グリードくんのイルミナ学園奮闘日誌【完結】   作:マイマイ

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夏休みも終わり、再び学園生活が始まる。

さて、今日はどんな1日になるのかね。


第62話 〜学園生活再び、タッグバトル大会迫る!!〜

「――タッグバトル大会?」

 

夏休みも終わり、今日は始業式。

とは言っても、もう始業式は終わったし簡単なHRも終わったから、今日は何もする事はないわけで。

そう思っていた矢先、カレンの口からそんな言葉が出てきたのだ。

 

「そうよ。それでアンタはどうするの? もう誰かと組む予定はあるの?」

「……いや、それ以前にタッグバトル大会って何だ?」

「今HRで先生が言ってたばかりでしょ!!」

バシッと、頭を叩かれてしまった。

だ、だってしょうがねえだろ……寝てたんだから。

 

「夏休みボケをしてないように、生徒2人で一組になってポケモンバトルをするのよ。

 言っておくけど、ここで成績を残せなかったり不甲斐ないバトルをしたら、ただの補習じゃ済まないわよ……?」

「お、脅すなよ……」

「事実を言ってるだけよ、それより誰かと組む予定はあるの?」

「あるわけないだろ、今初めてそんな大会があるって聞いたんだから。あっ、でも……アヤトと組もうかな」

「……あれを見ても、アヤトと組みたいって思える?」

くいっと、ある方向を指差すカレン。そちらへと視線を向けると……。

 

「あいこでしょ、あいこでしょ!!」

「くっ……モモカもフェイトもチョキを出しなさい、ワタシがグーを出すから!!」

「そ、それじゃあ負けちゃうもん………!」

「…………」

 

凄い形相でジャンケンを繰り返すモモカ達、アヤトはもう勝手にしてくれと沈黙を貫いている。

……あの中に入ったら、ヤバそうだ。

 

「アヤトと組むのは無理そうだな」

「わかったみたいね、それで提案なんだけど……その、あたしとタッグを組まない?」

「カレンと?」

「……嫌なら、別にいいけど」

「違う違う。俺なんかでいいのかって事だよ」

「前のアンタならともかく、今のアンタの実力は一年の中でも逸脱してるわ。

 アンタとなら、結構いい所まで行けると思える」

「そうかなぁ……」

 

確かに、俺も学園に来た頃よりトレーナーとしての質は上がってると思うけど、そんなにでもないと思う。

けど、カレンは首を振って言葉を続ける。

 

「自信を持ちなさい、そう言ったでしょ? アンタは強いトレーナーよ、あたしより……ずっと、ね」

「…………」

そう告げたカレンの表情が、少しだけ曇る。

一体、何を思い出したのだろう……。

 

「……それより、あたしと組むの? 組まないの?」

「組む組む、よろしくお願いしまーす」

「よろしい。じゃあ早速タッグバトルの作戦会議を始めるわよ」

「うーい」

返事をしつつ、カレンと共に席から立ち上がる。

 

「あ」

『あーーーっ!?』

 

どうやら、向こうでは決着が着いたようだ、見てみると……勝ったのはフェイトらしい。

あーあ、モモカはぐったりと倒れてるし、ルーテシアは悔しいのか壁をガンガン殴ってる。

アヤトは……どこかほっとした表情を浮かべていた。

まあそれもそうか、あの3人の中でフェイトが一番安心できるからな。

 

「日頃の行いって、本当に大事みたいね」

冷めた目でカレンはそう呟く。

 

「ぐぅぅ……どうしてフェイトちゃんばっかり」

「世の中間違ってる、不公平よ……」

「日頃の行いが悪い証拠だな」

「酷いですよアヤト!!私は毎日良い行いをしてる……と思ってるんですよ!?」

「……思ってるだけなんだ」

 

「グリード、これ以上あんなつまらないコントに付き合ってる暇なんてないわ、行きましょ」

「お、おぅ……」

ピシャリと言い放ち、さっさと教室を出て行くカレンに、俺も急いで後に続く。

「ところでグリード、アンタ夏休みの間にグライオンとクチートをゲットしたんですって?」

「ああ。アリシアさんから貰ったタマゴも孵ったから、正確には三体ゲットした事になるな」

「……アンタ、ちゃんと七体目以降のポケモンのデータ、学園のパソコンに転送したわよね?」

「えっ?」

 

転送って……何の話だ?

