一回戦に勝利した俺達は、そのまま二回戦三回戦と勝ち進んでいき……。
「グライオン、ギガインパクト」
「グラァィ、グライォォォンッ!!」
「エルレイド、リーフブレード!!」
「エルレィィッ!!」
グライオンとエルレイドの同時攻撃が、相手のポケモンを吹き飛ばす。
「ライチュウ、サニーゴ、戦闘不能。グライオン・エルレイドの勝ち!!
よって勝者、グリード・カレンチーム!!」
『決まったー、準々決勝を勝ち進んだのはグリード・カレンチームだ!!
またしてもストレート勝ちを果たした一年チームが現れました、本当に今回の大会はレベルが高い!!』
「へへんっ」
実況にそう言われると、つい得意げに胸を張りそうになるが、我慢して押し留める。
……アヤト達も準決勝まで勝ち進んだ、そろそろ……当たる覚悟をしておかないとな。
『さあ、これで準々決勝のバトルは全て終了です。そして準決勝の対戦カードは……これだ!!』
モニターに現れる対戦表。
「っ」
カレンの身体がびくりと反応する。
……アヤトチームの相手は、モモカ・ルーテシアチーム。
そして――俺達のチームは。
「――アオイ」
そう、あのアオイのチームと当たってしまったのだった……。
…………。
「凄まじく災難ですねぇグリードさん達、あの人と当たるなんて」
ぐでー、とテーブルに突っ伏すモモカ。
準決勝まではまだ時間がある、というわけで俺達は学園の中にあるカフェテリアにて休憩をする事に。
「そういえば、アヤト達はあのアオイとかいう人の事、知ってるの?」
不思議そうに首を傾げるルーテシア、そういえば彼女はアオイと面識が無かったっけ。
「最低なトレーナーですよ、力だけが全てみたいな考え方で、ポケモンの事を強さを誇示する為の道具みたいに扱おうとするんです!!」
露骨に不機嫌そうな表情を見せ、モモカはかなり偏った説明をルーテシアに告げる。
「まあまあ、アオイはアオイなりに強くなる方法を探してるだけなんだよ、きっと」
「……グリードさん、どうしてそこまであの人の肩を持つんですか?
というか、一番ボロクソ言われてるのに怒らないなんて……変な物でも食べました?」
「失礼だなお前、確かにムカついたりしたけど……あいつは凄い奴だよ」
「はぁぁぁ?」
何言ってんだコイツ、みたいな視線を向けられた。
まあ無理もないけど、とは思いつつ俺は言葉を続ける。
「あいつのやり方は確かに端から見ればポケモンを大事にしてないだけの酷い育て方かもしれない。でもあいつのポケモン達は少なくともあいつについていってる、だから全部が全部間違ってるわけじゃないさ」
他ならぬポケモン達がアオイのやり方で強くなろうとしているなら、全てを否定する権利は誰にもないはず。
ポケモントレーナーという存在が星の数居るように、それぞれ育て方が違うのだから。
「むぅ……グリードさんは優しすぎですねぇ」
「お前がグリードより子供なだけさ」
「むむむ……」
ぽんぽんとアヤトに頭を叩かれ、唇を尖らせるモモカだが、なんだか嬉しそうだ。
まあとにかく、あいつとバトルができるのは素直に嬉しい、だって強い相手とバトルできるのは楽しいからだ。
……でも、カレンは。
「カレン、大丈夫か?」
「あ………」
アオイと戦うとわかってから、カレンの表情は浮かない。
何が原因かわからないけど、確執がある相手とは戦いたくないという気持ちは、わからないでもない。
「……ありがと、グリード。あたしは大丈夫よ」
「カレン……」
「ちゃんと向き合えるから……うぅん、あの子と……向き合わないといけないから。
あんたと一緒なら……きっと大丈夫」
「………そっか」
カレンの表情は無理でもなんでもない、いつも通りの少し強気な笑みを浮かべている。
それが嬉しくて、俺も笑みを返す。
と。
「アリアキーック!!」
「ごはぁっ!!?」
真横からの凄まじい蹴りで、俺は地面を滑っていく。
「ア、アリア……何しやがる……」
完全に緩んでいたから、アリアの蹴りは深々と突き刺さり咳き込みながらも立ち上がった。
「ラブコメしてるから、なんとなく蹴ってみました――って、いたたたたたたっ!!?」
偉そうに胸を張るアリアに近づき、アイアンクローを叩き込んだ。
「そんな理由で蹴りを入れるんじゃねえ、このチビ悪魔!!」
「いたーい!! それにチビって言うなー!!」
「いいぞー、もっとやれもっと」
「何の脈絡もなく登場して煽るなハク!! いだだだだっ!!」
ハク、いつから居たんだろう……ニヤニヤと嫌な感じの笑みを浮かべつつ、アリアをもっと痛めつけろと煽ってる。
「そこまでにしておいた方がいいよグリード、さすがに可哀想だ」
