グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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アリシアさんから貰ったタマゴから生まれたのはゴチムだった。

新しい家族が出来た事に喜びつつ、俺はサイトさん達と一緒にカンナギ遺跡へ。

そこでは、なんと伝説のポケモンであるギラティナの力を増幅する宝玉である『はっきんだま』を発見してしまう。

まあ俺にはどうでもいい事だ、それよかアヤトにいきなりバトルを申し込まれたんだよ。それも6対6のフルバトル。

バトルと聞いて燃えないのは男じゃないぜ、絶対に勝ってやる!!


第57話 〜全力フルバトル!! グリードVSアヤト(前編)〜

「――それではこれより、グリード君とアヤトによるポケモンバトルを始める!!」

審判になったサイトの声が、バトルフィールドに木霊する。

観客席には、シロナとモモカとルーテシアの姿があり、シロナの膝にはグリードのゴチムが座っている。

 

「……この勝負、アヤト君にとってもグリード君にとっても、きっと何かを生み出すわね」

「何か、ですか?」

「――全ての命は、違う命と出会い何かを生み出す。シンオウ時空神話に伝わる文の一部よ。

 グリード君とアヤト君は、互いに互いを高め合う何かを持ってる。

 だからこのフルバトルは、きっとお互いにとってプラスになるわ」

「………アヤトは、グリードさんに劣等感を抱いてるんです」

「劣等感?」

「初めは単なる友達で、頼りない友人という印象でした。

 でも、グリードさんは恐ろしいまでのスピードで成長を続けて……尊敬しているサイトさんにまで期待されてて」

「だから、劣等感を拭い去る為にバトルを?」

「違う。アヤトはそんな小さな男じゃない。

 自分には無くグリードにあるものを、自覚したから……だから、バトルを申し込んだの」

強い口調で、シロナの言葉を否定するルーテシア。

 

「アヤト、ポケモン達の為にもおもいっきり頑張ろうな!」

「……グリード」

「ん、何?」

「お前は、何故競うべき相手に対しても、そこまで正々堂々とした立ち振る舞いができる?

 何故、いつもそんなに楽しそうなんだ?」

「何でって……」

アヤトの問いに、グリードは首を傾げた。

質問の意味が判らなかったわけじゃない、どうしてそんな事を訊いてくるのかがグリードには理解できなかった。

だって、それは――

 

「ポケモンバトルは正々堂々とやるものだし、友達と戦えるんだから楽しいに決まってるんじゃないか?」

「だが、たとえ友達であったとしても勝ちたい相手には変わりない。

 それをお前は、まるで敵対心の欠片も見せようとしないじゃないか」

「だって、俺はみんなと一緒にバトルができればそれでいいし。

 そりゃあ勝ちたいって気持ちはあるけど、負けても得られる物があって楽しいじゃないか!」

「………楽しい」

「勝っても負けてもお祭り騒ぎ! ポケモンバトルって、そういうものじゃないかな?」

「タージャ」

 

その通り、とグリードの足元に居るツタージャが頷きを見せた。

……嘘も打算もない、彼の純粋なる言葉。

それは、アヤトにとって衝撃的な……けれど、ずっと胸の内に秘めていた想いでもあった。

 

(……そう、だったな)

 

小さい頃は、バトルに勝っても負けても楽しかった。

次はどんなバトルが出来るのかと、身体のウズウズが止まらない時だってあった。

なのに……いつからだろうか、無意識の内に勝利を重点に考えるようになったのは。

小さい頃の、純粋にポケモンバトルを楽しんでいた気持ちは、一体何処に行ってしまったのか。

 

(そうだ……今のオレに足りないもの、それは)

それは、グリードのようにバトルを楽しみながら成長すること。

ただポケモン達を育成するのではなく、自分が持てる最大級の愛情と信頼を寄せ、自分もポケモン達と同じように育てていく。

どんな事があっても、あくまで自分らしさを失わせない広い心。

それが、今の自分には足りないものだとアヤトは自覚する。

 

「……グリード、お前のようなトレーナーに会えてよかった。

 そして、お前と戦える事を誇りに思う」

「そ、そうかな……?」

そんな事を言われても、自覚などないグリードは照れるしかない。

この無自覚な部分こそが、彼が大切に思う人達を救う遠因になっているとも知らずに……。

 

「だからこそ、オレは全力でお前を倒す!!

