グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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カレンとフェイトのバトルが始まった。

でも、フェイトのリオルがエルフーンにやられ、更にガーディまでもがアリゲイツのハイドロポンプをまともに受けてしまう。

フェイト、このまま負けちまうのか……?


第19話 〜準決勝、カレンVSフェイト!!(後編)〜

「……あのアリゲイツ、ハイドロポンプが使えるのか」

「あわわ……ガーディ、大丈夫でしょうか?」

「大丈夫とは言えんな、あと一撃……同じ攻撃を受ければ耐えきれないだろう」

「アリゲイツ、こおりのキバ!」

「ア、リーッ!!」

膝をついているガーディに追撃を仕掛けようと、口を大きく開き向かっていくアリゲイツ。

 

「ガーディ、避けて!」

「うぅ……!」

ガーディは動けない。

アリゲイツとの間合いは徐々に迫っていく。

 

「ガーディ!!」

「っ、がうっ!!」

間一髪、アリゲイツの攻撃を回避するガーディ。

攻撃を避けられ、アリゲイツに隙が生まれた!

 

「とっしん!!」

「がうぅっ!!」

「アリゲィーッ!?」

ズドンという鈍い音が響き、アリゲイツの身体が地面を滑っていく。

 

「ガーディ、ほえる!」

「うぅぅぅ……わんっ!」

力を込め、ガーディがアリゲイツに向かって吠えたてた。

ほえる……?

一体どんな技なのか、そう思っていた瞬間。

「えっ……!?」

目の前の光景に、俺は驚愕の声を上げた。

 

――アリゲイツの姿が消えたのだ

 

いや、この言葉は些か間違いである。

ガーディがほえるという技を使った瞬間、アリゲイツが赤い光――モンスターボールの中に戻る時に発せられる光に包まれ、カレンのボールへと戻っていったのだ。

「———エル?」

それと入れ替わりに、別のボールからエルフーンが飛び出してきた。

しかし、突然の事でエルフーンはキョロキョロと辺りを見回している。

 

「エルフーン、バトルに集中しなさい!!」

「ガーディ、フルパワーでオーバーヒート!!」

カレンがすぐさまエルフーンに声を掛けるが、フェイトの指示の方が遥かに速い―――!

 

「がぅぅぅぅ……!!」

身体を赤く発光させ、特大のオーバーヒートを放つガーディ。

「エルーッ!!?」

それは、隙だらけで身構えてもいなかったエルフーンに直撃。

「……エル〜……」

目を回し、戦闘不能に陥るエルフーン。

弱点であるオーバーヒートをまともに受けたのだ、一撃で倒されても仕方ないかもしれない。

だが……。

 

「……わぅ〜……」

「エルフーン、ガーディ、共に戦闘不能!!」

「くっ………!」

「…………」

「わぁぁーっ! フェイトちゃんのポケモン、あと一体ですよぉっ!!」

「ぐぇ……モモカ、苦しい……」

気持ちはわかるが落ち着いてくれ、く、首を絞めるな……。

し、死ぬ……このままじゃマジで死ねる……。

 

「落ち着け」

「んきゅっ」

呆れを含んだアヤトの手刀が、モモカの頭にめり込んだ。

た、助かった……。

 

「うぅ〜……でも、このままじゃ」

「だからといってお前が取り乱した所で何の意味がある?」

「うっ……」

「オレ達は、ただバトルの成り行きを観てる事しかできないんだ。

 それがわかったらもう少し静かにしててくれ、うるさくて集中できん」

ピシャリと言い放つアヤト、ちょっと言い過ぎじゃないかな……?

ほら、モモカの奴が涙目に……。

 

「うぅぅ〜……アヤトのバカーッ!!!」

「おぶぅっ!?」

な、なんで俺が殴られるんだ……?

腹部をおもいっきり殴られ、意識が遠のいていくんですが……。

 

「キル、キルッ!!」

「タジャ、タージャ!!」

「す、すみません……でも、アヤトを殴るわけにもいきませんので」

し、しれっとそんな事言い放つなよ……俺はサンドバックか?

り、理不尽だ……。

 

「アリゲイツ、もう一度出てきなさい!」

「アリゲィッ!!」

「リーフィア、お願い」

「――リー、フィ」

俺達が馬鹿やってる間にも、当然ながらバトルは続いていく。

フェイトの最後の一体はリーフィアか……。

 

「リーフィア、はっぱカッター!」

「リフィーッ!!」

「かわしなさい!」

「アリーッ!」

迫る十数ものはっぱカッターを、器用に跳ねながら回避するアリゲイツ。

 

「リーフブレード!」

「れいとうパンチ!」

「リーフィィッ!!」

「アリゲィィッ!!」

跳び上がり、上段からのリーフブレードを、スカイアッパーのように下段かられいとうパンチを振り上げ、真っ向から防ぎきるアリゲイツ。

 

――互角か!!