苦笑しながら登場したサクラがそう言うが。
「だが断る!!」
「えええええっ!!? 普通そういう時は渋々ながらもちゃんとやめてくれるものじゃないの!?」
「敢えて緩めないのが俺クオリティ!!」
「全然威張れる事じゃないよ!? 痛いー!!」
「……いつも賑やかね、あなた達は」
「マイ……」
「わっ、四天王が全員集合するなんて、どうしたんですか!?」
確かに、こんな事は珍しい、まあその内の1人はちょっとぐったりしてきたけど。
「グリードくん、アリアちゃんがぷるぷる震えてるよ!?」
「はっはっは、大丈夫だよソラネ。こんな事じゃ死なないから」
「文面じゃわからないけど、凄い棒読みだよグリードくん!?」
ソラネが本気で慌て始めたので、渋々アイアンクローを解いてやる。
そうしたら、アリアはそのまま地面に沈んでしまった。
「アリアちゃん!?」
「うわー……グリードさん、ちょっとやりすぎじゃ……」
ぐったりとしているアリアだが、大丈夫。
魔法の言葉を言えば、すぐ起きあがるから。
というわけで、俺は早速アリアの耳元で魔法の言葉を呟く。
「……ちっちゃい先輩」
「うがーっ、ちっちゃいって言うなー!!!」
「起き上がった!?」
「まあ、小さいのがアリア唯一の存在意義だからな」
「いきなり酷い事言われた!?」
「アリア弄りも飽きてきたし、みんな揃って来た理由を訊きたいんだけど」
「……ひどいよぉ……」
よよよ、と崩れ落ちるアリアだが、俺を含めみんな気にしない。
……俺も大概だけど、みんなも結構ひどいよな。
「準決勝まで危なげなく突破したから、おめでとうと賛辞を送りに来たんだ」
「べ、別にそんな事されても嬉しくなんかないんだからね!!」
「……何で急にツンデレ風に言ったの?」
「グリードさん、気持ち悪いです」
「地獄に落ちて」
絶対零度の視線で、モモカとルーテシアがそう吐き捨てた。
「べ、別にそんな事言われたって、嬉しくも何ともないんだからね!!」
「ツンデレの使い方間違ってるよ!? 貶されて嬉しかったの!?」
「……グリード、君はこんなキャラだったかな?
それにソラネ、いつの間にそんな鋭利なツッコミができるようになったんだい?」
「そりゃあそうだよ、何せ今度のコンテストではポケモン漫才をやるらしいし……」
「しないよ!? というより、演技じゃないよそれ!!」
「じゃあ、ソラネが世界一のツッコミマスターになる為にツッコミ王国からやってきたツッ・コミー姫だって噂は本当だったのか……」
「なにその噂!? しかも救いようがないくらいネーミングセンスがないよ!?」
「……グリード、一体どうした?」
「いや、なんかアリアが来てから頭の中にもう1人の自分が……」
「厨二禁止!!」
「……やれやれ、なんだか余裕だね」
「まあね」
次は準決勝、しかも相手はあのアオイだ。
緊張しないと言えば嘘になるけど、いつも通りの自分で居ないとちゃんと戦えない。
それに……俺は1人じゃない、隣には頼もしい相棒が居るのだから。
「フェイトちゃん、ルーちゃん、準決勝で勝った方がアヤトとデートできる権利を得られる、というのはどうですか?」
「いいわね」
「う、うん……」
「いいわけないだろ」
「でもさ、モモカ達が勝ったら3人でデートするのか?」
「いいえ。そうなったらどちらか1人がデートになるんですが……準決勝の前に、ちょっとO・HA・NA・SHIしましょうか?」
「そうね……決着をつけるのもいいかもしれないわね……」
ゆらりと立ち上がり、殺気立つモモカとルーテシア。
おいおい、殴り合いにはならないでくれよ。
とは思いつつ、俺達は揃ってその場をそそくさと離れる。
って、フェイトもちゃっかり離れてるし。
「さて……グリード、そろそろ準決勝の準備をした方がいいよ」
「そうだな〜」
早くこの場から離れよう、そう思い俺達はその場を後にしようとして。
『勝負!!』
ボコスカと、変な打撃音が聞こえてきたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『準決勝第一試合を開始したいと思います!!』
今日も会場は大盛り上がり、俺達は観客席で観戦なんだけど……。
「………♪」
「サーナ♪」
「……タージャ」
「……ティア、サーナイト、ツタージャ、くっつき過ぎ」
ティア(人間形態)は俺の右手を握り、サーナイトは左手を握り、そしてツタージャは俺の膝の上に座っている。
おまけにみんなかなりくっ付いてる……熱くはないけど。
サーナイトは今回のメンバーから外れたとはいえ……おかしくない?