 ――エレキブル、バトルスタンバイ!!」

「――レェキブルゥゥッ!!」

「なっ!?」

一匹目から凄まじいポケモンの出現に、おもわず仰け反るグリード。

 

「あら、彼はまだエレブーだったはずじゃ……」

「実は、グリードさん達が遺跡に言ってる間に進化したんですよ」

(いきなりエレキブル……すげぇのが出たな)

見た目からしてパワーは相当ありそうだ、おそらくグリードにプレッシャーを与える役目も担っているのだろう。

(でも、たとえどんなポケモンが出ても、俺は俺のバトルをすればいいだけだ!!)

自分にそう言い聞かせ、グリードも一体目のポケモンを場に出した。

 

「コジョンド、君に決めた!!」

「――コジョコジョ」

「コジョンドか……てっきりグライオンを出すかと思った」

グライオンはじめんタイプを持っているから、相性ではエレキブルに有利だ。

何か作戦があるのか、それとも……。

 

「では先攻は――グリード君、君だ!!」

「はい!! なら早速行かせてもらうぜアヤト、コジョンド、はどうだんだ!!」

「コジョッ!!」

瞬時に光球を作り出し、エレキブルに向かって放つコジョンド。

しかし。

 

「かみなりパンチ!!」

「レキブルゥゥッ!!」

向かってきたはどうだんを、右腕一本で文字通り叩き落としてしまった。

 

「コジョ!?」

「げっ!?」

当然ながら、エレキブルのダメージはゼロ、そればかりかもう一度撃ってこいとばかりに挑発までする始末。

「だったら接近戦だ、きあいパンチ!!」

「コジョー!!」

地を蹴り、間合いを詰めるコジョンド。

 

「かみなり!!」

「レブゥゥゥッ!!」

網目状に放出されるエレキブルのかみなり。

だが、それを巧みに避けながら確実に間合いを詰めていき。

 

「コジョォォォッ!!」

「ブルゥゥゥッ!?」

エレキブルの顔面に、コジョンドのきあいパンチが深々と突き刺さり巨体が宙に舞う。

しかし、エレキブルはすぐさま体勢を立て直し何事もなかったかのように着地、すぐさま反撃に移った。

 

「かみなりパンチ!!」

「ドレインパンチだ!!」

指示は同時に、互いに右手を握りしめそれぞれの技を繰り出した。

『ッ……!!?』

結果は――相打ち。

コジョンドのドレインパンチは、エレキブルの左頬に。

エレキブルのかみなりパンチは、コジョンドの腹部に深々と突き刺さり。

 

「かわらわり!!」

「とびひざげり!!」

怯みながらも、再び両者は同時に攻撃を仕掛けた。

「コジョォォォッ!?」

「レキブルゥゥッ!?」

またも相打ちに終わり、コジョンドもエレキブルも吹き飛ばされ地面を滑っていく。

 

「ストーンエッジ!!」

「ッ、コジョッ!!」

両腕を使い滑っていく身体を無理やり宙へと追いやり、すぐさま無数の石の塊をエレキブルに向かって放つ。

「まもる!!」

「ブルゥゥゥッ!!」

しかしエレキブルも起き上がり、両腕を前方に翳した。

すると、緑色の膜が形成され向かってきたストーンエッジを全て弾いてしまう。

 

「うわぁ、一体目から凄い攻防ですね……」

まだ始まったばかりだというのに、2人のバトルを観ているとハラハラしてしまう。

モモカはそう思いながらも、視線はしっかりとバトルフィールドへと向けていた。

「エレキブルはエレブーに比べてパワーは増すど、スピードは落ちてしまうわ。

 それなのにアヤトのエレキブルはエレブーの時並に動いてる、流石ね」

それに攻守のバランスも優れている、少なくとも今のコジョンドより相手を選ばない。

 

「コジョンド、もう一度はどうだんだ!!」

「コジョ!!」

すぐさま形成したはどうだんを放つ、だが威力を劣化させた技がエレキブルに通用する道理はない。

「かわらわり!!」

「ブルゥゥゥッ!!」

右手を上にあげ、迫るはどうだんを真っ二つにしてしまうエレキブル。

瞬間、それを囮にしたコジョンドが、エレキブルとの間合いを詰め。

 

「ドレインパンチ!!」

「コジョォォォッ!!」

避けきれないタイミングで、渾身の一撃を叩き込む―――!

