グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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サーナイトを治すため、イッシュ地方にやってきた俺とアヤト。

待ってろよサーナイト、すぐに治してやるからな………!


第47話 〜イッシュ地方到着、大空と光のジムリーダー!〜

「……大丈夫か?」

「うぅ……だ、だいじょばないかも……」

顔面蒼白になりながら、呆れているアヤトの問いに答える。

俺の足下では、ツタージャがやれやれといったように肩を竦めていた。

 

――イルミナシティからヒウンシティ行きの船に揺られながらはや二日

 

もうわかってると思うけど……酔いました。

いや、別に俺は船酔いしやすいわけじゃないんだけど、さっきちょっと食い過ぎて……。

だって船のメシ、美味いんだもん。

「もうすぐヒウンシティに着くのにあれだけ食べるからだ」

「ご、ごもっとも……うぷっ!?」

「タジャ!?」

一目散に俺から逃げるツタージャ、ちょっと薄情じゃないか……?

と、とりあえず……トイレに行ってこよう。

ああ情けない、部屋を出て行こうとする俺に、アヤトのそんな視線が突き刺さっているような気がしたが、この際無視だ。

……けど、本当に情けないかも。

 

 

―――しばらくお待ちください

 

 

「――着いたー!!」

船から降り、目一杯身体を伸ばす。

2日間も船に揺られていたせいで、身体が鈍っちまった。

それにしても、ヒウンシティは相変わらず無駄にデカいなー。

周りにはビル群しかなく、道行く人々は誰もが忙しなく足を動かしている。

うーん、やっぱり俺はこういう忙しない雰囲気の街は苦手だ。

 

「アヤト、さっさとフキヨセシティに行こうぜ」

「あ、ああ……」

「? どした?」

珍しくキョロキョロと落ち着きのない様子を見せるアヤト。

「いや、ヒウンシティに来たのは初めてだったものだから……」

「……ああ」

なる程、要するに周りの建物のでかさに驚いてたわけか。

でもしょうがないよな、ヒウンシティはイッシュでも指折りの大都市だ、俺だって初めて来た時はアヤトと反応が大差なかった。

 

「それよかアヤト、早く行くぞー。サーナイトを楽にしてやらないと」

そう言いながら歩き出し、サーナイトが入ったボールに視線を向ける。

少しは落ち着いたのか、サーナイトは前と同じようにボールの中に入ってくれた。

けど、だからといって状況が改善されたわけではなく……早く楽にさせてやらないとな。

そういうわけで、俺達はフキヨセシティを目指しちょっとした旅の一歩を踏み込んだのだが。

 

「待てー!!」

 

少し高めの、可愛らしい悲鳴のような女の子の声が聞こえてきた。

何だ、と俺達は同時にそちらへ視線を向けると。

「あ……泥棒」

「ああいうのはひったくりというんじゃないか?」

どっちでも一緒だが、アヤトはそう言葉を続ける。

スクーターに乗った2人組を追いかけている女の子が1人。

2人組の後ろに乗った人物の手にはバッグが握られており、状況からして女の子の荷物を盗んで逃げてるみたいだ。

って、ゆっくり眺めてる場合じゃなかった。あのままじゃ逃げられる。

 

「ムクバード、君に決めた!!」

「――ムクバー!!」

「ムクバード、あのスクーターの前に回り込んでかぜおこしだ!!」

「ムクゥッ!!」

頷きを返し、素早くひったくり犯の前に移動し、翼を羽ばたかせるムクバード。

「うわっ!?」

やべっ、少しやり過ぎた……おもいっきり倒れ、地面にうずくまる2人組。

よし、倒れてる隙にバッグは貰った!!

 

「このガキ!!」

2人の内の1人が起き上がり、ボールを手に持つ。

「ツンベアー、れいとうパンチ!!」

「――ガァァッ!!」

ボールから飛び出したツンベアーが、真っ直ぐムクバードに向かっていく。

けど、そんなものに当たるかよ!!

