グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

59 / 155
遂に始まったアヤトとのフルバトル。

でも、進化したエレキブルのパワーでいきなりグライオンとコジョンドが戦闘不能に。

けどまだまだバトルは始まったばかり、頑張っていくぞみんな!!


第58話 〜全力フルバトル!! グリードVSアヤト(中編)〜

「クホォォォッ!!」

ムクホークの逞しい右脚が、ゾロアークへと迫る。

ゾロアークは動けない、いくら素早くても技を繰り出した直後では回避できないからだ。

「きゅぅぅ!?」

右脚がゾロアークの脇腹に命中し、間髪入れずにムクホークは右の翼で殴り飛ばす。

 

「みだれひっかき!!」

「きゅお!!」

顔をしかめながら、両腕の鋭い爪でムクホークを迎え撃つゾロアーク。

「クホッ、クホォッ!!」

「きゅん、きゅぅぅ!!」

ムクホークの連打、ゾロアークの爪が幾重にもぶつかり合いさながら殴り合いをしているかのようだ。

 

「クホォッ!!」

しかし、アッパーのように下からすくい上げるかのような一撃が、ゾロアークの顎に命中。

脳が揺さぶられ、ゾロアークの動きが止まった。

 

「今だムクホーク、ブレイブバード!!」

「クホォッ!! ムクホォォォッ!!」

一度空中へと間合いを広げ、最大加速で必殺の一撃を繰り出すムクホーク。

身体を水色のエネルギーに包まれながら、逃げられぬゾロアークに吶喊する!!

 

「……クホォ〜」

反動ダメージを受け顔をしかめるが、ムクホークはどうにか地面に着地。

しかし、ゾロアークは。

「……きゅ〜……」

「ゾロアーク戦闘不能、ムクホークの勝ち!!」

「よっしゃ!!」

 

右手を握りしめ、ガッツポーズをするグリード。

そんな彼に、ムクホークもこくりと頷き喜びを見せた。

 

「……ようやく、グリードさんが一勝ですか」

「でも、ムクホークにも結構ダメージがいってる、連戦はキツいと思うけどね……」

「ムクホーク、戻れ!」

ルーテシアがそう呟くと同時に、グリードはムクホークをボールへと戻す。

 

「ツタージャ、君に決めた!!」

「タジャ!!」

グリードに頷きを返し、フィールドに赴くツタージャ。

「――サーナイト、バトルスタンバイ!!」

「サナ、サーナ」

アヤトが繰り出した三体目はサーナイト、それにはモモカも少し驚きを見せた。

 

「モウカザルを出すと思ってたんですけど……サーナイトでしたね」

「でも、サーナイトはツタージャに有利な技を覚える。相性の有利さは対して変わってないわ」

「……タージャ」

「……サーナ」

お互いにキッと睨み合うツタージャとサーナイト。

相変わらず仲が悪い、それを見たグリードは苦笑を見せる。

 

「リーフブレード!!」

「タジャー!!」

跳び上がり、三つ叉の尻尾でサーナイトに襲いかかるツタージャ。

「れいとうパンチ!!」

「サッナー!!」

それを、真っ向から氷を纏わせた両腕を振るい迎え撃つサーナイト。

ぶつかり合い、端から見ると互角に見える両者だが……。

 

「なっ!?」

「タジャ!?」

ツタージャの尻尾が、少しずつ凍らされていく。

ツタージャのリーフブレードが、サーナイトのれいとうパンチに負けている何よりの証だ。

「ツタージャ、早くそこから離れろ!!」

「無理だな」

「えっ……?」

 

「リーフブレードを解けば、その瞬間にサーナイトの一撃を受ける事になる。

 だがかといってこのままでは凍らされる。

 つまり、お前のツタージャに逃げ道はないという事だ。

 サーナイト、そのままシャドーボール!!」

「サナァァァ……!」

れいとうパンチを放ったまま、サーナイトの胸元にはシャドーボールが生まれ始める。

当然ツタージャは逃げられない、そして―――

 

「タジャァァッ!!?」

シャドーボールをまともに受け宙に浮き、そのまま受け身も取れずに地面に倒れ込んだ。

「ツタージャ!!」

「タ、タジャ……」

立ち上がるツタージャ、しかしダメージが大きいのか今にも倒れてしまいそうだ。

 