 

「――そう来たか」

それを、アヤトは口元に笑みを見せて迎え撃った。

「捕まえろ!!」

「レキブルゥゥッ!!」

脚に力を込め、自らコジョンドのドレインパンチを受けるエレキブル。

身構えていたせいでその身体は吹き飛ばされる事はなく――背中にある2つの尻尾で、コジョンドの腕を絡め取り拘束する。

 

「何!?」

「コジョ!?」

すぐさま拘束を外そうとするコジョンドだが、その時には既に遅く。

「かみなり!!」

「レェェェキブルゥゥゥゥッ!!!」

最大パワーのかみなりが、コジョンドを容赦なく包み込む!!!

 

「コジョォォォッ!?」

「コジョンド!!」

十数秒間、エレキブルのかみなりの洗礼は続き、それが終わった時には。

「……コジョ〜……」

身体中から煙を出しながら、コジョンドは地面へと倒れ込んだ。

 

「コジョンド戦闘不能、エレキブルの勝ち!!」

「……まずは、アヤト君が先制点を取ったわね」

いいバトルだ、どちらも決して悪い指示は出していない。

しかし、スピードはともかくとしてパワーは完全にアヤトのエレキブルの方が勝っていた。

それに、最後に使った尻尾での拘束は見事だ、エレキブルの頑丈さと特徴を生かした戦法だった。

あれはグリードにとって精神的に堪えるかもしれない、シロナはそう思っていたが……。

 

「コジョンド、よく頑張ったな。ゆっくり休んでてくれ」

彼はエレキブルに目もくれず、立派にバトルしたコジョンドに対していつも通り労いの言葉を送っていた。

「グライオン、君に決めた!!」

「グライオォン!!」

倒れたコジョンドに代わり、場に出したのはグライオン。

セオリー通りだ、でんき技を無効にする戦法で戦うらしい。

 

「グライオン、クロスポイズン!!」

「グラァァァ……グライオォォォン!!」

両腕を振り下ろし、X型の衝撃波を放つグライオン。

「まもるからきあいだまだ!!」

「ブルゥゥゥッ!!」

両腕を前方に翳し、まもるを発動させ迫るクロスポイズンを防御するエレキブル。

間髪入れずに今度は両腕を胸の前に持っていき、白い光球を生み出してそれをグライオンへと撃ち放った。

 

「グラァァィ!?」

「グライオン!!」

エレキブルのきあいだまは、空中に居たグライオンに命中しダメージを与えるが、少しよろけただけで大きなダメージには至らず、グリードは反撃を指示を告げる。

「ほのおのキバ!!」

「グラァイ!!」

急降下し、エレキブルに接近するグライオン。

そして、炎を含んだ牙が深々とエレキブルの左肩に突き刺さる!!

 

「ブルゥ!? レキブルゥゥッ!!」

苦しむエレキブル、更に身体が炎に包まれ雄叫びのような悲鳴を上げ始めた。

「ちぃ………!」

「ほのおのキバの追加効果です!!」

これはグリードにとってラッキーだ、すかさず次の指示を出す。

 

「シザークロス!!」

「グライオォォォン!!」

両腕を交差させ、エレキブルとの間合いを詰めるグライオン。

エレキブルは動けない、まだほのおのキバの追加効果で身体が炎に包まれているからだ。

「グラァァィオン!!」

「レキブルゥゥッ!?」

そして、渾身のシザークロスがエレキブルを吹き飛ばす―――!

 

「よっしゃ!!」

これはまともくらった、大ダメージは必至だ。

……しかし、それでも。

「かわらわり!!」

「なっ―――」

「レキブルゥゥッ!!」

エレキブルは倒れず、あまつさえ反撃に移りグライオンに迫る!!

 

「っ、まだ動ける!?」

「グライオン、尻尾で空にジャンプだ!!」

「グラァァィ!!」

間一髪、エレキブルの攻撃を空を切り、グライオンは空中へと逃れる事に成功する。

 

(凄い体力だ……でも、あれだけの攻撃を受ければ、もう保たないはず)

そう判断し、グリードはグライオンに必殺の一撃を指示した。

「グライオン、ギガインパクト!!」

「グラァァィオン!!」

凄まじいエネルギーを身に纏い、吶喊するグライオン。

まともに受ければ当然ただでは済まない、それをアヤトは。

 

「受け止めろ!!」

「ブルゥゥゥッ!!」

あの凄まじいギガインパクトを、まもるも使わずに受け止めるようエレキブルに指示を出した。

 

――ぶつかり合う両者

 

やはりギガインパクトの威力は凄まじく、エレキブルの巨体でさえ支えきれず少しずつ後ろに後退していく。

しかし――それでも、エレキブルは倒れない。

「さすがに凄まじい威力だな、お前のグライオンのギガインパクトは」

「えっ……」

「だがそれにも欠点がある、それはいつまでも技が続かない事だ!! エレキブル、捕まえてしまえ!!」

「レキブルゥ……ブルゥァァァッ!!」

ギガインパクトを受け止めたまま、再び2つの尻尾を動かしグライオンの両腕を絡め取る。

 

「しまった!?」

(グリード君、何度も同じ手に………!)