そう訊くと、カレンは額に手を当て大きくため息を出した。

 

「……七体以上のポケモンをゲットした場合、学園のパソコンにそのデータを更新しておかないと、いざそのポケモンを使ったら反則負けになるわよ?」

「えっ!?」

「当たり前でしょ、手持ちは六体までなのに、登録もしないで七体目にゲットしたポケモンを使用したら、反則じゃない」

「そ、そうだったんだ……」

あ、あぶねー、グライオンはいいとして……クチートとゴチムはそんな処理をしないとバトルで使えないんだ。

 

「ちなみに、七体目はボールごと預けないといけないのか?」

「普通のトレーナーならそうだけど、学園の生徒ならバトル以外の使用なら許可されてるわ。

 普通は七体以上ゲットするとボールは操作できなくなるけど、学園で支給されたボールは特別製だから、ちゃんとポケモンを出せたでしょ」

「なる程。でも何で学園のボールは特別製なんだ?」

「それはもちろん多くのポケモンと触れ合う機会を増やす為よ、まあ殆どの生徒はアンタみたいにゲットしたポケモン全部を連れて歩いたりせずにパソコンに預けたりしてるけどね」

そんな事より、とカレンは話を別のものに変える。

 

「タッグバトルのルール、わからないわよね?」

「何だよ、わからない前提で言われるとちょっとむっと来るんだけど」

「わかるの?」

「…………いいえ」

見栄を張るのは悪い事とは思わないけど、明らかに見栄の張り方を間違えた。

ここは素直に聞いておく事にしておこう。

 

「ルールは各トレーナーにつき使用ポケモンは一体ずつ。でも三回戦からは二体になって、準々決勝以降は三体になるわ。

 ポケモンの交代はどちらも自由、先に相手両者のポケモン全てが戦闘不能になれば勝ちよ」

「って事は、片方のポケモンを倒しても勝負はつかないってわけか」

なかなか大変そうだ、ちょっとメモしとかないと忘れそう。

 

「基本的なルールはこれくらいね、でも……タッグバトルはただのダブルバトルとは違う。

 如何にパートナーのトレーナーと息を合わせられるかに懸かってる、独りよがりな戦い方じゃ絶対に勝てないわよ?」

そんな事しないでよ、という視線を向けてくるカレン。

信用ないな……ちょっと悲しくなる。

でも、今までのような戦い方では最後まで通用しないという事だけはわかった。

 

「次に役割分担だけど、アンタは攻めであたしは補助、それでいいわよね?」

「いいけど……カレンが補助でいいのか?」

「アンタに補助を期待しても無駄だしね、それにあたしにはエルフーンが居るから」

「あ、そう……」

失礼な物言いにちょっとカチンと来たけど、その通りなので言い返す事ができない。

くそぅ、とカレンを軽く睨んでいると……懐かしい2人がこちらへとやってきた。

 

「グリードくん、久しぶりだね……」

「やあグリード、夏休みは満喫できたかい?」

最初のはソラネ、その次のはサクラのだ。

「おっすサクラ、ソラネ」

「……おや、また一段と成長できたみたいだね」

「えっ?」

「顔を見ればわかるよ、この夏休み……ただ普通に過ごしてきたわけじゃなさそうだ」

「そうかな……?」

まあ、確かに色々な意味で普通の夏休みじゃなかったけど、成長してるか自分じゃわからないもんだ。

 

「タージャ」

「あっ、ツタージャ。お前居ないと思ったらサクラの所に行ってたのか」

サクラの頭から降り、素早く俺の肩に移動するツタージャ。

 

「ところでグリード、君は今度のタッグバトル大会では誰と組むんだい?」

「ん、ああ、俺はカレンと組むんだ」

「が、頑張ってねグリードくん、カレンちゃん。私、応援してるから」

「サンキュー、ソラネ」

「ありがとう」

 