「負けるなツタージャ、リーフストーム!!」

「ツタァァァ……ジャァァァァッ!!」

グリードの指示を聞き、キッと顔を上げながら攻撃を仕掛けるツタージャ。

大量の葉が、サーナイトに容赦なく襲いかかろうとするが……。

 

「甘いな。サーナイト、サイコキネシス!!」

「サーナ……!」

サーナイトの赤い瞳が輝き出す。

すると、彼女に向かっていくリーフストームの動きが止まり――なんと、放ったツタージャの方に襲いかかってきた。

 

「す、凄いパワーですよあのサーナイト!!」

リーフストームを全てコントロールするなど、並のパワーではない。

しかし、グリードは動じなかった。

「そう来ると思ったぜ、アヤト!!」

「っ」

「ツタージャ、リーフブレードでリーフストームのエネルギーを全て奪うんだ!!」

「タジャー!!」

右腕を構え、自ら向かってくるリーフストームの中に飛び込んでいくツタージャ。

 

(なんて無茶な指示……でも、それを躊躇いもなく実行するツタージャも同類ね)

 

理屈はわかる、だからグリードの指示はある意味では間違っていない。

彼は、操られたリーフストームを逆に利用してリーンフォースブレードを発動させようとしているのだろう。

だが、今のリーフストームはもはやツタージャが放ったものとは違う、いくらリーフブレードで吸収しようとも、少なからずダメージを受けてしまうだろう。

ただでさえダメージを受けているというのに、これでは先にツタージャが倒れてしまう可能性だって――

 

「タジャァァ………!」

「えっ!?」

驚愕の声は、シロナの口から放たれた。

信じられない、既にサーナイトの攻撃でダメージを負い、更にリーフストームのダメージもあるというのに。

ツタージャは、己のリーフブレードでリーフストームのエネルギーを全て吸収し、シロナとのバトルで見せた大剣へとその右腕を変化させていた。

 

「いっけぇツタージャ、リーンフォースブレードだ!!」

「タ、ジャァァッ!!」

右腕を目一杯の力で振り上げ、サーナイトに叩き込むツタージャ。

「ほのおのパンチ!!」

「サーナァァァッ!!」

だが、それを黙って見ているアヤト達ではない、落ち着いてあの大剣を受け止める為にアヤトは指示を出し、サーナイトも真っ向から立ち向かった。

しかし――今回の攻撃はあまりに相手が悪すぎた。

 

「サ、ナァァ……」

あっという間に、サーナイトは膝をつき荒い息を吐き出す。

それだけツタージャの一撃が重く、そして耐え切れない事を意味しており。

「サナァァァッ!!」

サーナイトの身体が地面を削っていき――動かなくなった。

 

「タ、ジャ……」

しかし、同時にツタージャの身体も地面に沈む。

「サーナイト、ツタージャ、共に戦闘不能!!」

「ツタージャ!!」

フィールドから抜け出し、ツタージャの元へ駆け寄るグリード。

 

「……タジャ」

そんな彼に、ツタージャは心配するなと左手を上げ無事だというアピールを見せた。

「……よく頑張ったぞツタージャ、本当によく頑張った」

ツタージャを優しく撫で、自分の定位置に戻り彼女を地面に降ろす。

 

「ムクホーク、もう一度行ってくれ!!」

「――ク、クホォ」

ボールから飛び出すムクホークだが、やはりダメージが大きいのか飛行せずに地面に降り立った。

「モウカザル、バトルスタンバイ!!」

「――ウキャァッ!!」

「えっ……?」

「モウカザル、ですか?」

かくとうタイプのモウカザルは、ひこうタイプのムクホークには相性が悪い。

ただでさえ、アヤトの手持ちにはでんきタイプのエレキブルが居るというのに、何故モウカザルを出したのか真意が理解できなかった。

 

(……ムクホークはダメージを受けてる、これ以上は保たない……)

ゾロアークとの接近戦、更にブレイブバードの反動ダメージ、それによりムクホークの体力は残り少ないだろう。

だからこそ、グリードは速攻で勝負を仕掛ける事に。

「ムクホーク、ブレイブバードだ!!」

「クホォ……ムクホォォォォッ!!」

空中に飛び、一気に最大加速でモウカザルに向かうムクホーク。

 

「あなをほる!!」

「ウキッ!」

しかし、ムクホークが到達する前にモウカザルは地面の中へ。

「……どういう事でしょうか、ムクホークにじめんタイプの技なんて、効果はないのに」

「何か作戦があるのよ、アヤトが何の意味もなくあんな事をするとは思えないし」

「ムクホーク、気をつけろ!!」

ブレイブバードは不発に終わり、フィールドを凝視しながら辺りを警戒するムクホーク。

だが、アヤトの指示は誰もが予想できないものだった。

 

「モウカザル、そのままオーバーヒート!!」

 

「えっ―――」

アヤトの指示に、グリードの思考が遅れ指示を出す事が出来ない。

瞬間、フィールドから火柱が巻き上がる――!

