グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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えっ、今回は俺の出番は一切なし!?

マジかよ……まあしょうがねえか。

でもまあ、あいつらはどんな1日になるのかね


第38話 〜リオル、波導への道!〜

「フタチマル、シェルブレードです!!」

「タ、チッ!!」

モモカの指示を受け、両手にホタチを持ち突撃するフタチマル。

「リオル、きあいパンチ!!」

「ガゥッ!!」

対するフェイトもリオルに指示を出し、迫るフタチマルにきあいパンチを叩き込んだ。

ぶつかり合い、互いに吹き飛ばされる両者。

 

「みずのはどう!!」

「ターチィッ!!」

胸の前で両手を合わせ、水の光球を生み出して発射するフタチマル。

それに対し、リオルも両手を腰に持っていき攻撃の準備に入った。

 

「リオル、はどうだん!」

「ガァァ……」

リオルの両手の間に、蒼い輝きを放つ光球が生まれていく。

そして、迫るみずのはどうに向かって撃ち放ったのだが……。

「えっ……?」

「ガゥッ!?」

両手を突き出した瞬間、はどうだんは煙のように消えてしまい。

隙だらけの身体に、みずのはどうが深々と突き刺さってしまった。

 

「ウガッ!?」

「リオル!!」

倒れるリオルに駆け寄るフェイト、たいしたダメージはないが……その顔はあきらかに落ち込んでいるものに変わっていた。

「……そこまでだ」

2人のバトルを見ていたアヤトがそう告げ、モモカと共にフェイトへと駆け寄った。

 

…………。

 

「――えっ、はどうだんが使えなくなった?」

「うん……」

モモカの言葉に、私はこくりと頷いた。

場所は移動し、今は私の部屋に居る。

そこでモモカが。

「そういえば、フェイトちゃんのリオルが使ったはどうだん、不発になりましたけど何でですかね?」

そう訊いてきたので、事情を説明して……現在に至る。

 

――私のリオルは、少し特殊なポケモンだ

 

リオルの進化系であるルカリオしか使えないはどうだんが使える、私が初めてリオルと出会った時も、はどうだんを使ってきて凄く驚いた。

だけど……この間のテストトーナメントから、はどうだんが使えなくなってしまっているのだ。

もちろん、リオルも私もまたはどうだんが使えるように試行錯誤をしたけど……先程の練習バトルの時みたいに、まだ使えないまま。

「原因は? 心当たりはないのか?」

「テストトーナメントの時からですよね……もしかして、カレンさんのエルフーンにボコボコにされたからですかね?」

「……ガゥ〜……」

「あ……」

モモカの一言で、私の膝の上に乗っていたリオルが涙目になった。

しまった、という顔になるモモカだけど、もう遅い。

 

「す、すみません……」

「だが、原因はどうやらそれのようだな」

アヤトの言う通り、殆ど何もできずに負けてしまったから、ショックで技が出せなくなったのだろう。

たまにこういう症状に陥るポケモンも居るって、アリシア姉さんも言っていたし、原因はそれしか考えられない。

しかし……。

「原因がわかっても、解決方法がわかりませんよね……」

 

そう、それが問題なのだ。

カレンのエルフーンとバトルして勝てば元に戻るわけではない、精神的な症状はそんな簡単に治るようにはできていない。

かといって、このまま何もしないなんて事はできるはずもなく、同時にどうすればいいのかもわからないし……。

「まったく……フェイトちゃんが困っているというのに、グリードさん達は何をしているんだか……」

「文句を言うな。グリード達だっていつもオレ達と行動を共にするわけじゃないだろう」

「それはそうですけど……」

「2人ともありがとう、けど私は大丈夫。どうにかしてリオルを治してみせるから」

これ以上、2人を困らせるわけにはいかない、そう思ってそんな事を口にした瞬間。

 

「むー……」

何故か、モモカにおもいっきり睨まれてしまった。

あれ? 私、モモカを怒らせるような事したかな?