「グラァ、グライ!!」

もがくグライオン、しかしそんな事で拘束が外れる事はなく。

 

「きあいだま!!」

「レキブルゥゥッ!!」

至近距離から、特大のきあいだまを受けてしまった。

 

「グライオン!!」

「グ、グラァ……」

グリードの声を聞き、どうにか立ち上がろうとするグライオンだが……。

「……グラィ……」

その根性は実る事はなく、地に伏せた。

 

「グライオン戦闘不能、エレキブルの勝ち!!」

「…………」

二連敗という事実に、グリードの顔にも悔しげな表情が浮かぶ。

「……アヤトって、あんなに強かったっけ?」

確かに彼は強い、正直グリード以上だとも思ってる。

しかしグリードもかなり成長した、故にこんな一方的な展開に、ルーテシアも驚きを隠せなかった。

 

「アヤト君から迷いが消えてるわ、彼は今純粋にこのバトルを楽しんでいる。

 ――そういう事ができるトレーナーは、やはり強いものよ」

 

父であるサイトの言葉、そして親友であるグリードの言葉で、彼の中に巣くっていた迷いが消えたのだろう。

しかし、グリードにとってこの状況は皮肉な結果かもしれない。

今のアヤトがここまで迷いを無くし強くなったのは、ある意味でグリードのお陰なのだから。

 

「グライオン、いいバトルだったぞ。ゆっくり休んでくれ」

「エレキブル、お前もいいバトルだった」

言いながら、まだ戦える様子のエレキブルをボールに戻すアヤト。

「ゾロアーク、バトルスタンバイ!!」

「――きゅおん!!」

代わりに出したのはゾロアーク、対するグリードは……。

 

「ムクホーク、君に決めた!!」

「――クホォォォッ!!」

「……アヤトはゾロアーク、グリードさんはムクホークですか」

相性で考えるとどちらも互角だ、しかし……ムクホークにはかくとうタイプのインファイトがある。

対するゾロアークは、ムクホークに対して有効的な技はない。

尤もそれだけで勝敗が決まるわけではないが、それでもゾロアークに決定打がないのも事実。

 

「ムクホーク、でんこうせっか!!」

「クホォォォッ!!」

加速し、突撃するムクホーク。

「ゾロアーク、かげぶんしん!!」

「きゅおん!!」

アヤトが指示を出した瞬間、フィールドに十数体ものゾロアークが出現する。

その1つに攻撃を仕掛けるムクホークだが、それは分身でありそのまま空へと舞い戻った。

 

「だったらまとめて薙ぎ払ってやる!! ムクホーク、はかいこうせん!!」

「クホォォォ……ムクホォォォッ!!」

大口を開け、特大のはかいこうせんが地面を削りつつゾロアークの分身達を薙ぎ払っていく。

「きゅぅぅ!?」

そして、遂に分身が全てやられゾロアーク本体にダメージが行き渡った。

「あくのはどう!!」

「きゅぅぅん!!」

口を開き、黒いリング状の波導を吐き出すゾロアーク。

 

「かわしてインファイトだ!!」

「クホッ!!」

迫るあくのはどうを回避し、そのスピードを殺さないまま急降下。

ゾロアークへ向かって、ムクホークはその逞しい右脚を繰り出した………。

 

 

―――バトルは、まだ終わらない

 

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀        【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】         【使えるわざ】       【使えるわざ】
・つるのムチ         ・はがねのつばさ      ・たつまき
・リーフブレード       ・かぜおこし        ・アイアンテール
・たいあたり         ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん       ・つばさでうつ       ・れいとうビーム
・へびにらみ         ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム      ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り   ・インファイト
・エナジーボール       ・かげぶんしん
・リーンフォースブレード   ・はかいこうせん


【キバゴ】♂      【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり        ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
           ・ギガインパクト
           ・ドレインパンチ
           ・ストーンエッジ 
           ・きあいパンチ

【ゴチム】♀
【使えるわざ】
・なし
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