 

「かわしてはがねのつばさ!!」

「ムクッ、バァァッ!!」

「ガァゥッ!?」

繰り出されたれいとうパンチを左に避け、すかさずはがねのつばさでツンベアーを地面に叩きつける。

「ちっ、デンチュラ、ほうでんだ!!」

もう1人が起き上がり、ボールから出してきたのはデンチュラ。

 

「ジュジュジュ……!」

黄色い電撃がムクバードに襲いかかる、そこに。

「ガバイト、バトルスタンバイ!!」

「――ガバッ」

ムクバードを守るようにガバイトが現れ、デンチュラのほうでんを自分から受けた。

しかしガバイトはドラゴンとじめんタイプ、電気技は一切効かない。

 

「アヤト、サンキュー!」

「グリード、決めてしまえ!!」

「わかってるよ! ムクバード、ブレイブバードだ!!」

「ムクゥゥゥゥッ!!」

上空に飛び、翼を折りたたみながら最大加速でツンベアーに突撃するムクバード。

たまらずツンベアーは吹き飛び、デンチュラを下敷きにした。

 

「今だツタージャ、リーフストーム!!」

「ツタァァァ……ジャァァァッ!!」

身体を回転させ、凄まじい葉の竜巻をツンベアー達に叩き込むツタージャ。

そして、それが収まった時には……二匹は戦闘不能に陥っていた。

 

「やったぜ!!」

「ガバイト、あの2人を取り押さえとけ」

「ガバッ」

頷き、逃げようとするひったくり犯達を掴み上げるガバイト。

「ツタージャ、ムクバード、よく頑張ったな。

 ガバイト、ムクバードを庇ってくれてどうもありがとう!」

「タージャ」

「クバー!!」

「ガバァッ」

胸を張るツタージャ、翼を目一杯広げて喜ぶムクバード、笑顔で頷くガバイト。

三者三様の態度に、笑みを返していると。

 

「はぁ…はぁ…ど、どうもありがとう……」

ひったくり犯を追いかけていた女の子が、凄まじく息を乱して声を掛けてきた。

とりあえず、息を整えてから話してくれ。

待つこと数十秒、ようやく落ち着いたのか顔を上げ。

「本当にありがとう、助かったよ!」

花のように可憐な笑みを浮かべ、改めてお礼を述べた。

別に気にしなくていいと答えつつ、女の子にバッグを返す。

 

「わたしフウロ、宜しくね!!」

ニコニコと笑みを浮かべ自己紹介をするフウロという少女、握手を求めてきたのですかさず右手を出しそれに応じた。

そこで、俺は改めてフウロの容姿を確認する。

赤みがかった茶髪を頭頂部分でプロペラみたいな髪留めで留め、服装は……青空みたいな色をした服なんだけど……。

ヘソ出しにホットパンツと、かなり露出が高い服装だ。

いや、フウロのスタイルはいいから似合ってはいるんだけど……結構勇気がいる服装なのは間違いない。

 

「? 君達の名前は何ていうの?」

「あっ……俺はグリードだ」

「アヤトだ」

「グリードにアヤトね、さっきは本当にありがとう。モンスターボールもバックの中に入ってたから止められなかったの。それで……お礼がしたいんだけど……」

「いいよ別に、たまたまあの光景が目に入っただけだから」

それに、今は一刻も早くサーナイトをプレシア博士の所に連れて行かないといけないし。

なのでお断りしたのだが、フウロは納得できないのか「でも助けてもらったのは事実だから」と言って解放してくれない。

困ったな……そう思っていたら。

 

「フウロ、捕まえたの?」

フウロを呼ぶ女性が現れ、余計に抜け出しにくくなってしまった。

「あら……誰かしら?」

いや、それはこっちの台詞です。

そうツッコミを入れたかったが、現れた女性がとんでもなく綺麗だったから言葉を詰まらせてしまった。

金髪のショートヘアに、細くすらっとしたスレンダーな体型。

無駄な部分などなく、手放しで綺麗と断言できる程だ。

 

「あっ、カミツレさん。実はこの人達がひったくり犯を捕まえてくれたんです!!」

やはり知り合いらしい、カミツレと呼ばれた女性はフウロとは対照的にやや無表情のままこちらへと視線を向けた。

「ごめんなさい、フウロが迷惑を掛けたみたいね……それに、助けてくれてありがとう」

「あ、いえ……別に気にしないでください」

ちょっと緊張、だって今までこんな綺麗な人は見た事がないし。

 

「それでお礼がしたいって言ったんですけど、謙虚なのか遠慮しちゃって……」

いえ、急いでるから遠慮したんだよ。

「あのさ、悪いけど俺達急いでるんだ。

 早くフキヨセシティに居るプレシア博士の所に行かないと……」

「えっ、フキヨセシティ?」

「そうだよ、だから――」

「なーんだ、それならそうと早く言ってよ」

「………は?」

「フキヨセシティならすぐ連れてってあげるよ、わたしの機体で」

そう言って相も変わらずニコニコしているフウロ。

しかし、こっちは何の事かまったく理解できない。アヤトもポカンとしている。

すると、彼女はあっけらかんと凄い事実を口にしてきた。

 

「わたし、ヘリでフキヨセシティから来たから送ってあげるよ。

 これでも飛行機のパイロット兼ジムリーダーだから」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「――う〜ん。ヒウンアイス美味しーい」

「…………」

何で、俺達は先程出会ったフウロとカミツレさんと一緒にアイスを食べているんだろう……?

