グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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今日も今日とて、トレーナー修行を頑張る俺。

さーて、今日はどんな1日になるのかな?


第46話 〜サーナイトの暴走、治療への旅立ち!〜

「ツタージャ、リーフブレード!!」

「タジャーッ!!」

地を蹴り、バトルの相手であるアヤトのキルリアに向かっていくツタージャ。

「キルリア、サイコキネシス!」

「キル〜……!」

キルリアの瞳が蒼く輝き始める。

 

「右にジャンプ!!」

「タジャ!」

しかし、サイコキネシスの軌道を読み回避、そのまま間合いを詰め攻撃を仕掛けた。

「れいとうパンチ!」

「キ、ルゥッ!!」

だがアヤトはすぐさま攻撃を切り替え、キルリアも真っ向からツタージャのリーフブレードをれいとうパンチで受け止めた。

鍔迫り合いになる両者、けど……!

 

「リーフブレード・二段斬り!!」

「タジャ!!」

鍔迫り合いになっている右腕を上に押し上げるツタージャ。

それに伴い、れいとうパンチを放っているキルリアの腕も上がってしまう。

すかさずツタージャは右足を軸に反時計回りに回転しながら、三つ叉の尻尾で繰り出したリーフブレードで、キルリアを弾き飛ばす。

 

「キルー!?」

「いいぞ、ツタージャ!」

「タージャ」

当然でしょ、そう言わんばかりに胸を張るツタージャに苦笑。

「やるな。だがこれからだ!」

「おぅ、当然だぜ!!」

練習バトルといっても全力で戦い、そして勝つ!

 

「アヤトー、頑張って!」

ちぇ、ルーテシアは完全にアヤト側かよ。まあわかってたけどさ。

若干の寂しさを感じつつも、再びバトルに集中する。

だが――アヤトがキルリアに指示を出そうとした瞬間。

「キルリア、サイコ――」

「キルッ!?」

突然、キルリアの身体が白い光に包まれていった。

これは……進化か!?

事の成り行きを黙って見つめる俺達、やがて光はだんだんと収まっていき……。

 

「――サ、ナ」

キルリアは進化し、サーナイトへと姿を変えていた。

「やったなアヤト、キルリアが進化したぞ!!」

「ああ、よくやったなキルリア……いや、サーナイト」

「よっしゃ、これでバトルがますます楽しみになってきたぜ。アヤト、早く続きをやろう!!」

はやる気持ちを抑えられずにそう言うと、アヤトは苦笑しながらもサーナイトに指示を出す。

 

――だが

 

「サーナイト、エナジボール!」

「…………」

サーナイトは反応せず、よく見ると顔を俯かせ僅かに身体を震わせている。

「? サーナイト、どうした?」

アヤトが声を掛けるが、サーナイトはまたも反応を返さない。

……なんか、様子がおかしいぞ。

「タジャ……?」

ツタージャも、サーナイトを見て首を傾げている。

 

――瞬間

 

「―――――」

何だ。

何だ、これは。

何だ、この胸の中に芽生えた感情は。

突如として、何の前触れもなく俺の中で。

――今のサーナイトに近づくな

そんな警告のような感情が、芽生えていった。

それに……サーナイトから不思議な感じがする。

上手く言葉にはできないが、なんていうのだろうか……“力”のようなものを感じるのだ。

それに、この力、は―――

 

―――早く、逃げろ

 

「アヤト!!」

気がついたら、俺は大声で名を呼び一目散にサーナイトに近づこうとするアヤトへと走った。

「グリード?」

当然ながら、俺の行動に首を傾げるアヤト。

それには構わず、俺は全力でアヤトを押し倒し。

「あ、が、ぅ………!?」

背中に走る痛みと熱で、呻き声を上げながらアヤトと倒れた。

 

「なっ!?」

驚きの声は、アヤトから発せられる。

そんなの当たり前だ、何故なら……。

 

―――サーナイトが、アヤトに向けてエナジボールを放ったのだから

 

「サーナイト、何を……」

「サ、ナッ!!」

俺達に向け、追撃になる10まんボルトを放つサーナイト。

「ぐっ――ツタージャ、リーフストーム!!」

「タージャァァッ!!」

尻尾を高速回転させ、俺達に迫る電撃をリーフストームで防いでくれるツタージャ。

 

「タジャ、タージャ!!」

俺達を庇うようにサーナイトと対峙し、ツタージャは何か言っている。

だが、今のサーナイトには何も聞こえてはいないようだ。

「サーナァァッ!!」

ツタージャに向けて右腕を振り下ろすサーナイト。

無論ただのパンチではなく、れいとうパンチだ!