「クホォォォッ!!?」

火柱はムクホークを巻き込み、彼を空高く舞い上げていく。

そして、アヤトは次の指示を告げた。

 

「マッハパンチ!!」

「ウキャァァァッ!!」

穴から勢いよく飛び出すモウカザル、既に右手は拳を作っている。

ムクホークはオーバーヒートの火柱を浴びて動けず、そのまま腹部にモウカザルの一撃をまともに浴びてしまい、地面へと叩きつけられた。

 

「ムクホーク!!」

「ムクホーク戦闘不能、モウカザルの勝ち!!」

「よし、いい動きだモウカザル。

 ――お前がカミツレさんとのバトルで見せたフィールドを利用する攻撃法だ、驚いただろう?」

「くっ……!」

 

悔しい、自分が考えた戦法をそっくりそのまま真似され、更にそれを進化させるなど。

でも……同時に嬉しいとも思う。

つまりそれは、自分の実力を認めてくれているという事なのだから。

 

「グリードは残り二体に対して、アヤトは残り四体……さすがに経験の差が出たのかしら」

「けど、グリード君はまだ全然諦めてないみたいだけど?」

そう言いながらグリードを指差すシロナ、見ると彼は楽しそうに笑みを浮かべている。

「呆れた……自分が負けてるって微塵も思ってないのかしらね」

 

もしくは、ただ純粋に楽しんでいるのか。

そう思ったが、間違いなく後者だろうとルーテシアは理解する。

まだグリードと知り合って日は浅いものの、それでも彼がどんな人物かなどとうの昔に理解しているのだから。

そんな彼女と同じように、シロナもまた彼の人物と才能の事について思考を巡らせていた。

 

(……あの子は、本当に強くなる。いつかわたしすら超えるくらいに。

 それなのに、どうして“あの家系”はグリード君の才能を潰そうとするのかしら……)

 

そんな事は許さない、チャンピオンマスターとして、若く素晴らしい才能を持った少年を、大人の都合で潰してしまう事だけは。

……彼の“家”の事情は、既にサイトから聞いている。

サイトはグランドチャンピオンマスターであると同時に、財政界にも詳しい。

だから、グリードの名を聞いた際に、彼がエグフィード家の人間である事はすぐに見抜いたそうだ。

そして同時に――あの家系が彼を抑圧してきた事も、知っている。

 

(……守ってあげないとね)

くだらない大人のしがらみに、子供が巻き込まれるなど間違っている。

彼の見えない所で、誰かがきちんと支えてあげなくてはならないのだ。

 

「シロナさん、どうかしましたか?」

「……いいえ。何でもないわ」

モモカの声で我に返り、シロナは再びバトルに集中する事に。

「ミロカロス、君に決めた!!」

「ミィィィッ!!」

「やっぱりミロカロス……まあ、当然ですよね」

相手はほのおタイプのモウカザル、ならば当然ここはみずタイプのミロカロスを出すのは当然と言える。

しかし――そのままモウカザルを戦わせるアヤトではなかった。

 

「戻れ、モウカザル」

「っ」

やはりミロカロスが出ると読んでいたのか、アヤトはモウカザルを戻し。

「エレキブル、バトルスタンバイ!!」

「レキブルゥゥゥッ!!」

ミロカロスに対して有利なエレキブルを、場に出してきた。

 

「堅実ね、彼は」

しかし、エレキブルにも今までのダメージが残っているのもまた事実。

確かに相性では不利だが、そんなものは今のバトルには関係ない。

 

「ミロカロス、アクアリング!!」

「ミロォォォ……」

水のオーラがミロカロスを包み、幻想的な光景を生み出す。

「かみなり!!」

「レキブルゥゥゥッ!!」

しかしそんなものでは動じない、すぐさま特大のかみなりを放つエレキブル。

 