何でだよ、とアヤトに視線を向けたのだが、知るかという視線を返されてしまう。

 

「あれ? もしかしてアイス嫌い?」

「いや、そうじゃなくて……さっきの事だけど」

「ヘリのこと? もちろんちゃんとフキヨセシティまで送っていくよ、助けてくれたお礼だもん」

 

いや、そっちもそうだけど……そう言い掛けて、俺は黙ってアイスを食べる事に。

簡潔にこの2人がどんな人なのか訊いたのだが、どうやらかなりの有名人である事がわかった。

フウロは先程自分で言ったように、飛行機なら大抵乗りこなせるパイロットだし、しかもフキヨセシティのジムリーダーだそうだ。

そしてカミツレさんはライモンシティのジムリーダーであり、イッシュでは知らない人は居ないと言われるくらい有名なモデルさんらしい。

まあ俺は知らなかったけど、ただ単にそういう事に対しての知識がないだけである。

それはともかくとして、フウロはフキヨセシティまで連れて行ってくれるというのだから、俺達からすれば大助かりだ。

何せヒウンシティからフキヨセシティまでは結構ある、少なくとも徒歩では1日掛けても辿り着けない。

けど……それなら早く連れて行ってほしいというのが正直な話だ。

 

「それにしても大変だね、アヤトのサーナイトが原因不明の病気になっちゃうなんて」

「だが、プレシア博士の所に行けばきっと元気になってくれるさ」

「そうだね。あの人ポケモンの事ならなんでも知ってるから、きっと大丈夫だよ!」

「…………」

焦りが、少しずつ苛立ちを連れてくる。

こんな事してる場合じゃない、サーナイトが苦しんでるのに……。

 

「――もう少し、落ち着いたら?」

「カミツレさん……」

見透かしたような、カミツレさんの言葉。

おもわず顔を上げ彼女に視線を向けると、カミツレさんは僅かに微笑み言葉を続けた。

「あなたは本当にポケモンの事を大切にしているのね、会ったばかりの私でもわかるくらい。

 でも、だからといって焦っても事態は好転しないわ。ちゃんと息抜きをしないと思うように行動できないし、ポケモン達も不安がるわよ?」

「………それは」

「タージャ」

その通りだ、そう告げるかのように足下のツタージャが一声鳴いた。

そんな俺に、アヤトは右手を俺の肩に乗せ安心させるような口調で口を開いた。

 

「グリード、お前がサーナイトの事を心配してくれてるのはわかるし、オレも嬉しい。

 だがだからといってお前が焦ってもしょうがないだろう? サーナイトも今は落ち着いている、ボールから出さない限りはああはならない。

 だから、少し息抜きをした所で何の問題もないんだ」

「………アヤト」

「グリードは優しいね、けどカミツレさんやアヤトの言う通りだよ。ポケモン達を安心させる為に、まずはゆっくりした方がいいと思う」

「…………」

 

……俺、馬鹿だな。

1人で焦って、勝手に苛立って……アヤトだけでなく会ったばかりのフウロ達にすら心配されてる。

「ごめん……」

「謝らなくてもいいさ」

「そうそう♪」

笑みを浮かべるみんなに、俺も笑みを返して少し溶けてきたアイスを口に入れる。

「美味いな、これ」

今の今まで余裕がなかったから、アイスの美味しさに今更気づく。

しかしそんな俺にも何も言わず、でしょー、と笑みを浮かべるフウロ。

……しかし、冷静に考えたら、俺の目の前にはジムリーダーが居るんだよな、それも2人も。

こんな時に不謹慎かもしれないけど……バトルしてみたいな。

 

「……ポケモンバトル、したいの?」

「えっ……!?」

「顔に書いてあるわ、判りやすいのね」

そう言って笑うカミツレさん。

いやちょっと待て、確かに俺は判りやすいと言われた事はある、でもだからって心を見透かされたかのようなその言葉に、正直驚きを隠せない。

カミツレさんって、もしかしてエスパー?