 

「リーフブレード!!」

「タジャーッ!!」

それを、真っ向からリーフブレードで受け止めるツタージャ。

「タジャーッ!?」

しかし、押し負けてしまい俺達の後ろまで吹き飛んでしまった。

「ツター――ぐっ!?」

まるで焼けたように熱い背中が、容赦なく痛みを与える。

拙い、痛みで身体が動かせねえ………!

 

「ハッサム、シザークロス!!」

「ハッ、サム!!」

背後からサーナイトに迫る一撃。

「っ」

それをサーナイトは右手で繰り出したリフレクターで受け流しつつ、俺達から距離をとった。

 

「……ルー、すまない」

「気にしないでいいわ、それより……一体何なのよ、あれは」

何故かはわからない、けど今のサーナイトは明らかにおかしい。

でも、何故だろう。なんとなくだけどあの子自身が望んであんな事をしてるようには見えない。

むしろあれは……。

「サ、ナァァァッ!!」

雄叫びを上げ、次々と今度はシャドーボールを放っていくサーナイト。

それは命中させる気などないのか、明後日の方向へと飛んでいくばかり。

だがこのまま放っておくわけにはいかない、他のバトルフィールドには生徒が居るのだ、被害を広がる前におとなしくさせないと。

 

「ぐ、うぅ……」

立ち上がる、ズキズキという鈍い痛みが思考を削るが気にしている場合ではない。

「ミ、ミロカロス……出てきてくれ!!」

「――ミィッ!!」

「ミロカロス、れいとうビームでサーナイトの動きを封じてくれ!!」

「ミロォォォッ!!」

ミロカロスから放たれたれいとうビームは、サーナイトの脚に直撃し動きを封じ込める。

 

「サーナイト、戻れ!」

すかさずアヤトはサーナイトをモンスターボールに戻そうとするが……。

「何――!?」

ボールから出た赤い光は、サーナイトを包み込んだ瞬間……霧散する。

 

「どうして!? ボールに戻せないなんて……」

「サ、ナァァ……」

凍りついた自分の脚を睨むサーナイト、すると。

「サナァッ!!」

炎を纏った腕で、氷を殴り砕いてしまう。

今のはほのおのパンチ……サーナイトになって使えるようになったのか。

「サナァァァッ!!」

黄色い雷が、まるで蔦のようにサーナイトの身体から放出される。

 

「ミィィィッ!?」

「ミロカロス!!」

10まんボルトをまともに受けてしまうミロカロス、すぐさま俺はボールの中へと戻し難を逃れさせた。

くそっ、ボールに戻せないなんて何で……。

「サ、ナァ……」

苦しげな声、それはサーナイトから聞こえた。

あいつ……苦しんでる?

肩で大きく息をしながら、今にも倒れそうなほどその姿は弱々しい。

拙い、あのままじゃサーナイトの身体が………!

 

「タージャ!!」

「ツタージャ……」

苦しむサーナイトの前に立ち、身構えるツタージャ。

……そうだな、それしか方法はない以上、やるしかない!!

「アヤト、ルーテシア、同時攻撃だ!!」

「えっ……?」

「同時攻撃?」

 

「ポケモン達の技を同時にぶつけて、サーナイトを戦闘不能にさせるんだ。ボールに戻せない以上それしか方法はない!」

不用意に傷つけたくはない、でもなによりサーナイトの為に攻撃するしかない。

迷いを見せるルーテシアだが、アヤトはすぐさま頷きを返し別のボールを取り出した。

「ガバイト、バトルスタンバイ!!」

「――ガバァ!!」

「アヤト……」

「頼むルーテシア、協力してくれ」

「…………」

アヤトに言われ、まだ迷いを見せるルーテシアだが……やがて、こくりと小さく頷きを返した。

苦しんで動きを止めている今がチャンスだ、俺達は同時に指示を出した。

 

「ツタージャ、リーフブレード!!」

「ガバイト、ドラゴンクロー!!」

「ハッサム、シザークロス!!」

「タジャタジャタジャ……!」

「ガバァァァッ!!」

「ハッ、サム!!」

ツタージャ、ガバイト、そしてハッサム。

三匹の同時攻撃は、吸い込まれるようにサーナイトへと直撃し、彼女の身体は地面を削りながら吹き飛んでいく。

 