「――アリアキーック!!」

「ぐはっ!?」

突然背中に襲いかかる鈍痛と衝撃。

身構えてはいなかったから、俺はそのまま前のめりで倒れ込んでしまった。

……今のネーミングセンスのない蹴り技は。

 

「こらアリア、いきなり何しやがる!!」

「グリードがボケッと突っ立ってるから、アリアが活を入れてあげたんじゃない」

「なーにが活だ、明らかに攻撃だったぞ!!」

「男が細かい事をグチグチと言わないの」

ふふんと、勝ち誇ったように胸を張るアリア。

……よし、ならばアリア専用禁止ワードの発動だ。

 

「……チビまるが」

「っ、チ、チビって言うなー!!!」

あっという間に沸点を越え、俺に襲いかかってくるアリア。

しかし、二度も攻撃を受けるほど俺は愚かではないのだよ!

 

「くぬ、くぬ〜!!」

俺の手がアリアを押さえ、それだけで相手は攻撃を俺に届かせられなくなる。

まあしょうがないわな、だってアリアは身体が小さいから身長差がある俺に押さえつけられればこうなる。

「こらぁ〜、卑怯だそグリード!!」

「いきなり背後から不意打ちをする輩に言われたくはないんだよ。悔しかったらもっと大きくなってみろ」

「うが〜、気にしてる事を言うなー!!」

 

「……何やってるのよ、アンタは」

呆れたようなカレンの呟きは、聞こえないフリをした。

こうして、俺は暫くアリアを玩具にして楽しんでいましたと―――

「隙あり!!」

「ぐはっ!?」

……反撃に遭いました。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「――それで、一回戦はどのポケモンを出すの?」

アリア弄りに飽きたので、作戦会議をするため俺の部屋へと移動した。

 

「そうだなぁ……ちなみにカレンはもう決めてるのか?」

「ええ。エルフーンにしようと思ってる」

「エルフーンか……」

「何よ、文句あるの?」

「そうじゃなくて、エルフーンだとしたらツタージャは無理だなって」

「タジャ!?」

何でよ、と抗議の視線を向けながらポカポカと叩いてくるツタージャ。

 

「だってしょうがねえだろ、タッグバトルなのに同じタイプにするわけにはいかねえんだから」

「………タジャ」

あ、拗ねた。

頬をぷくっと膨らませてそっぽを向くツタージャは可愛いけど、機嫌をとってやらないと後が恐そうだ。

……ここは、みんなに訊いてみるか。

 

「みんな、出てこい!」

七つのボールを一斉に投げ、みんなを部屋の中に出す。

ちょっと……いやかなり狭くなったけど、この際しょうがない。

「一回戦に出たいポケモンはいるかー?」

俺がそう訊いた瞬間、みんな一斉に鳴き始めアピールをし出した。

ってか煩い!!

 

「ちょ、ちょっとみんなストップ!! わかったから静かにしてくれ!」

あーうるさかった、カレンなんか耳を塞いでるし。

どうやらみんなのやる気は充分なようだ、となると……やっぱり俺が決めるしかないよな。

とりあえずツタージャと……ゴチムも、まだ無理か。

特訓はしてるけど、まだバトルに耐えられるレベルじゃない。

「う〜ん……」

悩むなぁ、みんなの中からたった一体だけ選ぶのって、かなり大変だ。

 

「深く考えてるから悩むのよ、こういう時は直感で選ぶのも一つの手よ」

「直感か……」

カレンに言われ、もう一度みんなに視線を向ける。

「自分を選べ」という視線を返してくるのは、ちょっと恐い……。

 

「…………決めた。一回戦は……ムクホーク、お前で行く」

「ムクホォォッ!!」

嬉しそうに一声鳴くムクホーク、他のみんなは残念そうに俯いて……。

「ちょ、ミロカロス、泣かないでくれよ!!」

「ミ、ミィ……」

「…………はぁ」

呆れを含んだカレンのため息が、部屋に木霊する。

な、何はともあれこれで一回戦のポケモンは決まった。

後は……それに向けて特訓するだけだ。

 

「頑張ろうなムクホーク、みんなも勝ち進んだら出番があるから、同じように頑張っていこう!」

「勝ち進んだら、の話だけどね」

不安になるような事を言うんじゃねえ!!