「ハイドロポンプ!!」

「ミロォォッ!!」

迫るかみなり、それを口から吐き出した水流で相殺するミロカロス。

「アイアンテール!!」

「ミィッ!!」

尻尾の力で跳び上がり、硬質化した尻尾をエレキブルに叩きつける。

「かみなりパンチ!!」

「ブルゥゥゥッ!!」

それを、エレキブルは両腕のかみなりパンチで真っ向から受け止めた。

鍔迫り合いになる両者、しかし―――

 

「自分ごとたつまき!!」

「何!?」

「ミロォォッ!!」

もう一度跳び上がり、自分ごとエレキブルをたつまきの中に閉じ込めてしまうミロカロス。

 

「えっ!? あんな事したら自分までダメージを受けちゃうじゃないですか!!」

「いえ、たつまきのダメージはみずタイプのミロカロスにとってたいしたものにはならない。

 しかも今ミロカロスはアクアリングを発動してる、あの程度のダメージならすぐに全快するわ」

面白い攻撃法だ、自分ごと巻き込めば確実に相手をたつまきに閉じ込める事ができる。

それにより受けるダメージも、先程発動したアクアリングによって常時回復するので、実質ノーダメージに等しい。

 

「ブルゥゥゥ……」

閉じ込められ、エレキブルは思うように動けず困惑する。

「落ち着けエレキブル、かみなりでたつまきを破壊しろ!!」

「させるかよ。ミロカロス、アクアテール!!」

「ミィィィ………!」

たつまきの上部に居たミロカロスが、流れを利用して凄まじいスピードでエレキブルに接近する。

そして、アクアテールをエレキブルの頭部へと叩きつけた!!!

 

「ブルゥァァッ!?」

アクアテールをまともに受け、エレキブルはかみなりを発動できない。

「れいとうビーム!!」

「ミィッ!!」

エレキブルに攻撃を与えた衝撃をバネにして、たつまきから脱出するミロカロス。

それと同時に、れいとうビームでエレキブルごとたつまきを凍り付かせてしまう。

 

「なんだと……!?」

「今だミロカロス、最大パワーでみずのはどうを撃て!!」

「ミロォォォ……ミィィィィィッ!!!」

放たれる水色の光球。

それは凍り付いたたつまきに命中し――大爆発を引き起こす。

 

「くっ………!」

その中に居たエレキブルも、当然その大爆発に巻き込まれ……。

「……ブルゥ〜……」

「エレキブル戦闘不能、ミロカロスの勝ち!!」

「やったぜ!!」

「やるな………!」

 

「……凄い、あのエレキブルを」

「見事な戦い方ね、まるでコンテストを見ている気分だった」

「あのミロカロス、何度かポケモンコンテストに出ているんです。

 だからグリードさん、ミロカロスにはああやった戦い方をさせているんですよ」

「なる程……本当に面白い子ね、彼」

まだまだ数の上では不利に違いない、でも……エレキブルのダウンでまだわからなくなった。

 

「……さすがだな。そのミロカロスの戦い方だけは真似できそうにない」

「へへ……このまま一気に逆転させてもらうぜ、アヤト!!」

「そういうわけにはいかない、オレは……お前には絶対に負けたくないからな!!

 ――ガバイト、バトルスタンバイ!!」

「ガバァァァッ!!」

 

「俺だって、お前には負けないぜ!! ミロカロス、いっけぇ!!」

「ミロォォォッ!!」

互いに笑みを浮かべあい、自分達のポケモンに指示を出すグリードとアヤト。

 

 

―――バトルはまだ、終わらない

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀        【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】         【使えるわざ】       【使えるわざ】
・つるのムチ         ・はがねのつばさ      ・たつまき
・リーフブレード       ・かぜおこし        ・アイアンテール
・リーンフォースブレード   ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん       ・つばさでうつ       ・れいとうビーム
・へびにらみ         ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム      ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り   ・インファイト       ・アクアリング
・エナジーボール       ・かげぶんしん       ・アクアテール
               ・はかいこうせん      ・みずのはどう


【キバゴ】♂      【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり        ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
           ・ギガインパクト
           ・ドレインパンチ
           ・ストーンエッジ 
           ・きあいパンチ

【ゴチム】♀
【使えるわざ】
・なし
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。