グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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アヤトとのフルバトルも終わりが近い。

ミロカロス、キバゴ、頼むぞ。

このバトル、俺達が必ず勝つ!!


第59話 〜全力フルバトル!! グリードVSアヤト(後編)〜

「かえんほうしゃ!!」

「ガバァァッ!!」

ガバイトの口から放たれる炎が、ミロカロスへと向かっていく。

「かわしてアクアテールだ!!」

「ミッ!」

それを右に跳んで回避し、同時に尻尾を使って跳躍したままガバイトにアクアテールを叩き込む。

 

「ドラゴンクロー!!」

「ガバァッ!!」

しかし、ガバイトのドラゴンクローがミロカロスのアクアテールを完全に受け止め、空中で鍔迫り合いになるが。

 

「りゅうのいぶき!!」

「ハイドロポンプ!!」

そのままの状態で、更なる攻撃の指示を告げるグリードとアヤト。

「ミロォォォッ!!」

「ガ、バァァァッ!!」

同時に、指示通りの技を繰り出すミロカロスとガバイト。

至近距離で放ったためか、互いに互いの技を受け地面を削りながら後退していく。

 

「かわらわり!!」

「なっ―――」

指示は――アヤトの口から放たれた。

ハイドロポンプの直撃を受けたというのに、ガバイトは変わらぬスピードでミロカロスへと迫り。

「ガ、バァッ!!」

右腕を振り上げ、そのままミロカロスの頭部へと手刀を叩き込む―――!

 

「ミ、ィ……」

小さく短い悲鳴を漏らし、地面に倒れ込むミロカロス。

「頑張れミロカロス、立ってくれ!!」

「………ミ、ミィ」

グリードの声を聞き、起き上がるミロカロス。

 

「……アクアリングを発動させていたから、どうにか耐えられたようね」

しかし、ミロカロスの身体は既に限界だ。次に攻撃を受ければ間違いなく戦闘不能になる。

「ドラゴンクロー!!」

「ガバァァッ!!」

無慈悲に、すぐさま指示を出すアヤト。ガバイトも間髪入れずにミロカロスに向かっていく。

ミロカロスはまだ身構える事ができない、このままやられてしまうのか……誰もが、そう思った瞬間。

 

「ミロカロス、地面に向かってハイドロポンプ!!」

「何!?」

「ミ、ミロォォッ!!」

顔をしかめ、ミロカロスは指示通りガバイトではなく地面に向かってハイドロポンプを吐き出す。

すると――水流の勢いに押され、ミロカロスの身体が宙に浮き上がった。

 

「これは……!?」

こんな回避の方法はなかなかに面白い、驚きながらもシロナはおもわず笑みを浮かべる。

だが、それで完全に回避できたわけではない、アヤトはすぐさま追撃の指示を出す。

「追いかけろ!!」

「ガバッ!」

頷き、跳躍してミロカロスを追うガバイト。

その右腕は既にドラゴンクローが発動している、しかし――

 

「今度は地面に向かってたつまき!!」

「ミィィィィッ!!」

ガバイトには目もくれず、尻尾を回転させたつまきを地面に向かって放つミロカロス。

たつまきが地面に命中した瞬間、まるで押し戻されたかのように逆流し、たつまきがミロカロスを完全に包み込んだ。

「なんだと!?」

「ガバァッ!!?」

ドラゴンクローを放つガバイトだが、たつまきのバリアに阻まれ弾かれてしまう。

 

「たつまきをバリア代わりに使うなんて……」

これには、モモカも驚きを隠せなかった。

 

攻撃技で攻撃を相殺する方法は知っている、だが攻撃技を防御に使うなど聞いた事がない。

豪快と言うか、無茶な指示をするものだと呆れてしまう。

しかし、それは同時にポケモン達がグリードを真に信頼している何よりの証でもある。

心の底からトレーナーを信頼しているからこそ、どんな無茶な事でも一片の迷いも躊躇いもなく行えるのだ。

 

「アクアテール!!」

「ミ、ロォッ!!」

横殴りの一撃。

それは吸い込まれるようにガバイトの左わき腹に命中し、地面へと落としていく。

「ガッ………!」

倒れはしなかったものの、ガバイトは着地と同時に膝をついてしまった。

着地するミロカロス、大きく息を繰り返すがその身に宿る闘志は微塵も衰えていない。

 