 

「……バトル、する?」

「えっ……」

「貴方がよければ、ポケモンバトルしてもいいわよ……」

まさかのカミツレさんからの言葉。

ジムリーダーからそう言ってくれるのは、やはり有り難いし凄く光栄でもある。

……けど、今は。

 

「サーナイトの事なら気にするな」

そんな俺に、アヤトは優しくそう言った。

「自分の願いを押し殺す事はサーナイトも望まないだろう、だからグリード、お前がカミツレさんに挑戦したいなら好きにしろ」

「アヤト……」

大丈夫だ、もう一度そう言って俺を安心させてくれるアヤト。

……ここまで言ってくれてるんだ、厚意に甘えるのは間違いじゃない。

 

だから――俺はカミツレさんと視線を合わせ、はっきりと口にする。

 

「カミツレさん、あなたにポケモンバトルを申し込みます」

すると、カミツレさんは俺から視線を逸らす事なく。

「その挑戦、喜んで受けて立つわ」

そう言って、再び穏やかな微笑を浮かべた。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

――周りを、喧騒が包み込んでいる

 

場所は移動し、ここはヒウンシティのポケモンセンターにあるバトルフィールド。

当然そこに立つのはグリードとカミツレ、それを見守るのはアヤトとフウロ。

……だが、周りには沢山の子供やトレーナーの姿もある。

ジムリーダーが野試合というのは珍しい事であり、更にカミツレは男女問わず絶大な人気を誇るトップモデルだ。

彼女を見たいが故に観戦しているファンや、中にはテレビ局の面々もちらほら確認できる。

 

「……凄い人気ですね」

「……ごめんなさい。来ないでと言ったのだけど」

「気にしないでください、別にバトルになれば関係ありませんから」

まあ、強いて言うなら彼女のファンによる睨みは勘弁してもらいたいのだが、言った所で無駄なので黙っておく。

「それではこれより、ジムリーダー、カミツレとチャレンジャー、グリードによるポケモンバトルを開始する!」

審判を買って出てくれた男性が口を開く。

ちなみにこの人、ヒウンジムの審判の1人である。

 

(っていうか、すっかりジム戦みたいになってるし……)

グリードとしては、ただバトルができればいいだけなのだが……。

「使用ポケモンは二体、どちらかのポケモンが二体とも戦闘不能になった時点で終了とする。

 ポケモンの交代は、チャレンジャーのみ認められます!!」

「じゃあ……出すわね。私の一体目はこの子よ……エモンガ」

「――エ、モッ!!」

元気よくボールから飛び出してきたのは、エモンガ。

 

「タージャ」

私が行く、と胸を叩くツタージャ。

しかし、グリードはそんな彼女に苦笑しながら首を横に振った。

「悪いけどツタージャ、今回お前は出さないよ」

「タジャ……」

不満全開でグリードを睨むツタージャ。

悪いな、と言いつつもグリードは一体目のポケモンをボールが出してやる。

 

「まずはお前だ――キバゴ、君に決めた!!」

「キバキバー!!」

「ふーん……グリードの一体目はキバゴか」

(エモンガが相手では、キバゴだけが相性など関係なしにバトルできるからな)

どうやら、グリードは今回正攻法で攻めるらしい。

どんなバトルになるのか、アヤトは表情を引き締め座り直した。

 

「先攻はチャレンジャーからとなります。それでは………試合開始!!」

「よし行くぜ! キバゴ、りゅうのいぶき!!」

「キ、バーッ!!」

先制はグリードから、口を開き早速攻撃を仕掛けるキバゴ。

放たれるエメラルド色の息吹。

 

「飛びなさい」

「エモッ!!」

それを、両手を広げて空中へと飛んで回避するエモンガ。

「でんげきは」

「エ、モーッ!!」

網目状に張り巡らされる電撃。

 

「ドラゴンクローで弾くんだ!!」

「キバキバキバ……!」

縫うように走りながら、でんげきはを弾きつつエモンガとの距離を縮めていくキバゴ。

「へぇ、あのキバゴ速いね!!」

これには、観戦しているフウロも驚きを隠せない。

そうこうしている内に、キバゴの爪がエモンガの間合いに入った――!