 

「こおりのキバ!」

口を開き、リーフィアに向かって追撃を仕掛けるアリゲイツだが……。

「みがわり!」

ポンッというやや間の抜けた音が鳴り、アリゲイツがリーフィアの身体を噛みついた。

しかし――その瞬間、アリゲイツが噛みついたリーフィアの身体が先程と同じくポンッという音を鳴らし、かき消えた。

 

「アリゲイツ、後ろ!」

「リーフィア、もう一度リーフブレード!!」

「リーフィィッ!!」

カレンの声も虚しく、背後に移動したリーフィアのリーフブレードが、アリゲイツの背中に叩き込まれる。

弱点である技を受け、顔面から地面を滑っていくアリゲイツ。

……決まったか?

 

「ア、リ、ゲィ……」

「…………」

嘘だろ……あれを受けて立ち上がりやがった。

けど、もうアリゲイツは立っているのがやっとといった所だ。

これならば………。

 

「リーフィア、エナジーボール!!」

「リー……!」

「アリゲイツ、みずでっぽう!」

「っ、リーフィア中断して避けて!」

エナジーボールを放つより早く、アリゲイツがみずでっぽうを放ちフェイトは急ぎ回避の指示を出す。

跳び上がり、エナジーボールを回避するリーフィアだが……。

 

「アクアジェット!」

カレンは既に、次の指示をアリゲイツへと出していた。

「フィッ!?」

「リーフィア、そこからリーフブレード!!」

「っ、フェイトそれは拙い!!」

「えっ……?」

フェイトがリーフィアに指示を出すのと、アヤトがフェイトに向かってそう叫んだのは、ほぼ同時だった。

 

「フィィィッ!!」

空中でリーフブレードを構え、迫り来るアリゲイツと真っ向からぶつかり合う――!

両者がぶつかった事により衝撃が起こり、それはフィールドだけでなく観客席の俺達にまで及んだ。

 

「くっ……ど、どうなったんだ?」

慌てて視線をフィールドへ向ける。

すると―――

 

「……ア、リ〜……」

「アリゲイツ戦闘不能、リーフィアの勝ち!!」

「やった、これで並びましたよアヤト!!」

「…………」

嬉しそうなモモカとは対照的に、アヤトの表情は厳しいものに。

そして、一言。

 

「――拙いな」

ぽつりと、そう呟きを漏らした。

『へっ?』

俺とモモカの声が見事にハモる。

拙いって……何が拙いというのだろう?

 

「アヤト、何を言っているのですか?

 フェイトちゃんとカレンさんはまだ互角なんですよ? それなのに」

「あれを見ても、互角だと言えるのか?」

そう言って、アヤトは指を指す。

その先へと、視線を向けると……。

 

「フィ……リ、フィ……」

苦しそうに息をするリーフィアの姿が。

「リーフブレードは確かにアリゲイツに届いた、だが空中で発動したために充分な威力は出ずにアクアジェットを完全に弾く事ができなかったんだ。早く倒そうとした焦りが招いた結果だな、あの場合はリーフブレードではなくかげぶんしんなどで回避した方が良い」

「ははぁ……なる程」

やっぱりポケモンバトルは奥が深い、どんなに新しい発見をしても、その度に際限なく増えていくのだから。

 

「って、なに落ち着いて状況を説明してるんですか!!」

「おぶっ!?」

だ、だから……何で俺を殴るんだモモカ。

「どちらが勝ってもおかしくはない、そしてオレ達にとってどちらも大事な親友だ。

 ならば贔屓などせず、ありのままの結果を受け入れるだけだ」

「うぅぅ〜……!」

「モモカ、幼なじみであるフェイトに応援したい気持ちはわかる。だが、もう少し大人になるんだ」

 

……うわぁ、言いたい放題だなアヤトの奴。

言ってる事がいちいちもっともだから反論できないし、かといってそれを全て受け入れるほどモモカは大人ではない。

―――その結果

 

「アヤトの………ヴァカァァァッ!!!」

「ぐぼぶふぅっ!!?」

やっぱりこっちに来たよチクショォォォッ!!

あぁ……世の中は理不尽だなぁツタージャ。

 

「………タジャ」

呆れと憐れみを込めた目で見るんじゃねえ!!

