、ドレディアはどうにかオーバーヒートの直撃に耐える。

だが、その時には既にキュウコンがドレディアの眼前に迫っており。

「アイアンテール!!」

「きゅぉぉっ!!!」

風切り音を響かせ、硬質化させた尻尾でドレディアを吹き飛ばす。

 

「くっ……ソーラービーム!!」

「ディアァァ……ドレディィィッ!!」

放たれる白き光線、それをキュウコンは真正面から見据えつつ。

「オーバーヒート!!」

「きゅぅぅぅ……きゅおぉぉぉぉん!!!」

二発目のオーバーヒートで、ドレディアのソーラービームを相殺した。

(そんな……この短時間でオーバーヒートを連発するなんて………!)

一体、あの傷だらけの身体のどこにあれだけの力が残っているというのか。

サクラは驚愕するが、その疑問は間違いである。

 

――キュウコンに、力など残されてはいない

 

蝋燭の火が消える寸前に一瞬で輝くのと同じ、まさに今にも消え入りそうな意識を必死で留め、キュウコンは戦っているのだ。

グリードもそれは充分にわかっている、わかっているからこそ……キュウコンには大技の指示しか出さない。

だってそうだろう、彼女は自分達の為に最後のバトルをしてくれている。

それを汲み取り、自分ができる最良の指示を出す事こそ、グリードがキュウコンにできるせめてもの礼だ。

 

(キュウコン、これで最後だ……最後の力を振り絞ってくれ!!)

心の底からの願いを込めて、グリードは叫ぶように最後の指示を告げた。

「――フレアドライブで決めてくれ!!」

「きゅぅぅぅぅ………きゅおぉぉぉぉぉぉぉん!!!」

蒼き炎に身に纏い、キュウコンは自身に残る全ての力を込めて、ドレディアに吶喊する―――!

 

「―――――」

サクラの中で、時が止まった。

(……防げ、ない)

強化されたフレアドライブを、今のドレディアでは防げないと理解してしまう。

「――見事」

裏表のない、純粋な賞賛の言葉を送るサクラ。

そして――フレアドライブの炎が、キュウコンとドレディアを包み込み爆発を引き起こした。

「…………」

ゴロゴロと地面を転がり、止まったと思った時には……ドレディアが動く事は無く。

 

 

「ドレディア戦闘不能、キュウコンの勝ち!! よって勝者、グリード選手!!」

審判のジャッジが告げられ、フルバトルの幕が降りた。

 

 

『決まったあぁぁぁっ!!! 激闘のフルバトルを征し、決勝に進むのは……グリード選手に決まりました!!!』

観客席からは割れんばかりの歓声と、サクラが敗れた事実に驚く者達のどよめきが響く。

「………終わった、ね」

そう呟くフウロ、しかしその喜びは小さく静かなものだった。

フウロだけではない、カレン達もまた喜びはしているものの、小さく静かなものだ。

「………なんか、凄すぎて呆気に取られたわね」

「確かに、な……」

〈………ねえ、フィル〉

「? ハル、どうかした?」

〈……わたし、強くなるね。今よりもずっと〉

「…………」

〈フィルの力になりたいから、今よりもずっと……強くなるから〉

それは、ハルの確かな誓い。

今までのバトルを見て、レシラムとゼクロムの言葉に真摯に耳を傾けて決めた、彼女の大きな誓いだった。

 

「キュウコン、大丈夫か?」

「……きゅーん」

弱々しい反応、すぐさま休ませなければ可哀想だ。

「キュウコン……頑張ったな、本当によく頑張ったぞ」

「きゅん……」

キュウコンの身体を優しく抱きしめるグリード、彼女も感謝するように頬をすり寄せた。

その後、ゆっくり離れ、グリードはキュウコンをモンスターボールに戻す。

 

「グリード、おめでとう」

「サクラ……」

「まさか僕達が負けるとはね、手加減なんてしてないのに……本当にキミは強くなったよ」

お世辞ではない賞賛の言葉にも、グリードは否定するように首を横に振った。

「違うよサクラ、俺はただ悔いを残さないようにバトルをしただけだ。

 勝っても負けてもお祭り騒ぎ、ポケモンバトルってそういうものだって…改めて気づいただけさ」

楽しんでバトルをしただけ、自分もポケモン達も……ただそれだけ。

もちろん勝ちたいという想いは持っている、でも……本質は「バトルを楽しむ」という想いを持って戦った。

 

「……そっか、それがキミの見つけた“強さ”なんだね」

「ああ。……と言っても、正直ちょっと自信ないけど」

まだまだ答えの欠片を見つけたにすぎない、これからも歩みを続け自信が持てる答えを見つけなければ。

静かな決意を決めるグリード、そんな彼を……サクラは優しく微笑み見守っていたのだった。

 

 

 

 

To Be Continued...




【ツタージャ】♀           【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】            【使えるわざ】        【使えるわざ】
・つるのムチ            ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード          ・かぜおこし         ・アイアンテール
・真・リーンフォースブレード  ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん           ・つばさでうつ        ・れいとうビーム
・へびにらみ            ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム           ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り    ・インファイト        ・アクアリング
・エナジーボール         ・かげぶんしん       ・アクアテール
・ギガドレイン           ・はかいこうせん      ・みずのはどう
・リーンフォースブレード・EX
・ハードプラント

【オノノクス】♂     【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり         ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん   ・ギガインパクト    ・はがねのつばさ
・あなをほる     ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう   ・ストーンエッジ 
・はかいこうせん   ・きあいパンチ
・かみなりパンチ

【クチート】♀     【ラティアス(ティア)】♀    【ゴチルゼル】♀
【使えるわざ】    【使えるわざ】         【使えるわざ】
・てっぺき      ・ラスターカノン          ・ねんりき
・アイアンヘッド   ・じこさいせい          ・ひかりのかべ
・かえんほうしゃ  ・はかいこうせん         ・サイケこうせん
・ねごと       ・りゅうのはどう        ・サイコキネシス
・ラスターカノン   ・りゅうせいぐん        ・まもる
・かみくだく     ・れいとうビーム        ・サイコウィップ
・かみなりのキバ    ・ドラゴンクロー        ・チャージビーム
            ・はがねのつばさ
            ・サイコキネシス

【ピカチュウ】♂            【キュウコン】♀
【使えるわざ】             【使えるわざ】
・10まんボルト          ・かえんほうしゃ
・アイアンテール          ・ほのおのうず
・ボルテッカー            ・じんつうりき
・でんこうせっか          ・エナジーボール
・かみなり             ・アイアンテール
・ボルテッカー・アイアンテール   ・ソーラービーム
                    ・オーバーヒート
                    ・フレアドライブ
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