「…………」
「…………」
「…………」
痛い、めちゃくちゃ痛い。
カレンとソラネとサクラの、ジトッとした視線が痛い。
ていうかサクラ、お前四天王用の席に座ってたんじゃないのか。
「羨ましい限りだねグリード、でも鬱陶しいから僕の視界から消えていちゃついてくれないかな?」
「……グリードくん、階段から落ちて怪我すればいいのに」
「見境なしなのね、このバカは」
「…………」
なんでそこまで言われなきゃいけないんだ〜、とは言えず、俺は黙って試合を観戦する事に。
「ムウマージ、出てきてください!!」
「ムゥ〜マジ」
「デンリュウ、レッツダンシング!!」
「リュァァッ!!」
モモカの一番手はムウマージ、ルーテシアはデンリュウか。
さて、アヤトとフェイトは……。
「――エレキブル、バトルスタンバイ!!」
「レキブルゥゥッ!!」
「レントラー、お願い出てきて!!」
「レントォォッ!!」
エレキブルに……レントラー?
「おや……同じでんきタイプだね」
「どうして同じタイプを出したのかしら?」
「さてな、でもアヤト達の事だから何か考えがあるんだろ」
さて……そろそろ始まりそうだ。
勝つのはアヤト達か、それともモモカ達か。
それはまだわからないけど、このバトルは……見応えがあるものになる。
ツタージャ達も、今ではじっと試合を見つめている、俺にベタベタするのはやめないが……。
「エレキブル、かみなりだ!!」
「ブルゥゥゥッ!!」
「レントラー、チャージビーム!!」
「トラァァァッ!!」
先攻はアヤト達から、ほぼ同時に技を放ち、ムウマージ達を襲う。
しかし、何故か相手はその場から動く事はなく。
「あくのはどう!!」
「ムゥ〜マ!!」
「かみなりパンチ!!」
「リュァァッ!!」
エレキブルのかみなりをムウマージが、レントラーのチャージビームをデンリュウが、それぞれ簡単に相殺してしまった。
「……手加減してるなら本気でやった方がいいですよアヤト、フェイトちゃん」
「もしこれが本気なら……ワタシ達の勝ちね」
不敵な笑みを見せるモモカとルーテシア、わかりやすいくらいの挑発だ。
「………そうか、ならば様子見はなしだ」
「そうだね。そんなの失礼だよね」
そのわかりやすいくらいの挑発にあえて乗る気なのか、アヤト達の口元にも不敵な笑みが。
さあ、本当の勝負はここからだ。
みんな、おもいっきり全開でバトルしてくれよな!!
To.Be.Continued...
【ツタージャ】♀ 【ムクホーク】♂ 【ミロカロス】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・つるのムチ ・はがねのつばさ ・たつまき
・リーフブレード ・かぜおこし ・アイアンテール
・リーンフォースブレード ・でんこうせっか ・ハイドロポンプ
・かげぶんしん ・つばさでうつ ・れいとうビーム
・へびにらみ ・つばめがえし ・じこさいせい
・リーフストーム ・ブレイブバード ・ふぶき
・リーフブレード二段斬り ・インファイト ・アクアリング
・エナジーボール ・かげぶんしん ・アクアテール
・はかいこうせん ・みずのはどう
【オノンド】♂ 【コジョンド】♀ 【グライオン】♂
【使えるわざ】 【使えるわざ】 【使えるわざ】
・ダブルチョップ ・みきり ・シザークロス
・シャドークロー ・はっけい ・れんぞくぎり
・りゅうのいかり ・とびひざげり ・ほのおのキバ
・ドラゴンクロー ・はどうだん ・クロスポイズン
・りゅうのいぶき ・おうふくビンタ ・ギガインパクト
・りゅうせいぐん ・ギガインパクト
・あなをほる ・ドレインパンチ
・りゅうのはどう ・ストーンエッジ
・きあいパンチ
【クチート】♀ 【ゴチム】♀
【使えるわざ】 【使えるわざ】
・てっぺき ・なし
・アイアンヘッド
・かえんほうしゃ
・ねごと
・ラスターカノン