――そして、そのまま動かなくなった

 

「ぐっ……お、終わったか?」

いてぇ……背中が物凄く痛い。

倒れたサーナイトに向かってアヤトがモンスターボールを構えるが……やはり戻す事はできないのか、悔しげに表情を歪ませている。

「タジャ……」

「いてて……大丈夫だよツタージャ、俺なら問題ないさ」

心配そうに俺を見上げるツタージャの頭を優しく撫で、安心させてやる。

……とにかく、今はサーナイトをポケモンセンターに運ばないとな。

でも、いきなり暴走した原因は……何なんだろうか。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「――原因不明?」

そうなんだ、とサクラは肩を竦めてそう告げた。

……ここは、人間の病院内。

俺はいいって言ったんだけど、背中の傷を見たアヤト達によって連行された。

幸いにもたいした傷ではなく、消毒して包帯を巻いてもらっただけで済んだ、まあ……カレン達にめっちゃ怒られたけど。

 

「どういう事なんだよサクラ、サーナイトの暴走が原因不明って……」

「言葉通りの意味だよ、ジョーイさんもどうして進化した途端に暴走を始めたのか、わからないらしいんだ。

 確かに脳波の乱れとかあるけど、明確な理由が特定できないんだ」

……どういう事だ?

ジョーイさんはポケモンの異常なら大抵の事はわかる、それなのに原因がわからないって……。

 

「――グリード」

「カレン、みんなも……」

「グリードくん、怪我は大丈夫?」

「心配すんなよソラネ、痛いけどたいした怪我じゃないって言ってたから」

ならいいけど……ほっとした表情を浮かべるソラネに、心配掛けてごめんと心の中で謝った。

「……グリード、すまない」

「へ?」

突然俺に対して頭を下げるアヤト、いや……意味がわからん。

 

「オレのせいで、お前にこんな怪我を……」

「気にすんなよ。お前が悪いわけじゃねえだろ、もちろんサーナイトだって悪くねえ。

 だって、あの子が理由もなく誰かを傷つけるわけねえんだから」

「………すまない」

「でも、サーナイトはこれからどうなるのかな……」

「…………」

ソラネの言う通り、サーナイトがこれからどうなるのか見当がつかない。

とにかく、このままじゃバトルはおろかアヤトと一緒に居る事だってできないだろう、何か治療法を見つけないと……。

 

「そういえば、フェイトは?」

いつもの面々の中にフェイトの姿がない事に気づき、俺は首を傾げる。

俺がそう呟いた瞬間、背後から誰かがこちらにやってきた。

「グリード、大丈夫?」

「おぅフェイト、俺なら大丈夫だ。けど何してたんだ?」

「うん。アヤトからサーナイトの話を聞いて、母さんと電話してたの」

「母さん?」

はて、ちょっと俺には話が繋がらないぞ。

しかし、モモカは今の言葉で納得したのか、そういえばあの人に訊けばよかったですね、と呟いている。

おい、誰かわかるように説明してくれ。

 

「フェイトちゃんのお母さん――プレシア博士はですね、ポケモンの事なら何でも知ってる凄い博士なんですよ!」

説明をしてくれたモモカだが、何でお前がそんな自慢げに言うんだよとツッコミを入れたい。

しかしそれでフェイトの意図は読めた、要するにその道の大ベテランに治療法がないかを訊いてきたようだ。

「それでフェイト、何かわかったのか?」

少しはやる気持ちのまま問いかけるアヤト、しかし……フェイトは首を横に振った。

「話を聞いた限りじゃわからないって、だから……直接サーナイトを診てみたいって言ってた」

「直接って……つまり、プレシア博士の所に来いという事か?」

アヤトの問いに、こくりと頷くフェイト。

 

「こっちに来る事はできないのか?」

「母さんは研究所から離れられないの、それにサーナイトを調べる機器も研究所にあるから……」

なる程、来たとしても意味がないって事か。

「じゃあアヤト、すぐにプレシア博士の所に行こうぜ。研究所はどこにあるんだ?」

「イッシュのフキヨセシティにある、だが……」

「だが、なんだよ?」

何か問題があるのだろうか。

 