「水くさいですよフェイトちゃん、どうして1人でどうにかしようとするんですか。

 困った時は素直に友達に頼る、そうしないと問題だって解決しませんよ?」

窘めるようなモモカの強い口調。

……それが、私には嬉しかった。

私の事を本当に心配してくれてるとわかるから、友達だと思ってくれてるとわかるから。

だから、本当に嬉しかった。

 

「よし、じゃあ久しぶりにこの3人で頑張っていきましょう!!

 アヤト、もちろん拒否権はありませんからね?」

「脅迫なんてしなくても協力するさ、そんなの当たり前だろ?」

「アヤト……」

嬉しい、その感情が溢れ出てきそうだ

アヤトもモモカも、私が小さい頃からずっと友達で、助けてくれていた。

モモカは私のかけがえのない親友となり、そしてアヤトは……。

……そこまで考えて、顔を赤くしてしまった。

 

「……フェイトちゃん、可愛いです」

「モ、モモカ……恥ずかしいよ」

可愛い、なんて言われるとやっぱり恥ずかしい。

「ぐはっ、なんて男心をくすぐらせるような言葉と上目遣い……さすがフェイトちゃん、やりますね」

「………?」

よくわからない、モモカは一体何を言っているのだろうか。

 

「それでは、早速リオルにはどうだんが使えるようにしましょう!!」

「具体的には?」

「…………」

意気込みながら立ち上がるモモカに、アヤトの容赦のないツッコミが入った。

ああ……モモカがそのままの体勢で固まってる。

けど、アヤトの言う通り具体的な方法が思いつかないと動きようがないのも事実だ、どうしよう。

何かいい案はないものかと思考を巡らしていると、復活したモモカが口を開いた。

 

「やっぱり、バトルで勝利して自信を持たせるといいと思いますよ?」

「バトルか……ならフェイト、次はオレとバトルしてみるか?」

「ストップ、バトルと言っても私やアヤトとではありません」

「? では、誰とバトルするんだ?」

アヤトの問いに、モモカは自信満々な表情で答えを返す。

「トレーナーではなく、野生のポケモンとのバトルをすればいいんですよ。正直言って私やアヤトだと互角の戦いになっちゃいますから、それより弱い野生のポケモンとのバトルを繰り返して自信をつければ、リオルもはどうだんを使えるようになるんじゃないかと思いまして」

「なる程……確かに一理あるか」

「まあ、よわよわなグリードさんが練習台になればいいんですけど、あの人居ませんからね」

「…………」

モモカ、グリードに対して失礼だよ……。

それに、今のグリードには私でも勝てるかわからないくらい強くなってるし。

……彼は凄い、貪欲に力を求めてるわけじゃないのに、どんどん強くなってきている。

テストトーナメントでは勝てたけど、今バトルしたら……正直、勝てる自信はない。

彼と彼のポケモン達の絆は本当に凄い、だからあんなに強くなるのが早いのかな?

 

……私とリオルの絆は、まだ弱いのだろうか?

 

だから、こんな事になっても私はリオルに何もしてあげられないのかな?

「フェイトちゃん、どうしました?」

「う、ううん……なんでもない」

慌ててそう誤魔化し……誰にも聞こえないようにため息をついた。

こんなんじゃダメだ、トレーナーである私がリオルとの絆を疑うなんてどうかしてる。

「ガゥ……」

ほら、私が不安そうな顔をするから、リオルが不安げに私を見つめてる。

大丈夫だよ、そう言ってリオルの頭を撫でてから私は立ち上がりモモカ達と一緒に部屋を後にした。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

――モモカの提案通り、私達は庭園へと足を運んだ

 

「さて……まずは戦う気満々な野生のポケモンを捜しましょうか」

ズンズンと森の中を入っていくモモカ、アヤトは呆れながらもついていき、私も苦笑しながら後に続く。

リオルは私の足元にちょこちょことついてくるけど……やっぱり、元気がない。

「リオル、きっとまたはどうだんを使えるようになるから。一緒に頑張っていこう?」

「………ガゥ」

こんなありきたりな言葉で元気になるはずがなく、俯いたまま歩くリオルに私は歯噛みした。

 

……駄目だなぁ、こんなのじゃリオルのトレーナーに相応しくないよ。

アヤトなら厳しくするかもしれないけど、私はつい甘やかしちゃうからそんな事はできない。

こういう所が駄目なのかな、私……。

「フェイトちゃん、居ましたよ!!」

「えっ……?」

モモカの声で我に返り、上を見上げる。

そこには、木の枝の上に乗った一匹のポケモンが、私達を睨んで……。

って、なんで私達睨まれてるの……?