「キル〜……」

おぉ、慰めてくれてるのかキルリア。

ありがとう、いやマジで嬉しいっすホント。

 

「――フェイト、あなた予想以上に強いわね」

「ありがとうカレン、でも私はまだ負けを認めたわけじゃないから」

「当たり前よ。……だけど、正直コイツを出すとは思わなかった」

「………?」

カレンの奴、何を……。

 

「フェイト、私の最後のポケモンはこいつよ!」

そう言って、カレンは高々とボールを投げる。

「――エルレイッ!!」

「っ、あのポケモンは………!」

「あいつは……」

「エルレイド、だな」

「エルレイド……」

見た事がないポケモンだ、すぐさま図鑑を取り出して確認する。

 

「エルレイド……やいばポケモン。

 伸び縮みする肘の刀で戦う、居合いの名手。礼儀正しいポケモン」

「まさかエルレイドを持っていたとはな……予想外だった」

「えっ、アヤトはカレンの手持ちを知らないのか?」

「ああ。というのも、カレンと知り合ったのはほんの一月程前でな。

 あいつはいつもピカチュウやエルフーンだけでバトルしていたから、オレもモモカもあいつの手持ちを知ってるわけじゃないんだ」

「一月前……? じゃあアヤト達は今までずっとカレンと同じクラスとかそういうわけじゃなかったんだな?」

「そうなんです。あれ、でも……改めて考えるとおかしいですね。

 私の記憶では、中等部の生徒にカレンさんの名前はなかったと記憶してるんですが……」

「えっ……?」

 

待て、それは一体どういう意味だ?

単なる記憶違い、ただそれだけなら別にいい。

けど……その言葉に、俺は不思議と違和感を覚えた。

 

「エルレイド、ほのおのパンチ!」

「シッ―――!」

地を蹴るエルレイド。

そのスピードは速く、一息でリーフィアとの間合いを詰め、炎を込めた拳を振り上げていた。

 

「避けて!!」

「リフィッ!!」

間一髪、後ろに跳ぶ事により攻撃を回避するリーフィア。

しかし、エルレイドは更に踏み込んで追撃を仕掛ける。

――連続で放たれるほのおのパンチ

 

「フィ、フィッ!」

なんとか回避していくリーフィアだが、徐々にエルレイドのスピードに追い詰められていく。

そして——エルレイドの拳がリーフィアに……。

「リーフブレード!!」

「フィィッ!!」

当たる瞬間、リーフブレードでどうにか防御した。

 

「よし、防御した!!」

「………いや」

「リーフブレード!」

「えっ………」

「エル、レイッ!!」

「エフィーッ!!?」

 

左でのほのおのパンチが防がれたと理解した瞬間、エルレイドは右腕に刀のような物体でリーフブレードを仕掛けた。

リーフィアはほのおのパンチを防いでいるために回避も防御もできず、吹き飛ばされてしまう。

 

「インファイト!!」

そこに、エルレイドの追撃が迫る―――!

「エルレィィィッ!!」

凄まじい拳の連打。

比較的小さめのリーフィアの身体の至る所に叩き込まれていく。

 

「リ、フィ……」

拳の連打は終わったものの、リーフィアにはもう回避も防御もできる余力は残されてはおらず。

「れいとうパンチ!!」

「エル、レイッ!!」

「リフィーッ!!?」

至近距離からのれいとうパンチをまともに受け、リーフィアの身体は地面へと叩き込まれてしまった。

 

「……リフィ〜……」

「リーフィア戦闘不能、エルレイドの勝ち! よって勝者、カレン」

「………あぁぁ〜」

残念そうにその場に座り込むモモカ、気持ちはわかるが……仕方ないよな。

でもカレンが勝ったという事は……決勝でアヤトと戦うのは……。

 

「…………」

「アヤト、絶対に勝ってくださいよ!?」

「それはバトルをしてみなければわからないさ、カレンの手持ちは全て把握しているわけではないし、彼女は強い。

 絶対、などという保証はできない」

「そんな弱気でどうするんですか!! アヤトには私とフェイトちゃんと一緒に夫婦でチャンピオンになるという壮大な夢があるんですよ!?」

「それはお前の夢……というか願望だ」

「…………」

 

わいわいといつもの夫婦漫才を繰り広げている2人を尻目に、俺はフェイトと握手を交わしているカレンへと、視線を向けていた。

アイツ、あんまり自分の事を話さない奴だなって思ってたけど……何か理由があるのかな?

まあ、自分の事を話さないのは俺も同じだけどさ。

 

 

 

……強いなあみんな。

俺もあんな風に、強くなれるんだろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀     【ムクバード】♂  【ミロカロス】♀
【使えるわざ】      【使えるわざ】   【使えるわざ】
・つるのムチ       ・たいあたり    ・たつまき
・リーフブレード     ・かぜおこし    ・アイアンテール
・たいあたり       ・でんこうせっか  ・みずでっぽう
・かげぶんしん     ・つばさでうつ
・へびにらみ       ・つばめがえし
・リーフストーム    ・ブレイブバード(未完成)
・リーフブレード二段斬り
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