「忘れたのか? もうすぐ期末試験だぞ?」

「あ……」

そうだった、もうすぐ夏期試験だった……。

「でも、今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!? 自分のポケモンが苦しんでんだぞ!!」

アヤトの言葉に怒りを覚え、おもわず胸倉を掴んでしまう。

「わぁ!? 落ち着いてくださいよ!!」

「そうだよグリード、それに……アヤトなら大丈夫だ」

「えっ……?」

サクラの言葉に、俺はアヤトから手を離し彼女に視線を向けた。

 

「事態が事態だからね、きちんと申請すれば試験免除……にはできないけど、再試験を行う事はできるよ」

「そうなんだ……」

色々と融通が効くんだなこの学園。

でも、これでイッシュに行くことができる。

……だけど、心配だな。

いやアヤトは俺なんかよりずっとしっかりしてるから問題ないけど、サーナイトが心配だ。

あの苦しそうな表情を思い出すだけで、胸が締め付けられそうになる。

 

「…………」

……やっぱり、このままアヤトだけを行かせるわけにはいかない。

そう思い、俺はサクラにある事を訪ねてみた。

「なあ、サクラ」

「なんだい?」

 

「……俺もさ、アヤトと一緒にイッシュに行きたいんだけど……それだけじゃ再試験はできないかな?」

 

「えっ……」

「何言ってるんですかグリードさん、私だってアヤトと一緒に行きたいのを我慢してるのに、できるわけないじゃないですか」

補習で夏休み潰れますよと、少し呆れたようにモモカは言う。

わかってる、それくらい俺にだってわかってるけど……。

俺なんかに懐いてくれたアイツの為に、何かしてやりたいと思ったのだ。

……補習で夏休みが潰れても、別にいいか。

勉強は苦手だし嫌だけど、サーナイトが心配だし。

と、俺がそんな決意をしていたら、サクラはこんな事を言ってきた。

 

「グリードなら大丈夫だよ、きっと」

 

「えっ……」

「えぇっ、サクラさんどういう事ですか!?」

「グリードはこの間のミクリカップで準優勝したからね、それだけの成績を納められる生徒なら多少の融通は効くさ。

 もしかしたら、試験免除もありえるかもね」

「……マジ?」

「マジだよ、だから君がアヤトと一緒にイッシュに行く事は可能さ」

だから安心しなよ、とサクラは笑う。

よっしゃ、これなら何の問題もないな。

 

「アヤト、早速出発しようぜ!!」

「ちょ、ちょっと待て、お前本気で……」

「当たり前だろ。サーナイトが心配だし……俺に何ができるかはわからないけど、力になりたいんだ」

だからイッシュに行く、これはもう決定事項だ。

そう言うと、アヤトは呆れたようにため息をついた。

しかし、その顔はどことなく嬉しそうに見えたのは、きっと気のせいなんかじゃないはずだ。

 

「……わかった、頼む」

「おう!」

「むーっ……グリードさんだけズルいです……私も行きます!!」

「モモカ、補習で夏休み潰れてもいいの?」

「うっ……」

容赦のないルーテシアの言葉に、モモカ撃沈。

 

「出発は明日にしなよ、もうイッシュ行きの船は出ないから」

「そうだな」

じゃあ、色々と準備しないと。

……それにしても、イッシュ地方に行くのか。

いや、別に俺が言い出した事だから不満なんかあるわけないんだけど……まさか、また戻る事になるとは思わなかった。

 

――だけど、絶対家には戻らない

 

戻ってたまるか、あんな所に。

「……グリードくん、どうかしたの?」

「……いや、なんでもねえよ」

ソラネの問いを適当に誤魔化す。

……忘れろ、今はアヤトのサーナイトの事だけを考えるんだ。

思考を中断させ、俺は新たに決意を胸に刻む。

どんな旅になるのか、若干の不安とそれを大きく上回るドキドキに包まれながら―――

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀     【ムクバード】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】      【使えるわざ】       【使えるわざ】
・つるのムチ       ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード     ・かぜおこし       ・アイアンテール
・たいあたり       ・でんこうせっか     ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん     ・つばさでうつ      ・れいとうビーム
・へびにらみ       ・つばめがえし
・リーフストーム    ・ブレイブバード(ほぼ完成)
・リーフブレード二段斬り
・エナジーボール
・???

【キバゴ】♂     【コジョンド】♀
【使えるわざ】    【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり
・シャドークロー   ・はっけい
・りゅうのいかり   ・とびひざげり
・ドラゴンクロー   ・はどうだん
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ
           ・ギガインパクト
           ・ドレインパンチ
           ・ストーンエッジ  
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