「ガバイト、立て、立ってくれ!!」

「ガ、バァ……」

身体を震わせ、どうにか立ち上がるガバイトだが……今にも崩れ落ちてしまいそうだ。

「お前の力はそんなものじゃないはずだ、見せてみろ!!」

「ガバァ………!」

ガバイトの瞳が光る。

 

 

そして――“その時”は訪れた。

 

 

「ガバッ!?」

「えっ……!?」

ガバイトが、白い光に包まれ始めた。

……進化が、始まったのだ。

 

「――ガブァァァァッ!!!」

 

雄叫びが、フィールドに轟いた。

ガバイトの進化系――ガブリアスが、アヤトの声に応え進化を果たしたのだ。

「……ガブリアス」

「やったなアヤト!!」

「ああ。ありがとうガブリアス……オレの声に応えてくれて、ありがとう」

「ガブァ」

 

アヤトに対し頷きを返すガブリアス。

そして、改めてミロカロスと対峙する。

その眼光はガバイトの時よりも鋭く、ミロカロスもおもわずたじろいでしまう程。

 

「ミロカロス、アイアンテール!!」

「ミロォォォッ!!」

跳び上がり、上段から硬質化した尻尾を叩き込むミロカロス。

それを、ガブリアスは。

「ドラゴンクロー!!」

「ガブァァァッ!!」

より逞しくなった両腕を使ったドラゴンクローで、真っ向からミロカロスのアイアンテールを相殺する。

 

「なっ!?」

「りゅうのはどう!!」

「ガブァァァッ!!」

素早く右腕でミロカロスの尻尾を掴み、左腕を殴るように振るう。

その左腕にはエメラルド色の光球が形成されており、それがミロカロスに触れた瞬間、爆発と衝撃が彼女を襲った。

 

「ミィィィィッ!!?」

「ミロカロス!!」

地面を削りながら吹き飛ぶミロカロス、その距離は七メートル近くにも及び。

「……ミロォ〜……」

「ミロカロス戦闘不能、ガブリアスの勝ち!!」

その結果、ミロカロスは地に伏せてしまった。

 

「………凄い」

凄まじいパワーだ、ダメージを負っていたとはいえ、ミロカロスをああも容易く打倒するなど、あのガブリアスのパワーが強大であると物語っていた。

そして、それは同時に……グリードが追い詰められた事を意味する。

「……グリード君の最後のポケモンはキバゴ、正直太刀打ちできるとは思えないわ」

冷たい、けれどまごうことなき現実を口にするシロナ。

あのガブリアスは強大だ、いかにキバゴといえども……。

 

「キバゴ、君に決めた!!」

「キバキバー!!」

そう話している内に、グリードは最後のポケモンであるキバゴを場に出す。

元気よく飛び出すキバゴだが……ガブリアスを見て、怯えたように後ろへと下がっていく。

「キバゴ、相手は凄く強いガブリアスだ。でもお前だって同じドラゴンポケモンなんだから、恐れずに立ち向かっていってくれ!!」

「キ、キバ………!」

グリードの言葉に頷きを返し、身構えるキバゴ。

 

「よし。キバゴ、ドラゴンクローだ!!」

「キバキバキバ……!」

「ガブリアス、ドラゴンクロー!!」

「ガブァァァッ!!」

互いに同じ技が、真っ向からぶつかり合い……。

 

「キバーッ!!?」

あっさりと、ガブリアスに押し負けてしまうキバゴ。

「なら……りゅうのいぶき!!」

「キ、バーッ!!」

着地と同時に口から息吹を放つ、それと同時にガブリアスも口を開き。

「りゅうのいぶき!!」

「ガ、ブァーッ!!」

キバゴの息吹を呑み込むような、巨大な息吹を吐き出した。

それは大きさを裏切らず、易々とキバゴの息吹を呑み込んでいき。

 

「キバー!?」

キバゴすら、息吹の中に取り込んでしまった。

「やっぱり、パワーが違いすぎます………!」

身体の大きさも、純粋な力も、キバゴはガブリアスには及ばない。

これ以上は無駄にキバゴを傷つけるだけ、そう思ったモモカはグリードに声を掛けた。

 

「グリードさん、もうこれ以上キバゴを戦わせるのはやめてください!!