 

「……おいモモカ、お前あのヘラクロスに何をした?」

普通、ただ通り過ぎようとしただけで怒るポケモンではない、何かをしない限りは。

するとモモカは、あっけらかんとこんな事を口にした。

「バトルしてくれるように、ヘラクロスに石を投げました。あっ、でももちろん当てないようにしましたよ、実際は当たりましたけど」

「当てちゃったの!?」

「アホかお前は!!」

そんな事をすれば、ヘラクロスだって怒って当然なのに!!

 

「ヘラクロッ!!」

木の枝から飛び、まっすぐ私達の元に向かってくるヘラクロス。

もうこうなってしまったら、バトルをするしかない!!

「リオル、いってくれる?」

「ガゥ!!」

こくりと頷き、ヘラクロスの前に立つリオル。

 

「ヘラクローッ!!」

リオルを見て、ヘラクロスはその大きな角を前に突き出した。

「気をつけろフェイト、ヘラクロスのつのでつくだ!!」

「リオル、とびひざげり!!」

「ウガゥッ!!」

跳躍し、真っ向からぶつかるリオル。

パワーは互角、だけど。

 

「ヘラクロッ!!」

「ガゥッ!?」

角でリオルの身体を掬い上げるように吹き飛ばすヘラクロス、更に右手で拳を作り出した。

「きあいパンチ!?」

「リオル、こっちもきあいパンチ!!」

「クッ、ガゥ!!」

空中でバランスを立て直して、下から迫り来るヘラクロスのきあいパンチを、同じくきあいパンチで迎え撃つ。

しかし――押し負けたのはリオルの方。

 

「ヘラク、ロォッ!!」

「ガハ………ッ!?」

すかさず左のきあいパンチでヘラクロスはリオルを地面に叩きつける。

「ヘラクロスの方がパワーは上だったんでしょうか!?」

「いや、リオルは空中だったから腕に充分な力を乗せられなかったんだ。

 対するヘラクロスは空を飛べる、だからパワーで押し切る事ができたんだろう」

 

「ウ、ウゥ……」

「ヘラクローッ!!」

うずくまるリオルに、追撃を仕掛けようと急降下するヘラクロス。

角が光り輝いて……これはメガホーン!?

「リオル、はどうだん!」

とびひざげりは今の体勢じゃ使えない、はっけいやきあいパンチじゃ届かない。

そうなると、はどうだんしか道は……。

 

「ウゥゥゥゥ――!」

ヘラクロスに身体を向け、両手を腰に持っていき唸り声を上げるリオル。

その両手には、蒼く輝く光球が。

よし、これなら……!

「ウガァッ!!」

おもいっきり両手をヘラクロスに突き出す。

しかし――はどうだんが両手から離れた瞬間、先程のように消えてしまい。

 

「ヘラク、ロォッ!!」

「ウガァァッ!!」

ヘラクロスのメガホーンが、リオルに直撃しその身体が大木に叩きつけられた。

「ウ、グゥ……」

「リオル!!」

ほぼ反射的に、リオルのモンスターボールを手に取って……私はその動きを止めた。

 

―――本当にいいの?

 

このままリオルを戻しても、問題の解決になるわけじゃない。

私がすぐ諦めるから、リオルだってはどうだんが使えないままじゃないの?