 

「ところで、タッグバトル大会っていつだ?」

「明日よ」

「明日なの!?」

いくらなんでも急すぎるだろ!!!

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「―――ったく、なんで始業式の次の日にやるんだよ」

「言ったでしょ、夏休みボケをしてないか確かめる為だって」

 

翌日。

俺とカレンは、会場になるバトルフィールドへと赴いた。

 

「って、観客が居るのかよ」

まるでテレビで見たポケモンリーグのバトルスタジアムに来たようだ、ちょっと緊張してきたかも……。

「おい、大丈夫か?」

後ろから誰かに声を掛けられた。

振り向いてみると……そこに居たのは、アヤトとフェイトだ。

 

「よ、よぉ……」

「声が上擦ってるぞ……コンテストにも出た事があるのに緊張してるのか?」

「し、しょうがないだろ……あんなに人が居るとは思わなかったんだ」

やれやれと肩を竦めるアヤト、ちくしょー……余裕そうじゃねえか。

 

「お前とはまたバトルしたいんだ、オレ達と当たるまで負けるなよ?」

「へん、それはこっちの台詞だよ!」

睨み合う俺とアヤト、すると……人混みの中からポケモンが俺達の前に現れた。

「あれ……お前、もしかしてアオイのジャノビーか?」

「………ジャノ」

俺達の姿を確認したジャノビー、こちらを向いてぺこりと頭を下げた。

 

「ジャノビー、あまりわたしから――」

「あ」

人混みの中から現れた1人の少女。

その子――アオイは俺を見るなり、心底会いたくなかったとばかりに睨みつけてきた。

 

「……ジャノビー、行くぞ」

「ジャノ……」

一瞬迷ったジャノビーだったが、おとなしくアオイについていく。

 

「……あいつも、出てるのか」

「上級生も出場しているからな。……今回の大会は随分レベルが高そうだ」

「…………」

確かに、レベルは高いと思う。

アヤトにフェイト、モモカにルーテシア、そしてアオイ。

更には、上級生も混じっているのだから、一筋縄ではいかないだろう。

 

「……でも、だからこそ燃えるんだ」

どんな強敵が来ても、俺は俺のポケモン達の力を信じるだけ。

「そうだな……お前の言う通りだ」

「よーし、絶対優勝してやるぜ!!」

「大きな声出さないでよ、恥ずかしい」

「タージャ」

 

呆れたような声も、今の俺には届かない。

このタッグバトル大会で、必ず優勝する。その思いしか今は存在しないからだ。

―――やってやるさ!!

 

「ツタージャ、頑張ろうな?」

「タージャ!!」

 

 

 

 

To.Be.Continued...




【ツタージャ】♀        【ムクホーク】♂      【ミロカロス】♀
【使えるわざ】         【使えるわざ】        【使えるわざ】
・つるのムチ         ・はがねのつばさ     ・たつまき
・リーフブレード       ・かぜおこし         ・アイアンテール
・リーンフォースブレード  ・でんこうせっか      ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん       ・つばさでうつ        ・れいとうビーム
・へびにらみ          ・つばめがえし       ・じこさいせい
・リーフストーム        ・ブレイブバード      ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り ・インファイト        ・アクアリング
・エナジーボール      ・かげぶんしん       ・アクアテール
                ・はかいこうせん      ・みずのはどう


【オノンド】♂     【コジョンド】♀    【グライオン】♂
【使えるわざ】     【使えるわざ】     【使えるわざ】
・ダブルチョップ   ・みきり         ・シザークロス
・シャドークロー   ・はっけい       ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり   ・とびひざげり     ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー   ・はどうだん      ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき   ・おうふくビンタ    ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん   ・ギガインパクト
・あなをほる     ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう   ・ストーンエッジ 
            ・きあいパンチ

【ゴチム】♀
【使えるわざ】
・なし
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