 ガブリアスには勝てませんよ、だから―――」

「モモカ、オレ達のバトルの邪魔をするな!!」

「っ!?」

そんなモモカの言葉を断ったのは、アヤトの叫び。

 

「これはオレとグリードが全身全霊を込めたフルバトルだ、それはたとえ誰であっても邪魔する権利はない!!」

「で、でも……」

「キバキバー!!」

アヤトの言う通り、そう言わんばかりにキバゴも声を上げる。

「モモカ、俺のキバゴはまだ戦いたがってる、だったら……退くわけにはいかないさ!!」

「グリードさん……」

「でもありがとな、キバゴの事を心配してくれたのは嬉しかった」

 

そう言ってモモカに笑みを見せ、再びバトルに集中するグリード。

……今の技では、ガブリアスには届かない。

ならば、とグリードはキバゴに指示を出す。

 

「キバゴ、練習中のあの技をやるぞ!!」

「キバッ!!」

大きく頷きを見せ、小さな拳を作るキバゴ。

「ドラゴンクロー!!」

「ガバァァッ!!」

それに警戒しつつも、何かをする前に片をつけようとガブリアスに指示を出すアヤト。

主人の命を聞き、ガブリアスはキバゴへと迫る。

 

「あなをほる!!」

「キバッ!!」

大急ぎで地面を削り、ガブリアスが来る前にキバゴは穴の中に。

そして――

「グリード、それが新しい技か!!」

 

「んなわけねえだろアヤト、今見せてやるさ!!

 ―――キバゴ、“りゅうせいぐん”だ!!」

「何!?」

「え―――っ!?」

「キバキバキバキバキバキバ………!」

 

地面を飛び出し、パワーを溜め必殺の一撃を繰り出すために空へと向かって口を開くキバゴ。

瞬間、キバゴの口から凄まじいエネルギーが込められた光球が放たれ。

空中で分解し、数十もの竜星となってガブリアスに襲いかかる!!!

 

「落ち着けガブリアス、ドラゴンクローで叩き落とせ!!」

「ガブァァァッ!!」

両腕を光らせ、迫り来るりゅうせいぐんの嵐を片っ端から叩き落としていくガブリアス。

そのパワーはやはり凄まじく、しかし……。

 

「ガッ、グッ!?」

「くっ!?」

やはり威力ではりゅうせいぐんの方が強い!!!

「りゅうのいぶき!!」

「キ、バァァッ!!」

怯むガブリアスに、渾身の息吹が叩き込まれる。

ガブリアス、そしてキバゴは既に限界だ。

 

 

『次で決めるぞ!!』

 

 

故に、彼等はこのバトル最後の指示を出した。

「ドラゴンダイブ!!」

「ガブァァァァッ!!」

「りゅうせいぐん!!」

「キバキバキバキバキバキバ………!!」

互いにフルパワー、手加減など一切していない一撃がぶつかり合い……。

 

「うっ……!?」

「うわぁっ!?」

フィールドだけでなく、周囲にまで及ぶ爆発と光が辺りを包み……暫し、世界から音が消えた。

 

『…………』

爆発に巻き込まれたキバゴ達、どちらが立っているのかを確認するために、この場に居る全ての人間がフィールドに視線を向ける。

……煙が、晴れていく。

このフィールドに立ち、勝利したのは……。

 

 

「――キバゴ戦闘不能、ガブリアスの勝ち。

 よってこのフルバトルの勝者は、アヤト!!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「…………あ」

自分の敗北を理解するまで、グリードは暫しの時間を要した。

フィールドに立つのはガブリアスのみ、そのすぐ傍ではキバゴが倒れている。

 

「………アヤト君の、勝ちか」

「…………」

アヤトが勝った、その事実はモモカとルーテシアにとって嬉しい事実だ。

でも……俯いたグリードを見ていたら、手放しに喜ぶ事などできなかった。

 

「………キバ」

よろよろと立ち上がるキバゴ、グリードはそんなキバゴの頭を優しく撫でた。

「キバ……」

ごめんなさい、そう言うように一声鳴くキバゴ。

力になれなかった、勝つ事ができなかった、それが悔しくて……申し訳なかった。

だが、グリードはキバゴを責めたりはしない。

 