 

「フェイトちゃん、何してるんですか!? ヘラクロスが、リオルに……」

「…………」

リオルに視線を向ける。

苦しそうに息をして、痛々しいその姿は正直見ていられない。

でも……その瞳はまだ、ヘラクロスと戦おうと闘志を燃やしてる。

……そうだよ、リオルがあんなにも頑張ろうと努力してるのに、私がこんな事じゃいけない。

私はリオルのトレーナーだ、なら最後までポケモンを信じて戦わないといけないじゃないか。

 

「フェイトちゃん!!」

焦りを含んだモモカの声、見るとヘラクロスが既にリオルの眼前にまで迫っていた。

「――リオル、かわして!!」

「っ」

私の声が届き、寸前の所でヘラクロスの攻撃を回避するリオル。

 

「フェイト……」

「まだリオルが戦いたがってるのに、ボールに戻すなんてできない。

 2人とも手は出さないで、ヘラクロスは私とリオルで倒す!!」

「ガァウッ!!」

拳を握りしめ、更に闘志を燃やすリオル。

その熱が届いたのか、アヤトもモモカも何も言わずに離れてくれた。

 

「ヘラクロッ!!」

羽根を羽ばたかせ、向かってくるヘラクロス。

またきあいパンチ……でも今は!!

「リオル、こっちもきあいパンチ!!」

「ガァァウッ!!」

地を蹴り、右手を前に突き出すリオル。

そのスピードは速く、ヘラクロスより先に攻撃が届き、殴り飛ばして木に叩きつけた。

 

「ヘラクロォ〜……」

チャンスは今しかない、私はリオルにあの指示を出す。

「リオル、はどうだんを使って!!」

「ガゥ!?」

私の指示に、リオルが驚きの表情を浮かべてこちらを見る。

……自信がないのはわかるよ、だけど!!

 

「リオル、自分の力を信じて!! あなたは前にはどうだんを使えた、ならもう一度使えるようにならないわけがないの。

 私が傍に居るから……あなたの傍に居るから、だから自分を信じてはどうだんを使って!!」

「…………」

「リオル、頑張ってください!!」

「お前ならできる、フェイトと自分を信じるんだ!!」

後ろに居るアヤト達も、必死にリオルを応援してくれてる。

 

――リオルの目つきが変わった

 

「ウゥゥゥゥ………!」

両手を腰に持っていき、再びはどうだんを生み出していく。

……必ず成功する、絶対に。

だって、今のリオルは自分を信じてる、だから絶対に………!

ヘラクロスが迫る、もう1メートルも満たない距離だ。

 

「ウガァァァッ!!」

激昂した叫び声がリオルから放たれ、そして――はどうだんがリオルの手から離れていく。

瞬間、凄まじい爆発が両者を包み、私達の視界すら覆ってしまった。

「……ヘラクロォ〜…」

腕で顔を覆いながら、私は確かに見た。

煙の中から飛び出し、逃げるようにその場を去っていくヘラクロスの姿を。

そして、煙が晴れたその先には……両手を突き出したままのリオルが、勝者のように立ち尽くしていた。

 

「リオル!!」

成功した、成功したんだはどうだんが!!

その事実を自覚して、気が付いたら私はリオルを抱きしめていた。

「やったねリオル、本当によく頑張ったよ!!」

「……ガゥゥ」

嬉しそうに一鳴きするリオル、私もそんなこの子に満面の笑みを送った。

 

………。

 

……信じる想いは、本当に凄い。

 

あの時、リオルが諦めなかったから、私も諦めなかった。

 

『トレーナーはポケモンを育てるけど、同時にポケモンに育てられてるのよ』

 

いつか、アリシア姉さんはこんな事を言っていた。

 

その意味が、私には少しだけ……ほんの少しだけわかったような気がする。

 

リオルが成長したように、今回私も成長できたと思う。

 

けど――まだまだ。

 

もっともっと、頑張っていかないと。

 

「リオル、これからも頑張っていこうね?」

「ウガゥッ!!」

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀     【ムクバード】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】      【使えるわざ】       【使えるわざ】
・つるのムチ       ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード     ・かぜおこし       ・アイアンテール
・たいあたり       ・でんこうせっか     ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん     ・つばさでうつ      ・れいとうビーム
・へびにらみ       ・つばめがえし
・リーフストーム    ・ブレイブバード(ほぼ完成)
・リーフブレード二段斬り
・エナジーボール
・???

【キバゴ】♂     【コジョンド】♀
【使えるわざ】    【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり
・シャドークロー   ・はっけい
・りゅうのいかり   ・とびひざげり
・ドラゴンクロー   ・はどうだん
・りゅうのいぶき
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