 

「キバキバー!!」

跳躍し、右腕を振り上げるキバゴ。

そして、ドラゴンクローがエモンガを捉えようとした瞬間。

「めざめるパワー」

「エモォーッ!!」

エモンガの周りに光る球体が複数個現れ、迫り来るキバゴに向かっていく。

 

「キババ……!?」

攻撃を仕掛けていたキバゴは避けきれず、光球をまとめに受け吹き飛ばされてしまった。

「キバゴ、大丈夫か!?」

「キ、キバ……」

立ち上がるものの、その表情は辛そうで大きなダメージを受けた事がわかる。

だが腑に落ちない、めざめるパワーにそれだけの威力が……。

 

「こおりタイプなの、エモンガのめざめるパワーは」

「なっ………」

カミツレの言葉に、愕然とする。

めざめるパワーは各々の個体でタイプも威力も違うという不思議な技だ。

だが、今回カミツレの言ったようにエモンガのめざめるパワーはこおりタイプ、すなわちキバゴの弱点となる。

それをまともに受けたのだ、ああなってもおかしくはない。

しかし、カミツレは決して攻撃の手を緩めるような事はせず、一気に勝負をつけるために指示を出した。

 

「ボルトチェンジ」

「エモォォォ……!」

右手を上げるエモンガ、すると手からはパチパチと音を鳴らす電気玉が現れた。

それを、苦しげに息をするキバゴに放つエモンガ。

「キバァ……!」

避けられず、まともに受け電撃に包まれるキバゴ。

しかし、すぐさまそこか逃れ今度はこちらの番だと言わんばかりに身構えるが。

 

「えっ……?」

「キバ……?」

エモンガは、カミツレが何もせずともボールの中に入っていき。

 

「――ブラァァィッ!!」

入れ替わるように、まったく別のポケモンが飛び出してきた。

出てきたのはゼブライカ、黒い身体に電気を走らせながら、キバゴを睨みつけている。

「な、なんで……」

カミツレは交代してはいない、そもそもこのバトルではカミツレは交代できないはず。

 

「スパーク」

「ゼブゥゥッ!!」

「っ、キバゴ、あなをほる!!」

「キバッ!!」

迫るゼブライカ、間一髪の所で指示を出し難を逃れた。

(落ち着け……事実今の相手はゼブライカなんだ、だったら集中しないとやられるだけだ)

自身にそう言い聞かせ、改めてバトルに集中するグリード。

 

「逃げたみたいだけど、これからどうするのかな?」

カミツレはでんきタイプを使うジムリーダーだ、エモンガはともかくゼブライカ相手にじめん技を使用するのは悪くない。

だがカミツレとてじめん対策はしてきている、ただ真っ正面から攻めた所で無意味。

「……見ていればわかるさ、アイツの戦い方は突拍子のない上に豪快だからな」

「えっ……?」

アヤトの言葉に、フウロが彼へと視線を向けた瞬間。

 

「キバゴ、そのまま最大パワーでりゅうのいぶきだ!!」

 

「えっ……!?」

このバトルが始まって、初めてカミツレの表情が変わる。

瞬間、ゼブライカの周辺からまるで噴水のようにエメラルドの息吹が吹き荒れた。

成す術なく空中に放り出されるゼブライカ、その隙を逃さずキバゴは穴から飛び出しゼブライカへと迫る。

「ドラゴンクロー!!」

「キバキバキバ……キバァッ!!」

「ゼブラァッ!?」

頭上からの一撃で、勢いよく地面に叩きつけられるゼブライカ。

続いてキバゴも地面へと着地し、荒い息をしながらもむんっと胸を張った。

 

「うわぁ……凄い力業というか……」

「あれはさすがに予想できなかったな、グリードらしいというか……キバゴもよくやる」

フウロは驚き、アヤトは苦笑を浮かべる。

しかし、今の連携はかなり効いたようだ。ゼブライカにも目に見えて余裕がなくなっている。

 

「……いい手ね。驚かせて貰ったわ」

僅かに微笑むカミツレ、その姿はただ美しくファンの中からは黄色い声が聞こえてきた。

「けど、勝負はまだこれから……負けないわよ?」

「もちろん、俺だって負けません!!」

 

 

――バトルはまだ続く

果たしてグリードは、強敵カミツレに勝つ事はできるのか。

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀     【ムクバード】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】      【使えるわざ】       【使えるわざ】
・つるのムチ       ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード     ・かぜおこし       ・アイアンテール
・たいあたり       ・でんこうせっか     ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん     ・つばさでうつ      ・れいとうビーム
・へびにらみ       ・つばめがえし
・リーフストーム    ・ブレイブバード(ほぼ完成)
・リーフブレード二段斬り
・エナジーボール
・???

【キバゴ】♂     【コジョンド】♀
【使えるわざ】    【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり
・シャドークロー   ・はっけい
・りゅうのいかり   ・とびひざげり
・ドラゴンクロー   ・はどうだん
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ
           ・ギガインパクト
           ・ドレインパンチ
           ・ストーンエッジ 
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