「よく頑張ったぞキバゴ、本当によく頑張った。練習したりゅうせいぐんもちゃんと使えたし、いいバトルだった」

「キバ……」

「……戻れ、キバゴ」

キバゴをボールに戻し、アヤトの元へ。

 

「……おめでとうアヤト、いいバトルだったな」

「ああ。本当に……いいバトルだった」

互いに握手を交わし……アヤトは気づいた。

 

――グリードの手が、震えている

 

「グリード君、アヤト、2人ともいいバトルだったぞ」

サイトがそう言いながらグリード達の元へ。

モモカ達もまた、グリード達の元へと集まった。

「はい。お二人とも本当に凄かったです!」

「どっちが勝ってもおかしくなかったわ、さすがね2人とも」

 

「……アヤト、少しは成長できたみたいだな」

「ああ……」

「グリード君に感謝するんだぞ、彼のおかげでお前にもトレーナーとして大切なものが何かを、理解できたのだからな」

「……わかっているさ」

 

そう、それくらいアヤトにだってわかっている。

グリードがポケモン達に対して送るべき愛情と信頼を、当たり前の事だが忘れてしまいそうになる事を教えてくれた。

このバトルに勝てたのも、彼が教えてくれたから勝てたと言っても過言ではない。

と、グリードはアヤト達から離れていく。

 

「グリード?」

「……あー、えっと……そうだ、俺ちょっとみんなを休ませないと!!」

言うやいなや、逃げるようにその場を後にするグリード。

「お、おい!」

慌てて追いかけようとするアヤトだが……サイトが、彼の肩を掴んで止めさせる。

 

「親父……?」

「……今は、1人にしておけ」

「…………」

それを聞き、アヤトは追いかけるのを止める。

サイトの言う通り、今は1人にしておいた方がいいのかもしれない。

……涙を流す姿など、見てほしくないと思うだろうから。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

「タージャ!!」

「っ」

ツタージャの声で、俺は足を止める。

周りには誰もおらず、居るのは……俺を静かに見つめるツタージャだけ。

 

「……あっ、ごめんツタージャ、早くポケモンセンターに行かないと」

「………タジャ」

俺の言葉を遮るように、ツタージャは俺の身体によじ登って……頬を優しく撫でる。

「っ、はは……本当に、カッコ悪いな」

 

――負けて悔しいから、あそこから逃げた

 

ポケモンバトルは勝っても負けても楽しい、その気持ちに嘘はない。

でも……やはり、負けて悔しいという感情は、拭い去れなかった。

シロナさんとバトルした時は、心のどこかで「負けても仕方がない相手」と思っていたから、大丈夫だった。

けどアヤトは……俺の友達で、負けたくないというライバル心を持っていたから……負けたのが、こんなにも悔しい。

 

――モンスターボールが勝手に開く

 

俺が心配だったのか、全員が悲しそうな表情を向けている。

「みんな……」

じわりと、視界が滲む。

嬉しかった、こんな俺を心配してくれるみんなの気持ちが。

だから、耐え切れなくなって瞳の奥から涙を流す。

そんな俺を、みんなは優しく抱きしめてくれた。

 

……ああ、俺はなんて幸せ者なんだろう。

こんなにも、主人を想ってくれるポケモン達に囲まれるなんて、そうそうない。

だから幸せだ、と。

俺は、嬉しくなってまた涙を流す。

 

 

 

――バトルには負けた

けど、俺はまたポケモン達との絆を強くできたと思う。

それを実感し、改めて自分の幸せをかみしめながら。

暫し、俺は静かに涙を流し続けた……。

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀        【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】         【使えるわざ】       【使えるわざ】
・つるのムチ         ・はがねのつばさ      ・たつまき
・リーフブレード       ・かぜおこし        ・アイアンテール
・リーンフォースブレード   ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん       ・つばさでうつ       ・れいとうビーム
・へびにらみ         ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム      ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り   ・インファイト       ・アクアリング
・エナジーボール       ・かげぶんしん       ・アクアテール
               ・はかいこうせん      ・みずのはどう


【キバゴ】♂      【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり        ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん   ・ギガインパクト
・あなをほる     ・ドレインパンチ
           ・ストーンエッジ 
           ・きあいパンチ

【ゴチム】♀
【使えるわざ】
・なし
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